なおもイマドキ英語スラングシリーズが続いている形ですが、今回は、よく見たらこないだ登場していた語で既に触れていた関連語が再登場していました。
…しかもそれが2つもあった感じですけど、前回の終わりにチラッと書いていた通り、ちょうどその語に関連したご質問を含むコメントをまたいただいていたので、いいタイミングですしそちらに触れながら振り返っていこうと思います。
毎度おなじみ、元ネタ記事はこちら(↓)、Verywell familyの55語記事ですね。
微妙に順番が入れ替わるものの、その再登場語である2つを改めて引用しておきましょう。
- Ghosted - 連絡を絶つことで、関係を終わらせること
- No cap - 「マジで本当なんだって」「ウソじゃないよ!」
ズバリ、こないだのCapとCurveの記事(↓)で触れていた関連語が、改めて下の方でちゃんと単独のエントリーとして改めて紹介されていた形でした。
CapとNo capは、関連語というより単にNoのあるなしで意味もちょうど真逆になるという、「一緒やん」と思えるものですが、GhostとCurveは、前者が「連絡先全消去・ブロックなどで、積極的に関係ブッチ切り」に対し、後者は「なるべく避けるようにする・話をしても恋愛みたいな話題になったら話を逸らす」という感じでややマイルドな拒否り方という感じですね。
そんなわけで、この辺りの記事で取り上げたスラングに対してご質問を含むコメントをいただいていたので、それを抜粋してもうちょい話を広げさせていただくといたしやしょう。
(curveやghost以外にも、せっかくなので触れさせてもらう形です。)
コメントの方は、おなじみアンさんよりご送信いただいたものになります。
「ここにもうちょい触れておきたかったんだ」と思える点やその他面白ナイス発展ポイントのご指摘ご言及、毎度本当に感謝の限りにございます!
単語ごとに、順番に参りましょう。
私は一応法・経済系の学部出身ですが、CEO…?聞いたことあるな、、くらいでした笑
あぁ、スラングの方も「よっ!社長!」みたいなノリで使われる感じなんですね。まぁ、ノリは違うとしても、そのままと言えばそのままですね、これは。
⇒そう、記事では「日本語として例えると…」という点を書こうと思っていたのにそういえば忘れていたのですが、あえていえば、「社長」という言葉が、若者の間で「○○社長」みたいな形で何かが得意な人を褒める感じで流行っている、って感じだということですね。
例えば「カラオケ社長」とか「スケボー社長」とか、そういうまぁ特に成績評価とかがされるわけでもない趣味の活動に対して使われることが多い感じだと思いますけど、正直なんとなく昭和を感じる「何かつまんねぇというかダセェ表現だな(笑)」とも思えてしまうものの(笑)、多分日本でもインフルエンサーが使ったとしたら普通に流行りそうな気がする、使いやすい表現だといえましょう。
(ただ、例を考えていて思いましたが、日本の場合伝統的に「宴会部長」とか言いますし、我々日本人には「社長」とまで呼ぶのはおこがましいことだと感じる奥ゆかしさがあるとでもいいますか(笑)、あぁむしろ「鍋奉行」とか、それこそよく考えたら「○○名人」なんてのもそもそもは囲碁・将棋用語だったものが一般に使われるようになったものですから、ある意味これもスラングの一種ですし(まぁスラングというのは不自然なぐらい、完全に日常語として定着したものではありますが)、意外と「何かに秀でた人・まとめ役を指す言葉」は日本語には元々豊富だ、ってことはあるかもしれませんね。)
(関連して、囲碁、将棋、それから麻雀とあとはやっぱり野球なんかは、元々その世界の専門用語だったものがあまりにも普及して市民権を得て、最早それが由来であることを知らない人の方が多いぐらいの言葉が多いですよね。
そのパターンの言葉、マジで枚挙に暇がないですけど、個人的に「へぇ~そうなんだ!」と思えたものを1つずつ挙げていくと、「駄目」が囲碁用語というのは最初に知った時は驚きでしたし、ややセンスの悪い急激にお金を稼いだ人を指す「成金」はそういえば将棋用語か…とも思えますし、麻雀からはやはり「テンパる」が、元々の「聴牌(てんぱい)」からは若干意味がずれるものの、普通の若者用語かと思いきや完全麻雀用語で意外でしたし、野球はもうありすぎて挙げるのも難しいですが、むしろ多くのネットスラングが野球掲示板系由来で、現在進行形で新語を生み出し続けてるものに思えますね…!)
…と、無駄に大して関係ない日本語ネタに話が広がってしまいましたが、続きに参りましょう。
curveは、対面を避ける的な意味だと、日本語の「スルー」と使い方が似てるように思いました(意味ではなく)。“日本語のスルー”っていう言い方も違うかもしれませんが、英語のthroughはその意味ではないですよね?
⇒日本語の、「あえてやり過ごす・受け流す・無視する」という意味での「スルー」は、もちろん英語のthroughがその由来だと思いますけど、これは完全和製英語で、英語のthroughにその意味はないですね。
まぁthroughは前置詞で「~を通して」みたいな意味を持ちますし、「go through」なら「通り抜ける」という意味になりますからそこから派生したんだと思いますし、文脈によってはまさに「go through」や「pass through」で日本語のスルーに近い意味にもなる気もするものの、まぁ普通に「ignore(無視する)」とかが(特に最近よく使われる「既読スルー」とかなら)一番近い気がしますね。
この「スルーする」みたいに、日本語ではそういうカジュアルなニュアンスを出せる俗語が存在するのに英語だと一般動詞で表すような場合、「言いたいニュアンスはちょっと違うんだけどな…」とちょっと違和感を覚えてしまう気がしますが、まぁ逆の場合もあるかもしれませんし(とはいえやっぱりハイコンテクストな言語である日本語の方が、色々表現の幅は豊富な気もするものの)、こういうのは異なる言語を使う際は仕方ない現象ともいえるのかもしれません。
ghostingは、パッと思いついた懐かしの日本語…ドロンする、、近くないですか? 使ったことはもちろん無いですけどね笑 その場から居なくなる時でも、恋愛の場合でも、、使えるんですかね?
⇒あぁ、恋愛シーンではなく、集まりの場からいきなりいなくなる場合の「ドロンする」は結構近い気も……と思ったものの、「ゴースト」と「ドロンと消える」の語感(雰囲気)が似ているだけで、「ドロンする」は、自ら宣言することも多いフレーズな気もしますから(飲み会の席での、「お先にドロンさせていただきます」みたいなやつですね。まぁ死語すぎて、僕もネットでネタとして触れられているの以外見たことはありませんが(笑))、これは「誰にもグッバイの一言もいわず忽然と消える」という意味のghostingとは若干違う気もしちゃうかもしれませんね。
(そして「ドロンする」に恋愛や人間関係を消滅させる意味はないと思うので、そこもちょっと共通点に欠けてるかな、といえそうです。)
ghostingに関して、今またちょっと検索してみて気付いた点ですが、日本語俗語のCO(カットアウト、またはカットオフと読む人もいるようですが)は、Yahoo知恵袋によると……
「本人に直接宣言することもある」とあり、あぁ確かに「もう金輪際連絡しないでください。こちらの登録情報は消したし、以後コンタクトしてくるなら警察に連絡します」みたいなのも「CO宣言」とみなされるようですけど、英語のghostingは文字通りゴーストのようにパッと姿を消すことなので、その意味ではCOとピタリ一致の表現でもなかった感じかもしれませんね。
まぁ、いずれにせよ、僕はCOやghostingはできないタイプなので、自分には縁のない言葉としてあまり深入りしたくない所です(笑)。
Emoは、エモと読みそうですが(イーエムオーより簡単なので笑)、エモいと語源は同じということなんですね。 She's emotional.で「彼女は感情的だ」という意味でも、日本語の感情的という意味はなんとなくネガティブなイメージがありますが、emotional自体が「感情が動かされる」という意味なら、She's emotional.はなんとなくネガティブなニュアンスではないんじゃない?っていう気もしますね。わかりませんけど。
日本語のエモいは、自分は使ったことはありませんが、若者が使っている状況から察するに、感情が動かされた状態と言っても、めちゃくちゃ感動した!とかではなく、なんとなくぼんやりした感じというか、じわじわくるというか、、なんかエモいな、みたいな、そんなニュアンスのように思えます。(適当)
⇒Emoの発音は、アメリカ英語なら「イーモゥ」って感じだと思います。
…ってまぁカタカナにするのはやや無理があるわけですけど、「emotional」自体も「イィモーショノゥ」と「エモーショナゥ」の中間ぐらい…から、個人的にはやっぱりやや「イ」感が強く聞こえることが多いようにも思えます(自分が言う際も、やや大げさに「イ~モーショナゥ」と言った方が通じやすい気がしますね)。
一方emotionalという単語は、日本語の「感情的な」と一緒で、英語も普通に「(ややネガティブな意味で)感情の振れ幅がデカい」という意味が強い語であるので、「She's emotional.」は基本的に完全にネガティブな表現ですね。
もちろんemotionalに「感情に訴える・感情的な」という意味もあるものの、まぁこれは例の「文脈次第」ってやつで、少なくとも「She's emotional.」という単独の文なら、ほぼ100%の人が「ヒェ~あの人怒りっぽいんか。関わらんどこ」と思う形になっているように思います。
これが「Her singing is so emotional.」とかなら一転して「彼女の歌声は本当に感情が揺さぶられるぐらいに感動的だ」とポジティブ評価になるものの、主語が人間そのものだと、やっぱりその解釈は無理がある気がしますねぇ。
そんな感じで褒めたい場合、普通なら「She's exciting!」とか、そういったより誤解のないポジティブな語を使うと思いますし、あるいは今さっき触れていた通り主語をもっと具体的なものに変えるかをするように思えます。
一方日本語の「エモい」は、まぁこないだ書いていた通り僕も正直ハッキリとした意味を掴めてませんけれども、「ヤバい」同様、割と適当にどんな場面でも「何となくエモそう」なら「何とな~くそんな感じ…分かるだろ?エモいという語を使う俺もエモいだろ?」みたいなふわっとした感じで使われまくっているような印象があるかもしれません(笑)。
こないだは(というか今も)この語をバカにしてしまいましたが、やはり自分が使えてない(把握できてない)だけな気がするので、もっとエモに触れてエモマスターになりたい所です(笑)。
Famは、Familyの略で、家族同然の(親しい)友達…ということですが、日本でも「兄弟!」とか言いますよね。 と、ちょっと自信がなかったので調べてみたら、「男同士の、特に親しく気安い間柄で用いる呼び名」とありました。まぁでも、それはスラングではないんでしょうけど…。
あと、「ファム」って、「なんちゃら・ファム」みたいな感じでなんか聞き覚えがあると思いましたが、フランス語で、女性、女性服のことをファムって言うんですね。Famの読み方もファムなんですよね?
なんかちょっとややこしい笑
⇒まぁ「ブラザー」を意味する「bruh」ですら今では男女区別なく使われるとこないだも見ていた通り、Famも今や男女の垣根なく使われている表現なんじゃないかな、って気がします。
あぁ、フランス語の「ファム」は、「オム」とセットでよく聞きますね!
FemmeとHommeで、服に限らず普通に「女性」「男性」を意味するフランス語ですが、フラ語読みだと「ファム」と「オム」になるものの、「フェミニズム」と同じ語源・ラテン語の「femina」で、英語だとfemaleですね。
「ファム」といえば、個人的には「ファム・ファタル」ってフレーズがパッと浮かびましたけど、これ何だっけ……と思ったら、普通に「運命の女性」を意味するフランス語なのでよくありがちなフレーズとはいえるものの、自分に馴染みが一番あるというか頭に浮かんだ原因・作品は、ブリトニー・スピアーズさんのアルバムでした。
…これも名盤ですね!
(例の、一体いつ辿り着けるか不明な「青い花・勝手にキャラクターテーマソング」の続きで1つ、このアルバムから使おうと思っている曲があったので、収録曲を紹介してみたかったですが今回は保留としました。)
もちろんこのFemmeはFamと同じ発音であるものの、フランス語読みだからそうなっただけで、全く別の単語であるため要注意なポイントといえるかもしれませんね。
…という所で、EMO記事まででいただいていたご質問に触れて、結構いい分量&時間になっていました。
スクショ画像がなかったため、久々にいらすとやのイラストをアイキャッチ画像に使わせていただこうと思いますが、ここはまぁやっぱり分かりやすくゴーストですね。
…と思いきや、既に「カーブ」記事(↓)でナイスなお化けイラストはお借りしてしまっていたんですけど…
…幸いもう一つ「お化け」いらすとがあったので、こちらをお借りすることにしましょう。
(「ゴースト」で検索したら「ゴーストライター」の面白いお化けいらすとがあったんですが、せっかくなら帽子を被っている子の方がタイトルドンピシャでいいかなと思い、泣く泣く却下した感じですね(まぁ、このゴーストくんが被っているのは「キャップ」ではなく「ハット」ですけど(笑)。どうでもいいにも程がありますが(笑))。)
ではまた次回、続きの語を見ていこうと思います。