引き続きイマドキ英語スラングシリーズ・人間関係セクションのリストを順番に見ていきましょう。
改めて今回も、Verywell familyによる、大変有用なまとめ記事(↓:Amy Morinさん執筆)を参考にさせていただいている形です。
前回は意外な意味であったEmoなどに触れていましたが、続いても「知らなかったら全く予想だにつかない語」で、ためになる感じといえますね…!
- Flex - 自慢げに見せびらかすこと。
「フレックス」というのは何となくどこかで聞いたことある気もする単語なわけですが、僕がこの語を最初に聞いたのは(まぁそれ以前にも聞いたことはあったんでしょうけど、単語として認識したのは)、小学生の頃、大ヒットしていた超名曲『ロマンスの神様』の歌詞で使われてる「♪週休二日、しかもフレ~ックス」な気がしますねぇ~。
もちろん小学校のまだ高学年に入る前ぐらいだったので、「フレックス」の意味も全く分かりませんでしたが、英単語の前にちょっくらまず曲の方から触れておくと、この曲もTV・ラジオで流れる度に「ぐおぉ~いい曲だなぁ!無限リピートして何度も聴きたくなるぜぇ~」と思えた、掛け値なしにキャッチーで心躍らされる、歴史に残る名曲だといえましょう。
当時はまだYoutubeどころかネット自体が普及していないを通り越してまだ日本には存在すらしていませんでしたし、CDも子供が無制限に買いまくれるようなアイテムではありませんでしたから、聴きたい曲の無限リピートも中々できない時代だったわけですけれども、流石は現代、Youtubeの公式チャンネルにバッチリアップされていましたね…!
なんとアップ日は11ヶ月前(2022年4月5日)と、30年近く前の曲だというのになぜ今頃…?と思えたのですが、どうもTikTokとかで今の子たちにも局所的に結構流行している、ってのが背景にあるのかもしれませんね。
検索サジェストでも、「ロマンスの神様 Tiktok」なんてのが沢山目につきました。
まぁ個人的には本当に素晴らしいと思えるこの曲ですけど、特に歌詞が、主に男性を中心に「最悪すぎる。終わってる」と案外悪く言われがちな印象もあります(こちらも検索サジェストで、その旨の内容が結構出てきていました)。
別に女性側の意見に迎合するってわけではないのですが、僕は全然歌詞も含めて、情景がよく浮かぶし、めっちゃいーじゃん合ってるじゃん、なんて思えるんですけれども、そういえば何度か話に出している高校時代からの親友・バイオくんと受験で一緒のホテルに泊まった際、ちょうどその日放送されていた夜の音楽番組で「懐かしの名曲を振り返る」みたいなのがあったのですが、たまたまこの曲が流れてきて「おっ、懐かしい~。これはいい曲の極みだね、好きだったなぁ~」と喜んで聴き入っていたら「マジで言ってんの?めっちゃ嫌いなんだけどこの曲。特に歌詞がクソすぎ」と、チャンネルを変えられるまでは流石になかった気がするものの、「聴きたくねぇから風呂はいるわ」と逃げ去るほど、割と徹底的に嫌がっていた記憶もありますねぇ。
とはいえ改めて僕はめちゃんこ好きですし、そもそもこの曲に限らず、マジで「うおぉ~、これはいい、めちゃくちゃ一生思い出に残りそうな冬の名曲だぜぇ~」と思えるのを本当に毎年のように連発されていた広瀬香美さんですが、1つまたふと思い浮かんだ他の思い出話として、姉も1枚CDを買っていましたけどあくまで曲が好きなだけで、別にそこまで特別広瀬香美さんのことを好きというわけでもなかったと思うんですけれども、あるとき、もうロマンスの神様からは何年も経って結構な大御所になっていた98年とか99年だったと思いますが、ミュージックステーションに出演した際、番組開始直前に、1-2分の短い「もうすぐ本番!その前に舞台裏をちょっと紹介」みたいな、出演者への簡単な質問コーナーみたいなのがあったはずなんですけど、そこで、広瀬さんがジャニーズの若い子たちにちょっとネタ的な感じ込みで「姐さん、姐さん」「広瀬姐さんがマジで面白いんで、姐さんの意見を聞いてみましょう!」「やっぱ姐さんは分かってるわ!」みたいに、軽くいじられる感じでカッコいい少年たち(どのジャニーズグループだったか忘れましたが、結構若めの、大所帯グループだった気がします)に囲まれながら、めっちゃ満更じゃなくすっげぇ楽しんでる広瀬さんの様子が放送されまして、それを見た姉が、別にそこまでそのジャニーズグループのファンというわけでも全くないのに微妙にイラついていたのがめちゃんこ記憶に残っているのです。
…そう、言い方は悪いですが、広瀬さんは音楽の才能は凄まじいものがおありであるものの、(あんまりそういうのを書くのも良くないですけど)見た目はそこまで誰もが羨む美貌というほどではない気がしてしまうわけですが、そこまでズバ抜けた絶世の美女でもないくせに大勢の美少年に無駄にチヤホヤされてる様子(しかも、ジャニーズくんたちは明らかにネタ的な振る舞いをしているのに、広瀬さんご本人は本気で楽しんでおられる……というか、ネタだとしてもそりゃあこの状況は楽しいでしょう、役得すぎ…と思わざるを得ない様)を見せつけられるのは、そりゃ同性としては面白くねーわな、と、「何となく気持ちは分かるぜ、姉よ」と、心の中で一人で勝手に「イラだっててワロタ(笑)…けど、分かる分かる(笑)」と同意していたことを今でもよく覚えています……というのが、なぜか結構強く印象に残っている、広瀬さん関連の昔の思い出でした。
(かなり失礼な物言いですし、そんな長々と書くようなエピソードかよ(笑)とも思えますけど、ふと思い出した話ですね。
なお、僕はもちろん広瀬さんの曲は、全曲……ではないにせよ主だったアルバムはほとんど持っているはずで、今でも時折聴くぐらいには好きな曲の多い、大変好きなアーティストです。
やっぱり、歌えるだけではなく、自分で曲を作れる方というのは本当に凄いと思えますし、シンガーソングライターの方はずっと新作を追っていきたいなぁと思えることが多い気がしますね。)
…と、まさかのロマンスの神様でめちゃんこ長くなってしまいました。
Flexに戻りますと、あぁ、まずこの曲に出てくる「フレックス」についておさらいしておくと、こちらはもちろん「フレックスタイム制」のことで、歌詞の流れからもそりゃ時間の都合がつきやすい感じの制度なんだろうなとは思っていましたが、これも受験英語を学んでいく過程で、「あぁ、フレックスって、flexible=柔軟な、ってことだったのか!就業や退勤がある程度自由になってる勤務形態のことなんだね」と気付いたものです。
そんなわけで、今回のスラングもflexibleの略かと思いきや、どうもこちらはそうではないようですねぇ。
例によってまたSlang.netの説明を参照させていただきましょう。
意味としては「To show off」で、これはVerywell familyの元記事と完全一致でしたけど、そもそもこのフレーズ自体もイディオムで若干意味がつかみ辛い気もするもののこちらは「(自慢げに)見せびらかす」という日本語がドンピシャに当たる表現ですね。
要は、これ見よがしな姿勢を指すスラングであり、全然「フレキシブル」ではないどころか、むしろ真逆の、何というか姿勢・態度・見せ方が下手な人を揶揄していう言葉だといえましょう。
(ちなみに今↑で書いた「これ見よがし」という言葉も、ちょうど先ほど出たバイオくんに、高校の頃、何かの折に「これ見よがしな感じやめーや(笑)」みたいなことを言ったら「何だよ『これ見よがし』って(笑)。そんな言葉聞いたことねーよ(笑)」と笑われて、「いや、ひけらかすように/『これを見よ』と言わんばかりに、自慢げに見せびらかす態度や素振りのことを、そう言うでしょ」と説明したら彼は大層この響きが気に入ったようで、その後、別に自慢してるわけじゃないものでも、例えば何かを見せたり紹介したりした際に「これ見よがし!(笑)」とやたら言ってくるようなウザい感じになった……という、友人とのしょうもねぇ思い出話もふと浮かびました(笑)。
…と、「自分は友達よりもボキャブラリーが豊富だった」ということをこれ見よがしに示すエピソードだったかもしれず、大変恐縮ですが(笑))
話をflexに戻しますと、由来については、流石はSlang.net先生、きちんと紹介してくれており、これはボディービルダーの方たちが自身の筋肉を「flex」する様から生まれた言葉だそうで、そもそも「flex」というのはこれ自身ひとつの単語であり、「(筋肉・関節を)曲げる」という意味で、特にボディービル界隈では、例のあの誰もが頭に浮かぶポーズで肉体美を披露することを「flexing」と呼んでいるとのことですね。
それが発展して、筋肉に限らずどんなものでも自慢げに見せびらかすことを、若者スラングで「flex」と呼ぶようになった…と、そういう形のようです。
基本的には誰かのそういう自慢げに映る行為なんかを揶揄して言うことが多いように思いますが、チャット型例文では…
(俺の女神を見つけたぜ……俺様のテクを自慢しに行ってやるつもりだ、見てろよ。)Dead man walking.(死亡確定だな。)
…と、自分で自分の行動を自信満々に「見せつけてやるぜ!」みたいに使うことも、あるっちゃあるようですね。
(今回の例文は、gameをどう訳せばいいか迷いましたけど、一見「試合」で、「自分の出ている試合を自慢してやるぜ」なのかな、とも思いましたけど何か妙な流れになりますし、メリウェブ辞書・gameの【名詞】3番にある「a procedure or strategy for gaining an end : tactic(ある目的を達成するための手順や戦略 : 戦術)」が近いのかな、と思い、「口説きの戦略・テク」という感じにしてみました。
また、合いの手である返事の文の「Dead man walking」は、こちらはスラングというかイディオムというか、Slang.netに項目はなかったのですが検索したら解説記事がいくらでもみつかりましたけど、直接的な意味としては「死刑台に向かう男」のようで、そこから派生して「もう死亡が確定している状況」あるいは転じて「全く無駄なことをやっている状況」(↑でリンクを貼った解説記事にあった通り「高3生で、もう全ての単位も取得して卒業も決まっているのに、まだあと何日か学校に通わなくてはいけない状況」なんかも「Dead man walking」と呼ぶみたいですね)を指すようです。)
…と、何気に次の語はこないだ出てきていたヤツの補足的なエントリーで、既にチェック済みともいえるのであっさりと見返して終わろうと思っていたのですが、『ロマンスの神様』のせいで……というかそのおかげで案外分量もいい感じになり、時間切れになってしまったので、次回またそちらから見ていきましょう。
ちょうど、そのこないだのネタに対してご質問もいただいていたので、そちらに触れがてら見ていこうかなと思っています。
フレックス(←「フレキシブル」の方)に記事をまとめていきたい限りです。