続×24・英語スラングシリーズ:ビーフをディスる&ポジティブな「きっつ!」

無意味な前置きはそこそこに、早速続きに参りましょう。


毎度おなじみ、Verywell familyによる55語スラング記事(↓)を読み進めさせていただいている感じですね。

www.verywellfamily.com

今回で「人間関係」系のスラングもサクっと終わらせられそうです。

残り3語、「t」で始まるものを順番に見ていこうと思います。

 

Throw shade - 誰かに軽蔑の目線を向けること


まず最初の「Throw shade」、こちらは、直訳でも「陰を投げる」という感じで、まま、言われてみれば「軽蔑の視線を投げる」という意味になりそうなのも納得といえましょう。

ちなみに元記事の英語説明文は「To give someone a dirty look」でしたが、この「dirty look」もちょっと凝った言い回しといいますか、「汚い見た目を与える」という直訳から、「相手に軽蔑の目線・嫌な顔を向ける」という意味になる形ですね。


例によってSlang.net先生の解説も参考にさせていただくといたしやしょう。

https://slang.net/meaning/throwing_shadeより

こちらはズバリ「Disrespecting」と、これまた(やや新しい若者語的な感もありますが)日本語でも「ディスる」と言いますから、かなり分かりやすい単語といえますね。


もうかなり浸透している「ディスる」なので、ズバリ、「『ディスる』という意味です」だけでそのまんま通じそうですけど、まぁ一応説明しておくと、「respect(尊敬する)」に否定を意味する接頭辞の「dis-」がついたものですから、こちらは「敬意に欠けた態度を示す・無礼を働く」みたいな意味で、結局は先ほどと全く同じ「軽蔑する」ともいえる感じの言葉ですね。


「throw shade」に戻ると、由来や語源については……まぁ先ほども触れました通り、由来も何も、よく考えたら日本語でも「陰口を叩く」って言いますしね、それに近いというかほぼ同じものだと考えれば納得といえましょう。


ただ、英語の場合、陰「口」ではなく、軽蔑の「視線」がメインの意味のようではありますが……と思ったら、Slang.netの説明では、「『誰かについてのtalking trashをする』という意味としても使われる」なんてありますから、視線のみならず、「ゴミ話」をする、すなわち陰口という意味も含む……要は結局日本語でいう「ディスる」がピッタリなスラングだといえそうです。


また、上記説明文ではさらに面白いスラングも紹介されていました。

「Shadeというのは、2名以上の人々の間のbeefによる産物である」なんてありましたけれども、まさかの、ビーフ=牛肉にも意外な意味が存在するんですね。

文脈から「お肉」の意味ではないことは明らかですが(笑)、こちらは…

https://slang.net/meaning/beefより


Bothering problem」つまり「煩わしい問題」のことであり、特に「長引く問題・不満の種」を抱えていそうで、ずっと機嫌が悪いような人に、「おいおい、何がそんなにビーフなんだい?」と尋ねる際によく使われるもののようですね、


その不機嫌な人にとってのビーフの原因である人をディスってしまうというのは、よくあることだといえましょう。


ビーフとディス両方のチャット型例文をチェックしておくと…

 

What's your beef man? Why are you so mad lately?

(何がそんなに不満の元になってるんだメーン?おめぇ、なんで最近そんなに怒ってるんだい?)

 

How does he have any friends? All I ever see him doing is throwing shade on everybody.

(どうしてあんなヤツに友達がいるんだ?俺、あいつがみんなをディスり続けてる姿しか見たことねーぞ。)

 

どちらも大変分かりやすいものでしたが、改めて、この手のスラングは特に人間関係に悩みがちな若い子らの間で大変よく使われているんだろうな…なんてことは容易に予想できるといえますね。

 

結構面白い表現が目白押しで案外長くなりましたが、次の語に参りましょう。

 

Tight - 親しい間柄または友人関係にあること

 

これまた、日本語でも「緊密な間柄」なんていいますし、めっちゃ自然な意味に思えるというか、特にスラングでも何でもない、普通の意味にも思えるけど…?……と一瞬思えたものの、まぁ「密」という言葉だけで友達を表すことはないですし、そう言われれば「その一語だけでもう『緊密な関係』まで表すというのは、確かに新語っぽい使い方とはいえそだね」と思えるかもしれません。


一応Slang.netの方もチェックしてみたら、なんと!

 

https://slang.net/meaning/tightより、2つの意味あり

 

元ネタVerywell記事の意味はズバリ「Close」ですが、そちらは2番であり、よりメジャーなスラングとしては、「Awesome」という意味での用法があるようですね!


Awesome」については既に何度か触れていましたが、「いいね!」「素晴らしいっ!」「イケてるぅ!」を意味する、日常会話で一番よく聞くまであるかもしれない褒め言葉ですけど、こちらはcloseと違って元の単語に全然そんなニュアンスを感じませんし、こっちの方がよりスラングって気がしますね(実際より使われているっぽいですし)。


要は、「tight」はまぁ「きつい」という意味で(といっても日本語だと結構意味が広いものの、「しんどい」的な「きつい」ではなく、「物がキツキツに詰まってきつい」の意味ですが(まぁこの両者自体、近い関係がある気もしますけれども)……正直日本語でも「タイト」っていいますし、解説は不要かもしれませんが)、あえて日本語で考えると「きっつ!」と言ってる感じであり、この表現は(「しんどい」という意味を抜きにしても)基本的にネガティブなイメージを抱きがちな言葉に思えてしまうものの、英語だと完全にポジティブな、代表的な明るい陽語「オーサム!」の意味になるということで、これは大変面白いです。

 

せっかくなので1番2番両方の解説を参考にさせていただきましょう。

https://slang.net/meaning/tight、「Awesome!」的な意味の方

オーサム的な意味のスラング以前の記事でいくつも見ていましたが、上記説明文で「例えば○○のような」という感じで紹介されているものの中にはまだ触れたことがないものもいくつかありましたけれどもまぁ今回は横に置いておくとして、説明文によると特にゲームやアスリートの神業プレイ・優れた技巧を褒め称える際に大変よく使われる表現だということですね。


「きっつ」がなぜ「カックイィ~」的な意味になるのか不明でしたが、そう聞けば、針の穴に糸を通すがごとく、極めて細かい作業を精緻にピシッと決める様というのはかなり緊密なものであり、才能や努力がキチキチに詰まったものにも思えますから、それなら納得のいく、大変自然な褒め言葉といえるかもしれませんね。


こちらの意味の例文は、まさに説明の通りの使われ方でした。 

That snowboard 720 was tight!

(あのスノボ2回転、ガチイケてたね!)


とはいえ解説文終わりの方にあった通り、この意味の「tight」はタイトなくせに用法はかなりユルユルなようで、今では技巧を褒めるのみならず、車とか服とかパーティーとか、何でも「イケてる、クールだぜ」と思えるものに使われるようになっているとのことですね。

 

一方、2番のCloseの方は、まぁこちらは説明や例文を見るまでもないですけど、一応チェックしておきましょう。

https://slang.net/meaning/tight、「Close」の方

 

こちらは特に目新しい話もなく、一応「人間関係が緊密で親しい」以外にも、何らかの状況が「ギリギリ」だった際にも使われるとのことですが…

(例:約束の時間に何とか間に合った場合、「it was tight, but I made it.(ギリだったけど、何とか間に合ったぜ)」とか、対戦ゲームで超接戦だった場合に「tight game, WP(ギリギリの接戦だったね、いいプレイだったよ!)」など)

WPもこれまた新スラングですが、これはこないだ見ていたggとセットで使われることの多い「good game, well played(いい試合だったね、君は上手だったよ)」という意味のフレーズですね。)

…まぁ、ぶっちゃけ「別にそれってスラングじゃなくて、tightってそもそもそういう意味の単語じゃないの?」と思えるパティーンのような気もします(笑)。


(とはいえ、「緊迫した状況・試合」という日本語が、たまたまtightの意味である「緊密な」に似ているからそう思うだけで、「本来はtightにそんな(=「ギリギリ」みたいな)意味はないよ」って感じなのかもしれませんが、まぁいずれにせよスラング=新語としてそう使われているのは間違いないようで、日本語的には理解しやすい用法といえそうですね。)


例文は、より一般的な「親しい関係」の意味で使われていました。 

We've been tight since we were little.

(僕たちは小さい頃から大親友の関係なんだ。)


くどいですが、別にこのスラングを知らなくても、自然とそういう意味なのは容易に予想がつく用法といえる気がします。

 

…ってな所で、ちょっと時間の都合で……というか分量的にもやっぱりあんまり長いと何か面倒な記事に思えてしまいますし、最後1語残す感じで微妙ですが、とはいえ全体のラスとでは全くなく、普通に次のセクションに続いていくだけですから、続きの語はまた次回とさせていただきましょう。


あ、そういえば「Beef」は、その用法はともかく、なぜ「厄介ごと・不満」が「ビーフ」になるのか、その由来については珍しくSlang.netが触れてくれていなかったこともあり、謎のままでしたね…!

個人的にも気になりますし、次回はそこの補足からいってみようかと思います。

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