前回の記事で触れていたコメント、つまり前々回の記事でいただいていたコメントの続き(というかこっちが前半部)に早速参りましょう。
(当初、もう一つ別のネタ(名前ネタ)にも触れていたのですが、最終的にあまりにも長くなり過ぎてしまったので、前半の前半はまた割愛しました。次回以降にまわそうと思います。)
望月さんはもちろん知らへんかってんけど、そういう飛び抜けて賢い人って、意外とそんな可愛い一面を持っとったりせーへん?ノーベル賞をとったおじさんがテレビでインタビューを受けてるとこを見たら、クスッと笑えたりすることが多いような気がするばい。(そんな見たことないけど笑)
望月さんのブログはサラッとしか見とらんけど、、写真は普通のおじさんやったっぴ笑
改めて望月さんに端を発した「天才」ネタですが、そう、案外天才おじさんたち、可愛いパターンも多いんですよね。
まぁでも、特に古い世代の方だと、本当に厳格で、からかうことすら憚られるパターンも多い気がしますけど、その辺も時代の流れか、今の時代に上に立ってる方々は本当に愛嬌や愛想のいい方も多い印象があるかもしれません。
(もちろん僕は望月さんとはお会いしたこともないですし、実際の望月さんの人となりについては適当に書いただけで存じ上げませんけど、僕が学生の頃のトップにいた教授(既に定年退官されてる層ですね)はそれなりの割合でかなり気難しいタイプの方も多かったですから、やっぱり、今は大分変わってるイメージがあります(教授とかに限らず、世代全体の話にも拡大可能かと思いますし、逆に、本当に優しいおっちゃんおばちゃんも普通にいらっしゃるのも当然ですが)。
例えば、一番ヤバイ例だと、(同じ研究科だけど他所の建物だったので、話に聞くぐらいでしたが)研究室で教授の気に食わないことをしてしまうと、冗談や誇張抜きに花瓶が飛んでくるという、マジもんの恐怖政治が敷かれてるラボとかも聞きましたしね(マジでもう何個も割られてる(花を飾るよりむしろ、最早投げる用(笑))という所属学生の話を聞いて、申し訳ないけど笑っちゃいましたね)、ノーベル賞受賞者のおじさんでも、実際同じ研究分野であれば内情の声が聞こえてくることもあるので、全員が全員可愛いとか愛らしいとか愉快な人というわけではない、ってのも、(そんなの当たり前すぎて言うまでもないですが)やっぱりあるかもしれませんね。)
とはいえまぁ、望月さんは欅坂感想ブログとかで案外俗っぽい所も隠さず見せてくれるなど、明らかに親しみやすそうなおじさんといえましょう。
しかし、そういうのでキャッキャ騒げるのは凡人だけで、知れば知るほど、その部分はそういう天才たちのごくごく一面に過ぎず、「可愛い所もあるねぇ」とか、畏れ多いを通り越して、そこだけ取り上げてキャッキャしてるのが正直恥ずかしくなってくるぐらいに、実際の本人の思考や人としての器量はもっと深く大きいということもあるんじゃないかな、って気もします。
(いうまでもなく、キャッキャ騒ぎ立てたのは僕自身なので、僕が凡人パンピー愚かな大衆ということにすぎないんですけどね(笑)。)
望月さんに限らず、将棋の天才とか、その他どんな分野でも傑出して偉大な結果を出した人を、勝手にキャラ付けして大衆が親しみもって愛するのはよくある風景ですけど、多分そのキャラ付けは、あまりにも実態とは乖離した、本質・深部が理解されないまま勝手にイメージが一人歩きした状況になってることがしばしばなのではないかなぁ…みたいな感じですね。
もちろんそれが悪いというわけでは決してないんですけど(トッププレイヤーが親しみやすいと、その分野に興味をもつ子供とかも増えて、プラスの側面も大いにありますしね)、本当の天才にとって、自分の思考の芯の部分がほとんどの人に全然理解されないことって、もしかしたら結構恐怖なんじゃないかな、ってこともたまに思います。
望月さんは絶対に直接メディア対応をしないことを徹底されているようですが、恐らく、そういう本質ではない所で沸き立つ雑音というものを警戒して…という面も、少なからずあるのではないか、って気がしますね。
例えば田中耕一さんとかも、ノーベル賞受賞後はマスメディアのおもちゃにされてほとほと大変な思いをされたなんて話もよく耳にしますが、それも大切なこととはいえ、やっぱり大衆人気が出て研究が進むわけではないのも事実ですからね、改めてやはり望月さんの態度は、研究者として真摯である点が一貫しており、個人的には大変に魅力を感じます。
先ほどの段落で書いた「自分の思考がまともに理解されないのは恐怖なのでは?」という点に戻ると、まぁカロザースさんの記事でも似たようなことを書いた気がしますけど、実際自分が一番ズバ抜けて優秀である天才って、羨ましい気もする反面、よく考えたら結構きついかもなぁ、って気がするのです。
だって考えてみて欲しいんですけど、どなたでもこれまでの人生で、仕事を教えたり何かサポートをしたりする場面で、「この人理解力悪いなぁ…」とか「何でこんなことも分かんないの?」と、イラッと来たことの一度や二度はあるのではないかと思うんですけど、冷静に考えたら、もしかすると人類を代表するような天才の方にとったら、この世で出会う人全員がそう思える対象になってるんじゃないか?…なんて気がするのです。
我々にとってのちょっとどんくさい人が、その天才にとっては、世の中で出会うほぼ全員そうなんだとしたらと思うと……
「何だこの世界…?アホクサ…」
と、世の中に失望するのも仕方ないのではないか?なんて気もするわけです。
もちろんモノの理解は0か1かじゃありませんし、そもそも他人を完全に理解することなど相手が誰であろうと不可能なものなうえ(=全く何も理解してもらえないなんてことはないはず)、さらにいえば「天才といっても全知全能の神じゃないんだから、その人にとっての苦手分野で人より理解できないこともあるじゃろうて。それなのに自分の得意分野が人より優れてるからってそんな人を小馬鹿にするようなやつは、正直賢くないでしょ」って意見も分からなくもないんですけどね。
でもやっぱり、本当に歴史に残るような、図抜けて優秀な頭脳の持ち主だったとしたら、周りに自分の思考を正しくしっかり理解してくれる人がいないともいえるわけで、望月さんはその辺に片足突っ込んでるレベルともいえるんじゃないかなぁ、と、凡人は勝手に心配になる(あるいは、望月さんに限らず、これまで悠久の歴史で潰れてしまった大天才の中には、そういう面がある人もいたのではないか、という残念さ)…みたいな感じの話でした。
(でも、望月さんは京大数理研に赴任されて「ここでは自分の考えを理解してディスカッションをしてくれる人がいっぱいいて、本当にありがたい」とおっしゃっていたというのも目にした気がしますし、マジでその辺は余計なお世話に過ぎない、凡人の杞憂のようで何よりに思います。)
ちなみに天才というわけではないですけど、この話を書いてて思い出したネタ、学生時代の思い出に1つ触れてみましょう。
やっぱり学生にとって分かりやすい天才といえば「試験の点が良い」ということで、受験界のトップ、東大理科三類(医学部コースですね)の人たちについて……
どの学年にもいるわけですが、断トツでトップの成績を取る人(下手したら、高2のときに高3含めた模試でトップみたいな)というのはいて、僕の学年は、まぁ受験年を辿れば1人に絞れるわけですけど、一応仮名で、「天才系キャラといえば」ということで夜神くんとでもしましょうか。
模試ではほぼ確実に断トツのトップで、『東大理III 合格の秘訣』という、理三合格者の一部にインタビューした本が当時あったんですけど…
(…って、まだあるのかよ!
最新は36ということで、36年間、毎年ずーっと出続けてるんですね(笑))
…夜神くんはこの本でも当然トップで取り上げられていましたし(6-7月頃発売なので、同じ学年の合格者の本、僕は夏休みとかに、立ち読みして読みました(笑))、まぁそれ以前にやっぱり模試の成績とかで、我々の学年なら誰でも名前を知ってるのが夜神くんだったのです。
まぁ、トップ層は普通にドイツ語を選択するので(理三=医学部ですしね)、僕はクラスは違ったんですけど(あぁちなみにいうまでもなく、僕は理三ではないですが(生命系メインの、二類)、理科二類と三類は、人数の都合で、同じクラスになります。語学ごとに割り振られる感じですね)、入学してすぐ、新学期が始まる前にクラスのほぼ全員で行く旅行が伝統としてあるんですが、そこの宴の席で、同じテーブルに、夜神くんと同じ高校出身、まぁ灘ですけど、同じく理三のクラスメイトが座っていました。
めっちゃくちゃ優しい笑顔とほんわかした関西弁で、ポケモンのヤドンみたいな感じの、穏やかな非常~にいい人でしたけど、同じテーブルにいた理二の女の子が、そのヤドンくんに「ねえねえ、灘なら、夜神くんと一緒だったでしょ?凄い憧れてて、話してみたいんだけど。どんな人だった?」と質問していて「お、同じく!気になるぅ~」とはいいませんでしたが聞き耳だけ立ててたんですけど(笑)、ヤドンくん、「あ↓れ↑は別格(ニッコリ)」と関西なまりで優しい笑顔で答えていたのが凄く印象に残っています。
「あんまりおしゃべりなタイプとはちゃうかったけどな、がり勉って感じでもなかったよ」的なことをいってましたけど、冷静に考えたらヤドンくんも理三で普通に超絶精鋭ではあるものの、その中でもやはりレベチだということで、どんな人かせめて実物を見てみたいなぁ、などと思っていたのです。
で、金属分析とか解剖とかで何度か話に出していた基礎実験の必修科目、これで一度だけ、なぜか他のクラスと合同でやるようなことがありまして、それがたまたま夜神くんのいるドイツ語のクラス!
グループの割り振り名簿に夜神くんの名前があったので、せっかくだし生夜神でも拝見…と思い、キョロキョロ探してみたら普通にいましたね、本とかでも見ていた、伝説の夜神くんが!
まぁ、写真と同じ、ちょっと目つきの悪い感じの普通の兄ちゃんでしたけど、「うおぉ~、全国1位だぁ~!生きてる…歩いてる…!!」(本当は座ってましたが(笑))と、ミーハーな僕は大変に感激したものです。
…って、これだけ長々と語っておいて、夜神くんのエピソードはわずかそれだけ、結局話したことすらなかったんですけど(一応間接的には他にもエピソードがあるんですが、まぁ面白くないので省略しましょう)、その実験で、共同で作業をするグループに割り振られたのがなんと!
同じく「東大理III」の本で、夜神くんの次ぐらいに触れられていた、模試上位20位内で常に名前を見ていた、女子のトップの高田さん(=夜神くんの流れから適当に付けた仮名。まぁ女子トップではなかった気もしますが、超お嬢様的な感じでルックスが非常に良かったこともあり、夜神くんの次にフィーチャーされてたように覚えてます(笑))と、それから全国模試上位十傑には常にいた、これまた理III本で最初の方に取り上げられていた、山下くん(仮名;「山ピー」が実際に呼ばれてた呼び方に近かったので)!
何で3人グループだったのか、そしてなぜ別のクラスなのに彼らと組むことになったのかは覚えていませんが(自分のペアが休みで、たまたま別のグループに割り振られたのかな…?いやでもそれでわざわざ別のクラスの人と、ってのもおかしいし、その実験だけ、機器とかの都合で一部の人は適当に割り振られる感じだったのかな、って気がします。記憶間違いか、夢でも見てたんじゃないの?って気もしますけど(笑)、流石に、めちゃくちゃ印象的でハッキリ覚えてる出来事なので、幻ではなかったはずです)、「うぉ~、模試や本で見てたスーパースターやんけ…!彼らと実験…?」と、これまためっちゃ嬉しかったことを覚えてますねぇ~。
その高田さんは、どんな人かと思い、実験前の休憩時間に聞き耳立ててたら、友達の吉田さん(同じ高校出身・理IIIで同じクラスの仲良し)にめっちゃ甘い声で「ヨッシ~、待ってよぉ~」みたいに甘えてる感じで、「うおぉ~、全然イメージと違ったけど、それはそれでそそるぜ!」みたいに思えましたね(笑)。
で、実験は、高田さんが「山P先生~ぇ、任せたよ~」って感じで、明らかに格が違うレベルのキレモノ山Pくんに丸投げしてる感じだったんですが、まぁ実際やっぱり山Pは凄まじかったですね。
内容は、実際に反応をさせてデータを取って、理論値を計算で求める…みたいな感じでしたけど、実験も計算も、マジで「うーん、積んでるエンジンが本っ当に違うね!」と思えるレベルでした。
データ取って、バリ速で計算して、結果を出したら、一応同じグループの僕にも「こんな感じかな。合ってるよね?」と聞いてきたので、僕も一応計算したフリをして、「アッ、イットオモッス」みたいにしっかり同意・見届け人の役目を果たしましたけど(笑)、本当にスゴかったですねぇ~。
(何だかんだ、高田さんも普通にバリバリこなしてて、僕だけ本当に「ただ凄い2人を見届けるだけの人」でしたね(笑))
結局、ほぼ何もしない僕というクソザコお荷物がいたにも関わらず、高田・山下・紺助グループは断トツ最速で担当教官からの試問まで終え、僕の中で唯一、一番乗りでの実験終了になったことを覚えています。
(「うぉ~、こんな夢のような機会、終わりにしたくねぇ~」と思って、結局無駄に、他のクラスメイトの友達がいるその教室に最後まで残ってた記憶もありますが(笑)。)
「試験で高得点取れても、それだけじゃどうたらこうたら…」といわれがちな時代ではありますが、やはり、世代を代表するレベルの秀才鬼才は、掛け値なしに素晴らしかったと思える、本当にいい体験でした。
普通に名前も覚えてるので検索してみたら、お二方とも、お医者さんとして活躍されているようです。
きっと、誰よりも多くの方を救ってくれていると思えてやみません。
(あぁ、全国ランカーや有名人と触れあったのはその「他クラスとの合同実験」のときぐらいでしたが(あのクラス、マジで有名人ばっかで羨ましかったですね)、医学部進学予定でフランス語を選択するのはやっぱり変わってる感じなのか、そういえば同じクラスで例の理III本に登場した人はゼロでしたねぇ~。
でも、同じクラスの理三の人、マジで全員、例外なく、めっちゃいい人・面白い人ばかりで、嫌な人・嫌味な奴みたいなのが全く1人もいませんでした。
本当にできる人は、ひたすら謙虚で人格から何から本当に素晴らしい、というのが僕の印象です。)
こないだの受験生刺傷事件も色々取り沙汰されていますが、もちろん闇を抱えちゃう子も少なからずはいるわけですけど、やっぱり日本の受験は能力のある人の正しい選別にはなっており、普通の人にとって最も努力が報われやすい場ともいえますから、何事も功罪あるとはいえ、あんまり過度に悪い方に煽られることがないといいなぁ…と個人的には思えてやまない感じですね。
…と、もうちょいいくつか何か書こうと思ってましたけど、ま、こういうのは何か自慢っぽい話になる上、「凄いのはお前じゃないけどな(笑)」ってなりますから、だいぶ長くなりすぎてることもあるしこの辺にしておきましょう。
結局「天才の苦悩」も何も、凡人が勝手に「天才も苦悩するのでは…?」とか思ってるだけというしょうもない内容……どころか逆に、マジで凄い人は凄いよ、という話になりましたが、次回はまた他のいただいたコメントに触れていこうかと思います。