洗剤を使わずに洗って満足できる…?

完全に途中状態だった前回の「温度の上限」の話ですが……その前に、前回最後の方で脱線していた洗剤の話に、ちょっと再脱線してみようかなと思います。

まず、「洗剤は化学的視点・分子レベルでいうと、むしろ普通に汚い」という話ですが、そういう視点では決してない気もするものの、特にお年寄りの人は、洗剤を使わない人が目立つような気がしますね。


ずっと前の記事(↓)で、おばあちゃん家に行った時、洗い方があまりにも適当すぎるレベルで姉と爆笑した、なんて話をしたことがありましたけど…

con-cats.hatenablog.com

…その記事を受けて、アンさんから「うちの祖母もそうでした(笑)」というコメントをいたのですが、果たしてこれは日本全国どのご家庭でもそうなのでしょうか?

 

軽く調べてみたら、知恵袋に似たような質問を投げている方がいて、まさに同意のコメントが得られていましたね(笑)(↓)…

 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp


…理由としては、食器用洗剤を使うようになったのは昭和になってからで、それ以前の時代を知っている我々の祖父母世代の人は、習慣としてそもそも洗剤を使うということをしておらず、むしろ洗剤は毒だと頑なに拒む人が多い……みたいな回答がありましたが、なるほどそう言われれば納得かもしれません。


パッと具体的には浮かびませんけど、僕も、例えば長年そうしてきた慣習が、いきなり何か新しいものに取って代わられたら、「いや今までこうしてきて何の不都合もなかったけど?意味分からんわ最近の風習…」と、割と変化に柔軟な僕ですら、結構そう思って「自分の習慣」にこだわることは多いような気がします。


実際、洗剤で洗わない……どころか、僕のおばあちゃんみたいな、落とした箸を水の溜まってるボウルにチョンとつけて終わりみたいなナメくさった洗い方の食器を使っても、別に死ぬこたぁないですし(笑)…

(とはいえ、食後の食器…に限らず、生肉を切ったまな板程度のものですら、目に見える有機物が残ってるレベルではなくとも最悪食中毒が引き起こされる原因もあるわけですけど、その辺は流石に、おばあちゃん世代の人でも「受け継がれてきた知恵」的なもので、ちゃんとしている印象はあるかもですね)

…おばあちゃんたちは、あくまで不必要にキレイにしないだけで、必要レベルの洗浄は十分果たしているとはいえるのかもしれません。


ですがやっぱり、僕は潔癖ではないですけど、何つうか洗浄後の満足感みたいなものとして、水洗いだけの何か「シャキッとしてない」コップとか食器(ヌメっとまではしていなくても、洗剤でしっかり洗ったかどうかは、手触りで、軽くこするだけでも分かるぐらいに全然違いますよね)は、何か物足りないんですよね(笑)。

 

別に(少なくとも日常の食生活においては)「過剰な洗浄」といわれようと、これはもう気分の問題で、やっぱり洗剤で洗って「キュッキュ」としたものを使いたくなるという、あくまで好みの話だといえましょう。

 

それに関してちょうど、同じく知恵袋のネタからこんなQ&Aもありましたが(↓)……

 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

「環境のためにも、やたらに洗剤を使うのはやめましょう」という意見の方が優勢で、僕もその主張を理では納得しているんですけど、改めて感情の問題ですね。


そんなこと言ったらそもそも料理は食器に取り分けず、鍋とかから直接食べるのがベストになるようにも思えるわけですけど、それをせずきちんと盛り付けするのはあくまで「気分の問題」であり(合理的にいえば、わざわざ取り分けたり小鉢に移すのは洗い物が増えるだけで無駄)、何事も合理性だけを考えるのがベストではないのです……と、普段合理的なことを誇っている僕ですが、こういう時だけは都合よく理だけが全てではない、と手の平を返したい次第です(笑)。

 

ちなみに、前回時間がなくて書きそびれていた、実験室でのガラス器具などに使う洗剤ですが(「市販洗剤を使うのは御法度」とだけ書いていました)、まぁ今は自動のディッシュウォッシャーを使っているのでほとんど手で洗うことはないんですけど、繊細なガラス器具とかは手で洗うこともままあり、その際に何を使っているかといいますと、普通にSDSと呼ばれる、実験でよく使う化学物質……シャンプーとかに入ってると忌み嫌う人も多い、界面活性剤(まぁこれがいわゆる「洗剤」の主成分なわけですけど)を水に溶かしたモノを使っています。


家庭用の食器洗剤とかは、界面活性剤の他に各種タンパク質分解酵素とかが入っていて、より洗浄力を上げているわけですけど、そういう追加成分は、分子レベルでの実験を行う生命科学・化学実験では困りものになってしまうことが多い(残存の分解酵素が、必要な実験試料を壊してしまう可能性があるから)んですね。


なので、「ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)」という純物質を水に溶かす感じで洗剤代わりに使っている形です。

(もちろん、分解が一番問題になるRNA分解酵素が完全に含まれていない、市販の実験用洗剤なんかもありますが、SDSは大量に備蓄している研究室が多く、特に今いるラボは30年ぐらい前の古いSDSが試薬棚に大量にあったので、「古すぎて実験には使えないけど、洗うのには使えるね」ってことで、これを使ってる感じです。ややケチ臭いですが(笑))

 

…と、今回は、前回が史上一番時間がなかったレベルだったのですがわずか1日でそれを更新するぐらいに時間がなく、目新しい話に入ることすら全くできませんでした。


SDSは、分子構造なんかは既に以前の「楽しい有機化学講座」で触れていたので…

(…と思ったら、分子構造の画像を使ったことはなかったみたいですね…一応、この辺の記事(↓)で話には出していました)

con-cats.hatenablog.com

con-cats.hatenablog.com

…まぁSDSの分子構造図はイモムシみたいなキモイだけのヤツですしやめておくとして(笑)、こちらも全く何の意味もない画像(僕が使ってるのは実際こんなボトルじゃないですしね)ですが、英語版のSDSウィ記事(当然、トップに構造式・構造モデル画像も掲載されています)にあった20%SDS溶液のボトルの画像をアイキャッチとしてお借りすることで、高温ネタはまた次回へ先送りとさせていただこうと思います…。

https://en.wikipedia.org/wiki/Sodium_dodecyl_sulfateより

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