愛情ホルモンについてもう少し詳しく…

前回は愛情ホルモンと呼ばれる幸福物質「オキシトシン」について触れていたわけですが、「目ぼしい話は概ね見終えたので、また途中状態だったネタに戻っていこうと思います」などと書いていたんですけど、どうにもあまりにも時間がない状況が続いていまして…

(「もうそれずっと言ってない?」って話ですし、「時間ないならやめたら?」って話かもしれないんですけど(笑)、まぁ、せっかく続けてますしやれる範囲で……って感じですね)

…前回の文科省の支援で作成されていた健康管理記事ウィキペディア記事が信用できないというわけでは決してないんですけれども、やはり医学・生理学系の話は、個人的にMayo(メイヨー)やCleveland Clinicといった世界で最も優れた病院と名高い医療機関の提供している情報が一番最先端でかつ正確だと……まぁ権威に屈するわけでもないですし、ウィキペディア他各種まとめ記事はそういった医療機関の情報をもとにまとめていることがほとんどなわけで、あえて見るまでもないかなとも思えたのですが、やっぱりしばしばアップデートもされているっぽい医療機関による信頼性の高い記事でどう書かれているのかも見ておきたいなぁ…と思えたのです。

 

元々前回の記事でも触れる予定だったのですが、色々書いていたら十分な分量になったのでまぁもういいか、とも思えたんですけど、そんなわけで今回時間もなかったため、単なる翻訳で、「何を書こうか」と考えずに脳死でいける楽さがありますゆえ(何気に結構長いのでこれも手間っちゃあ手間なんですが、気分的に、自分で書くことを1から考えるよりも、何となく楽なのです)、著名医療機関の一次英語ソースの記事の翻訳引用をしてみようかなと思います。

 

「oxytocin」一語で検索してみた所、やはり世界レベルで信頼度が高いのでしょう、まさにクリーブランド・クリニックのまとめ記事が簡易説明文込みでフィーチャーされる形でトップにドーンと出てきていたため、今回はクリ・クリが公開しているヘルス・ライブラリーの記事をそのまんまお借りさせていただくといたしましょう。

 

まぁこれを書いてる時点でまだ全く読んでおらず、読んでみたら知ってる内容ばかりで、「知ってた」とバカにする流れになる可能性もありますが(今まで何度かメイヨーやらの記事を借りて、「全然役に立つ話じゃなかったですね(笑)」とかナメたことを書いたこともあった気がします(笑))、とはいえ信頼度が高く有用な情報には違いありませんから、こちら(↓)から紹介させていただきましょう。

 

my.clevelandclinic.org

 

Oxytocin(オキシトシン

オキシトシンは、出産時の子宮収縮や産後の授乳を刺激する天然のホルモンです。また、人間の行動や雌雄両方の生殖器官にも影響を与えます。

 

概要

オキシトシンとは何か?

オキシトシンは、陣痛や分娩、授乳といった女性および男性の生殖器系への重要な作用のみならず、人間の行動全般にも影響を及ぼす、天然のホルモンです。オキシトシン視床下部で作られますが、貯蔵は下垂体後葉で行われ、そこから血流に放出されます。

ホルモンとは、血液を通じて臓器や筋肉などの組織に情報を伝えることで、体内の様々な機能を調整する化学物質です。これらのシグナルは、何を、いつすべきかについて、我々の体に伝えてくれています。

視床下部というのは脳の一部分で、血圧、心拍数、体温、消化などといった生体機能をコントロールしています。

下垂体は、視床下部の下、脳の底部に位置する、豆粒大の小さな内分泌腺です。

 

オキシトシンの合成製剤

オキシトシンの合成型(製剤)―シントシノン®やピトシン®―は、自然に陣痛が始まらない場合に分娩を誘発するため、または収縮を増強するために、医療従事者によって使用されています。また、胎盤の娩出(陣痛の第3段階)を早め、大量出血(産後出血)のリスクを減らすためにも合成オキシトシン医療機関で使用されています。

 

オキシトシンの機能は何?

オキシトシンの2つの主な物理的機能として、陣痛や出産時に子宮収縮を刺激すること、および、産後の授乳を促進するために乳房組織の収縮を刺激することが挙げられます。

 

オキシトシンはまた、脳内の化学伝達物質としても作用し、以下のような人間の行動や社会的な相互作用の多くに、重要な役割を果たしています:

  • 性的興奮
  • 認知・認識
  • 信頼
  • ロマンチックな愛着
  • 親と子の絆

 

オキシトシンが脳に及ぼす影響は複雑です。研究者は現在、以下のような様々な状態におけるオキシトシンの役割を研究しています:

 

オキシトシンと子宮収縮

陣痛中、胎児の体(通常は頭)が子宮頸管を押すと、この刺激による神経インパルスが脳に伝わり、脳下垂体を刺激してオキシトシンを血流に放出させます。オキシトシンは子宮へと伝わり、子宮収縮を促します。

これらの子宮収縮は、続いて、下垂体に多くのオキシトシンを放出させ、その結果子宮収縮の強さと頻度の両方をさらに増加させます。オキシトシンはプロスタグランジン(ホルモンに似た作用を持つ脂質のグループ)の産生も増加させ、陣痛を促進し、子宮収縮をさらにまた増大させます。これにより、経腟分娩を完全に行うことが可能となっています。

 

オキシトシンと授乳

赤ちゃんが生まれると、オキシトシンは胸部の肺胞管にある筋上皮細胞の収縮を引き起こすことで授乳を促します。この収縮により、乳腺組織を通して母乳が移動してきます。

赤ちゃんがおっぱいを吸うと、オキシトシンの分泌によって母乳が分泌され、赤ちゃんが授乳できるようになります。赤ちゃんが吸い続ける限り、脳下垂体からオキシトシンが分泌され続けます。ひとたび赤ちゃんが吸うことをやめると、次の授乳までオキシトシンの分泌は止まります。

 

出生時に男性に割り当てられた人におけるオキシトシン

出生時に男性に割り当てられた人(assigned male at birth; AMAB)では、オキシトシンが射精に関与しています。このホルモンは精管を収縮させ、精子と精液を前方に押し出して射出します。オキシトシンは精巣のテストステロン(性ホルモン)の産生にも影響を与えています。

 

オキシトシンレベルはどのようにコントロールされるのか?

オキシトシンは、正のフィードバックループを持つ数少ないホルモンの一つです。これはつまり、オキシトシンの放出が、脳下垂体を刺激することで、さらに多くのオキシトシンを放出させる作用につながっていく…という形になっているということです。

ほとんどのホルモンは、分泌された後に負のフィードバックループを形成しますが、こちらは、ホルモンが体に影響を及ぼした後、体から分泌されるホルモンの量が減るように働きかけるという形になっています。

出産時の子宮収縮では、胎児が子宮頸管を圧迫することで、脳下垂体が刺激されてオキシトシンが分泌されます。この分泌は赤ちゃんが産まれるまで続きます。授乳と母乳育児においては、赤ちゃんの吸啜によって脳下垂体が刺激されてオキシトシンが放出され、乳腺組織を通して母乳が押し出されます。オキシトシンの分泌は、赤ちゃんが母乳を吸い終わるまで続き、赤ちゃんがまた吸い始めると再開します。

 

オキシトシンレベルが低下するとどうなる?

オキシトシン濃度が通常より低くなることは稀です。

オキシトシン濃度が低くなると、分娩時の子宮収縮が止まったり、出産後の母乳排出が妨げられたりする可能性はあり得ます。稀ではあるものの、オキシトシン濃度が正常値より低くなる場合の最も一般的な原因は汎下垂体機能低下症というもので、これは下垂体から分泌されるホルモンの全てのレベルが正常値より低くなる状態です。

オキシトシンレベルの低下は、自閉症スペクトラム障害抑うつ症状と関連付けられるようになってきました。研究者により、オキシトシンとこれらの症状との関連、および合成オキシトシンを治療薬として使用する可能性について、現在も研究が続けられています。

 

オキシトシンレベルが高いとどうなる?

オキシトシン濃度が通常より高くなることは、出生時に女性に割り当てられた人(AFAB)では非常に稀で、オキシトシン中毒症と呼ばれます。オキシトシン中毒症になると、子宮が過剰に活動し、子宮筋量が増加し(子宮筋肥大)、子宮内に胎児を入れる十分なスペースがなくなるため、妊娠が制限されます。

出生時に男性に割り当てられた人の場合、高レベルのオキシトシン前立腺肥大症(BPH)との関連が指摘されています。BPHは、腺組織と筋肉組織からなるクルミ大のパーツである前立腺のサイズが大きくなる疾患です。

前立腺尿道の一部を取り囲んでおり、尿道は尿や精子を体外に運ぶ管です。BPHになると、排尿が困難になることがあります。また、BPHは、出生時に男性であった60歳以上の人の半数以上が罹患しています。

 

その他のよくある質問

なぜオキシトシンは愛の薬 (love drug) と呼ばれるのか?

オキシトシンは信頼、性的興奮、関係構築に関連するため、「愛情ホルモン」または「抱擁の化学物質」と呼ばれることがあります。オキシトシンレベルは、誰かを抱きしめているときやオーガズムを迎えているときにも上昇しています。

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

オキシトシンは出産と授乳に不可欠なホルモンです。オキシトシンの濃度が異常に高かったり低かったりすることは稀ですが、妊娠している場合は、陣痛を開始させるために、医療従事者がオキシトシンの合成製剤の投与を勧めることがあります。これにはさまざまな理由が考えられますが、必ずしも体内でこのホルモンが十分に作られなかったり、自然に分泌されなかったりするためとは限りません。陣痛や分娩、授乳について質問がある場合は、必ずかかりつけの医師に尋ねてください。相談に乗ってくれます。

 

…と、普通に真面目な、健康管理というよりやはり医療寄りの、特に妊娠・出産・授乳時に関する記述メインの話でしたね。

「出生時に男性に割り当てられた人(AMAB)」などの表記はいかにもアメリカの公的機関が出す情報に思えましたがまぁそれはともかく、全体的には、何となく愛情ホルモンみたいな「幸福物質」というよりも、性的な生命活動全般に普通に必須で、特に不足することもなさそうな分子といえる気がしますね。

 

「9つのアミノ酸から成る」みたいな化学的な記述がないのは意外でしたが、まぁ、やはり医療機関なので、もっと実践的な医学情報メインという感じでしょうか。

 

前回構造式の画像は使ってしまったので、何となく「この愛情ホルモンのサプリはあるのかな?」と気になったため「oxytocin supplement」でGoogle検索した結果のスクショを貼ってみますと……

https://www.google.com/search?q=oxytocin+supplementより

前回触れていた通り、これはアミノ酸が9つ繋がったものであり、経口摂取しても胃腸でバラバラに分解されてしまいますから、予想通り粒で飲むようなものは売られておらず、「injectable(注射用製剤)」というものや、噴霧式のスプレーが売られているみたいですね!

とはいえクリーブランド・クリニックの記述にあった通り、不足することは基本的にないようですし、一般の人がこんなのを買って、スプレーで吸いこんで「あぁ~愛情を感じる~」とかする必要はなさそうだといえましょう(笑)。

 

と、そんなわけでオキシトシンについてより医学的に詳しい情報に触れてみましたが、これにかこつけて他の幸福ホルモン・神経伝達物質の記事も見てみようかな…などと記事の水増しを企てています(笑)。

ネタに困ったら、次回も似たような感じでいく予定です。

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