大切なやすらぎ物質

今回もちょっと地獄レベルで時間が不足しており、新しい話題を見繕うことも叶わなかったため、前回前々回あたりからしている神経・睡眠の話からめっちゃ適当に軽く話を広げさせていただきましょう。

 

「人間が睡眠状態に入るためには副交感神経系を優位にすることが一番重要」などと書いてきましたが、その神経系について、もうちょい詳しく触れてみようかな、と思ってみた次第です。

 

まぁこないだの記事で既に自律神経系交感神経系副交感神経系についてはウィキペディア記事を貼っていましたが、それぞれについてもうちょい深入りを……

 

まず、そもそもの「神経」ですけど、まぁこれは流石に小学生でも何となく神経ってのがあって運動とかをコントロールしてる、ってのは知ってるレベルだと思いますし、中学理科でも出てくるので大まかにはどなたもご存知だとは思います。

 

こいつらが実際何をしているかというと、結局はある小さな分子、「神経伝達物質」と呼ばれる化学物質を伝えて、各種細胞に分泌してあげて色々な生体反応を引き起こす…という形なわけですが、ズバリ、興奮を司る方の自律神経である交感神経系が伝える物質はアドレナリンで、何気にずーっと前の、楽しい有機化学講座シリーズの一環で、芳香族化合物関連の記事でこちらさんについては見たことがありました(↓)。

 

con-cats.hatenablog.com

 

「闘争か逃亡か」というネタとかにも触れようと思っていましたが、既に書いたことがあった感じですね。

 

まぁアドレナリン自体、日常生活(スポーツとか)でもよく聞く興奮物質ですしこれは有名ですから、今回は副交感神経系が伝えて分泌してくれる、ストレスフルな現代ではより重要といえる、「鎮静性」「やすらぎ・落ち着き物質」ということもできる方に着目してみましょう。

 

これは生物学を学ばれた人じゃないと恐らく名前を聞いたこともないぐらいのものでしょう、それがズバリ、「アセチルコリン」ですね!

 

ja.wikipedia.org

 

まぁ化合物としては本当に小さな、炭素7つから成る低分子でしかないんですけど、我々が安静に落ち着いた状態でいられるのはまさにこいつのおかげといっても過言ではなく、これの量が少なくなっている=アドレナリンの方が優位になっている場合、落ち着かない・常に興奮している=攻撃的になる・汗ダラダラ・心臓バクバク・血圧ビンビン……という、とんでもない状態になってしまうわけです。

 

(なお、この辺の神経伝達物質の作用については高校生物で覚えさせられるわけですが、上に挙げた例は非常に分かりやすく覚え違いも発生しないものの、ちょうど塾講師のバイトをしていたとき、教え子の高校生がこの分野を習った所で、「排泄」に関して、「アドレナリンが分泌されると、排泄は【促進・抑制】される」という問題がありまして、これの正解は【抑制】なんですけれども、その子は「促進ですよね?」と回答したのです。

 この辺の単なる知識問題は、僕もたまに自信がなくなるわけですが、これだけは意外と人間の直感と外れているからか、僕が高校時代の生物の先生が「今から喧嘩するぞ、ってときにションベンだばだば垂れ流す奴はいないでしょ(笑)」と分かりやすく笑いを込めて教えてくれたので自信満々に覚えていたんですけれども、その子は「いや、資料集にそう載ってたんですけど…」と譲らず、「絶対、促進だと思います!」と断固主張してきました。

 まぁ、その問題集の回答を一緒に確認したら、当然【抑制】が正解だったわけですけど、まさに「喧嘩してるときにいきなりブリブリ漏らす人はいないでしょ(笑)」という覚え方含め、しっかり伝授してあげたことが非常に強く印象に残っています(笑))

 

ということで、まぁそれとは逆のアセチルコリンが分泌=副交感神経系が優位になると排泄は促進されるので、子供はおねしょをしがちだともいえるわけですが、いずれにせよ基本的にはリラックスを司る物質ということで、イライラしがちな現代人に非常に重要なものだといえるように思います。

 

そんなわけで、「じゃあ、イライラしがちな人はアセチルコリンを食べまくればいいんじゃないの?」という疑問が出るかもしれないんですけれども、これはズバリ、そう単純にはいかないんですねぇ~。

 

例によってソースがあるとより良いということで、検索したらQ&Aフォーラムが出てきました、そのものズバリの、「アセチルコリンの経口摂取」についての質問がされていましたが…

 

www.nibiohn.go.jp

 

こちらの回答で引用されていた論文(↓)が、「アセチルコリンの多く含まれる食品」について分かりやすくまとめてくれていたので図1をお借りさせていただきますが…

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5986471/より

…この通り、アセチルコリンは当然食品にも含まれ、食べて摂取することに全く意味がなくはないんですけれども、論文後半で議論されているように、アセチルコリンは胃腸で消化され、血管に入ると血液中のアセチルコリンエステラーゼの作用でほとんどが分解されてしまうため、実は経口摂取にはそこまで大きな意味がないと言えてしまうんですね。

(改めてもちろん、全く無意味ではありませんが。)

 

結局、食事での摂取よりも、「神経細胞で合成すること」が大事であり(合成されたものは、分解されずにそのまま神経を介して各細胞へと分泌されるからですね)、それをするためにはやはり、健全な神経機能を保つことが重要になるという話に帰着してしまうといえましょう。

(前回見ていた呼吸法なんかで、副交感神経系を優位に保つことを心がけるなど……

…要は、こういう神経系の問題は、サプリなどでは中々単純な解決が難しい、ということですね……もちろん、副交感神経機能を促進する化学物質もあるかとは思いますが、その辺は度が過ぎると麻薬・覚せい剤になってしまいますし、やはり「自らの力で作る」というのが基本かなと思います。)

 

…と、ちょっと時間切れになったので、サワリのみで中途半端の極みですが、また次回へ続くとさせていただこうと思います…。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村