興奮したときの瞳孔の動向は…?

前回はあまりにも時間がなく、やすらぎ物質といえる、副交感神経から出されるアセチルコリンについて駆け足で見ていましたが、まぁ「次回へ続く」と書いたものの、特にこれといって続くようなネタはなく、何気に今回もまた時間がなさすぎることもあるので、また適当に関連ネタから一つ見繕ってみようかなと思います。

 

話の取っ掛かりとして前回のネタを再度おさらいしてみますと、交感神経系が優位になると「血圧や心拍数が上昇する」というのは、「興奮性の神経」って言ってるんですからまぁあまりにも当たり前すぎる話なのでいいとして……

しかし、「排泄」に関しては、正しい方を知らない場合、意外と想像だと「どっちだ?」と思えてしまうものになっており、正解は「排泄を抑制」する方に働くのが交感神経系だという形になっています……なんてことを、塾のバイトをしていたときの生徒の勘違いネタなんかに触れつつ紹介していました。

 

(実際、前回の記事ではその生徒のことを「全くの勘違い」などと断じていましたが、何気に僕も高校生の頃、資料集で「アドレナリンは排泄を促進」って見たような気がするんですよね。

 幸い僕は高校の先生の分かりやすい教え方で正しく覚えられはしたんですけど、実はその塾で教えていた時の場面は、本当に「その勘違い、分かるぅ~」と思えるポイントだったのでした。

 全然別の2人の生徒がなぜ全く同じ勘違いをしたのか……多分ですけど、ちょうどWikipediaにも交感神経系の各臓器への作用が一覧でまとまっていますが…

ja.wikipedia.org

 

…ここで、例えば膀胱に関しては、

膀胱(T12〜L4)→膀胱三角収縮、括約筋収縮、排尿筋弛緩

…ってあるんですけど、多分資料集とかにも同様の記述があり、ちょうど「排尿筋弛緩」っていうのが、「排尿する筋肉が緩むってことは、栓が緩むってことだろうから、おしっこを出すってことなのかな?」みたいに勘違いしてしまった可能性が高い気もしますね。

 

正直、こんなの解剖学的な筋肉の作りを知らないと正しく理解しようもないんですけど、排尿筋ってのは実は「膀胱収縮筋」とも呼ばれ、いわば尿を溜めている部屋全体を囲っている筋肉といえますから、これが緩む=部屋が大きくなって、尿をより溜める方向に働くという形になっていまして、排泄を抑制する作用があるといえるわけです。


もちろん「排泄を促進する」場合は全く真逆の、「排尿筋収縮」がそれにあたる感じですね。

 

当たり前ですが、副交感神経の方のまとめでは…

 

ja.wikipedia.org

 

膀胱(S2〜S4)→膀胱三角弛緩、括約筋弛緩、排尿筋収縮

…となっており、まさに先ほどとは真逆、排泄を促進する方向に働く神経作用があることがお分かりいただけると思います。

 

話として単純で、かつまあまあ面白い点といえるため、今回は各臓器の反応のおさらいクイズをしてみるとしましょうか。

 

どれも、基本的に高校生物で覚えさせられる話になってるわけですけど、意外と、あらかじめ覚えておかないと(この排泄の例然り)「どっちだ?」と思えるものもあって楽しめる気がします。

 

交感と副交感は真逆の作用に決まっているので、今回は交感神経系が以下の臓器をどう動かすか、という点を見ていくとしましょう。

 

まずは常識的に明らかなやつから、あいさつ代わりのジャブを決めてみますか(笑)。

 

Q1:

 

→要は、交感神経系優位だと、涙の分泌がどうなるか、ですね。


こんなもん当たり前田のクラッカーすぎますが、興奮状態では涙の分泌は抑制されるに決まっています。

…まぁ一応、涙の場合、平時はそもそも分泌されないので、「交感神経系に抑制効果がある」というより、「副交感神経系に分泌促進効果がある」という方がより正確なんですけど、両者はバランスを取り合う神経系になっているので、間接的に交感神経系優位だと涙の分泌は抑制されると考えて問題ないでしょう。

 

当たり前ですが、リラックスしたら、例えば夜寝る時なんかは何か目に涙が浮かびがちですし、あくびしたときなんかも顕著な例ですけど、涙が出やすい精神・身体状態になっている、ってことですね。

逆に「今から喧嘩だ、気合い入れてくぞ!」って時にメソメソ泣き始めるやつはいないわけです(笑)。

 

…って、「感極まって泣くのはどうなん?それも一種の興奮状態だと思うけど」という気もするものの、まぁそれはやっぱり、ちょっとちゃうねん、心は落ち着いてるっていうか、涙は緊張状態が緩んだ時に出るものでしょう…と思えますけど、さらに言えば「なんかすごい大観衆に見られながら全力で走ってる校内徒競走とかで、涙浮かべてるやつおらん?あれは興奮&緊張状態では?」とかも思えてきましたが、まぁあれは目に風を受けたことによる反射反応でぇ…とか色々言い訳は思いつきますけど、こんなもんどうせ入試やテストで正しい答を書ければそれでいい話ですから、無駄にややこしくするのはやめましょう、と提言したい限りですね(笑)。

 

どう考えても、闘争興奮状態より、リラックス落ち着き状態の方が涙が出やすいのは明らかといえる……それで納得すれば文句なしな話で、まぁ以下の問題もそういう感じですね。

 

Q2:瞳孔


→これは大変分かりやすい例なので、生物の試験で一番問われやすい題材に思えますけど、果たしてどっちなのか……

 

っていうかそもそも瞳孔が何なのかですが、まぁこれは流石に誰でもご存知かとは思いますけど、目の、まさに一番中心の(日本人ならほとんどの場合)真っ黒の部分で…


(どアップの目とかやや怖すぎるので微妙にも思えましたが、他にいいアイキャッチ用画像がなかったので、こちらをお借りしました。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/瞳孔より

 

…これが拡大する(黒目が大きくなる)とより光が目の中に入ってきやすくなり、暗い部屋でもモノが見やすくなる、一方逆に閉じると、目に入る光の量が減る……という単純なものですけど(正確には、サイズが変わるのは黒い部分の外側の茶色い部分、画像にもある通り虹彩なわけですけどね)、興奮状態で人の瞳孔はどうなるのか…?

 

まぁこれも、常識的に考えれば何となく想像可能なもので、結論からいいますと、交感神経系が優位になると、瞳孔は拡大(散大)します。


理論づけは中々難しい気もしますが、結局は少しでも光を多く取り入れて外界の様子をより良く観察することにつなげる生理作用といえますから、薄暗い部屋で戦う必要がある場合なんかは、アドレナリン全開にすることで相手の様子をより正確に把握することが可能となるわけですね。

 

…まぁこれも、真昼間の直射日光が差すような明るい広場だと、「うわっ、眩しっ!」ってなって喧嘩に不利では?…とか思えるものの、まぁ別に交感神経の作用は必ずしも「喧嘩に有利になるために」ってわけじゃないですしね(その例えを多用しておいてアレですが(笑))、これもあんまり難しいことは考えず、「ガンギマリの奴は、よく瞳孔バリ開いてるっていうじゃん」みたいなイメージで、僕は受験期を乗り越えた気がします。

 

Q3:毛様体

 

→同じく目からですが、そもそも毛様体の方は、瞳孔よりも普段全く目に見えない分、わかりにくいものといえるでしょうか。

まぁズバリ言えば、こちらは水晶体(レンズ)の厚みを変える筋肉の一種で、この筋肉が縮むことで靭帯に弾性が発生しレンズは薄くなり、緩むと当然逆に、レンズは厚くなるわけですけど、これはもう、強引に丸暗記するしかない話に思えます。


答としては、交感神経系が優位になると、毛様体は弛緩し、レンズが薄くなる=より遠くを見やすくなり、逆に副交感神経系が優位になると(当然)毛様体は収縮し、レンズが厚くなる=近くが見やすくなるということで、理屈付けも難しいレベルの、これはもう知識問題といえましょう。

(喧嘩の例だと、近くが見えにくくなってどうすんだ、って話ですしね(笑)。


 なお、レンズの厚みとかも絡んできて複雑なのでごっちゃに混乱してしまったのか、上記リンクカードを貼った交感・副交感神経の臓器作用まとめの部分では、毛様体筋はまさかのどちらも「収縮」となってしまっていますね。

 実際は、交感神経の作用は「弛緩」の間違いだと思われます。いつか訂正されることを願いましょう(ヘビーユーザーのくせに、Wiki編集の仕方が分からない、他力本願のクズで恐縮ですが(笑))。)

 

Q4:唾液

 

→これまた案外難しい所で、今まさに決闘という場面で、何か狂った悪役がナイフを舌なめずりしながら唾液ダラダラ「じゅるり…」とかやってそうなイメージもあれば、運動会本番直前、まさに自分の番というアドレナリンドバドバの場面では、そういえば口が乾くような…という気がしないでもないですけど、これはズバリ、そんなフィクションの変態ナイフのイメージは無視して自分の経験を信じればよく(笑)、唾液の分泌は抑制されるというのが興奮性の交感神経系の作用という感じですね。

Wikipediaでは「粘液性の液を分泌」となっていますが、教科書によってはこれを「唾液の分泌を抑制」とも書かれる状態だといえるので、まぁ「さらさらした、いわゆるツバは出にくくなる」と考えて問題ないといえましょう。

僕は、「喧嘩しながら唾液ダラダラ流しまくるキモいやつがいるかよ(笑)」って感じで覚えた気がしますねぇ~(笑)。

(まぁ「緊張したら口が乾く」でも十分ですが(笑)。)

 

…と、全然大したことない話にも程がありますが、例によって時間切れになったため、続きは次回また触れていく感じにしようと思います。

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