ついに完成!青い花の同人誌『That Type of Girl』の日本語版・『そっち系のひと』

…といっても、翻訳自体は既に大分前の時点で終わっていたのですが、ちょうど昨日、Frankさんからメールで「翻訳版のPDFおよび書籍形式ファイル作成を完了し、アップロードしたよ」という連絡が届きました。


翻訳完了後、最近のブログ記事では青い花・英語版『Sweet Blue Flowers』を読んで気になった点を見ており、今回は日本語版5巻の部分に触れていくつもりでしたが、予定を変更してそちらのアナウンスをさせていただくといたしましょう。

 

まず、Frankさんからいただいたメールがちょうどいいまとめになっていたので、こちらから紹介させていただこうかと思います。

 

-----昨日夜に受信した、Frankさんよりのメール-----

本日、英語版原本の部分訂正と日本語版翻訳本に、最終的な変更(今の所)を加え終えた。両バージョンともPDFとEPUB3フォーマットの「公式」出力ファイル(素敵な表紙と実際のISBN付き)を作成し、ダウンロード用に、私のウェブサイトにアップロードしておいた。

関連ページ(https://frankhecker.com/that-type-of-girl)の方も更新し、最終版のダウンロードリンクを含め、その他の資料もいくつか更新済みである。日本語訳のダウンロードリンクは以下の通りとなる:

https://frankhecker.com/assets/texts/that-type-of-girl-ja.pdf

https://frankhecker.com/assets/texts/that-type-of-girl-ja.epub

これらのURLは、今後変更されることはない。


リンクから分かるように、PDFと合わせてEPUB3版も作成してある。EPUB3ファイルが読める電子書籍リーダーをお使いかどうか分からないが、もしお使いならば、どうぞお気軽に.epubファイルを読み込んでみていただければと思う。EPUB3ファイルにはフォントが埋め込まれていないため、電子書籍リーダーがデフォルトで使用している日本語フォントで表示されることになる。私のMacではApple Bookアプリで問題なく表示されている;他のシステムでも問題なく表示されることを願いたい。

(以前のメールでも書いていたように)私はこの本にもう少し手作業を加えるつもりだが、ちょうど良いタイミングなのでこの機会に、この本を翻訳してくれたことに対し、本当に心からとても感謝していることをお伝えしたい。この本を出版したとき、私はこの本を翻訳したいと思う人がいるとは夢にも思っていなかった。なので、完全な日本語訳が(しかも出版後3ヶ月足らずで)できたことは、極めて喜ばしいことこの上ない。改めて、ご協力いただき、本当にどうもありがとう!

----------


もちろんお礼のお礼的な感じでメールに返信しましたが、そちらは私信ですし特に触れるまでもないでしょう。 

しかし、翻訳版のアップのみならず、ウェブサイトの方も更新があったようですね。

一番最初の記事(↓)で、そのFrankさんのウェブサイトの記事も翻訳させてもらっていましたけど、せっかくなので昨日更新されていた追記部分(元々あった方の文章は、最初の記事で翻訳済みなので、今回は省略)も日本語で紹介させていただくといたしましょう。
(自分の記述もあって、ちょっと恥ずかしいですが(笑)。)

con-cats.hatenablog.com

----------

That Type of Girl・特設ページ

(「UPDATE 2022-06-10: 」の段落のみ抜粋)

(3段落目)2022年6月10日更新:現在、本書の完全日本語訳も存在し、PDFファイルまたはEPUB3ファイルとしてダウンロード可能である。(下記も参照。)

誰にも聞かれてない質問への回答

Q. この本を読んでくれる人がいると思う?

(回答5段落目)2022年6月10日更新:結論からいうと、私は悲観的になりすぎていたようだ。幸いなことに、本の中で引用した学者の一人であるジェームズ・ウェルカー氏からリツイートをもらい、さらに幸運なことに、志村貴子さんご本人に本書を送ったところ、彼女自身からツイートをもらうことができたのだ。彼らのプロモーションのおかげで、本を公開してから約3ヶ月の間に、このページへのアクセス数は約2000回、PDF版のダウンロードは400回を超え、15名の方々に電子書籍版やペーパーバック版を購入していただけた。ということで、ベストセラーまでにはとても及ぶべくもないが、私が想定していたよりは、いくらか好評を博してもらえたようだ。

Q. なぜ、CC BY-SAライセンスで本を公開しているの?

(最終5段落目)2022年6月10日更新:驚いたことに、匿名ブロガーの紺助氏が、この本の全編を日本語に翻訳してくれた。(日本語版リンクは上記参照。)紺助氏はまず氏のブログ(con-cats.hatenablog.com)で本書の各章を公開してくれたが、ブログでは氏による本書へのコメントや翻訳に関する私とのやりとりなんかも読むことができる。また、Twitter@hitus_concatsでも氏をフォロー可能である。

----------

 

…という所で、実際の翻訳版ですが、僕もEPUBリーダーで開いてみましたけど、大変素晴らしい出来栄えですね!

EPUBリーダーで開いた翻訳版表紙…はてなブログの仕様でこの画像の画質は劣化しているかもしれませんが、リーダー上では大変美しい表示です)

しかし一点、実は、Frankさんへの返信でも既に伝えてあるのですが、修正漏れがないように公式版リリース前にしっかりチェックしたつもりだったんですけど、最終ページ「奥付」の、使用フォントの表記を更新し忘れていたという痛いミスに気付いてしまいました…!


日本語版フォント(Frankさんの作成されていたPDFファイルでの)は当初、個人的な好みでゴシック体をオススメし、ずーっとゴシックを使っていたのですが、章が増えてページが重なるごとに、「うーん、結構文字が詰まってる本だし、ゴシックはちょっとうるさい感じもするな…」と思い、Frankさんに、「やっぱりこういう本の場合、明朝体の方がいいかも。少なくとも日本の小説なんかでは、絶対に明朝体が使われているしね」等々の連絡をし、色々試す中、最終的に本文のみ明朝体に変更することにしました。

(僕も結構古い人間なので、昔のWindowsを使っていた記憶から、モニターで見る明朝体はゴミカス以下の醜さという印象が強く、特にモニターで見ることを想定しているPDF版では、絶対ゴシックの方がいいだろうと思って当初そちらを推奨していたわけですけど、技術の進歩は素晴らしく、フォントもモニター解像度も抜群に進歩した現在だと、明朝体は画面越しであっても普通にめっちゃ美しく表示されることが確認できたので、明朝フォントで良いでしょう、とゴーサインを出した形です。)


…とまぁ経緯はどうでもいいんですけど、フォントの変更は全てを翻訳し終えてからの作業で、ずっと頭の片隅にはあって最終版前に「フォントに関する表記の翻訳修正版は、これね」と送ろう送ろうと思っていたのに、先延ばしにしていたら送りそびれたまま完成してしまい、奥付の文は、当初ずっと使っていたゴシックフォントの表記のみになってしまった形です。

一応最終版でも章タイトルなどはゴシックなので、源暎ゴシックPの表記がそのままになっているのは特に問題ないんですけど、大多数を占める本文のテキストは、源ノ明朝を使わせていただいています。
(フリーの、横書き組版で美しい明朝といえばコレ、って感じですね。)

恐らく第二版では加筆修正されると思いますが、ここでもフォントへのお礼をFrankさんに代わって明記させていただくといたしましょう。
(また、ブログ掲載の該当翻訳記事の方は、既に修正しておきました。)


(なお、やはり環境によってはモニターで見る明朝体はやや線が弱い気もしたので、「PDFファイルでは、標準より太さを1段階上げた設定がいいかも」と提案し、Frankさんにそう設定してもらいました。

 ただ、(電子書籍版=EPUBファイルがどちらなのかは正直よく分かんないんですけど)Frankさんは英語版の改訂第二版の発行と同時に日本語版の印刷版も発行したいと考えているらしく、少なくともその印刷版・書籍用のファイルでは、通常ウェイトのフォントが使われる形になっています。

 僕が大学生だった頃は、上述の通りWindowsの画面上で見る明朝体はゲボクソ醜く、「何この汚い文字、誰が明朝体なんて使うかよ」と思ってたんですけど、実は紙に印刷してみると、ゴシック体はやや線が太すぎて幼稚で、レポートなんかでは逆に明朝体の方が遥かに大人っぽくかつ美しく(しかもインクも使わない(笑))表示されるんですよね。

…ということで、PDF版は、もしかしたらモニターで見ると明朝にしてはやや太めに思えるかもしれないんですけど、印刷される書籍版では通常の書体になるはずです、という注意事項でした。)

 

そんなこんなで残念ながら一点修正ミスが残ってしまっていた翻訳版ですけど、それ以外にも、チェックしたつもりではありますが、やはりこれだけの量だと、恐らく誤字脱字は残っている気がします。

もし翻訳のおかしな点や誤植を見つけられた方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけると大変幸いに思います。


なお、誤字脱字は(ないことを願いたいですが(笑))ともかく、「表記揺れ」については、こちらは確実に存在しているように思います。

例えば、「~という」と「~と言う」とか、「~ところで」と「~所で」とかですね。

ただこれは、もちろんランダムで適当にあてがってしまってる部分も確実にあるとは思いますけど、「ちょっと周りに漢字が多いから、ここは平仮名の方が読みやすいかな」(あるいはその逆)みたいな、意図的にあえて変換したりしなかったりの部分もあるので、まぁプロの仕事ではないし、その辺は大目に見てちょんまげ、って感じかもしれません(笑)。

(あぁ、他にも、数字を漢数字で表記するかアラビア数字で表記するかとかも、一応統一したつもりですが(二桁以上の数字が並ぶなどの特定の例外を除き、漢数字表記優先)、これも表記揺れは大いにありそうですね。

 改めて、その辺は別に表記が違っても意味は通るし、素人仕事なのでご容赦を、といいいたい所ですが、もちろんどんな点でも、もし目にされて気になる点がありましたら、ご連絡いただけると大変ありがたく存じます。)

 

…そんな所でまとめると、当初「2-3週間ぐらいで終わりそうですね」とか言っていたのにその倍以上かかってしまったわけですが(笑)、いやぁ~本当に楽しかったですね。

間違いなく、この翻訳版公開作業を通して、僕自身が一番楽しませてもらったように思います。

素晴らしい考察本を書かれた(と同時に、大量の質問にも快く答えてくださった)Frankさんと、まさにこの本を紹介してくれて素晴らしい出会いのきっかけを与えてくださった(と同時に、当たり前ですが『青い花』他素晴らしい作品を生み出してくださっている)志村さんに、改めて心からお礼申し上げたく存じます。


そして、翻訳本編以外の長々とした無駄コメにも目を通してくださった読者の方も、本当にどうもありがとうございました!

(…っても、ブログ記事ではまだシリーズの途中ですけどね(笑))

 

あぁあと最後、英語版の内容に関する質問を全部し終えた後に、「あ、これもFrankさんに聞いておきたい話だった」という疑問が1つ浮かんできまして、ちょうど一昨日ぐらいに質問メッセージを送っていた話があり、それはまぁ大したものでもないんですけど(既に、以前の記事で触れたことのあるポイントです)、いただいた回答の中のFrankさんの『青い花』遍歴が面白かったので、最後ついでなのでそちらも紹介させていただくといたしましょう。

 

-----Frankさんへの最後の質問-----

めっちゃ些細な点なんだけど、最後に聞いておきたかった質問を思い出した。

Frankさんは日本語版の『青い花』も持ってるんだよね?

とはいえ手にしたのはそこまで遠い昔ではなさそうだし、初版・初刷ではないと思うからちょっと聞いてみたいんだけど、日本語の誤植がその後の版で修正されているかどうかを確認したいんだ。


日本語版2巻で、p. 112が一番大きくて確認しやすいと思うんだけど(でもこの回は全部の語が間違ってる)、「恭己」の表記は正しい?
(p. 112の1コマ目は漢字がこれ1つしかないから、どれがその文字かはアメリカ人でも見分けがつきやすいはず…。)

手持ちの初版では、これが恭巳になっているんだ(かなり小さな違いで、日本語非ネイティブの人には区別がつかないかもしれないけど、2文字目、左の部分が上につながっていて、これだと違う文字で「やすみ」になってしまうんだ)。

日本の出版社を通した本でもエラーのまま残っていることから明らかなように、とても小さくて見分けがつきにくいけど、とにかくまだ残っているのか、あるいは既にどこかの時点で改訂されているのかが気になったもので。

もし手持ちの本が初版なら、まず変更はないと思うから確認する意味もないんだけどね(ちなみに、p. 187の「第1版 第1刷」の部分で確認可能)、一応お手持ちのより新しいものがどうなっているか、確認していただけるとありがたい限り。


A. お尋ねの通り、日本語版全8巻を持っているよ。2015年10月にアマゾンジャパンで購入した。

なぜ読めもしない漫画を8巻も買ったのか?…と疑問に思われるかもしれないね。それはなぜかというと、私は最初Crunchyrollでアニメを見たんだが、漫画も読みたくなったんだ。しかし当時、この漫画は1巻を除き、英訳の公式版がなかったのである。他の巻は、有志が非公式で公開していた、無許可の翻訳でしか読めなかったんだね。

そこで、私がこの漫画を手に取ることで志村さんにきちんと売り上げが還元されるようにと、日本語版を購入した次第だよ。その後、『Sweet Blue Flowers』のVIZ Media版を、印刷・紙版とKindle版の両方で購入したので、これまでに3回、私は青い花で志村さんに貢いでいることになるね :-)

なお、私の手持ちの版でも、まだ恭巳になっているよ。

(2) p. 187によると、私が持っているのは、第1版 第8刷のようだ(2013年発行)。

 

⇒ということで、同じ初版なので当然かもしれませんが、恭巳の記述は恐らくまだそのままの可能性が高いといえそうです。

そもそも漫画が「増刷」ではなく、改訂の「増版」になることって、もしかしたらよっぽど不適切な表現とかがあって、変更せざるを得なくなった…とかそういうことがないと、あえて改訂はされないのかもしれませんね。


いずれにせよ、恭巳はともかく、Frankさんのロイヤルカスタマーっぷりは素晴らしいですね~。

僕は電子で買ったものを紙で買うことはまずしない(というか一度もない)ですが、そもそも高価な翻訳版を二度も購入するのは、まさに志村さん愛に溢れた、素晴らしい読者といえましょう。

そもそもこれだけの考察本をしたためる時点で最強のロイヤル読者といえそうですけど(笑)、改めて、Frankさんと出会えて青い花や志村さんの良さを語り合えて何よりでした。

本当に、大変楽しかったです。

----------


…と、スペースがあったら、前回もう長すぎたので保留していた「青い花で学ぶ英語」ネタに触れようかと思ったんですけど、もう十分すぎる長さになったので、それはまたの機会にしようと思います。

翻訳版は完成しましたが、「英語版・青い花の気になる点を見ていこう」記事は、まだもうちょい続けていく感じです。

ではまた次回…!

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村