ついにAmazonでも公開されました!

青い花』の考察本である『That Type of Girl』の日本語訳版となる『そっち系のひと』に関して、ここ最近Frankさんが最後の詰めの作業をされていたのですが、ちょうど、「Amazonでも公開がされたよ」と、リンク付きでメッセージをいただいていました。
そんな訳で今回は、『放浪息子』の英語版から派生した一連の電話英語ネタはお休みして、宣伝を兼ねてそちらを取り上げる回とさせていただこうと思います。

いただいたAmzonのリンクは4つもあり、そんなに沢山一体何かと思ったら、Amazon.comアメリカのアマゾンですね)とAmazon.co.jp(日本のアマゾン)のそれぞれに出品されているようで、かつ、Kindle版と製本版(ペーパーバック)が用意されているため、合計4つのリンクが存在したという形でした。

早速それぞれのリンクをカード形式で貼らせていただきましょう。
(日本のAmazonKindle版)

www.amazon.com

4つ貼ろうと思いましたが、Amazonのページ内でKindle版とペーパーバック版は切り替え可能ですし、似たようなものを何度も貼るのもうるさいだけに思えたため、代表してKindle版の方を貼り付けておきました。


Amazonのリンクカードには画像が表示されないようで若干味気ないため、日本版の方のスクショだけペタリと貼らせていただきましょう。

 

https://www.amazon.co.jp/dp/B0B8H1LYM5/より

Kindle版は400円、ペーパーバック版は1650円と、そこそこのお値段ではありますが(円安の影響もままありそうです)、全347ページと結構なボリュームの本になっています。

ちなみに英語版は348ページで……って、あれ?作業中は、日本語版の方が断然ページ数が多い形になっていた記憶があり、「あぁ、日本語の方が1文字の情報量は多いけど、訳注とか英語表記の並列とか色々あるから、その分ページがかさんじゃったのかな」とか思ってたんですけど、結果的にはほぼ同じなばかりか、むしろ日本語版の方が短くなっているので、やっぱり文字あたりの情報量が違ったのかな?と思える形かもしれませんね。

(ちなみに英語版のページ数は原典『That Type of Girl』のKindle版のAmazonページ掲載の情報ですが、これは追加チャプターも含む増補版であり、初版の方は、まだペーパーバック版のAmazonページにそのまま記載されていた通り、305ページでした。
 とはいえ比較対象は新段落の追加された増補版といえるので、やはり「日本語版の方が若干短くまとまった」と言えるのには間違いないですね。)


また、このAmazon公開に伴い、Frankさんご自身のウェブサイト(That Type of Girlの特設ページですね)も改めて更新されていました。


こないだ、日本語版のPDFファイルやepub3ファイルが一通り完成したときにも更新部分について触れていましたが(こちらのブログ記事→ついに完成!青い花の同人誌『That Type of Girl』の日本語版・『そっち系のひと』)、今回の更新分も、新しくなった部分だけ触れさせていただきましょう。

(2022年8月6日更新:)

  • 本書の英語版および日本語版ウェブペ⁠ージへのアクセス数は約2200回を数えた。
  • 原典である英語版のPDFおよびEPUB3のダウンロ⁠ードは約460回を数えた。
  • 日本語版のPDFおよびEPUB3のダウンロ⁠ードは約120回を数えた。
  • 18名の方々に、英語版または日本語版の電子書籍版またはペ⁠ーパ⁠ーバック版を購入していただけた。

 
実質数字が更新されていただけでしたが、それ以上に重要な点として、Frankさんご自身のサイトに、『That Type of Girl』紹介・導入記事ページの日本語版も掲載されることになりました。

英語版オリジナルのページのトップからもリンクが貼られていますが、こちら(↓)ですね。

frankhecker.com

まぁこれは基本的に僕が一番最初に勝手に翻訳していたものなわけですけど、当初、この部分は考察本に掲載されるわけではなく、単に参考までに自分のブログに載せるものとして書いていただけだったので、何というかやや口語的でカジュアルな表現が目立つ翻訳になっており、考察本の翻訳で用いたそれなりに堅い感じではなく、Frankさんのサイトにはやや似つかわしくなかったこと、それから一番最初の翻訳だったということもありやや不慣れな訳も散見されていたので、全体的に刷新しておきました。

(といっても、語尾をちょっと変えるとかそのぐらいで、大きな変更はしていませんが。)


なお、自分のブログ記事としては一連の考察本翻訳シリーズの一番最初、こちら(↓)がその翻訳を掲載していた記事ですが……

con-cats.hatenablog.com

確か、「ウェブ上に全く同じ文章が存在すると、検索エンジン的に非常に良くない判断がされる」という話があったと思うので、Frankさんのサイトで正式に日本語版の紹介ページとしてアップされることとなった現状、上記記事の翻訳部は削除して、Frankさんのサイトへのリンクを貼っておくよう変更しておきました。

ただ、こないだの(上の方でリンクも貼った、最初の日本語版PDF完成時の)記事と、それからまさに今回も上で貼った「更新された部分だけ抜粋して、翻訳&紹介しておきます」の部分は、各タイミングでの更新部分を記録として残す意味もありそうですし、こちらは全文ではなくあくまでごく一部の引用なので、これらはそのまま残しておこうと思います。
…まぁ、今さら割とどうということもない話ですね。
 
あとはせっかくなので、裏話というほどではないですが、翻訳版の制作にあたって&Frankさんと一緒にAmazonでの自己出版に携わった上で(まぁ、Amazonでの出版に関しては、僕は1%も協力しておらず、各種処理は全部Frankさんがされた形ですが)気になった点をいくつか、適宜備忘録として、あるいはアメリカのAmazonでの出版なんかを考えている方のために若干意味があるかもしれないネタとして、残しておこうと思います。
 
まず、製本にあたり翻訳でどうするか迷った点として、「Self-published」という表現をどう日本語にするのかで面白い発見がありました。
当初、一番最初に考察本を翻訳していく際に、最初の奥付的なページも訳しておりこの部分も日本語にしていたのですが、この時は特に深く考えず適当に「自費出版」としていたんですけど、何とな~く、この表現はしっくり来ていなかったのです。

まぁ別に悪い表現ではないと思うんですけど、何となく「自腹で作りましたよ」みたいなニュアンスが目立って、ちょっと金銭的な主張が前面に出てるかなぁ…とでも言いますか、何かベストではないなとずっと思っていたんですけど、他にいい案も浮かばなかったのでそのままにしていました。
で、最後実際にPDFの出版というか公開にあたり、Frankさんから「Self-publishedは『自費出版』でいいのだろうか?」という質問をいただきまして、「あ、そうそう、それ気になってたんだよね~。ちょっとしっくり来ない部分はあるんだけど、他にいい表現もない気がするし、英語でもVanity pressという形で対応する語があるちゃんとした表現だと思うから、これでいいんじゃないかな」と、Wikipediaの「自費出版」というページの英語版としてつなげられている記事(↓)のリンクも入れて、Frankさんに返信しました。

en.wikipedia.org
そうすると驚いたことに、

「残念ながら、Vanity pressというのは、Wikipediaの記事にもある通り(※注:英語版記事の細部は読まずに、適当にリンクだけ送ってました(笑))、英語では非常にネガティブな表現になっているんだ。実際、厳密にいうと、私の場合は伝統的なVanity pressで出版しているわけではないともいえるしね。

 翻訳にかけてみたら、『私家本』などという日本語も出てきたが、これはどうなんだろうか?

 あるいは、ご指摘いただいた『同人誌』という表現は私も考えていた(※注:上記メッセージで他の案も一応送っていたんでうけど、「『同人誌』も可能性としてあるけど、これはむしろ『自費出版』より違和感がある気がする…」と書いていました)のだが、実際Shimuraはツイートでこの本を『同人誌』と表現していたしね。

 それかもしくは、この際ここには何も書かないのも案かもしれないね。……」

…という旨のメッセージをいただきまして、まずそもそも、「自費出版」の英語にあたると思われた「Vanity Press」がかなりネガティブなイメージの強い言葉だったようで、実際日本語のWikipediaにも「トラブルの例」などは載っていましたが、これはちょっと日本語・英語で差のある言葉になってるのかもしれませんね。


その後も何往復か意見交換をしあって(やっぱり、「私家本」や「同人誌」という表現は、結構違和感が大きいように思いました)、Frankさんももうこの表現自体取っ払ってしまう方向に傾きかけていた所、突然、「自己出版」という、ほとんど一緒だけれど「自費出版」よりお金のニオイがしない、遥かにいい表現が浮かんだのです!


実際検索してみてもFrankさんの例にドンピシャぴたりで、↓の参考リンク(日本語ページですが、Frankさん自身が機械翻訳するだけでも恐らく理解できるものだったので、そのまま送りました)とともに、「いきなり浮かんだけど、『自己出版』が完璧だと思う!『自費出版』がしっくり来なかったのは、この完璧なフレーズがあるからだったんだ…!」とツバを飛ばす勢いでメールを送信した結果……

smartgate.jp
…最終的に、これが採用されて、「自己出版」と表記することになった、という形ですね(本の2ページ目ぐらいにいきなり出て来ます)。

…と、えらい無駄に長々と書いちゃいましたが、伝えたかったのは、英語の本を作る際、日本語の「自費出版・自己出版」のつもりで、何となく「Self publication」とかよりカッコいい気もする「Vanity press」と使いたくなる方がいらっしゃるかもしれないんですけど、こちらはどうもかなりネガティブなフレーズになるので避けた方が無難かと思われます、という点でした。

(まぁ、英語の本を一冊書き上げるような方が、そのことに気付かないわけもない気がしますが…。)

 

あと他には、Amazonに送信するフィールドで一つ、Frankさんから、

「『Publisher Label (Optional)(=出版ラベル(必須項目ではないオプション))』という項目があるのだが、ここは日本語の本の内容などを書く欄のようなんだけれども、何を入れればいいのかよく分からない。essayとかnonfictionとかだろうか?」

…という質問を受けていて(この点に限らず、全項目でカタカナ表記が必要なこともあり、全項目のお尋ねをいただいていましたが、興味深かったのはこれぐらいですかね)、返事として、

「『エッセイ』や『ノンフィクション』は、英単語の持つニュアンスと、日本で実際に使われている意味合いが大きく違うので、あんまり相応しくない気がする。

(※注:「エッセイ」は、英語だと本当にシンプルな書き物・小論文や随筆なんかにも使われる語ですが、日本語の場合、もちろんそういう意味もあるものの、かなり「作者の日常レポート」的な意味合いが強い感じですよね。
 また「ノンフィクション」も、日本だと「実際に起きた事件や出来事のルポ」的なジャンルの意味合いがかなり強く、Frankさんの考察本には不向きだと思いました。)

 なので、あえて入れるならそれ以外がいいと思うけど、Amazon.co.jpにあるジャンル一覧を見渡してみた所、この本には『評論・文学研究』っていうラベルが一番合ってるんじゃないかな?」

…と返信し、Frankさんはそれを採用されました。


で、ちょうど先ほどAmazonの商品ページのリンクをいただいて見てみたわけですが、なんと、商品名に、

そっち系のひと: 志村貴子青い花』に関する考察(評論・文学研究)

…と、まるでタイトルの一部であるかのように、このラベルが併記されてしまっていました…!

まぁ別にあっても悪くはないんですけど、別にタイトルの欄に入れるような情報でもありますまい…と思えたので、Frankさんに「やっぱりこれはなくてもいいかもね」と伝えたところ、この欄は空白に変更されて、今は(上のスクショにもあった通り)余計な表記がなくなった形です。
ということで、このフィールドはまぁ空欄でいいんじゃないかなと思った、という話でした。

…と、あといくつか翻訳・編集裏話的なネタが(大したものでもないですけど)あったのですが、大したことないくせに無駄に結構長くなってしまっていたので、記事の水増しも兼ねて、次回もう一回だけ番外編として、今回の翻訳本ネタは二回に分けて続けさせていただこうと思います。

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