一体何から脱線したのか最早あまり定かではない胆嚢シリーズ、記事中に出て来ていた色々な関連用語を見ている感じですが、今回は前回・前々回と見ていた黄疸記事でリンクが貼られており、「こんな用語に記事が…?」と思えました、白目について!
…って、「白目とは?」とか、知らない人がいるわけないですけど(笑)、実際の白さを産み出しているメイン部分と言えます、表面の膜の部分が何と呼ばれているのかは、案外知られていないかもしれません……
↑のリンクカードのランニングタイトルにもありますように、Scleraという英単語も全く見慣れないものの、日本語である強膜というのも網膜や角膜と比べてあまり目にしない気もしますね。
とはいえそこまで医学的に重要というか話題があるわけでもなく、かなり短めの記事でしかなかったのですが(だからあえて選んだんですけどね(笑))、今回はこの白目について、偉大なるクリーブランド・クリニックのまとめ記事を見て行こうと思います。
強膜(目の白い部分)(Sclera (White of the Eye))
強膜、あるいは白目とは、眼球を包む丈夫な組織です。強膜は眼球の形を保ち、外傷から眼球を保護するのに役立っています。多くの刺激物や健康状態によって、強膜全体が変色したり、斑点ができたりすることがあり得ます。目や視力の変化に気づいたら、医療機関または眼科専門医を受診してください。
概要
強膜とは何?
強膜は眼球の白い部分です。眼球の大部分を覆っている保護カバーと言えます。眼球の前面にある角膜(cornea)から、後方の視神経まで伸びています。
強膜は薄い―その厚さはわずか1ミリ程度(クレジットカードと同じ)―ですが、眼球に白い色を与えている丈夫な保護層なのです。眼球を保護し、支えてくれています。強膜(sclera)の複数形は、scleraeです。
(※各部位の用語は、Lens(レンズ)を除き全て本文中に出て来ていたため、上記「角膜(cornea)」のように、出てきたら英単語を併記しておくのでご参照ください。)
機能
強膜は何をしているの?
強膜は眼球を支えている壁です。強膜は眼球の形を保ち、外傷から眼球を守っています。
強膜に付着している筋肉は、眼球を動かす役に立つものです。
解剖学的知見
強膜はどんな種類の組織なの?
強膜は丈夫なコラーゲン繊維でできています。コラーゲンは体の皮膚、筋肉、骨、および結合組織の主成分であるタンパク質です。
強膜のコラーゲン繊維は、強膜を強く柔軟なものにすることにつながる、ランダムなパターンで互いに交差しています。このコラーゲン繊維の網目が、強膜を白くしている張本人なのです。
強膜は完全に白いの?
コラーゲン繊維がランダムなパターンで重なり合っていることで、強膜は白くなっています。コラーゲン繊維は互いに十字に重なり合っているため、目の他の部分ほど光を通しません。例えば、角膜(目の前面にある透明な部分)のコラーゲン線維は整然と並んでいるため、透けて見えるほど透明となっています。
強膜の各部位はどんなもの?
強膜には、サンドイッチ状に重なり合っており、目の他の部分とつながっている4つの層があります:
- 上強膜(Episclera): 透明で薄い組織の層で、最も外側の層です。
- 間質(Stroma):線維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)とコラーゲン線維とから成る層で、上強膜と混ざり合っています。
- 強膜褐色板(Lamina fusca):強膜と、虹彩(Iris)、脈絡膜、毛様体(ブドウ膜―眼球の中間層―の一部)を含む眼球の他の部分との間の移行層です。
- 内皮(Endothelium): 強膜の基底層、すなわち最も内側の層です。
症状と疾患
私の眼の強膜が白くないのはなぜ?
様々な問題や状態によって、白目が他の色に変わることがあり得ます。どなたの目も、時々赤くなったり炎症を起こしたりするものですが、目や強膜の変化が1~2日以上続くようであれば、眼科専門医や医療機関を受診してください。
強膜の色に影響を与える可能性のある目の状態には、以下のようなものが含まれます:
- 目の感染症
- ブドウ膜炎(通常、体が感染症と戦うことで引き起こされる発赤)
- 上強膜炎(通常、自己免疫疾患が引き起こす充血)
- 黄疸
- 翼状片(サーファー眼)
- コロボーマ(眼欠損症)
- マルファン症候群
- 貧血
- 骨形成不全症
目の怪我や日常的な目の刺激(ほこり、アレルギー、煙、日光照射など)は、赤目(充血)を引き起こすことがあります。
目の色の変化や目の痛みを含む、各種目の変化に気付いたら、医療機関または眼科専門医を受診してください。
強膜を再び白くするにはどうすればよい?
眼科専門医が眼科検査を行い、強膜が変色した原因を診断してくれます。白目が通常の色に戻るよう、原因に対処するための治療を提案してくれることでしょう。
以下が必要となるかもしれません:
眼科の専門医に、基礎疾患の管理方法と推奨される治療法について尋ねてみてください。
ケアする
強膜を保護するにはどうすればよい?
強膜(および眼の他の部分)を保護する最善の方法には、以下が含まれます:
- 全てのスポーツ、身体活動、または作業において、安全ゴーグルやその他の眼保護具を着用する。
- 日光によるダメージ、風、ゴミから目を保護するために、サングラスを着用する。
- 目に触れる前に手を洗う(コンタクトの着脱を含む)。
いつ眼科専門医を受診すべき?
以下を含む目や視力の変化に気付いたら、眼科専門医を受診してください:
- 強膜の色の変化
- 目のかすみや視力の悪化
- 排出物(目から漏れている膿や液体)
- 光過敏症
- 痛みや圧痛
クリーブランド・クリニックからのメモ
ほとんどの方は、鏡を見る度に毎回自分の強膜を目にしますが、赤くなったり、炎症を起こしたり、痛みを感じたりしない限り、それに意識が向くことは決してないでしょう。白目の炎症や変色は時折あることですが、視力の変化や目の痛み、またはその他の症状は無視しないようにしてください。目のことに心配があるなら、眼科を受診するのは決して悪いアイディアではありません。見舞われている症状の原因を理解するための手助けをしてくれますよ。
非常に、何と言いますかこれといって「そうなんだ!」ということも特にない(勝手にまとめといて酷い言い分にも程がありますけど(笑))、まぁ逆に言えば分かりやすく簡潔にまとまった記事でした。
全く関係ないですが、掲載イラストで本文中での登場がなかったレンズ(Lens)、これの豆知識…って程でもないものの、初見時は結構驚くかもしれないネタとして、「『レンズ』の語源は、レンズ豆」というものがありますね。
(参考:我らがキヤノンの解説記事↓)
これはひとえに「レンズ豆」があまりにも日本人にとってマイナーすぎるのが原因だと思われますが、どう考えても「レンズ」の方が馴染みがあるし、「レンズ豆」なんて聞いたら「レンズの形に似てるから、そんな名前で呼ばれてる豆なのかな?」と思えるものの、冷静に考えたら太古の昔からある植物と、文明の利器である光学レンズとの関係がそうなっている訳はなく、これは実際には、
「カメラや虫メガネで使われるレンズは、形がレンズ豆に似ているから『レンズ』という名前になった」
…という、直感とは真逆の歴史がある、ってことなんですね。
(まぁでもそう考えたら、人間の眼球にも「レンズ」はあり、豆よりもそっちに先に名前がついててもおかしくなくない…?とも思えるものの、まぁそれもやっぱり、解剖学が発展するまで眼球内の部位に名前などつくわけありませんから、「豆が語源・オリジナル」だと、あんまり納得いかないけど納得せざるを得ない感じと言えましょう(笑)。)
まぁそんなことは本当にどうでもいい話でしたが(笑)、今回の記事にも面白そうな用語があったので、また少し関連ネタに脱線させていただこうかなと思っています。