目にまつわる四方山話、前回は眼球の先端(角膜)だけがピョコっと飛び出てしまう、円錐角膜という症状を参考にさせてもらっていましたが、この記事に限らず、目関連の記事であまりにも何度も出てきていたものがあったため、「そんなに色々登場するなら、詳しく見ておいてやろうじゃあないの…」という感じで、今回はそちらを見てみようかなと思います。
(というのは建前で、実際は、非常~に短くまとまっていた記事だったから、楽ができそうだシメシメ…という、それだけの理由ですけど(笑))
それが、スリット・ランプ検査、まぁスリットは日常用語でもそこそこ聞く気がする、チャイナドレスとかの「切れ込み」を意味する、「割れ目・細い隙間」的な意味で、ランプはランプですから分かりやすい用語ではあると同時に、日本語では「細隙灯」と、むしろ漢字が読めねぇよ、とも思えるものかもしれませんが(ちなみに「さいげきとう」ですね)、読んで字のごとく、細い隙間から明るい光が照射されるもので、眼科検査で用いられる医療器具のことを指す形ですね。
ちなみに、英語では「顕微鏡」を意味する語はありませんが、もうそれを指すことが決まっているので、Slit Lamp Examだけで、日本語では「細隙灯顕微鏡検査」と表記されることも多いようです。
(今回は無駄に文字数を重ねる意味もないので、最初以外は「顕微鏡」を省こうと思います。)
これを使った検査を受ける予定も別になく、ましてや眼科医を目指すわけでもないものの、せっかくだからどんなものなのか、今回もHEALTH LIBRARY記事を参考にさせていただきましょう。
細隙灯顕微鏡検査(Slit Lamp Exam)
細隙灯検査とは、眼科専門医が患者さんの目の健康状態をチェックするために行う一般的な試験です。目のあらゆる部分―目の内部を含め―を見ることができます。これにより、患者さんが抱えている問題を診断したり、緑内障や白内障のような症状の初期サインを発見することが可能となります。
概要
細隙灯検査とは何?
細隙灯検査とは、眼科専門医が、目のあらゆる部分―目の内部を含め―を見ることを可能にする試験です。通例的な眼科検診における、一般的な一項目です。
細隙灯は、眼科専門医が目のあらゆる部分を見るために使用する、明るい光が備え付けられた特殊な顕微鏡です。目の内部、そして目の層を通して見ていくために、光が調節されることでしょう。担当医が目の全体的な健康状態をチェックし、お抱えの問題や症状を診断します。
細隙灯検査を行う際には、ほぼ確実に瞳孔が拡張されることになります。瞳孔が開いている状態では車を運転することができないので、受診の後には交通手段を手配するか、誰かに迎えに来てもらうようにしてください。
細隙灯検査はいつ行われるの?
定期的な眼科検診の際に、眼科専門医が、診察室で細隙灯検査を行うことでしょう。視力と目の健康を維持するために必要な検査の1つです。
片方の目に問題がある場合、または担当の眼科専門医が、ご自身が患っているかもしれない病気の徴候をチェックしているような場合は、細隙灯検査がより頻繁に必要になるかもしれません。
糖尿病の方々は、定期的な目の検査が必要であり、細隙灯検査がより頻繁に必要になる可能性があります。
いつ細隙灯検査が必要になるの?
数年に一度は細隙灯検査が必要となることでしょう。これは、担当の眼科専門医が目の変化を把握し、ご自身が抱えている症状を診断するのに役立つものとなります。担当医は、細隙灯検査によって、以下を含む目に影響を与える症状を選定検査します:
担当の眼科専門医が、細隙灯検査が必要な頻度や、どのような状態や変化を調べているかについて教えてくれることでしょう。
誰が細隙灯検査を行うの?
担当の眼科専門医が、診察室で細隙灯検査を行うことになります。特別な予約を取ったり、特別な施設を訪れたりする必要はありません。
検査の詳細
細隙灯検査はどう働くの?
細隙灯は、眼科専門医が患者さんの目に照射する、明るい光を備えた特別な顕微鏡です。目の様々な層や部分を見るために、光の明るさや太さが調整されます。以下を含む、眼球の外側にある部分を観察します:
- 結膜
- 強膜
- 角膜
また、以下を含む、眼の内部も検査されることでしょう:
- 虹彩
- 瞳孔
- 水晶体
- 網膜
- 視神経
担当の眼科専門医が、染料を目に入れてくることがあるかもしれません(点眼薬か、あるいは染みのついた色紙で)。これは、角膜の傷や損傷の確認に役立つものです。染料が眼から抜ける速さによって、涙のシステムに何らかの問題があるかどうかを示すことも可能となっています。
細隙灯検査の準備はどうすればよいの?
細隙灯検査のために何かを準備する必要は一切ありません。
検査の前に、眼科専門医が特別な点眼薬で瞳孔を拡大させることがあり得ます。事前に、瞳孔を拡大するかどうか、また受診後に迎えに来てもらうべきかどうかを、担当医にお尋ねください。通常、瞳孔が開いている状態で車を運転するのは安全ではないので、前もって交通手段を手配しておくことを忘れないようにしましょう。
細隙灯検査では何が起こるの?
細隙灯検査の間は、あご当てと額当てに頭を固定することになります。担当の眼科専門医が、明るい光を目の中や周囲に当てながら検査していくことでしょう。
担当医が瞳孔を拡張させる必要がある場合は、点眼薬を差すことになります。通常、数分で効果が現れます。瞳孔が拡大した後、担当医が再び目を覗き込むことになるでしょう。
細隙灯検査の後は、何を考えておくべき?
細隙灯検査の後にする必要があることは何もありません。瞳孔が拡張された場合は、瞳孔が通常の大きさに戻るまで運転すべきではありません。
瞳孔が開いている間は、より光に敏感になってしまいます。検査後数時間はサングラスをかけるとよいかもしれません。瞳孔が開いていなければ、すぐに通常の活動に戻ることが可能です。
細隙灯検査のリスクは何?
通常、細隙灯検査を受けることのリスクは何もありません。
稀ですが、瞳孔を拡張する点眼薬で、以下の副作用が出る方がいらっしゃる場合もあります:
- めまい
- 口の渇き
- 顔の紅潮感
- 吐き気や嘔吐
結果とフォローアップ
細隙灯検査ではどんな結果が得られるの?
細隙灯検査には、他の種類の検査で得られる類の結果はありません。数値や比率、あるいは陽性/陰性といった検査結果は得られないということです。代わりに、担当の眼科専門医が目を観察した後、更なる検査や治療が必要なものがあるかどうかを教えてくれることでしょう。
対処が必要な問題や状態があれば、何が必要で、何が予期されるかを担当医が伝えてくれます。
いつ医師に連絡すべき?
細隙灯検査の後に副作用があれば、担当の眼科専門医にお伝えください。
視力が急に悪くなったり、あるいは検査後に片目または両目が見えなくなったりした場合は、救急治療室にかけあってください。
クリーブランド・クリニックからのメモ
細隙灯検査は、患者さんの視力を維持し、目の健康をチェックするために、眼科専門医が行う最も一般的な検査の1つです。定期的な眼科検診の一環として、素早く簡単にできる検査となっています。
視力の変化、または目や目の周りの新しい症状がありましたら、かかりつけの眼科医に相談してください。症状の検査が早ければ早いほど、視力の問題を引き起こす前に問題を発見できる可能性がより高くなります。
沢山ある専門の医療機器の中で、これだけわざわざこんなに詳しく触れる必要はあったんだろうか…?とも正直思えましたが(笑)、目の健康維持のために欠かせないチェック器具だということですね。
画像もない簡素な記事でしたが、せっかくなのでどんなものなのかチェックしておきましょう。
今の時代、動画で見るのが一番ということで、YouTube動画のリンクと、そこから分かりやすい部分のスクショを一枚お借りしてみました。
こうして見ると、何か眼科で見たことがある器具ですね。
他にも、具体的な診察画像なんかも、検索で出てきた医学論文に掲載されていたため、お借りさせていただきましょう。
白内障の方の、進行した右目(A)と軽度の左目(B)、そして両者の術後の細隙灯顕微鏡検査像ということで、これは大変分かりやすいですねぇ~。
…まぁ、これだけ分かりやすければ、スリットランプなしでも分かることない?…って気もするものの(笑)、使った方が確実に細部までの観察が可能でしょうし、照らされた光が反射してちょうどリングのように美しいこともあって、これは偉大な装置といえそうですね!