歯ぎしりは医学的にどんなもの?対処法は?

前回前々回でイメトレ療法、誘導イメージについての話(および明晰夢について)を見ていましたが、正味どんなものなのかはあまり判然とはしなかったものの、これらの記事の中には特に他に気になるものもなかったので、また少しずつ保留中のネタに戻っていこうと思います。

 

と言っても、夢・睡眠関連の記事で気になるネタはまだまだあったので今回もその一環ですが、確かこないだの悪夢記事で触れられていたもので、ズバリ、歯ぎしりについて!

 

my.clevelandclinic.org

 

日本語の場合、「歯ぎしり」と聞いてどういうものかのイメージが付かないわけがなく、読んで字の如しなのでそれ以上の説明も不要なわけですが、英語の場合、どうやら専門用語で「Bruxism」というものがあり、これは専門知識がないと何のこっちゃと思える可能性があるもののようで、括弧付で「(Teeth Grinding)」(歯を擦り合わせること)と、補足説明がついている形ですね。

(ちなみにgrindというのは、「グラインド」と読むわけですけど、第一義的な意味としては、「臼を使ってゴリゴリと粉を引く」というものであり、コーヒー豆をすり潰す「コーヒーグラインダー」なんかで見かける語ですが(まぁコーヒーの場合、「コーヒーミル」の方が一般的かもしれないものの)、いずれにせよ粉末に破砕までせずとも、「擦り合わせる」という意味でも使われる、日常的にもよく目にする単語だと言えましょう。)

 

今回は「○○博士」がしゃしゃり出て来て語るタイプではない、医学情報まとめのHEALTH LIBRARY記事になりますが、歯ぎしりとはどういうものなのか、早速参りましょう。

 

歯ぎしり(歯を擦り合わせること)(Bruxism (Teeth Grinding))

歯ぎしり(Bruxism)とは、歯を食いしばる(clench)、擦り合わせる(grind)、あるいはきしませる(gnash)ことです。歯ぎしりは通常無意識に、起きている時や眠っている時に起こります。原因には、ストレス、不安、睡眠障害、および特定の薬剤などが含まれます。歯ぎしりをする方のほとんどは、カスタムされたマウスガードで症状を和らげることが可能です。

 

概要

歯ぎしりとは何?

歯ぎしりとは、歯を食いしばる(clench)、歯を擦り合わせる(grind)、あるいは歯をきしませる(gnash)ことです。通常、歯ぎしりは無意識の内に起こるもので、起きている時にも寝ている時にも起こり得るものとなっています。

多くの人は、時々、特にストレスの多い状況で歯ぎしりをしています。しかし、歯ぎしりを多くしていると、歯(teeth)や顎(jaws)に余計な負担がかかる可能性があり、歯の損傷、頭痛、顎の痛みやその他の問題につながっていきます。

歯ぎしりは誰にでも発症する可能性がありますが、最もよく見られるのは、小児期、思春期、および青年期です。歯ぎしりは睡眠中に起こることが多いため、どれくらいの人々が歯ぎしりをしているのかを正確に知ることは難しいです。 

 

歯ぎしりは、歯の侵食、顎の痛み、顎関節(TMJ)症といった、様々な症状を引き起こす可能性があります

 

(※各用語は、登場する本文中に英語も併記したので本文をご参照ください。「Ground tooth」だけはその形では出てきませんでしたが、これは「grind」の過去分詞形であり、「擦り減った歯」といった意味合いですね。)

 

症状と原因

歯ぎしりの症状

歯ぎしりの回数が多いと、以下のような症状が現れるかもしれません:

  • 特に朝方の、頭痛や顔面痛
  • 耳痛
  • 顎の筋肉の痛み
  • 耳鳴り
  • 食事中の痛み
  • 口の開閉困難

 

歯ぎしりの種類

歯ぎしりは、起きている時にも寝ているときにも起こり得るものです。歯ぎしりの動作は同じですが、起きている時と寝ている時の歯ぎしりは別の症状になります:

  • 覚醒時歯ぎしり:起きている間だけ歯ぎしり(擦り合わせや食いしばり)がある場合は、治療の必要はないかもしれません―特に、意識を高め、ストレスを軽減する方法を見つけることができればなおさらです。不安、ストレス、あるいは怒りを感じることで歯ぎしりをしている可能性があります。また、何かに強く集中しているときに顎を鳴らしていることに気付くこともあるかもしれません。
  • 睡眠時歯ぎしり: 睡眠中の歯の擦り合わせや食いしばりは、それが起きていることに気付いていないため、起きている間の歯ぎしりよりも害となり得ます。睡眠時歯ぎしりのある方は、しばしば歯ぎしりの影響を抑えるための治療が必要になります。

 

歯ぎしりの原因

なぜ歯ぎしりをする人としない人がいるのか、医療従事者にも正確には分かりません。歯ぎしりの原因は1つではないのです。むしろ、いくつかの危険因子が寄与し得るものとなっています。

 

危険因子

危険因子(リスクファクター)とは、ある症状を発症する可能性を高めるものです。歯ぎしりの危険因子には、以下を含む多くのものがあります:

  • ストレスおよび不安。圧倒されることが多かったりストレスを感じたりすると、歯ぎしりを引き起こすことがあるかもしれません。うつ病や不安障害―大うつ病性障害(MDD)や全般性不安障害(GAD)など―をお抱えの方は、歯ぎしりをしやすい傾向があります。
  • 生活習慣。喫煙、飲酒、およびカフェインを多く摂取する方(1日6杯以上のコーヒー)は、そうでない方に比べて歯ぎしりをする可能性が2倍高くなります。
  • 特定の薬。これには、選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI)と呼ばれる抗不安薬の一種が含まれます。
  • 睡眠時無呼吸症候群睡眠時無呼吸症候群と歯ぎしりには相関関係がある、つまり、多くの方は両方の症状を抱えているということが研究で確認されています。しかし、睡眠時無呼吸症候群が歯ぎしりを引き起こすのか、それともその逆なのかは不明です。専門家が、歯ぎしりと睡眠障害の関係について研究を続けています。

 

この症状の合併症

歯ぎしりを放置すると、以下のような症状につながる可能性があります:

  • 睡眠障害
  • 歯の侵食および歯の緩みやひび割れといった歯の損傷
  • 顎関節(TMJ)障害
  • 顔面痛

 

診断と検査

医師は歯ぎしりをどう診断するのか

医療従事者(多くの場合は歯科医)は通常、身体検査と症状に基づいて歯ぎしりを診断します。しかし、場合によっては睡眠検査(睡眠ポリグラフ検査)が必要になることもあります。この検査は、睡眠センターで一晩かけて行うことで確定診断を下すことが可能となっています。

 

管理と治療

歯ぎしりはどう治療されるの?

軽度の歯ぎしりやたまにしか歯ぎしりがない場合は、正式な治療の必要はないでしょう。しかし、より重度の場合は、医療従事者が以下の歯ぎしり治療を勧めることがあるかもしれません:

  • マウスガード。歯科医が、歯を保護するためのカスタムメイドのマウスガードを作製可能です。この器具はまた、TMJ(顎関節)の筋肉の負担を軽減するために、顎をより良い位置に置くことも可能とします。マウスガードは、歯ぎしりをしやすい時に装着します。
  • ストレス解消法。ストレスに対処する方法を見つけることで、歯ぎしりの症状を軽減できる場合があるかもしれません。これには、瞑想、運動、および認知行動療法など、幅広い療法が含まれます。
  • 生活習慣の改善。歯ぎしりがカフェインやアルコール摂取の結果である場合は、毎日の摂取量を減らすことが有効です。喫煙者であれば、禁煙することで歯ぎしりを止め、質の高い睡眠を得る手助けとなるでしょう。
  • 薬物療法。就寝前に筋弛緩剤を服用することで、歯ぎしりを軽減または予防することが可能です。ほとんどの医療機関は、この方法を一時的にしか勧めません。
  • ボツリヌス毒素注射。歯ぎしりが酷い場合、医療従事者が、ボトックス®を勧めることがあるかもしれません。この注射は一時的に顎の筋肉を弛緩させ、痛みを軽減します。効果を維持するためには、繰り返し―通常3~4ヶ月ごとに―治療を受ける必要があります。

 

予防

歯ぎしりは予防できる?

特に睡眠中にしている場合、歯ぎしりや食いしばりを止めることは必ずしもできません。しかし、全体的なリスクを減らすためにできることは存在します:

  • マインドフルネスを実践し、日々のストレスを軽減する。
  • 定期的に歯科検診を受ける。歯科医は、悪化する前に治療することが可能です。
  • 喫煙、嗜好品、アルコールの大量摂取を避ける。

 

見通し/予後

歯ぎしりをする人の見通しは?

人それぞれですが、一般的に見通しは良好です。子供の歯ぎしりは思春期までに治ることが多いです。成人の歯ぎしりにはマウスガードが有効になり得ます。利用する場合は、必ず定期的に装着するようにしてください。

多くの場合、歯ぎしりはやがて治ります。しかし、症状が再燃した場合の対処法を知っておくことは重要です。詳しくは、かかりつけの医療従事者にご相談ください。

 

受け入れる

いつ医療機関を受診すべき?

歯ぎしりの症状がなかなか治まらない場合―あるいは頻繁に起こるような場合―医療機関に相談するべき時と言えます。ストレスの多い時期を乗り切るための一時的な治療が必要な場合でも、マウスガードのような長期的な解決策が必要な場合でも、医療機関がお手伝いしてくれますよ。

 

その他のよくある質問

歯ぎしりは深刻な問題なの?

場合によります。たまにしか歯ぎしりをしないのであれば、ほぼ間違いなく、大した問題ではありません。しかし、歯ぎしりを長く続けていると、やがて歯にひびが入る、頭痛、顎関節症、耳鳴りおよびその他の健康問題につながる可能性があります。

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

朝起きると、顔全体に痛みが広がっていませんか?いつも早朝に頭痛がすることはないでしょうか。あるいは、寝不足で疲れが取れなくて、それがなぜなのか分からないと感じることがあるかもしれません。こういった不思議な症状は、歯の擦り合わせや食いしばり(歯ぎしり)の可能性があります。かかりつけの医療機関が診断をくだして、適切な治療を探すお手伝いをしてくれますよ。

 

僕は、いびきはかきませんし(まぁ自分では分からないのみならず、あまりにも疲れていたら女性でもいびきをかくものですし、「絶対にかかない」とは言い切れませんが、基本的には毎晩地鳴りレベルではないはずです)、歯ぎしりもそこまでうるさいのはないものの(ちなみに、記事によると(これは意外でしたが)「子供の頃の方が歯ぎしりをしやすい」とのことでしたけど、結構年齢が上がるまで同じ部屋で寝ていた姉に指摘されたこととかもないですしね)、とはいえ特に頭をよく使った日とかは、眠りにつくために横になった際、歯を食いしばって軽く擦り合わせる感じにすると、

「あ、疲れた頭の筋肉(こめかみ部の緊張)が少し緩和される気がするなぁ」

と感じることは実際あるため、ストレスがかかっている状況だと、歯をグーっと噛みしめてギチギチとは、寝ている間にやってることもあるのかもしれません。

 

ただ、ずっと前、ダウンタウンの松ちゃんが、浜ちゃんと初めて同じ部屋に泊まった時、「お前、せんべい食うてるんかと思たで、何やあの歯ぎしり!バリバリボリ~て!!」と話していたのを覚えてるんですけど(今検索したら「たくあん」でしたが(笑)、僕は「せんべい食いだしたんか思ったわ!」のバージョンを聞いた記憶が強いですね(笑))、流石にそんなめちゃくちゃな音は立てないとは思います(逆に、どうやったらそんな音を寝ながら無意識に鳴らせんねん、って気もしますしね(笑))。

 

マウスガード・マウスピースは良さ気ですが、なんとなくそれ自体がストレスになりそうな気もするものの、まぁ医療機関の用意するものですし、メリットの方が大きいのは間違いないですね。

漬物レベルの歯ぎしりで悩んでいる方は、そういう器具を使ってみるのもいいように思えます。

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