眼瞼下垂を知っておこう

色々と「目」にまつわる医療記事を見ており、目のクマから前回は一重まぶたについての話を取り上げさせてもらってましたけど、続いて似たような目の周りの記事に行こうかと思っていたのですが、一重の記事で触れられていた「眼瞼下垂(がんけんかすい)」、これもそういえばどんなものなのかあんまりイメージもなかったため、今回はこちらを見て行こうと思います。

 

my.clevelandclinic.org

 

読んで字のごとく(…って、「まぶた」の漢字はあまり使われないですし、何だかごつい文字列のイメージしかないかもしれませんが(笑))、まぶたが垂れ下がる症状であり、英語ではPtosis、これはこないだの翼状片・pterygium同様、先頭のPはミュートされるもので、発音としては「トーシス」という、物々しい漢字とは正反対に何だかあっさりした呼び名ですね。

 

早速参りましょう。

 

 

眼瞼下垂症(垂れ下がったまぶた)(Ptosis (Droopy Eyelid))

眼瞼下垂症とは、まぶたが目の上で垂れ下がっていることを意味します。これは視界を邪魔し得るもので、また他の合併症を引き起こす可能性があります。眼瞼下垂症は、生まれつき(先天性)の場合と、生きていく中で後天的に発症する場合があり、治療法が存在しているものです。眼瞼下垂症が気になる方は、かかりつけの眼科専門医に、治療選択肢についてご相談ください。

 

概要

眼瞼下垂症とは何?

眼瞼下垂症とは、上まぶたが垂れ下がったり、たるんだり、目の上に落ちてきたりする症状です。通常、眼瞼挙筋―まぶたを持ち上げる筋肉―が本来の働きをしないために起こります。眼瞼下垂症の程度によっては、視界が制限されたり、完全に遮られたりすることもあり得ます。眼瞼下垂症は片方または両方の上まぶたに影響を与える可能性のあるものです。また、片目だけがもう片方より酷い状態になることもあり得ます。

この症状には、blepharoptosis、upper eyelid ptosis、またはdroopy eyelidという別名があります(※英語では異なりますが、日本語ではどれも「眼瞼下垂」と呼ばれるように思えます)。 

眼瞼下垂症は、上まぶたが垂れ下がったり、たるんだり、目の上に落ちたりする症状です。

 

眼瞼下垂症のタイプ

眼瞼下垂症は小児にも成人にも発症し得ます。

  • 先天性眼瞼下垂症: 先天性眼瞼下垂症とは、お子様がこの症状をもって生まれてきたことを意味します。眼瞼挙筋の発達に問題があると、先天性眼瞼下垂症になります。
  • 後天性眼瞼下垂症: このタイプの眼瞼下垂症は、成人になってから人生の途中で発症するものです。眼瞼挙筋が弱くなったり、まぶたから離れてしまったりすることで起こります。

 

症状と原因

眼瞼下垂症の症状は何?

ご自身またはお子様が眼瞼下垂症かどうかは、典型的にはまぶたの様子で判断可能です。まぶたが目の上部だけを覆っている場合もあれば、瞳孔全体を覆っている場合もあり得ます。その他の眼瞼下垂症の症状としては、以下が含まれるかもしれません:

  • 目が過度に擦られる
  • 涙の増加
  • 視界の悪化や障害
  • 目の周りの疲れや痛み
  • 子供は、物を見るために頭を後ろにのけぞることがあるかもしれません。

 

何が眼瞼下垂症を引き起こすの?

眼瞼下垂症の原因はタイプによって異なります。赤ちゃんの中には、生まれつき片方または両方のまぶたに眼瞼下垂症がある場合もあります(先天性眼瞼下垂症)。

まぶたを上げる筋肉や靭帯が、怪我や病気によって弱くなると、生きていく中で眼瞼下垂症が発症することもあり得ます(後天性眼瞼下垂症)。この下垂は時に、まぶたの筋肉をコントロールする神経が損傷した結果起こることもあります。

眼瞼下垂症を引き起こす可能性のある病気や症状には、以下が含まれます:

  • ものもらい
  • ホルネル症候群
  • 重症筋無力症
  • 脳卒中
  • 腫瘍
  • 外眼筋麻痺

ほとんどの眼瞼下垂症は、単に加齢に伴って起こります。年を取るとともに、まぶたの皮膚や筋肉は伸びて弱くなります。手術中に目を開けたままにするための器具がまぶたを伸ばしてしまうため、以前に眼科手術を受けたことがあると、時々、この変化が早まってしまうことがあります。

 

眼瞼下垂症を放置するとどうなる?

もしお子様が先天性眼瞼下垂症であれば、治療は早ければ早いほど良いです。放置しておくと、視力の発達に影響を与えたり、他の問題につながったりする可能性があるかもしれません。軽度の後天性眼瞼下垂症であれば、視力の問題を引き起こす可能性は低く、治療を受ける必要はないこともあり得ます。しかし、重度の眼瞼下垂症は、治療しなければ深刻な合併症を引き起こす可能性があります。眼瞼下垂症の合併症には以下が含まれるかもしれません:

  • 乱視: まぶたが目の前を圧迫すると、目の形が変わってしまう可能性があります。これにより、視界に歪み(視界が引き伸ばされたり、波打ったりするかもしれません)が生じます。
  • 弱視: 乱視やその他の屈折異常(眼鏡が必要なため、ピントを合わせるのに問題が出ること)は、弱視あるいは怠眼の原因になります。
  • あごを上げてしまう: 下垂したまぶたの向こう側を見るためにあごを上げなければならない場合、首の問題や額の筋肉の緊張および発達の遅れの原因になり得ます。

 

診断と検査

眼瞼下垂症はどう診断されるの?

医療従事者は通常、眼瞼下垂症を、垂れ下がったまぶたの見た目で検出することが可能です。両方のまぶたが影響を受けている場合は、診断がより難しくなることがあるかもしれません。担当の医師が身体検査を行うことでしょう。眼科専門医(眼科医)に紹介され、眼科医が眼科検査を行い、さらに追加検査が要求されることもあるかもしれません。

 

この疾患の診断にはどんな検査が行われるの?

担当の眼科医が行うかもしれない検査には以下が含まれます:

  • 細隙灯検査
  • 視野検査
  • 眼球運動(目の動き)検査
  • テンシロン検査(重症筋無力症を診断するために、エドロホニウムとしても知られるテンシロンという薬物を使用します)

 

管理と治療

眼瞼下垂症はどうやって治すの?

眼瞼下垂症の治療法は通常、まぶたの筋肉がどの程度機能しているかによって決まります。眼瞼下垂症が視力に影響を与えず、見た目も気にならないのであれば、治療の必要は全くないかもしれません。

眼瞼下垂症が視力や外見、あるいはその両方に問題を引き起こしている場合は、担当の眼科専門医が治療を勧めてくることがあります。治療の種類は、眼瞼下垂症の原因が病気によるものか、加齢によるものかによって異なります。加齢による眼瞼下垂症の治療には、通常、手術が行われます。

 

眼瞼下垂症手術

眼瞼下垂症手術は、鎮静剤を使用した局所麻酔下で行われます(目覚めていますが、手術を受けている感覚はありません)。眼瞼下垂を修復する手術の種類には以下が含まれます:

  • 外科医が上まぶたの皮膚に開口部を作ります。これにより、まぶたを引き上げる小さな筋肉を見つけることが可能となるわけです。外科医はこの筋肉を引き締め、まぶたを上げるために縫合します。その後、まぶたの皮膚の切開をさらに縫合して閉じます。
  • 外科医が手術全体をまぶたの下側から行うことも可能です。この場合、担当の外科医はまぶたを裏返し、下から筋肉を引き締めます。この方法の場合、皮膚の切開は必要ありません。

手術後、担当の外科医が目のケアの仕方を説明してくれることでしょう。手術の結果を確認するために、手術後に再び医療機関を受診することが重要です。来診は通常、手術後数日から1週間後となります。

 

手術の合併症

眼瞼下垂症の手術後に合併症が起こる可能性があります。手術直後は、まぶたの高さや形が非対称になることがあるかもしれません。また、外科医が過少または過剰な矯正を行ってしまう可能性もありますが、それは時間の経過とともに解消されるはずです。眼瞼下垂症手術によるその他の合併症には以下が含まれます:

  • 傷口からの出血
  • 手術部位の感染
  • 角膜の損傷
  • まぶたを閉じるのが不完全または異常になる
  • 眼瞼下垂症の再発

 

眼瞼下垂症の点眼薬

成人の後天性眼瞼下垂症には、処方薬の点眼薬が利用可能です。この薬はオキシメタゾリンと呼ばれ、眼瞼挙筋を標的としています。この点眼薬を使用すると、まぶたが大きく開くようになる人が中にはいらっしゃいます。効果を持続させるには、毎日点眼しなければなりません。この点眼薬は全ての眼瞼下垂症に効くわけではないので、かかりつけの眼科医に相談して、ご自身に合うかどうか確認してください。

 

予防

眼瞼下垂症は予防できる?

先天性眼瞼下垂症は生まれつきのものなので(赤ちゃんが、眼瞼下垂症を持って生まれてくる)、予防することはできません。後天性眼瞼下垂症の原因の多くも、予防は困難です。

 

見通し/予後

眼瞼下垂症になったら何が考えられる?

眼瞼下垂症の見通し(予後)は、症状の種類と重症度によって異なります。手術が必要な場合、見通しは一般的に良好です。ほとんどの眼瞼下垂症の手術は成功率が非常に高いです。

 

受け入れる

いつ医療機関を受診すべき?

眼瞼下垂症が視界に影響している場合は、かかりつけの眼科専門医に診てもらうべきです。また、以下のような場合も眼科専門医にご相談ください:

  • 外見に影響があり、気になる。
  • 片方のまぶたが突然垂れ下がったり、閉じ始めたりする。
  • 少しでも物が二重に見えることがある、または痛みがある。

お子様が眼瞼下垂症になった場合は、すぐに眼科専門医を受診し、状態を診てもらってください。時に、視界発達の問題を防ぐために、すぐに治療が勧められることもあり得ます。すぐに治療を受けるか後で治療を受けるかにかかわらず、定期的に眼科医に診てもらい、定期的な眼科検診でお子様の視界を把握しておく必要があります。

 

医師にどんな質問をすべき?

  • どうして私は眼瞼下垂症になったのですか?
  • 私の症状はどのくらい酷いのですか?
  • 治療が必要ですか?どのような治療法がお勧めですか?
  • 手術が必要ですか?手術にはどのような合併症が考えられますか?
  • 眼瞼下垂症は再発しますか?

 

クリーブランド・クリニックからのメモ

もし、ご自身やお子様が、片目または両目から目が見えにくくなるトラブルに見舞われていたら、まぶたをチェックしてみてください。まぶたが垂れ下がっていませんか?眼瞼下垂症は、物を見るために常にあごを傾けている時など、イライラさせられるものです。しかし、不便さと付き合う必要はありません。むしろ、我慢すべきではありません。この状態を放っておくと、乱視や弱視などの合併症を引き起こす可能性があります。ご自身の今日の状態について、眼科専門医にお話ししてみてください。

 

イラストで描かれていたおば様が妙に上品で、全く見た目が悪くないばかりかむしろ優しそうな感じでえぇやん、までありましたけど(笑)、実際は特に重度の場合、見た目が眠そう…というレベルを超えて明らかにおかしい感じが見て取れるのみならず、確実に視界がブロックされてしまっている感じで、結構深刻なものもある感じですね。

 

実際の症例の写真が、U Control Billingという医療請求のアウトソーシング企業のサイトにあったので、こちらをお借りしておしまいとさせていただきましょう。

https://www.ucontrolbilling.com/ptosis-of-eyelid-icd-10/より

これは大変そうですね、しかし、手術やあるいは目薬でもまぶたを開くことが可能なようなので、いざなった時には「対処法がある」ということをしっかり覚えておきたい限りです。

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