ここ何回かの記事で、モチリン・グレリン・レプチンという、空腹感・蠕動運動・痩せに関するホルモンを見ていました。
正直、どれも単純に短めな記事だったから見てみただけだったんですけど(笑)、あまりにも時間がない日が続いているため、以前もホルモンシリーズから泌尿器系の臓器記事へ脱線していたように、今回も1つ、参照記事で登場していた臓器のリンク記事が、例によってそこそこ短めだったので、今回はこちらの力をお借りさせていただきましょう。
それが、Gallbladderという、英語だとめちゃくちゃいかつい名前のこちら…
…これは字面からは何なのか全く想像できないもので、知ってなきゃ一切全くどこなのか予想だにつかないかもしれませんが…まぁ以前見ていた「膀胱」がbladderだったので、それを覚えていらっしゃれば、「袋状のものなのかな…?」という連想が働くかもしれず、「袋」を意味する医学的な用語は「嚢(のう)」であり、それを含む臓器といえばそう……胆嚢のことなんですね。
…ってよく見たら記事タイトルに書いていたのでネタバレしてしまっていましたが(笑)、まぁ中学理科でも習った胆嚢、実際何をしていて(まぁ「胆汁を貯蔵する場所」っていう知識は多くの方にある気もするものの)、どんな病気なりがあるのか、今回も天下のクリーブランド・クリニックの記事を参考にさせていただこうと思います。
胆嚢(Gallbladder)
胆嚢とは、胆汁を貯蔵および分泌する、肝臓の下にある小さな、洋梨の形をした臓器です。胆汁とは、食べたものに含まれる脂肪の消化を助ける、肝臓で合成される液体です。
概要
胆嚢とは何?
胆嚢は、胆汁を貯蔵および分泌する、小さな洋梨型の臓器です。胆汁は、食べたものに含まれる脂肪の消化を助ける、肝臓で合成される液体です。
胆嚢はどこにあるの?
胆嚢は腹部の右上に位置しています。肝臓のすぐ下に収まっています。
(※Bile=「胆汁」以外は説明不要だと思いますが(笑)、Stomach=「胃」で、Liver=「肝臓」ですね。)
機能
胆嚢の機能は何?
胆嚢は消化器系の一部です。主な機能は胆汁を貯蔵することです。胆汁は、消化器官が脂肪を分解するのを助けます。胆汁は主にコレステロール、ビリルビン、そして胆汁酸塩から成る混合物です。
胆嚢は他の臓器をどう助けているの?
胆嚢は、胆道と呼ばれるひとつながりの胆管を通して、消化器系の他の部分とつながっています。胆道(時折、胆道系または胆道樹と呼ばれることもあります)は、肝臓から小腸へ胆汁を運ぶパイプのようなシステムです。
胆嚢は何をしているの?
食事を始める前、胆嚢は胆汁で満たされています。食事を始めると、胆嚢はシグナルを受けて収縮し、胆道を通して貯蔵された胆汁を絞り出します。胆汁は最終的に、最大の胆管である総胆管に辿り着きます。胆汁は総胆管を通って小腸の最初の部分である十二指腸に入り、そこで消化されるのを待っている食べ物と混ざります。食後、胆嚢は空っぽになることで膨らんだ風船のようになり、再び胆汁で満たされるのを待つことになります。
症状と病態
胆嚢に影響を及ぼす一般的な問題は何?
いくつかの疾患が、胆嚢に問題を引き起こす可能性があります。最も一般的な疾患は胆石です。胆石は一般的には無害ですが、時には病気につながり得ます。胆嚢疾患には以下が含まれます:
- 胆石: 胆石は、胆嚢や胆管にできる、胆汁成分でできた小石のような物質です。砂粒のような小さなものからゴルフボールのような大きなものまであり得ます。通常は無害ですが、痛み、吐き気、あるいは炎症を引き起こす可能性があります。
- 胆嚢炎: 胆嚢炎は胆嚢の炎症です。胆石が胆嚢から出る胆汁をブロックしてしまうことで起こり得ます。胆嚢炎は発熱や痛みを引き起こし、通常は手術が必要となります。
- 胆石性膵炎: 胆石性膵炎は膵臓の炎症です。胆石が総胆管を通り、小腸に排出される直前の共有点で膵管を塞ぐことで起こります。
- 胆嚢がん: 胆嚢がんは稀です。右上腹部に痛みを感じることがあるかもしれません。しかし、この痛みは他の病気が原因で起こる可能性の方が遥かに高いです。
胆嚢障害の徴候や症状は何?
胆嚢障害の症状は様々です。胆石を感じず、胆石があることに気付かない方々さえいらっしゃいます。しかし、胆石が胆汁の流れを妨げると、胆嚢や膵臓に影響を及ぼし得ます。以下のような症状が現れるかもしれません:
- 右上腹部の痛み
- 腹部上中央の痛み
- 右肩や背中へと放散する、右上腹部の痛み
- 脂肪分の多い食事をした後の痛み
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる状態)
- 吐き気と嘔吐
- 発熱
- 悪寒
- 淡褐色のおしっこまたは淡色のうんち
胆嚢の問題はどう治療するの?
ほとんどの胆嚢の問題は、胆嚢を摘出することで治療されます。胆嚢を取り除く手術は胆嚢摘出術と呼ばれています。胆嚢は必須の臓器ではありません。つまり、胆嚢がなくても通常の生活を送ることはできるのです。外科医が胆嚢を摘出すると、胆汁はまず胆嚢に貯蔵されるのではなく、胆管から直接消化器系に流れ出すようになります。
外科医は3つの方法で胆嚢摘出術を実施可能です:
- 開腹胆嚢摘出術: 開腹手術では、担当の外科医は大きな切開口から手術を行います。胆嚢が酷い炎症を起こしていたり瘢痕化したりしている場合に、開腹胆嚢摘出術が行われる可能性があります。
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術: 腹腔鏡手術では、担当の外科医は数カ所の小さな切開口から手術を行います。腹腔鏡手術は一般的に回復が早く、痛みも少なく、傷跡も小さいです。ほとんどの場合、胆嚢摘出術は腹腔鏡下で行われます。
- ロボット胆嚢摘出術:これはより新しい方法で、少数の施設で利用可能です。
ケアする
体重は胆石ができる可能性に影響する?
太っている方々―特に女性―は、胆石を発症する可能性がより高くなります。これは、太っている方は胆汁中のコレステロール値が高い可能性があるためです。胆汁中のコレステロールが多いと胆石の原因になります。また、太っている方は胆嚢が大きく、上手く機能しないこともあります。急激に体重を減らすことも、胆石ができる可能性を高めるかもしれません。しかし、ゆっくりと体重を減らせば、胆石を予防する一助となり得ます。
胆嚢の手術後、食事はどう変わるの?
切除された胆嚢は必須のものではなかったわけですが、しかし、脂肪分の多い食べ物を消化するのにはしっかり役立っているものでした。胆嚢摘出の直後は、揚げ物や脂っこい食べ物は避けたいものです。
術後は、脂肪のカロリーを食事の30%以下にしてください。全粒穀物、ナッツ類、種子類、野菜といった食物繊維の多い食品を、時間をかけて再開するようにしましょう。あまり早く食べすぎると、酷い膨満感やガスが発生するかもしれません。
クリーブランド・クリニックからのメモ
胆嚢は右上腹部にある小さな洋梨型の器官です。胆嚢は胆汁を貯蔵および分泌し、消化器系が脂肪を分解するのを助けます。胆嚢に関する最も一般的な問題は胆石です。胆石は胆汁成分でできた小石のようなものです。ほとんどの方は胆石があることにすら気付かず、またほとんどの場合、問題を起こすことはありません。脂肪分の多い食事をした後の右上腹部の痛み、吐き気、嘔吐、黄疸、または発熱がある場合は、かかりつけの医療機関に相談しましょう。胆嚢が原因であることが判明した場合、胆嚢の摘出が必要になるかもしれませんが、それはOKなのです―胆嚢は必須な器官ではありませんし、摘出することで気分が良くなるかもしれません。
あまりにも時間がなかったのですが、今回も非常にあっさりと単純明快な記事で、画像まで用意されていて助かりました。
胆嚢は、「腎臓は2つある内の1つはなくなっても大丈夫」という有名な話を通り越して、そもそも必須臓器ではなかったんですね。
とはいえ、胆汁を貯蔵することで脂肪の消化に大きな力となってくれるものではありますから、年とともに油っこいものはキツくなっていくものですし、たまにはお腹の右上をおもむろに撫でまわして胆嚢を労わってあげたいものです(笑)。
せっかくなので、(どう考えても面白い情報なんてなさそうですけど、またそんなに長くなさそうだったので(笑))リンクが貼られていた胆汁やら胆道やらの兄弟記事も見させていただこうかなと思います。