前回の「人が夢を見る理由」というあっさりめの記事の中に、それと全く似たような、今度は夢の意味を問う記事のリンクが張られていました(↓)。
前回の記事よりもかなり長めであるものの、章題とかを見る限り、まぁ前回と同じぐらい中身が薄そうな内容な気もするんですけど(笑)、記事タイトルにもしました「悪夢を引き起こすもの」なんかは興味深いですね。
そんなわけで、似たような話の繰り返しになりそうですが、せっかくですし今回はこちらの記事を参考にさせていただこうと思います。
早速参りましょう。
夢は何を意味するのか?(What Do Dreams Mean?)
日常生活に手掛かりがあるかもしれません
想像してみてください。深く、安らかなうたた寝を楽しんでいると、突然、びっくりして目が覚めてしまいます。しかし、それは外の物音ではなく、鮮明な夢だったのです。
これは、必ずしも異常なことではありません。しかし、なぜ夢がこんなにもリアルなのか、不思議に思われることもあるのではないでしょうか。そして、誰かの夢を見たとき、それは一体何を意味するのでしょう?落下していく夢にはどんな意味が?繰り返し見る夢は?
ジークムント・フロイトやカール・ユングといった心理学者が、夢の意味を説明する理論を提唱しました。「フロイトは、夢は抑圧された内容、アイディア、あるいはテーマであると考えました」と、行動睡眠医学の専門家であるミシェル・ドレラップPsyD/DBSM(心理学博士/行動睡眠医学専門家)が話します。「そして、ユング理論はフロイトの考えから生まれたもので、この集合的無意識という考え方に基づいています。先祖代々、受け継がれてきたものなわけですね。」
しかし、医学的見地からは、夢の解釈はまだ謎に包まれています。「夢の意味する所と、具体的な内容とを結びつける理論には、科学的に証明された、真に一貫したものが存在しません」とドレラップ博士が付記している通りです。
夢とは何?
夢そのものは、それほど謎に包まれたものではありません。「夢とは、寝ているときに見る精神的なイメージや活動のことです」とドレラップ博士が説明しています。夢は睡眠のどの段階でも見ることがあり得るものですが、最も鮮明な夢は通常、急速眼球運動睡眠、いわゆるレム睡眠中に見るものとなっています。レム睡眠とは、脳が非常に活動的で、閉じた目の奥で眼球が急速に動いており、筋肉の緊張が一時的に失われている睡眠段階のことです。
「レム睡眠では、自律神経が安定していません」と語るのはドレラップ博士。「心拍数が上がります。他のノンレム睡眠時のような安定した穏やかな類の呼吸ではなくなっています。」
人間は夢を覚えていないことが多いので、夢を分析するのは難しいと研究者は考えています。「たとえ睡眠検査を受けたとしても、脳の中を見て夢の中で何が起こっているかを知ることができるという訳ではないんです」とドレラップ博士が話しています。「それが、夢が未だに謎めいた存在である理由のひとつです―夢は研究しにくいものなのです。」
なぜ人は夢を見るの?
人間がなぜ夢を見るのかについて、医師はいくつかの有力な理論を持ち合わせています。手始めに、レム睡眠中にはより沢山夢を見がちでもあります、とドレラップ博士が語っている通りです。さらに、レム睡眠中の夢は「記憶の統合」と関連しています、とドレラップ博士が付け加えています。
「このステージで夢を見ることは、重要な認知機能を表しているのかもしれません。夢を見ているときの脳活動は、起きているときの記憶処理の脳活動に似ているのです。」
ストレスや不安感が強いときも、夢を見ることが多くなりがちです。見る夢の種類も変わります。ドレラップ博士によれば、悪夢やストレスの多い夢―例えば追いかけられたり、恐ろしい状況に置かれたりする夢―も、ストレスを感じているときに一般的であるとのことです。「それが、なぜ夢を見るかについての説のひとつなんです」とドレラップ博士が話します。「夢は人間の感情を処理し、管理するのに役立っているのかもしれませんね。」
大変興味深いことに、理由はあまり分からないものの、研究者によって、ある特定の場所に住んでいる人々は、似たような夜間のビジョンを見る可能性があることが発見されたと、ドレラップ博士が付記しています。「夢にはいくらかの文化的な影響があるようです」とドレラップ博士が説明しています。「例えば、ドイツでは同じような夢を見ることが多い、なんてことがあるのかもしれませんね。」
夢は何を意味しているの?
夢の意味を解明することは大きな謎であり、医師、研究者、科学者らが未だにその答を出そうと試み続けています。しかしドレラップ博士は、夢の解釈は主観的なものだと強調します。「私がいつもみなさんに言っていることなんです―あなた自身が夢に当てはめる意味は、私が夢に当てはめるいかなるものよりも遥かに意味深いものになるでしょう、と」とドレラップ博士がおっしゃっています。「なぜなら夢の持つ意味というものはきっと、その夢の中で表現されている、あなた自身の人生における何かに他ならないからです。」
ひとつの例として、他の人と同じ夢を見ることもあるかもしれませんが、あなたの夢はあなたが個人的に経験したことをよりよく表しているものなわけです、とドレラップ博士が注釈を加えています。「例えば、ある人が最近職を失ったとしたら、靴が見つからないというある1つの特定の夢は、最近離婚を経験した人とは全く違う意味を持つかもしれませんよね。」
妊娠する夢―言い換えると、新しい命に関わる夢―も主観的なものです。その夢は、もしかしたら妊娠しようとしているときに、あるいは妊娠していたのに流産してしまったときに見ることがあるものかもしれません。あるいは、そのいずれでもないかもしれません。「この夢があなた自身にとって何を意味するかということの方が遥かに重要なのです。妊娠する夢は、『新しいキャリアを始めているんだ』という意味合い以上のものたり得ることもあるでしょう。ある意味では、新しい人生かもしれません。夢には、本当に様々に異なる意味があるのです。」
夢の中で体験することは、現実の出来事に基づいているかもしれませんが、だからといって、夢が常に現実的であるとは限りません。「夢の中では人間が歪んでいるかもしれないし、普段はいないような状況や場所にいるかもしれませんよね」とドレラップ博士が付記しています。「それはどういう意味なのでしょう?あなた自身の推測は、私のものと何ら遜色はないのです。」
しかし、時には奇妙な夢にも論理的な説明がつくことがあります。歯が抜ける夢は、睡眠中に歯ぎしりと呼ばれる現象である、歯の食いしばりによるものなのかもしれません。「この夢は、より心理的ストレスが表れたものだと言えますね」とドレラップ博士がおっしゃっています。
何が悪夢を引き起こすの?
(※ここには悪夢に関するPodcast動画が貼られていましたが、例によって本文の内容と似たものだと思われますし(とはいえ、最近の記事で語り続けているドレラップ博士ではなく、ティアニ博士という別の睡眠学者の方が話していましたが)、動画は省略します。)
悪夢は恐ろしいもので、起きているときまでさえもその影響が長引くことがあり得ます。「悪夢、特に繰り返し見る悪夢は、まるで同じ物語を演じているように感じることがありますね」と話すのはドレラップ博士。「多くの方が、まるで同じ映画を観ているようだとよくおっしゃられています。」
観てきた映画のように悪夢について話すと、思いがけない結果をもたらしてしまうことがあり得ます。「悪夢を見たら、あまりにも奇妙過ぎて、その悪夢のことをみんなに話したくなりますよね?」とドレラップ博士が予想しています。「しかし、その悪夢を何度も何度も繰り返しリハーサルするということは、神経回路が強化されるということを意味しています。ちょうど、悪夢の記憶を定着させているようなものなのです。そうすると、その夢は再発する可能性が高くなっちゃいますよね。」
ドレラップ博士によれば、悪夢は一般的に以下のような様々な症状や出来事と関連しているとのことです:
PTSD
心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えている方の場合、悪夢はしばしばトラウマの再体験や再現の構成要素になっています。
アルコール
ちょっとした飲み過ぎでも、悪夢が悪化し得ます。
ストレス
ストレスレベルが高いと、夢や悪夢を見ることが多くなります。ドレラップ博士によると、これは恐らく、ストレスが夢を見ている間に起こる感情的な処理をオーバードライブさせるためだとのことです。
精神疾患
ドレラップ博士によると、うつ病や不安症などの精神疾患は、より頻繁な悪夢に結び付いているものだとのことです。
薬の離脱
ある種の薬を断薬することも、より多くの悪夢を引き起こし得ます。「抗うつ薬はレム睡眠を抑制し、レム睡眠の量を減らすものです」とドレラップ博士が説明しています。「抗うつ薬をやめると、レム睡眠のリバウンドが起こりやすくなります。」
つまり、より多くのレム睡眠を経験することになりますから、夢を見る睡眠ステージの時間がより長くなるわけです。「抗うつ薬を中止すると、夢や悪夢が増えることがよくあります」とドレラップ博士が付け加えている通りです。
未治療の睡眠時無呼吸症候群への対処
未治療の睡眠時無呼吸症候群への処置を受けている方は、「夢想起(夢を思い出すこと)および潜在的には悪夢も、より高レベルで発生する」ことが多い、とドレラップ博士がおっしゃっています。「睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠が断片的に乱れているのです。」質の高い睡眠を得るということは、レム睡眠に入るということであり―そしてレム睡眠に留まるということであるため、「レム睡眠を妨げる、短期間の覚醒をなくすことなわけですね」とドレラップ博士が注釈を加えています。「レム睡眠のリバウンドもあることでしょう。」
睡眠障害は夢見に影響するの?
睡眠障害は、夢を見ることを含め、眠りのあらゆる側面に影響を及ぼす可能性があります。
悪夢障害
人によっては、悪夢は一時的な恐怖以上のものと言えます。これは、悪夢障害と呼ばれる睡眠障害の一種です。
「悪夢障害では、本当に苦しい悪夢を繰り返し見ることになります」とドレラップ博士が語っている通りです。「悪夢は頻繁に襲ってきます。悪夢により、睡眠から起こされてしまいます。その後、眠れなくなってしまうのです。覚醒時にはパニック状態になり、方向転換するのには時間がかかります。」
この障害は、日中非常に疲れていることが多くなるので、衰弱状態になりかねません。しかし、ドレラップ博士によれば、悪夢障害の治療は、イメージトレーニング療法と呼ばれるもので可能だということです。
「この治療法には、非常に科学的意義の大きい研究の裏付けがあります」とドレラップ博士が話しています。「セラピストと一緒に、悪夢の内容をより不穏さの小さい内容に書き換え、新しい夢のイメージを日中に練習するのです。」
「これは、夢をより苦痛の少ないものにする目的で行われる、新しい内容の誘導イメージのようなものなのです」とドレラップ博士が続けます。「練習しているそのイメージは、破滅的な悪夢の頻度を置き換えたり減らしたり、あるいは完全になくしたりすることを可能としてくれるのです。」
レム睡眠行動障害
レム睡眠行動障害と呼ばれる睡眠障害も、異常な夢を見る原因になり得ます。「レム睡眠中は一般的に筋肉が麻痺しているので、夢を見ながら行動することはありません」と語るのはドレラップ博士。「進化学的観点からすると、夢を見ているときに動けない方がより自分自身を守る作用が強かったため、そうなったのです。」
しかし、レム睡眠行動障害に罹患している方々は、実際に麻痺していません―つまり、睡眠中、夢を見ながら動き回ることができるのです。ドレラップ博士によれば、常に問題になるわけではないものの、特定の状況では問題になることもあり得るとのことです。
「夢の中で誰かを殴ることで、配偶者やナイトテーブルを殴って怪我をしてしまわない限り、それほど破滅的なものではありません」とドレラップ博士が話します。「安全上の懸念があるわけですね。」
レム睡眠行動障害はまた、より大きな健康問題を予兆していることもあり得ます。「人生の本当に早い時期にレム睡眠行動障害と診断された方の場合、最終的にパーキンソン病やレビー小体型認知症を発症する確率が非常に高くなっています。」
夢を見ないことは普通なの?
ドレラップ博士によると、シャルコー・ウィルブランド症候群と呼ばれる、全く夢を見ない稀な病態があるそうです。この夢の欠失は、脳の局所的損傷(典型的には脳卒中)の後に起こるもので、特にイメージを精神的に思い出す(あるいは「再視覚化」する)能力が失われていることをその特徴としています。
しかし、ほとんどの人は実際に夢を見ています―単に、覚えていないだけなのです。ドレラップ博士が、「『よく眠れないから、夢は全く見ない』とおっしゃる人がいます。必ずしもそうとは限りません」と説明しています。「夢の中身がないからといって、夢を見ていないということにはなりません。人間は通常、夢から直接覚醒しない限り、夢を覚えていません。」
とはいえ結局のところ、夢の解釈はまだ解明されていない大きな謎と言えます。しかし、もし自分の潜在意識が何を伝えようとしているのかという謎を解き明かそうとしているのでしたら、日常生活にその手掛かりを求めてみましょう。
「目覚めたときであれば夢は本当によく思い出すことができますが、その後、消え去ってしまいます」と話すのはドレラップ博士。「そして、『変な夢を見た気はするけど、覚えていない』と思い返すのです。ですから、もっと自覚を持ちたいのであれば、目が覚めたらすぐに詳細をメモに書き留めておくことです―どんな夢だったか、パターンがあるかどうかを同定してみましょう。」
「もう一度言いますが、夢にどのような意味を持たせるかが重要なのです」とドレラップ博士が付け加えています。「それがキーです。それこそが、具体的な解釈を列挙した夢解釈の本よりもずっと関連性が高いものなわけですね。」
想像以上に長かったですが、想像通り、何とも具体性に欠ける話のオンパレードで、やはりまだまだ完全解明には程遠い難しい話なんだと言えましょう。
「悪夢の原因」も、少なくとも僕は1つも該当するものがなかったですし、対処のしようもないしょうもないものしかなかったわけですが(笑)、まぁ、たまに「胸の上で手を組むみたいな姿勢を取って寝ると、悪夢を見ちゃうよ」とか聞きますけど、世界最先端医療機関によるまとめ記事で挙がっていなかった以上、間違ってはいないかもしれないものの、少なくとも医学的に証明された事実ではないのかもしれませんね。
(実際、寝てる時は寝返りを打ちますし、そんな姿勢がずっと保たれるのも難しくない?…って気もしますしね。)
…と、今回の記事も長いだけあっていくつか気になるネタがあったため、次回はまた挙げられていた関連ネタを見てみようかな、と考えています。