引き続き今回も、胆嚢に端を発する胆シリーズの記事でよく見かけた用語を見ていこうかなと思います。
前回はERCPという、胆管のための高度な内視鏡検査を見ていましたが、今回は関連する疾患を見て行きましょう。
それが、jaundice!
…単語からは全く想像がつかないものですけど(読み方すらムズいですが、「ジョォンディス」って感じですね)、これは何気にフランス語で黄色がjauneであり、そこから取られた名前のようで、日本語だとズバリ、「黄疸」ですね!
僕は初見時「おうたん」と読んでいましたが、これは「おうだん」であり、まさに読んで字のごとく、身体の各部(顕著なのが白目)が黄色くなってしまうというもので、ちょうど上のリンクカードのサムネイル画像にも実際の黄疸に罹った方の例が写真で載っていましたけれども、正直、
「いや何か色相も変えてない?だって髪の色もちょっと違うじゃん、怪しい美容医療の広告みたいなことしやがってからに(笑)」
…とか思えたものの、まぁクリーブランド・クリニックがそんなことする意味もないので、単純に光が向かって右側から射しているから明るさが違って見えるだけで、実際このぐらい差が産まれるものなのでしょう。
具体的にどんな病態なのか、早速参りましょう。
成人の黄疸(Adult Jaundice)
黄疸とは、皮膚、白目、および粘膜(鼻や口の中など)が黄色くなる症状です。肝炎、胆石、腫瘍といった、多くの病気が黄疸の原因となり得ます。黄疸は通常、医療機関で主な病状を治療すれば消えるものです。
概要
左:黄疸で黄色くなった目と皮膚。右: 同じ方の、黄疸のない状態。 黄疸って何?
黄疸(高ビリルビン血症)とは、皮膚、強膜(白目)、および粘膜が黄色に変色してしまうものです。黄疸は、肝臓が血液中のビリルビン(赤血球が壊れてできる黄色い物質)を処理できないときに発症します。これは、赤血球が分解されすぎるか、または肝臓の傷害によって引き起こされ得るものです。
黄疸は以下のように発症します:
- 赤血球の分解: 体は定期的に古い赤血球を分解し、新しい赤血球に置き換えています。この分解過程でビリルビンが作られます。
- ビリルビンの処理: 通常、肝臓はビリルビンを処理し、胆汁(食物の消化を助ける、苦味のある緑褐色の液体)の一部にします。その後、肝臓は胆汁を消化器系に分泌します。
- 過剰のビリルビン: 黄疸は、肝臓が体内で作られるビリルビンの全てを処理できない場合や、肝臓がビリルビンを放出するのに問題がある場合に起こります。
- 黄色に: 血液中のビリルビンが多すぎると、血管の周りの組織に漏れ始めます。この漏れ出したビリルビンによって、皮膚や白目が黄色くなるわけです。この黄色は黄疸の一般的な兆候です。
考えられる原因
黄疸の原因は何?
黄疸は、ビリルビンに、以下の3つの段階のいずれかに問題があるために生じる可能性があるものです:
- 肝臓がビリルビンを処理する前(肝前黄疸)。このタイプの黄疸は、体内でビリルビンが作られる前に起こります。赤血球の分解が進みすぎて、血液中のビリルビンをろ過する肝臓の能力が奪われてしまうのです。
- ビリルビンの産生中(肝性黄疸)。このタイプは、肝臓が血液中のビリルビンを十分に除去できない場合に起こります。肝性黄疸は肝不全の場合に起こり得るものです。
- ビリルビン産生後(肝後黄疸)。閉塞性黄疸とも呼ばれこのタイプは、ビリルビンが胆管に排出されるのを、閉塞が止めてしまっている場合に起こります。
黄疸の原因となる疾患には、以下が含まれます:
肝前黄疸の原因
- 大きな血腫(あざ)を分解し、再び血流に再吸収されること
- 溶血性貧血(血球が正常な寿命を迎える前に破壊され、血流から除去される状態)
肝性黄疸の原因
- A型肝炎、B型およびC型慢性肝炎、並びにエプスタイン・バーウイルス感染症(伝染性単核球症)を含む、ウイルス
- アルコール誘発性肝炎
- 自己免疫疾患
- 稀な遺伝性代謝異常
- ペニシリン、経口避妊薬、クロルプロマジン(ソラジンR)、エストロゲンまたはアナボリックステロイド、アセトアミノフェン毒性を含む、各種の医薬品
肝後黄疸の原因
- 胆石
- 胆嚢の炎症(腫れ)
- 胆嚢がん
- 膵腫瘍
黄疸があるかどうかは、どうすれば分かるの?
黄疸に伴う黄色い皮膚や強膜には、気が付かないこともあるかもしれません。かかりつけの医療従事者が、何か他のものを探しているときに黄疸を見つけることもあり得ます。症状がどの程度重いかは、何が原因なのかや、発症の早さまたは遅さによって異なります。
黄疸に伴う症状には以下が含まれ得ます:
- 皮膚や白目の黄みがかった色合い
- 発熱
- 悪寒
- 腹痛
- インフルエンザのような症状
- 濃い色のおしっこ
- 淡い色のうんち
- 疲れる、または錯乱してしまう
- 皮膚のかゆみ
- 体重減少
ケアと治療
担当医は、黄疸があるかどうかをどうやって判断できるの?
黄疸があるかどうかは、担当医が血液中のビリルビン濃度を測定し、それが赤血球の破壊に関係するタイプのビリルビン(非抱合型)か、肝臓障害に関係するタイプのビリルビン(抱合型)かを調べることで判別可能です。また、以下を含む、他の肝疾患の徴候がないかも調べられるかもしれません:
- あざ
- クモ状血管腫(皮膚の表面近くにできる、血管の異常な集合体)
- 手掌紅斑(赤くなった手の平や指先)
担当医が、肝臓の大きさや圧痛を判断するための診察も行ってくれることでしょう。画像診断(超音波検査やCT検査)および肝生検(肝臓の組織を採取すること)を行って、肝障害の原因をより深く理解しようとすることもあるかもしれません。
黄疸はどう治療されるの?
黄疸に対する特別な治療法はありません。しかし、かかりつけの医療機関で原因を治療できれば、黄疸は改善するはずです。また、黄疸が引き起こす合併症の治療も可能です。例えば、皮膚のかゆみが問題であれば、担当医が薬を処方してくれることでしょう。
黄疸を治療しないことの危険性は何?
黄疸の原因によって異なります。ウイルスが原因であれば、ウイルスが広がったり、慢性化したりする可能性があるかもしれません。しかし、肝臓が悪くなって黄疸が出ている場合は、肝臓病による合併症で昏睡や死に至ることもあり得ます。
黄疸は予防できるの?
黄疸の原因は沢山あるので、黄疸を予防する方法を見つけ出すことは難しいです。一般的な心がけとしては、以下が含まれます:
- 予防接種を受け、安全な性行為を行い、清潔な注射針を使用し、石鹸と水による手洗いを徹底するなど、衛生管理に気を付けることで、肝炎の感染を避ける。
- 推奨されるアルコール量の範囲内に抑える。
- 健康的な体重を維持する。
- 天然物やハーブのサプリメントは避ける。
- コレステロールを管理する。
医師に連絡する時
黄疸はいつ医師や医療従事者に治療してもらうべき?
黄疸は、医療従事者によって評価される必要があります。黄疸は、肝臓に何か良くないことがあることを示してくれるサインなのです。黄疸の兆候に気付いたら、医療従事者に連絡してください。
その他のよくある質問
子供は黄疸になるの?
黄疸は新生児によく見られます。大人と同じように、赤ちゃんの血液中にビリルビンが蓄積すると黄疸が起こり得ます。赤ちゃんの肝臓はまだ発達途中なので、全てのビリルビンを除去(分解)することができません。黄疸は通常、自然に治るか、または医療機関が光線療法で治療します。
クリーブランド・クリニックからのメモ
肌や白目が黄色くなるのを見るのは恐ろしいことかもしれません。あるいは、周りの人に指摘されるまで気付かないほど、徐々にしか起こらないかもしれません。心配になるのは普通のことですが、あまり心配しすぎないようにしましょう。黄疸は他の健康問題の兆候であることを心に留めておいてください。つまり、黄疸を治しきる前に、医療機関で主な病気の方を治療しなければいけないということです。
どんな処方薬を飲んでいるかについて、必ず担当医に伝えてください。用量を調節したり、代用品を処方したりする必要があるかもしれません。
また、家族や友人にサポートを頼むのも良い考えです。回復に専念できるよう、日常の雑務を引き受けてくれることでしょう。安静を心がけ、バランスのとれた食事をし、十分な水分補給を欠かさないようにしてください。また、アルコール、ハーブのサプリメント、あるいは市販の鎮痛剤など、肝臓に負担をかけるものは避けましょう。
医療機関から伝えられた時間までに体調が回復しない場合は、直ちに再診の予約を入れるようにしてください。
今回もめちゃくちゃ時間がなくて予定投稿時刻に間に合わないかと思ったのですが、かなりあっさりめの記事で助かりました。
これは実際に自分がなったら相当ビックリするものだと思いますけど、黄疸自体=目や皮膚が黄色くなることそのものは、見た目の驚き以外の実害はないとのことですね。
(ただ、何気に見た目が黄みがかって何だか不健康に見えるというのは、QOL的に非常に大きなマイナスには違いないと思えますが…。)
とはいえ、黄疸発症の原因となる、肝臓やその他関連部位の異常は大きな健康問題なので、決して見逃してはいけないサインだと言えそうです。
「天然ハーブやサプリが良くない」というのは、何事も天然モノが身体にイイとされる世界にあって大変珍しくて意外でしたが、肝臓での処理ということを考えれば、何が入ってるか不詳の天然モノより、完全に画一的に人工合成されたサプリの方が遥かに安全だと、そうも言えるわけですね。
特別な予防もできないし、「健康的な生活を心がける」という1ミリも情報量のない話でしかないものの、これもできればならないように気を付けたい限りです。
