ビールをソッコーで冷やすにはどうするのがベスト?

溜まっていたご質問に触れていくシリーズを続けていますが、今回まずはジェットボックスについて触れていたこちらの記事(↓)へのコメントからですね。

 

con-cats.hatenablog.com

こちらも毎度おなじみ、アンさんよりいただいていたコメになります。

 

「そこは抜け落ちていた」と思えるポイントばかりのナイスコメント、感謝の極みにございます!

 

ジェットボックスの無料講座は、サラッと読むにはややこし過ぎましたが笑、ちゃんとは理解していないものの(同じような問題を解けと言われても無理)、流れはだいたいわかりました。熱もしっかり数字で出てくるんですね。

これ、冷めるまでの時間とかもわかったりしますか?何分以内に食べましょう、みたいな笑

外気温にもよるでしょうし、あと、そのジェットボックスで温めたものと、電子レンジで温めたもの、実際に火を使って調理した直後のものなど、熱の入れ方によって冷めにくいとかあるんですかね?


無料なので調子に乗りました笑

 

⇒↑の記事は熱化学方程式を紹介し、実際にジェットボックスが生み出す熱を求めてみる…とかいう恐ろしくつまんねぇ話をしてたわけですけど(笑)、要は結局、化学反応で生まれる熱というのは決まっており、偉い人がしっかり測ってデータとして残してくれているため、受験生はそのデータを使って計算させられるわけですね。

…偉い人、余計なことすんなし(笑)。


とはいえこれは「ジェットボックスを反応させたときに発生する熱」であり、発生した熱は弁当箱の外に蒸気として逃げる分もあれば置いているテーブルを温めてしまう分もあるわで、実は「どの程度お弁当が温まるか(何分で何度になるか)」というのは、完璧に求まるわけではない感じでした。


言うまでもなく、(アンさんもコメントで触れられている通り)その場所の気温や、お弁当の保存状態(冷蔵保存していたら当然温まりが遅い、など)とかにも左右されますから、正直現実世界においては理論通りには事が進まない…あるいは計算で求まるものなど何もない…とはいえるかもしれません。

 

とはいえしかし、まぁお弁当を食べる環境なんてそんなサウナの中とか極寒の冬空の下とかでは通常ないですし、普通な環境でちょうどいい仕上がりになるように、生石灰や水の量が調節されて入っている、って感じですね。

 

そんなわけで、「反応熱は計算で完璧に求まるけれど、それが実際のお弁当の温まる時間・何度まで上昇するか、といったことにはつながらない」ということからも明らかと思いますが、ご質問にありました「冷め方」については、それ以上に具体的な数字が存在しない状況ですし、「全く分からない」というのが現実といえましょう。

 

とはいえ(三度目)、これまたあまりにも言うまでもない話ですが、周りが冷えているほど早く冷えますし、温度変化というのも結局、こないだの圧力やら温度やらのシリーズでも見ていた通り「分子の熱運動が他の分子に伝わる」ことで生じるものですから、触れる分子が次から次へと変わる状態=風がある状態の方が、より早く冷めてしまうことになります。

(風が吹くと、接している空気の分子が常に入れ替わるため、お弁当に接している空気分子が、一瞬温められたと思ったら吹き飛ばされて、ずーっと室温の空気分子に熱が伝わり続けることになるため。

 もちろん、「放射熱(輻射熱;例の、空気などのない宇宙空間でも伝わるタイプの熱)」は風が吹いても影響を受けませんが、「分子を介して伝わる熱の移動」が段違いになる、ってことですね。)

 

この話からまた1つ、適当に脱線ネタが思い浮かびました。

記事タイトルにもしました、「ビールを最速で冷やすにはどうすればいいのか」を考えてみるといたしましょう。

 

まぁ考えるといっても、これは割と有名な話であり、検索したらいくらでも記事が見つかりましたね。

 

↓の、「よなよなの里」の検証記事が実際の温度変化も載っていて素晴らしいものだったので、こちらを参考にさせていただこうかと思います。

 

yonasato.com

記事にある通り、最速で冷やす方法は、氷に塩を振り、さらに氷上に横に寝かした缶ビールを氷上でクルクル回し続ける……というものですが、これは、氷という低温物質の上にぬるいビールを乗せ、回転させることで「分子同士の接触がより盛んになり、温かい分子と冷たい分子の間での熱交換がより活発に起きる」という、まぁ「言わんでもそんぐらい分かるわ」という話に過ぎないんですけど、この併せ技が最強だという話ですね。

 

ただ、「横に寝かせて水平に回転させれば、炭酸は吹きこぼれません」とあったものの、ぐるぐる回し続けるのはやっぱりちょっと不安にも思えます。


また一方、「塩は必ずしも振らなくても構いません」とあったものの、個人的にはここがポイントで、ありったけの塩をドバドバ加えると、冷えの効果は最強になるように思えます。

 

塩を加えることで温度が下がるのは、ズバリ、これまた高校化学で学習する「凝固点降下」というもので……簡単な説明は、例によって学研のキッズネットの記事(↓)なんかが参考になりそうですね。

kids.gakken.co.jp

…って、ホンマにこれキッズが分かる説明になってるのか?とも思えるものの(笑)、まぁそれはともかく…

(漢字のルビも、何かページがごちゃごちゃうるさくて読み辛くなってるだけのような…とも思えますが、それは本当に幼い子にも読んでもらえるようにという心遣いからのものですし、言いますまい(…って、言ってますが(笑)))

…分子レベルの仕組みとしては、水中に塩が入り込むことで結晶形成が阻害されるために「水が凍り始める温度が下がる」とされており、さらに、食塩自体の溶解熱が吸熱反応であることからも、氷水に塩を加えていくと、(普通なら0℃で凍ってしまうはずの水が)液体のままガンガン温度が下がっていくことになるわけですね

 

ゆーて塩を加えたぐらいで、そない温度なんて変わるわけなくない?と思われるかもしれませんが、凝固点降下の効果はマジで偉大でして、以下の「塩百科」に掲載されていたグラフによると…

 

https://www.shiojigyo.com/siohyakka/about/data/freeze.htmlより

 

塩の溶解度(溶けるMAX)は大体100グラムの水に35グラム程度(=質量パーセント濃度で、26%前後)ですけど、そこまでのデータはなかったものの(※追記:…と、当初は思っていましたが、記事内の説明文を見る限り、グラフ右端が飽和食塩水のデータっぽいですね。温度によっても若干溶解度は下がりますし、この温度ではこの量で限界のようです。飽和食塩水の凝固点は、-21.3℃との記述がありました)、100グラムの水に20グラム超のお塩を加えるだけで、凝固点はなんとマイナス20℃を下回り、実際の塩の溶解熱もあり、マジでこの濃い氷塩水は、マイナス20℃に届くぐらいガンガン温度が下がっていくんですね。

 

マイナス20℃というのはおおよそ冷凍庫の温度ですから、要はビールを冷凍庫に入れるのと同様の効果があり、しかも冷凍庫と違ってゆっくり回すこともできますから、普通に冷凍庫に入れるよりも圧倒的に、尋常じゃないスピードで冷えていくと思います。


そして「なるべく氷に接するように…」というアドバイスがありましたけど、やはり液体の方が接する分子の数が尋常じゃなく多いので…

(例の、沸騰している熱湯に触れたら死亡だけど、100℃超えのサウナは大丈夫、っていうこないだ見ていたのと同じ理論ですね↓)

con-cats.hatenablog.com

…個人的には、氷の上に寝かして回すよりも、缶がそれなりに浸るまで水も入れ(ただ、あまりにも水面が高いと中途半端にプカプカ浮いちゃいそうですし、大量の氷と、下半分は液体の水もある、ぐらいがベストですかね?)、さらに塩を限界までドバドバ入れまして、まぁ開けたとき炭酸が吹き出さないように、たま~にその半水中に立てた缶をそろそろと回す…ぐらいしてやるのが、恐らく一番最強に早い冷やし方ではないかな、と思います。

 

氷も塩も大量に必要ですし、「メンドクセ、そんなことできっかよ」と思われるかもしれませんが、例えば「人生を賭けたパーティーを開いたのに、まさかのビールを冷やし忘れていた!とにかく最速で冷やしたい、今あるものなら何を使ってもいいから、なる早最速で!」みたいな場面でしたら、「とにかく大きな容器にありったけの氷と塩と、あとは液体の水もそれなりに入れて、ビール瓶や缶を突っ込みまくってください!」…ってのが決定解だと思う、って話ですね。


(まぁ、「どんな場面だよ(笑)」って話ですが、大規模な量だと、いちいち回してられませんから、「でっかい容器に溶解度レベルの塩氷水」を用意して放り込むのが最適といえましょう。

…ただし、塩水浸けの冷却後、ちゃんと缶や瓶を水でゆすがないと、(よなよな記事にも同じ注意書きがありましたが)残存の塩水が混じってしまってしょっぱいビールになり、逆にパーティーは失敗に終わってしまいそうなので気をつける必要があるかもしれませんが(笑))

 

…と、もうちょい(ご質問も途中でしたし)触れようと思ってた話もあったのですが、またしても完全に時間切れとなってしまったので、何とも中途半端ですが続きはまた次回再開させていただこうかと思います。

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