モノを温めるのに一番良いのは…

言うほど続いているわけでもないですが、時間不足につき書けていなかった点から、前回のビールを冷やすネタ(↓)の続きとして、早速参りましょう。

 

con-cats.hatenablog.com

そんなわけで前回書いていた通り、いちいち塩を使うのもメンドい&もったいない気もするものの、本当に全力で冷やしたいのであれば、氷と、少量の水と、そして塩をドバドバ加えた氷塩水を使うのがベストでしょう、などと個人的には思えます。

 

ただ水については、水道水を使った場合、特に真夏だと水の温度も結構高いため、氷を入れても水が0℃になるまでも結構な時間がかかりますから、水はなるべく少な目か、あるいはこの際氷に塩を振って凝固点降下により液体化していくのを待つのがベストかもしれませんね。

(その氷の融解で発生する水は0℃未満の、普段は体験できない「ガチ冷た水」って感じですね。)


といってもやはり、「液体と接する」ことの熱交換効率は最強ですから、やはりある程度の液体もあった方がいいのかな、という気がします。

水を入れすぎると「水を冷やす」のに時間を食ってしまうものの、一旦冷えれば「水があることで冷却効率最強」になりますから、バランス次第といえそうですね。

 

その点についてもうちょい補足をしておきたかった感じなので、触れさせていただきましょう。


塩を限界まで加えると、なんと水の温度がマイナス20℃とかまで下がっていくわけですけど、これは冷凍庫の中の温度に匹敵する、という話でした。

「いや、冷凍庫と同じ温度、ってんなら、じゃあ普通に冷凍庫に入れりゃいいじゃん」って話に思えるかもしれないんですけど、それは全然違って、(まぁ前回もチラッと書いてましたが)例のサウナと同じパターンで、熱の移動というのは分子の接触によって、分子の熱運動が両分子に伝わる(分け合う)ことに由来するという話だったわけですが…

(より正確には、熱い=高速で運動している分子と、冷たい=低速で運動している分子とが接触すると、運動のスピードが速い方から遅い方へと伝わり、熱かった方はその分温度が下がり、冷たかった方は温度が上がるということでした)

…固体の氷の場合は、曲面である缶と「点」(良くて「線」)でしか接することができませんし、一方液体なら、自由自在に形を変えられるというその素晴らしい特徴により完全密着が実現されるわけで、「分子の接触効率」が圧倒的に高くなるわけですね!


一方気体の場合も、冷凍庫内は低温で運動している気体分子が飛び交っているわけですが、気体と液体とで同じ空間内に存在する分子の量を比較すると、文字通り桁違いの差があるわけで、同じ温度でも、たまにしか分子が接触してこない冷凍庫空間と違って、分子の数が尋常じゃないほど多い低温塩水に浸けた場合の温度変化は、圧倒的断トツの違いになる、というのがポイントとなる感じなのでした。

 

(さらには、冷凍庫は扉を開けたらガンガン温度が上がっていくので、開けっ放しで缶を回すことも難しいですけど、塩水の桶に浸かってる缶なら、気軽に回して温度の高い分子をどんどん缶表面に近づけることができますから…

(氷水が持つ低温は、氷水分子が缶表面に接触し続けてどんどん缶の内部に伝わっていくわけですけど(正確には、熱は「高温→低温」の方向に伝わりますが、まぁ今は冷やしているわけですし、「低温が伝わっていく」と考える方が分かりやすいですね)、当たり前ですが、熱はワープせず、順番に接触している分子に伝わっていくため、氷水に接している缶表面から遠ざかるほど伝わるのが遅いといえますから、内部ほど温いという温度勾配ができるわけですね。

 これを攪拌すれば、温度の高い分子がより表面に近づいてきて低温を受け取りやすくなりますから(徐々に徐々に伝わっていくのより、高温が直接低温分子に触れた方が圧倒的に早く熱が伝わるため)、全体の温度変化効率はバリ上がることになるわけです)


…そんな訳で、「回せる」ってのも、冷凍庫よりも優れたポイントといえましょう。

 追加でいえば、前回紹介した「よなよなエール」の記事にもありましたが、-20℃という結構な低温だと、ビールが凍ってしまう危険性もあるので、そうなる前に回すなりして、一箇所だけ冷えすぎて凍ってしまわないようにするのも重要そうといえそうですね。)

 

これに関して、ちょうどサウナ記事あたりでも触れようと思って触れずじまいになってた話があったので触れてみますと……

そういった理屈から、何かモノを温めるときは、実は湯煎が最強なんですよね。

 

例えば研究で使う試薬に、冬場なんかだと室温に置いておいたらすぐに結晶化して沈殿が生じてしまうものがあるんですけど、その結晶を溶かしてやろうと思ったら、入っているボトルを結構高温なヒートブロック(温度を一定にできる、穴あき(チューブやボトルをセットできる)のホットプレートみたいなものですね)に乗せても中々溶けてくれないのですが、それより温度が低くても、ウォーターバス(入れた水の温度を一定にできる装置ですね)につけてやればマジで一発で溶解してくれるのです。


他にも、冷凍庫で凍らせた試薬を解凍する際、手指で握って、擦り合わせたりしてちょっと温度を上げてやるのより、これまた37℃どころか常温の水にしばらくつけるだけでも、指で握り続けるよりも圧倒的に素早い解凍が可能になっています。


(本当に驚くぐらい効率が違います。もちろん流石にレンチンとかの方が早いわけですけど、電子レンジでの加熱は高温すぎて試薬にダメージを与えてしまいますし、そんなこといったら沸騰してる水に入れる方が早いともいえますしね、あくまで常温~体温レベルで解凍する際には、

「37℃の恒温槽(温度を一定に保てるオーブンみたいなもの=気体との接触)」<<<「指で温める(固体との接触)」<<<「37℃のウォーターバス(湯煎)」

というレベルで、圧倒的な解凍効率の差になる感じなわけですね。

 

これは改めて、いかに液体が隙間なく容器と密接できる形になっており、また同時に大量の分子が存在しているかの表れだといえましょう。

液体というのは、物質として一番中途半端な状態なのに、この地球上では最も重要とさえいえる素晴らしい形態であり、生命活動にも欠かせない、地球を地球たらしめているものだといえるように思います。

 

…というかよく考えたら、試薬みたいなよぉ分からん例を挙げなくても、もっと身近に、「ハチミツが結晶化したら、湯煎で戻す」という生活の知恵がありましたね!

(参考:平田農園の記事(↓)など)

hirata-farm.com

…記事によると60℃のお湯で戻すのが一般的に推奨されてるみたいですけど、湯煎のいい所は、ヒートブロックとかそういう特別な装置のない一般家庭でも、水であれば温度を一定に保ちやすい、ってのがありそうですね。

…まぁ、一般家庭にはあんまり温度計もない気がしますが(笑)、フライパンに火をくべて直で温めるよりは、水は比熱が大きいので温度上昇が遥かにゆっくりであり、熱しやすく冷めにくいという特徴がありますから、「大体50℃を超えたな」と思ったら火を止めて、ハチミツボトルをポチャンとつけてやれば(っていうか別に最初からつけておけばいい話ですが(笑))、よっぽど大型のボトルでもない限り、すぐ結晶化したものを戻すことができるように思えます。

(※生活の知恵として、こないだもチラッと触れてましたが、50℃ってのは大体、「かなり熱いけど、10秒ぐらいはギリギリ我慢できる」レベルですね)

 

ということで、「湯煎は偉大、液体は最強」って話でした。

 

…まぁ正直、「湯煎で戻すのが早い」ってのは「そんなの言われなくても常識だろ?」って話だったかもしれませんが、特にそういう経験のなかった幼少期の僕ですと、ハチミツを戻すために手で握ったり、コタツに入れたりストーブの前に置いたりとかで頑張ろうとしそうな気がしますけど、人肌程度ではやはり論外で、コタツの赤外線直下とか、ストーブの熱風吹き出し口の真ん前とかでも、60℃まではなくとも50℃とかは余裕で超える気がしますが、気体による温度攻撃ではハチミツを戻すのはほぼ無理といえるぐらいに無理ゲーで、逆に液体につけるのであれば、恐らく人肌40℃弱とかでも割とあっさりいけるレベルではないかと思えます。

(実際、平田農園では60℃とのことでしたが、他のサイトですと「ハチミツの湯煎は40~50℃がオススメ」としている所の方が多数派でした。

 高温にしすぎると焦げや風味の変化が発生しますし、家庭で厳密な温度管理も難しいでしょうから、温度が多少低くても強力な湯煎なら確実に戻せますし、人肌程度のお湯になったらもうそれでOKに思えますね。)

 

…と、ずっと触れようと思っていた「湯煎の強さ」について今回触れることができて何よりでした(でもまぁ実際、そない大したネタでもないので保留していたわけで、言う程のネタでもなかったですけど(笑))。


それを踏まえて、料理における調理法なんかも、やはり液体を使った「煮る」というのが最も素材を変化させることのできる強力なもので……と書こうと思ったのですが、これは全然そんなことはなかったですね。


煮る=水を使うということで、逆に、圧力をかけない限り100℃以上は出せないわけですから、むしろ温度上限のない「焼く」や「オーブンなどの熱風でグリルする」方が断然強力といえるかもしれません。


(ただし改めて、同じ温度に晒し続けるなら、鉄板の上やただの熱風を浴びせるオーブンより、熱湯の中で「茹でる」方が断然調理効率は上ですね。

…もっともそれは、料理の場合、温度のみならず「素材が水と直接接する」という効果も大いにありそうですが。)


…というか、適当に書いてたら違う表現を使ってしまってましたけど、「煮る」と「茹でる」ってどう違うんだ?…と、よく考えたらふと疑問に思えました。

検索してみたら、我らがハウス食品の説明が明瞭にして簡潔でしたね!

housefoods.jp

「茹でる」はパスタなど、熱するのに使った水は捨てるものの、「煮る」は煮汁も一緒にいただく…という、言われてみれば「確かにね」という話でした。

 

…と、無駄に強引に話を広げたような記事でしたが、例によって中々時間がない日々が続いており、勢いだけで書いてるような感じで恐縮です。


最後アイキャッチ画像にも使えそうなネタとして、ハチミツ湯煎用というわけじゃないですけど、ご家庭にあったらお菓子作りとかでも結構便利そうにも思える「ウォーターバス」って、そういやいくらぐらいするんだろ、と思ってモノタロウを検索してみたら……

www.monotaro.com

人気ランキング2位の、アズワンの縦型ウォーターバスが、税抜き1万4900円

 

https://www.monotaro.com/g/01371539/より

そう、ウォーターバスってのは該当商品から画像をお借りしたこういう感じ(↑)で、金属製の深いトレイの中に水を張って、温度を設定してその温度に維持できるという便利な代物なのですが、2万円弱で買えるなら、結構お得…?

…と思ったものの、まさかのこれは「訳ありアウトレット(未使用・開封済み)」で、まぁ別に未使用なら…と思ったら、さらによく見てみたら何とまさか、「山形タイプPP製フタ」だけの値段でした(笑)。


詐欺にも程がある、フタだけの値段を人気ランキングに表示するなし(笑)。

 

本体セット価格はなんと、税抜き9万5900円……

…まぁ、「でしょうね」ってぐらいの全然お得感のなさすぎる値段で、正直「10万出してまで欲しくねぇわ」って感じでした(笑)。

 

まぁウォーターバスを家庭に置くかはともかく、湯煎というのはモノを温める一番よい方法で、そういえば毎日お風呂に入るのも、自分の体を湯煎するようなものですから、それを考えても湯銭は偉大だと言えるのかもしれませんね…!

…と、いい感じでまとめられたところで、何気にまだネタが残っていたので関連話を次回も続けていこうと思います。

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