圧力で押さえつけよう!

前回は、超高圧力をかけることで、消し炭もダイヤモンドに変わる…なんてことを見ていました。

 

そもそも圧力がなぜ物質の状態に影響を及ぼすのか、っていうか圧力って何やねん…?といった点について、またちょっと補足をして無駄にスペースを食うことができそうかな、と思ったため、記事水増しのために脱線させていただきましょう(笑)。

 

2つ目に挙げた「圧力って、そもそも何もんだよお前」って話の方がより根源的な問にも思えましたが、まぁ挙げた順番に「圧力と物質の三態との関係」という点から触れていくと……

「圧力」というものは、日常生活ではそう簡単に変化させられるものではないので(エアコンや冷蔵庫やガスコンロで温度が容易に変えられるのとは違って)、ややイメージが湧きにくいかもしれないんですけど、実は、仕組みを考えると、温度が変わること以上に、圧力が変わることの方がそりゃ物質の状態に影響を与えるでしょうね、ってのは納得いくものになっているともいえるんじゃないかとすら思えます(まぁ実際「温度以上」はないですが(笑))。


まずそもそもの話として、この世に存在するものは全て分子(原子)から出来ているわけですけど、何度か書いている通り、分子ってのは熱運動をしているんですね。

 

そこも正直「何でやねん」って話ではあるんですが、こればっかりはもう、分子や原子を構成する素粒子は勝手に振動し続けるものなのだと納得する他ないといえますけど…


(この辺もマジで難しい話で、「超ひも理論」などと呼ばれる頭の良い偉い人が考えたモデルなどで説明されるもので、物理はモグリの僕では全く説明不可能なため、興味ある方は色々適宜解説紹介系ページ(↓)をご参照ください、という感じで丸投げさせていただきましょう(笑))

 

ja.wikipedia.org

 

kotobank.jp

…まぁ素粒子の振動はともかく、原子・分子レベルの熱運動は、これは「ブラウン運動」と呼ばれる、顕微鏡でも観察可能な微粒子のランダムな動きにつながるものであり……

ja.wikipedia.org

(まぁ上記ウィ記事にある通り、顕微鏡で確認できるブラウン運動はあくまで大量の分子が集まった「微粒子」の動きでしかないんですけど、この動きが、微粒子の周りにある液体分子の熱運動によるものである、と分析・証明したのが、ここにも登場、20世紀の大天才・アインシュタインさんであり、そういった経緯から、分子の熱運動そのものを「ブラウン運動」と呼ぶことも多いです)

 

…と無駄にまた話が逸れましたがブラウン運動とかの名前はともかく、分子ってのは常に熱運動をしているものであり、固体や液体や気体というのは、「その熱運動する分子同士が、どうつながっているか(=どうやって自由な動きから縛られているか)」によるものだといえるんですね。


そもそも分子というのは、各自、自由に熱運動をしているものの、分子同士の間にも色々な力が働いて、ある程度動きが制限されるものになっています。

(その「力」は、分子の中にある微妙な電気の差(↓の記事で見ていた、水の例とかが分かりやすいでしょうか……水の場合、「微妙にプラスに荷電した水素原子」と「微妙にマイナスに荷電した酸素原子」が引かれ合うこのつながりを、水素結合と呼んでいます)が由来の、静電的な相互作用がメインですね。

con-cats.hatenablog.com
 分子自身の結合=原子同士の結合に比べたら、これらはずっと弱い結合になりますが、分子同士の動きを制限するレベルの強さではある、って感じといえましょう)


例えば「固体」というのは、分子同士が極めて強い力でカッチリ引っ張りあっているものであり、分子が多少熱運動をしたところでその場から移動することはできず、結果、形が変わらないものになっているわけです。


しかし、各分子自身の熱運動がより盛んになると、その「分子同士の間に働く引っ張り合う力」をある程度無視して動き回れる状態となります。

この「ある程度自由に動き回れるけれど、完全に他の分子から離れて好き勝手できるわけではない」ものが、説明不要といえましょう、ズバリ、みんな大好き「液体」という状態になるわけですね(まぁ好きかどうかは人それぞれですけど(笑)、僕はやっぱ液体派ですね(笑))。


そして、さらに分子が自由に動けるようになると、最早分子同士はほぼ全くお互い引かれ合っておらず、各分子が本当に好き勝手飛び回っている状態……何らかの容器がないと一箇所にまとめておくことすら不可能な、「気体」という状態になるというのも、もう言うまでもないことでしょう。


ポイントは、分子は基本的に好き勝手動き回りたいのに、分子同士がお互いに引っ張り合う力が強すぎる場合は自由に動き回れず固体に、ある程度分子同士の引っ張り合いを無視できるようになってようやく液体になっている……という、固体と液体はいわば、分子レベルでは無理やり押さえつけられてそうなっているものだ、って所ですね!


ここで話を出発点に戻すと、状態を決定する二大因子、「温度」と「圧力」はそれとどう関わっているかというと……


温度はいうまでもなく、分子の熱運動の激しさをコントロールしています。

熱いほど分子はノリノリの、凄まじい速さで動き回ることが可能で…

(これも「何で?」と思えるかもしれませんが、これは結局、考える方向が逆とでも言いますか、「熱」というのは激しい分子運動の結果、分子同士が衝突した際に発生するエネルギー、いわば「摩擦熱」みたいなものだといえますから、あえて言うなれば「熱いから分子が運動する」のではなく「分子がめちゃくちゃ運動できる状態だからこそ、結果的に熱をもつ」という、因果関係が逆の話といえるのかもしれませんね)

…それゆえ、ものを温めると…


・「分子の運動に元気がなく、分子同士の引っ張り合いにすら勝てず、その場から全く動けない状況の固体」

→「温かくなってめっちゃ動き回れるようになったぜ!まだ多少引っ張られるけど、決まった場所からは動けるようになったよ!…の液体」

→「(さらに温度が上がって)ヒャッハー!もうオレは誰にも止められない、この世の中を好き勝手飛び回るぜぇ~!…の気体」


…へと変化していくのは、納得いくものだといえましょう。


では、「圧力」は…?


これは正直、目に見えないから中々イメージも湧き辛いかもしれず、最初に書いていた通り、続いて「そもそも圧力って何やねん」の話を見ていきたいところですが、とりあえず「物質を押さえつける力」だというのは、どなたもご理解いただけるように思います……そんなイメージを浮かべれば物質の状態に影響を与えるのはまさに当たり前といえる話で、圧力が高い方から考えると、


・「めちゃくちゃ強い力で分子同士を押さえつけている……これではちょっとぐらい温かくなって分子が動こうとしても、強制的にその場に固定されてしまう!よって、高圧下では、本当なら液体になれる温度でも、固体のまま」

→「圧力が緩む=分子の押さえつけが弱まると、全く同じ温度であっても、全く動けなかった分子がある程度自由に動けるようにまでなることも!つまり、低圧条件ほど、液体になりやすい」

→「さらに圧力がガンガン低くなって、真空状態=圧力0になったら…?例えば液体の水は、押さえつける力が全くないため、即座に沸騰し、気体になる!」

 

…という感じになっているのは、これまた納得いくものとなっているといえましょう。


そう、よく聞く、「富士山頂では水の沸騰が早い」ってのはまさに大気圧の影響で、山の上では気圧が低いですから(これも、次の「圧力とは?」の話で触れたい内容ですね)、「水分子を押さえつける力が弱い」=「水分子は、平地よりも楽に、すぐに自由な気体となって、世の中へ飛び出していってしまう」って話だったんですね…!


逆に、圧力鍋の類では、圧力をかけてやることで「水分子、飛び出すんじゃねぇぞ…」という睨み…というか実際、比喩ではないまさに「圧力」をかけてやるわけですが(笑)、普通よりも強い圧力があるおかげで、水を100℃以上に上げても液体のままでいさせてやることができ、色々な高温調理が可能となっている……なんて話も、こないだジェットボックスからの乾燥剤記事(↓)でちょろっと見ていた話でした。

con-cats.hatenablog.com

水の状態図に関しては、調べ方が悪かったのかWikipedia先生で見つけることができなかったので、水にまつわる色々な豆知識を掲載してくれている以下の記事からお借りさせていただきましょう。

media.aqua-sphere.net

1.01 × 105 Paってのは大気圧のことですが、大気圧下では当然、水は0-100℃で液体なんですけど、こうして見ると、液体の水の存在範囲ってのはかなり小さく、これだけ母なる偉大な液体・水が豊富で、世界のほとんどが液体ウォーターに覆われている地球というのがどれだけ奇跡の星なのかは、改めて伝わってくる感じですね。


なお、先ほどの三連カギカッコの話で書いていた通り、真空状態だと水は一瞬で蒸発してしまうわけですが、とはいえ圧力がゼロでも分子間に働く引力がゼロになるわけではなく、つながり続けるものもいるわけで(分子(原子)間の結合が極めて強い、元々固体として安定しているような物質(金属とか、プラスチックとかでも)なんかは、真空状態でもバラバラどころか液体になることすらないことからも明らかですね)、必ずしも全ての水が即座に雲散霧消するわけではないようです。


ちょうど、水がかなりいっぱいある条件だと、一気に発生する気化熱で水から熱が奪われた結果、真空状態に水を置いた場合、「水は凍る」なんて実験も、面白い実験紹介サイトで記事にもなっていましたね…!

yuupop.exblog.jp

これは、実験で使う密閉容器が小さい結果、蒸発した水分子が気体となり、(気体は飛び回って圧力を生み出すので)圧力がゼロではなくなることも氷のままでいられる要因かな、と思えましたが…

(圧力が上昇すると、固体や液体に戻りやすいのは上述の通りですね)

…とはいえ記事にもある通り、宇宙空間という無限に続くレベルの真空状態でも水は凍ることがあるようなので、やはり気化熱との兼ね合いで、全てが一瞬でフットーしちゃうよぉ、なんてことはないわけですね。

(ちなみに、↑で引用した水の状態図ですと、圧力0の条件だとあらゆる温度で「気体」になっていますが、図によっては、超低温=縦軸の位置つまり原点では、気体と固体がちょうど交差しているものもあります。

 なので、絶対零度かつ真空という極限状態だと、やはり氷として存在する水もいるといえそうですね(当然、そんな低温下で液体だけは絶対にあり得ませんが))

 

…と、今回も脱線ネタの、しかも前半部しか見られませんでしたが、ちょっと時間がないこともあり、一旦区切って脱線ネタ後半は次回見ていこうと思います。

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