結局圧力て何やねん:その1・ストローで水を吸う限界は?

ご質問から脱線シリーズ、前回は水の状態変化の話からおもむろに圧力の話へと逸れていたわけですが、完全にネタとして途中状態だったので続きを進めさせていただきましょう。

 

日常生活でもよく聞くその「圧力」ですけれども、まぁ流石に「圧の力」ってことで何となく押される力だってのは誰しもイメージできることではないかと思うのですが、実際こいつが何者なのかは、またしても例によって基本的には目に見えないものであるので、イマイチぼんやりと分かったような分からんような…という状態の方も多いのではないかと思います。


そこで今回は「圧力とは何のなのか」について、少しペラペラ語ってみるといたしましょう。


とりあえず、手で何かを押したときにその物体に与える力も圧力ですし、中学理科で「圧力」を習う章の1ページ目が、イラスト付きで…

「スキー板を履いたら、ふかふかの雪の上でも歩けるけれど、靴を履いた状態では埋まってしまう。

 画鋲を指に刺したら凄く痛いけれど、同じ力でも画鋲の反対側を押し付けた場合は、全然痛くないね。

 これは何故なんだろうか。考えてみよう」


…みたいな冒頭だったのを今でもよく覚えているのですが……


これはもちろん、「圧力 (Pa)=面を垂直に押す力 (N) ÷ 力が働く面積 (m2)」という関係式で表されるため、力を加える面積を大きくしたら圧力は小さくなるから…というのがその理由なわけですけど、これは「言われてみればなるほどねぇ~、結構面白いぢゃん」と思える話で、中高生の頃は物理がイマイチ苦手だった僕もそれぐらいなら理解できてご満悦だった(だから、強く印象にも残っていた(笑))わけですけど……


しかし、目に見えないもの、特に気圧水圧なんてのは、特に中学生ぐらいの頃は何がどうなってそうなるのか納得できないまま、ごまかされてる気がしつつも結局いい説明が得られず、ふてくされながら思春期を過ごし続けた感じでした。


(いや別に納得できないことがあるからってずっとふてくされながら生きるほど流石にこじらせてはいなかったですけど(笑)、まぁ実際何となく自分なりに理解できるようになったのは……大学入って、何か色々考える訓練を積んでからだった気もしますねぇ。

 上述の通り、僕はマジで中高生の頃は物理学的なセンスがない、理系の風上にも置けない男だったんですけど、実際、高校のテストで唯一赤点を取ったのは、物理の、確か波動の単元だった気がします。

 僕の通ってた高校は、化学の授業がマジのガチで死ぬほど教え方が上手く、予備校より遥かに素晴らしい授業だったと今でも思えるんですが(まぁ予備校通ったことがないので適当ですけど(笑)、逆に「通う必要すらなかった」と言える話にも思えます)、一方逆に、物理の授業はマジのガチでクソレベル、とにかく教え方が下手すぎる感じで、赤点取ったのも授業が悪かったからだよ授業がー、って思えてなりません(笑)。

 そんなこともあり僕は当然のごとく、受験用の理科2科目めは生物を選択したわけですけど(多くの高校がそうであるように、化学は必修ですね。まぁたまに「物理・生物」とか、「生物・地学」とかで受験するパターンの強者もいましたが)、しかし、トップの進学校だけあって、周りの優秀なクラスメイトの中には、「はい100てーん」と見せびらかしてくるウゼぇ奴がいたのも印象的ですし(まさに僕が20点とかゴミみたいな赤点を取った物理のテストだったので、めっちゃ強く覚えています(笑))、やっぱり僕は物理とか空間認識とかの力は人と比べてもかなり劣ってると我ながら思えますね(笑)。)

 

…と、時間がないのに学生の頃の無駄な思い出話で長くなりましたが、逆に、そのタイプだからこそ、「物理マジで意味分からん」って人の気持ちが死ぬほど分かる上、まぁ科学の世界に進んで色々トレーニングを積んだ今となっては、そんな僕でも自分なりに(少なくとも初等物理までであれば)納得いく理解はできるようになったといえるので、物理とかを毛嫌いしている方が見ても分かりやすいと思えるような説明を重ねていきたいところです。


(ただ、今にして思えば、高校までの物理とかはやっぱり、ちゃんと筋道だって考える力があれば楽勝なんですよね。

 理系男子あるあるで、しょうもない用語とかの記憶は苦手だけど、論理的に考えるのが好き・得意な多くのクラスメイトは「(考えればいいだけの)物理余裕」で「(覚えることが多い)生物キライ」の人が多かったですが、僕は真逆の、圧倒的にただ無意味に記憶するのが得意なだけだったパターンでしたね、何も考えずに生きてましたし(笑)。

 ちなみに改めて、突然高校レベルぐらいまでの物理学がちゃんと理解できるようになったのは大学入ってからでしたけど、その助けの1つに、個別指導の塾でバイトをした、ってのもあった気がします。

 個別指導なんで、ついた子の勉強を総合的に見る感じで、たまには専門ではない中高生の物理とかを見ることもあったんですけど、個別指導に来る子は割と勉強がとことん苦手なことが多く、基本の基本を教えるだけのことも多かった中、結局、基本のキから教え直した自分が一番理解できるようになったとでもいいますか、確かファインマンさんの著書にあった話に「教えることが最良の勉強法である」なんてのがあったんですけど…

(…って、既にずっと前の記事(↓)で書いたことのあった、使いまわしのネタでしたが(笑))

con-cats.hatenablog.com

…本当にその通りで、「他人に教える」という責任感からか、分からないことはしらみつぶしに考えて納得する必要がありますし、教えることほど自分の身につく行為も他にないと思います。

 あとは、「より難しい話に触れていくと、以前躓いていた話が突然、霧が晴れたかのようにスッと分かるようになる」ってのも大いにありますね…!

 「あんなに苦労してた因数分解が、今では単なる、他のより高度な問題を解くための、当たり前のツールみたいな感じになっとる…!」

 「大学で電磁気とか量子力学みたいな難しい話に強制的に触れさせられたら、高校時代の物理が赤ちゃんレベルの話に思えるようになってた」

…みたいなのは、理系の勉強(に限らず、どんな学問でもですね)あるあるの極みといえましょう。)

 

今回は早速、まずはより身近な「気圧」について考えてみると……と言いたい所だったのですが、クソみたいな学生時代の「周りのみんなは優秀でぇ…」とか「結局高校までの勉強なんて楽勝でさぁ…」みたいな何か自慢くせぇしょうもなさすぎる話をつらつら書いていたら時間がなくなってしまったため(笑)、圧力が何者なのかについて考えるのはまた次回からにさせていただくとして、気圧が大きく関わってくる面白いネタを紹介して今回は区切りとさせてもらおうかなと思います。

 

まず1つ目が、「超長いストローで水を吸う」ってお話ですね。

 

有名な話なので、検索したらいくらでも関連記事がヒットしますが、動画付きで面白かった「ねとらぼ」の記事のリンクを紹介しておきましょう。

nlab.itmedia.co.jp

この記事にある通り、どんなに丈夫な、どんな太さのストローを使って、どれだけ鋼鉄の肺活量を持ってる人でも、絶っっ対に水を10メートル以上吸い上げることはできないんですね。

 

それはなぜかというと、そもそも「ストローで水を吸う」というのは、実は「大気圧が水をストローの中に押してくれているから」というのがその理由で…

(詳しくはまた次回見ていく予定です。最近先延ばし癖が酷すぎて恐縮ですが(笑))

…結局の所、「ストローで水を吸う」って、何となく「口に向かって空気の流れを作る=風みたいなのを送って(積極的に吸い込んで)やる」と思えるかもしれないんですが、これは(まぁ一応そうとも言えるんですけど(笑)、突き詰めて考えると)「圧力の差」を作ってやってる、ってことに他ならないんですね。


このストローの話をずーっと昔、物理の知識が全然ない小さい頃に聞いた時に、「いや、死ぬほど強く吸える人がいたら、限界を超えて吸えるんとちゃいます?勝手に人類の限界を作るな!」と憤ったものでしたが、これは肺活量の強い人コンテストとかそういう話では全くなく、言うなれば、ストローの先に真空状態=それ以上低い圧力の存在しない、いわば「無」の空間を置いてやったとしても、地球上で実験を行う限り、水はそこまでしか上がらないんですね。

 

「いやだから、真空だかなんだか知らんけど、もう上げられなくなったその『限界』からもう一歩頑張って積極的に『吸う』アクションを起こせば、もうちょい上げられそうじゃん」って思えるかもしれないんですけど(僕はそう思えていました)、改めて、「吸う」という行為は、何か見えないロープを付けて下にあるものを積極的に引っ張り上げるという類のものではなく、「圧力の差」に従って、自動的に物質が移動するよう仕向けてやることに過ぎないんですね。

 

つまり、真空状態(=圧力ゼロ)以上に物質を吸い上げる力のある空間は存在しないので、肺活量うんぬんは関係なく、理論的に、吸い上げる場所が真空状態であっても、水は10メートルしか上がらんのです、という話なのでした。


「いやでもさぁ、例えば限界まで達したところで、下の水をストローに向かって強引に流し込む方向のポンプでも置いてやったらどうなのさ?それでも水は上がらんのけ?」

…みたいにも考えたくなるのですが、それは流石に「ストローで吸う」ではなく「水を送り込む」だけになっているので、別の話になる感じですね(笑)。


あくまで、「静止状態の水を、ストローで吸い上げる限界は、約10メートル」という話で、強制的に流し込むような場合、それは「大気圧+さらにポンプとかで押しこむ力」が加わるため、理論値を超えることは可能になると思われます。

 

…と、マジで当初考えていたよりあまりにも中途半端な話で完全に時間切れとなってしまったのですが、中途半端だけに、またより詳しい説明のしがいもあるってもんです、とポジティブに変換させていただきましょう(笑)。

 

では、この辺の「気圧とストロー」の話を踏まえつつ、圧力の話をもうちょびっつだけ続けていく予定です。

アイキャッチ画像を考える時間も2秒ぐらいしかなかったので、ちょっとオシャレなストローのいらすとをお借りしてごまかしておくといたします(笑)。

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