今回も順番にいただいていたコメントの方を紐解いていこうと思います。
全て、例によってアンさんよりいただいていたものですね。
今回最初に引用させていていただくこちら(↓)は、特にご質問は含まれなかったんですけど……
何度も申し上げているように、個人的にイオンはほんとに苦手で、何度教えていただいてもなかなかイメージ出来なくてもがいているわけですが、放射線の辺りは記事を読んでいてなるほどと思える部分もあって面白いですし(理解できるという意味ではありません笑)、ちょっと頑張って考えればなんとなくイメージできた気にもなるので(といっても、何度も読み返してますけど笑)、あれ?と思うこともあったりして、逆に更に深みにハマっていくこともあり、結局わかってるのかわかってないのかわからない感じで(わかってないに違いないですが笑)、無駄にあれこれ考えて苦しんでいる自分もわりと好きです笑
…関連して、(順番がめちゃくちゃなので分かりにくいですが)時系列的にこれよりも前にいただいていたコメントで、ちょうど同じイオン関連のご質問をいただいていたため、「イオンは分かりにくいし、実際↑でおっしゃられていたように、何度もお尋ねいただいていた」ということを示すべく、(順番が本当にしっちゃかめっちゃかになってしまうにもほどがありますけど)↑のコメから引き続き、それよりもう少し前にいただいていたご質問(↓)を見て参りましょう。
(正直、またちょっとなかなか時間もないため、いただいたコメントを貼ってボリュームを増やさせてもらった、という邪な意図があったという面も多分に含みますが(笑))
イオンは、やっぱり難しいですね。何度説明していただいて、何度わかったような気になっても、ちょっと時間を置くと振り出しに戻ります。なので、しれっと同じ質問をしちゃっているかもしれませんが、説明していただいた時にわかったようなことを言っていたら、一応その時はわかっていたテイでお願いします笑
という言い訳を先にしておいて、、銅イオンが…さっぱりです笑
ぼんやりイメージしてたような気がするんですけど、読めば読むほど謎が深まる…?というか、『銅そのもの(固体)っていうのは、銅イオンと何らかの陰イオンが手を繋いでいる…』というのは、私がそう思った(知っていた)わけではなく、記事からパクったんだと思いますね笑
「固体の中にもイオンはあるんだけど、それは陰陽の両イオン同士がしっかり手を結んでいる1つの安定した物質であり、水に溶けて初めて、陽イオンと陰イオンは単独で漂うことができる」というのも、それは酸化銅や塩化銅という物質(化合物)のことではなく、銅という物質を見た場合でも陰陽のイオンがどーのこーのっていう状態になってるということですか?
⇒そんなわけで、こちらはこの辺りの記事(↓)から何回か続けて見ていた形の、銅についていただいていたご質問に触れていた、いわば「銅記事第二弾」に対してさらにいただいていたことになるご質問で…
…要は今回は「銅記事第三弾」って感じですね(笑)。
しかし結局イオンというのは、何度も書いている通り目に見えないということもあり、めちゃくちゃ分かりにくいものであるのは間違いありませんから、手を変え品を変えちょっと異なる感じで紹介してみることで、イメージご理解の一助としていただけるよう、また話を繰り広げてみるといたしやしょう。
そういえば「銅記事」ってことで、ずっと書こうと思って忘れていたネタを1つ思い出したので、まずそちらから……
「銅のことを英語で何というか?」と問われたら、しばし「うーん」と悩んだ後、「あ、ブロンズメダルっていうじゃん!」と思いつき、「bronze!」と思いがちなのですが、実はブロンズというのは日本語だと「青銅」=「銅とスズの合金」なんですよね。
まぁ実際銅メダルには青銅が使われているのである意味「銅メダル」という呼び方が間違っているといえるわけですけど、それを言えばそもそも論として10円玉は、以前の記事で割とずっと何度も「銅といえば10円玉でしょう」とか書いていましたが、10円玉も普通に主成分は青銅といえるので(まぁ青銅も合金なだけで、銅がメインの金属とはいえるものの…)、そもそも実生活ではほとんど区別をしない用語とはいえるかもしれないものの、一応、銅(純品)と青銅(合金)は化学的にはれっきとした別物ということになります。
(そういや「銅」と「青銅」といえば、ドラクエの装備に「どうのつるぎ」と「せいどうのよろい」があるなぁ、なんて思い出しましたが……
↑の「どうのつるぎ」のドラクエ大辞典の項目(リンクカードに項目名は表示されていませんけど)にある通り、実は辞典の解説でも述べられている通り(それもかなり詳しく(笑))、銅器(しかも純銅)と鉄器は、どう考えても鉄器の方が廉価で優れているのに、ドラクエで頑なに「どうのつるぎ」が最序盤の廉価武器として登場するのは不思議なものだ…といえるんですよね(笑)。
もちろんファンタジー世界に現実世界の金属埋蔵量や強度を持ち込むのもおかしな話であるのは辞典の通りですけど、これのせいで銅がしょぼい金属だと思われてしまうのは、実験なんかでよく使っており銅の偉大さを知る者としては、何とも残念なものがあるかもしれません…。
…いや別にそんな銅好きでも何でもないですし、実際銅メダルとか汚ぇ10円玉とかで、銅のイメージは僕自身、普通に悪いですけど(笑)。
おっと、全く無関係なドラクエネタでスペースを使ってしまいましたが、流石にそれだけで終わるのはヤバすぎるので、ご質問に戻って……と思ったら、脱線ネタの本題に触れ忘れていました。
「銅」は英語で「ブロンズ」ではなく、これは「Copper」と呼ばれているんですね!
つまり銅イオンは英語で「Copper ion(カッパー・アイオン)」となるわけですけど、銅の元素記号は「Cu」なのに英語のスペルは「u」ではなく「o」なのも何とも腹立たしいのですが(笑)、元素記号の方は古代ギリシャ語の「cuprum」由来ですね。
en.wiktionary.org
この「キュプラム」は↑のウィキショによると「Cyprus」からの借用語ということで、これは国のキプロスと同綴語になるわけですが…
キプロスの語源は、↑のウィ記事によると、一応銅由来とも言われているものの、より一般的なのは古代ギリシャ語のイトスギ (kyparissos) 由来説の方みたいですね。
…と、時間がないからこそ無駄に陥りがちな、全くどうでもいい雑学豆知識でした(笑)。
(っていうか、ブロンズネタに限らず、こないだ1記事を使って見ていた「メッキ」ネタで登場していた他の合金なんかも、ずーっと前に見ていたミネラルネタの一環で、既に触れたことがあったんですね、検索してみたら(笑)。
…まぁ触れたことがあったということより、もうこの記事も2年近く前のもので、2年もずーっと似たような話してるだけで、君大丈夫なん?ってことの方が笑えない笑い話だったかもしれません(笑))
そんな感じでようやくご質問の方に戻りますと……
コメントラストの、
「固体の中にもイオンはあるが、それは両イオンがしっかり結びついた1つの安定した物質であり、水に溶けて初めて、陽イオンと陰イオンは単独で漂うことができる」というのは、酸化銅や塩化銅という物質(化合物)のことではなく、銅という物質を見た場合でもそうなのか?
…という点について……
これまた大変ややこしいポイントになるわけですが、単体の銅、つまり金属の塊である純銅は、そもそも水に溶けない物質ですから、やはり基本的には水溶性化合物について書いていた話だったといえるように思います。
ちょうどご質問の方はその点についてアンさんご自身も考えられており、続けて引用させていただくと…
あぁでも、『「何らかの陰イオンと手を繋いでいる固体の銅もある」というのも間違いではないのですが、それは酸化された表面のみで…』という風に書いてあるので、やっぱりそれは酸化銅やなんちゃら銅のことなのか…?(そのイメージの方が個人的にはありがたいですけど笑)
液体の中で、イオンが単体でフラフラしている状態っていうのは、水中の水素イオンならなんとなくイメージできても(それも怪しいですけど笑)、固体の銅の場合は、銅の塊を水の中にチャポンと入れてみたら目に見えないものがじわっと溶け出すみたいなイメージなのか、まぁ結局全くイメージできてないですね、恐らく。
どこかに書いてあったかなと思って軽く探してみましたが、ちょっとわかりませんでした。
まぁ「化合物を念頭に置いている」と書いた通り、「念頭に置いている」だけで実際は全ての化合物について「水に溶けたらイオンになるよ」といえるわけではない感じでして、例えば硫化銅なんかは……
銅イオンの価数に応じて硫化銅(I) (Cu2S) と硫化銅(II) (CuS)がありますけど、どちらも水に極めて溶けにくい性質をもっており、こいつの場合は金属の銅の塊に匹敵するぐらい、非常にイオンになりにくい性質を持っている感じになっています。
(もちろん、「極めてイオンになりにくい」であって、金属銅も硫化銅も、ごくごく超微量、水につければ、イオンになって溶け出すものも存在しています。
(まぁ流石に金属の純品はなかなか真水には溶けないと思いますけど、水に溶解している微量元素の影響もあるかもしれませんし、それ以外にも気温変動なんかで、高温になれば若干溶け出しやすい、ってのもあると思います)
ただ、硫化銅の場合は100 mLの水に0.000033 gしか溶けないようで、コップ一杯に0.06ミリグラムぐらい、つまりわずか数粒程度すら溶けないといえますから、↑のウィ記事にもありましたし、高校化学では「水に不溶」なんて学ぶ感じですね)
まぁ水に溶けないものはむしろそのままなので逆にイメージしやすいといえるかもしれませんが、逆に物質が水に溶けるという場合は……
改めて、最初に貼った過去記事でも書いていましたけれども、「(イオン性の物質が)水に溶ける」というのは、固体状態では手をつないでいた物質(電子を分け与えて、電気的にくっついているのがその正体でした)が、水に触れると、水分子が陽イオンと陰イオンの電気的な結びつきをそっと引っぺがし、微妙にプラスマイナスの偏りがある水分子自身が各陽イオンと陰イオンを取り囲んでそっと包み込む…という形になる……
…という感じで、水分子はまぁ「水に溶けている」以上周りに無限に存在するものですから、要は周りと同化し、各イオン単体が漂っていると考えていいものになっている……というのが「イオンが水中を漂う」ことの仕組みみたいなものなわけですけれども、正直、全然分かりやすい説明になってないですね(笑)。
要は、水に溶けるか否かというのは、「水分子に包まれる」(水中)と、「陽イオンが陰イオンに電子を分け与えて手をつないでいる状態」(固体)と、どちらがその物質にとって居心地がいいか?…の問題でしかなく、結局それも「どれだけの水分子が自由に使えるか?」次第といえまして、例えば代表的な水によく溶けるイオン性物質・NaCl=食塩ですら、溶解度以上に塩をぶち込み続けると、水の中でも固体の塩のまんまでいるやつ(水に溶けず、イオンにならない)が出てくるわけです。
それと同じで、「どの程度の環境なら心地よくイオンに分かれられるか?」は完全に物質次第で、上で見ていた水に不溶の物質である硫化銅なんかは、マジで超極微量が水に溶けただけで、食塩にとっての溶解度状態を一瞬で迎える感じで、即、他に誰も溶けられなくなる感じだといえましょう。
…って、何かご質問で尋ねられていたポイントと微妙にずれてきている気がしてきました。
結局「固体で、陽イオンと陰イオンが手をつないでいる」「水の中でイオンに分かれる」の違いは、「1つの粒、1つの塊とみなすことができるのがどこまでか?」という話で、固体の場合、両イオンが静電気の力で強く結びついている(そして、それが大量に集まって、粉末や塊のような固形物となる)一方、水に溶けたものは、その静電気の力がほどかれて、各イオンが単独で水中を漂う形になっている、って感じでしょうか。
…いやぁ~、全く「上手いこと説明できたぜッ!」って気がしないっすねぇ~(笑)。
我ながら似たようなことを何度も書いてるだけに思えちゃいますが、中々それ以上説明のしようもないのが事実で、それっぽいイメージを思い描いていただく他ないといえる形かもしれませんね。
もっと似たような話を繰り返せばパッと頭に浮かんでくるかもしれませんし、また別の関連したご質問を進めながらそちらに期待していくといたしましょう。
では今回は、正直何の実りもなかった気がするもののこの辺とさせていただき、アイキャッチ画像は、実りのなかったイオンネタではなく、タイトルにもして途中で書いていた「どうのつるぎ」のイラストを、ドラクエWikiの方からお借りさせていただくことにしました。
…って、このWikiでは「青銅を鋳型に流しこんでつくった長剣」って説明になってますね!
どなたが編集した記事か分かりませんが、それは違うぜ、どうのつるぎは英語でもCopper Swordなんだ、それじゃ「ブロンズソード」になっちゃうし、これは間違い…!
(まぁどうでも良すぎる点なので、別に運営に報告することもせず、普通に放置させていただきますが(笑))