続・ナウいスラングを知っておこう:Gucci!!他

それでは引き続き、ナウでヤングなスラングを見ていこうと思います。

改めて、出典は55語もの表現を紹介してくれていたナイス面白記事(↓)からですが……

www.verywellfamily.com

実は、前回見ていたCheugyなる新語(時代遅れのダサい人やもの・前のめり過ぎる人を揶揄する表現)のWikipedia記事の最下部リンクに「Z世代のスラング一覧」という記事があったのですが、こちらも軽く見てみた所、ほぼ↑の記事とは被りがない、こちらも初めて見るような面白いフレーズが多く載っていたため、まぁせっかくなので(日本語版記事もまだないようですし)もしスペースが余れば、いずれまた触れてみようかななどと画策しています。


ひとまず55スラング記事の続きですが、前回AFCheugy前々回OMGONGを紹介しており、最初の「General(一般)」セクションのリストは数えてみたら残り24語ほどだったため、まぁ半分の12語を一気に見てしまいましょうか。

 

  • Dead - あまりに面白くて、話し手が笑い “死に (dead)” してしまった様子を表す(※日本語でいえば、「腹筋崩壊」?)

  • Dope - Cool(クールな・カッコいい)、awesome(イケてる!)

  • Extra - Over-the-top(限界を超えた・大げさな)、 extreme(極端な・過激な・極限の)

  • Fit - outfit(単純な意味としては「服装」)の短縮形(※実際の使い方としては、日本語でいう「お洒落・シャレオツ」に近い感じ)

  • Fire - Hot(ホットな)、trendy(トレンディな)、 amazing(驚くほど素晴らしい)、またはon point(完璧・イケてる)(以前は「straight fire」として使われていた)

  • GOAT - 「Greatest of All Time」(「歴代最高・史上最高」の頭字語)

  • Go Off - 大抵の場合、誰かが何かについて喚き散らしているときに、その続きを促すために言うフレーズ(「but go off, I guess(ま、続けてもらってもいいんじゃない?)」のように、皮肉ることも可能)

  • Gucci - Good(イイね)、cool(クール・かっけぇ)、going well(バッチリいいぜ・上手く行ってんねぇ~!)

  • Hits Different - 「hits different」なものは、普通よりずっといい、ということ

  • IYKYK - 「if you know, you know」(知ってる人は知ってることだけどね)の意味

  • Lit - Amazing(素晴らしい)、cool(クール)、exciting(ワクワク・興奮させてくれる)

  • Low-Key - 何かを小馬鹿にしたいという感情や願望に加えられる表現(つまり、「I'm low-key freaking out(地味にビビッてるんだけど)」のように)

 

日本語でも色々なパターンのある、「鬼ヤバ」的な感じで「めっちゃいい!」的な賞賛を意味するポジティブな言葉が目立ちましたね。

面白さが振り切れている場合は最初の「dead」で、まぁ表現として本来ネガティブな単語であるから「腹筋崩壊」的な例を出してみましたが、単純に「テラワロス」みたいな(これも古すぎるかもですが(笑))、とにかく笑い死にしちゃうぐらいに笑ってることを示す言葉のようで、lolよりもこっちの方が新しいというか若者には好まれるのかもしれませんね(ちょっと前の流行り言葉は、すぐ廃れるというか、若い子は逆に使いたがらないものですしね。もちろんlolもまだまだ全然使われているとは思いますが…)。


一方、より一般的な「いいね」というニュアンスの説明自体に「cool」という語が使われているのが複数ありましたが、どれも「イケてる・カッケェ」的な意味合いなわけですけど、そもそもこの「cool」自体が、ある意味若者言葉でそういうニュアンスが追加された単語だったと記憶しています。

いうまでもなく、クールというのは本来は「冷たい」という意味から、「冷淡な」とか「無愛想な」というのが原義だったわけですけど(もちろん「冷静な」というポジティブめな意味合いも元々あれど)、まさに日本語の「ヤバイ」と同じで、いつの頃からか極めて良いことを意味する場面でも使われるようになって、むしろ若者はそっちの意味の方をよく使うという逆転現象が起きている言葉だといえましょう。

日本でも、「クールジャパン」など、(まぁ正直、これ自体はあんまりクールに思えない戦略なのはともかく(笑))、その意味のクールはおなじみですね。


そしてクールと真逆の「hot」も、全く同じように「イケてる・カッケェ」という意味合いを持つ言葉であるというのも面白い所だと思います。

個人的には何となくクールが涼しげでカッケェ男性、ホットが情熱的でカッケェ女性に使われがちなのかな、というイメージがありましたが、あまりにメジャーになった今では、どちらの語も普通に、性別問わずどんな人でもイケキャラであれば(もちろん人に限らず、物や現象に対してでも)区別なく使われているようですね。

(もちろん、「アツイねぇ!」と言いたくなる場面ではホット、「クールだねぇ!」(いい日本語が他になくて、そのまんまですが(笑))と言いたくなる場面ではクールという、若干の使い分けはあると思います。)


そんなわけで、クールやホット、とにかく「えぇやん!」と思える対象に使う語が今回ワンサカあったわけですが、最初のdopeは、これはドーピングでおなじみの単語ですけど、伝統的なスラングの意味合いとしては、ドーピング(禁止薬物)的なニュアンスに近い「麻薬」という意味であったはずです。

そこから転じて「病みつきになるぐらい、凄くイイ!」という意味が派生して、完全にポジティブな褒め言葉になっている形のようで、これもまさしく日本語でいう所の「ヤバイ」系列の単語だといえましょう。


おなじみslang.netでは、「dopeには2つの意味がある」としながら……
 

https://slang.net/meaning/dopeより


やはり第一義には「違法ドラッグ」ではなく「cool」の方を挙げていますね。


あ、ちなみに、coolと同列で挙げられているawesome(先ほど↑のリストでもちゃんと出てきていました)、これも以前どこかの記事で触れたことがあったと思っていたのに検索したら全くなかったので触れていなかったみたいですが、これは典型的なアメリカ英語の「イイね!」であり、マジでめっちゃんこよく聞く表現です。

正直読み方も分かり辛い、謎マイナー単語の雰囲気を醸し出していながら、超絶登場頻度の高いポジティブワードなので、これは覚えておくのをオススメしたい限りです。


僕も、こちらへ来て最初の研究室で、結構いい実験結果が出てきて、その後ふらりと実験ベンチに立ち寄ってきた教授に報告したら、しばしばその結果に対して「オーサム、オォサム…」と口ずさみながらまたいずこかへとふらりと消えていくことがありましたけど、カタカナで書いたら「何か寒いこと言っちゃったっけ…」と不安になる気もするものの当然そういうことではなく(笑)、まさに「いーじゃんいーじゃん、良きかな」みたいなタイプの言葉で、下手したら一番よく聞くまである単語ということですね。

(ちなみに似た雰囲気の語である「awful」は、完全に真逆の「とんでもなく悪い」という意味ですが、まぁ基本的に人間はポジティブなことを言うことの方が多いですし、高校時代まとめて覚えて「どっちがいい方だっけ?」とか迷った記憶もあるものの、もうあまりにも聞きすぎるので、語呂とかそんなものなしでも最早絶対に間違いようがないぐらい、「awesome=めっちゃえぇやん」が刷り込まれている感じです。

 また、これは基本的にアメリカ英語限定の表現で、イギリス英語の場合、似たような「イイね!」系の日常会話語としては「lovely」なんてのがめっちゃよく使われる、ってのを昔どこかで見た覚えがあります。)


続いてのクール・ホット表現のFireLitですが、もちろん流石に「ファイア」で「クール」はないのか、これの説明には「ホット」という語が使われていましたけれども、何気にlitも「light=明かりをつける」の過去形・過去分詞であり、温かそうな「光」や「火を灯す」を意味する語なのに、こっちは「クール」って語が挙げられる形なんだね、と興味深い感じもあったものの、まぁ結局クールもホットもほっとんど同じニュアンスだといえましょう。


ちなみにFireには、日本でも最近よく使われている気がする略語としての用法もあって、これは「Financial Independence, Retire Early」の頭字語、要は経済的に自立して早めにリタイアしよう(仕事をやめよう)的なムーブメントの標語だと思いますけれども、まぁこの記事の対象であるティーンやキッズ達にはまだちょっと早すぎる意味合いで、若者スラングとしてはそっちの意味のFIREより、こっちの「カッケェ!」的な「Fire」の方がよく使われているといえそうですね。


そして一つ飛ばしていたクール表現の「Gucci」、これは「Good」とかの頭文字を取った略語なのかな?(→Good, Unbelievable, Crazy,…とか?)…と思ったら全くそんなこともなく、恐らく単に「グッド」と音が近いことから使われているだけの、同じく単に「いーぞいーぞぉ、カックィー!」の意味で使われている「グッチ!!」なんですね。


Slang.netで、実際のチャットなんかでの利用例をチェックしてみた所……

https://slang.net/meaning/gucciより

 

「You OK with dinner at 8 tonight?(ディナー今夜8時でおk?)」

「Yeah, man, that's Gucci.(いいぜメーン、グッチだ!)」

 

この、文法的に全く適当極まりない英語もまさに若い子らの生のチャットって感じがするものの、(スクショの説明にあった通り)基本的にこのように同意を表す文で「いいぜ!」と言いたいような場面でよく使われるのがこの「Guccci」のようです。


それ以上に気になったポイントして、文の途中でもきちんと先頭のGが大文字にされていた辺り、これは確実にブランドのグッチを意識した単語になっている、ってことが窺えますね。

めちゃくちゃポジティブな意味合いで、特に若い子達の間でドチャクソ使われまくっているということで、グッチの関係者はめちゃんこ嬉しい&ありがたいと思っているのではないでしょうか。


これは全く知りませんでしたが、大変面白いスラングですね。

まぁ僕自身が使うことは絶対にないと思いますけど、若者から送られてくることがあったら、「グッチ買ってちょーだい」と言われていると誤解しないように気をつけたい所です(笑)。

 

他にはGOATも挙げられていましたけど、これは以前、志村さんの漫画紹介記事(↓)でも触れていたのですが…

con-cats.hatenablog.com
GOATといってもヤギさんではなく、「史上最高」を意味する、めっちゃよく使われる略語ですね。

これも、なぜかイマドキ略語シリーズ記事では出てこなかったので、補足として改めて触れておこうと思っていた略語の1つでした。

(なお、SNSなんかでは、史上最高の人やものを賞賛する場面で、ヤギの絵文字🐐が使われることもままある感じです。まさしくGOATのことですね。)

 

…と、本当は12語触れる予定だったんですけれども、またしても微妙~に忙しい日々が続いており、ちょっと時間切れになってしまったので、詳しく触れなかった残り6語については、また次回、続きの12語とともに改めて触れてみようと思います。

中途半端ですが、次回へ続く……。

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