脊索、脊椎、脊髄…背骨とは違う?

前回の記事では、動物界のラスボス、我らが脊索動物門の話に入っており、最も原始的な脊索動物であるナメクジウオの話をしながら、そもそも脊索とは何なのかを簡単に見ていました。

 

掻い摘んで言えば、脊索というのは「やわらか背骨」みたいなもので、何気に背骨とは違うものだという話でしたが、まぁ背骨があったらそれはセキツイ動物になってしまいますし、よく考えたらそれは当たり前だったかもしれません。


…とはいえやはり冷静に考えたらそこまで当たり前でもないというか、そもそも脊椎って何だよ、背骨と一緒なら、何で違う用語なのさ…?という気もしてくるわけですけれども、せっかくなんで今回はその辺をまとめてみるといたしましょう。

 

まぁ僕は医学部出身ではないので、この辺の解剖学の話は学生の頃興味本位で面白そうだと履修してみた講義で聞きかじったぐらいの知識しかないのですが、まぁウィ記事や専門家による解説記事を参考にすれば、バッチリ説明できるような気がします……

 

まずは我らがウィッキー先生の記述を参考にすると……

 

ja.wikipedia.org

 

脊椎(せきつい、英語:spine, vertebral column)は、一般的に背骨といわれている部分を指す。

…ということで、まぁ基本的には背骨と同じ意味なんですよね。

 

要は、例えば「頸部」と「首」は同じ意味だけど、より医学的な記述か日常的な記述かの違いしかないのと似た感じで、一般用語的な「背骨」をより専門的に表記したのが「脊椎」だと、そう考えても問題はないわけですが、しかし、より厳密に言えば、どうやら多少の違いもあるようで……


リハビリを専門とされている医療法人・亀田グループがまとめてくださっていた、以下の専門的だけど大変分かりやすい解説記事(↓)によりますと…

 

www.kameda.com

 

まず、脊椎からさらにもう少し似た用語に脊柱というものがあり、実は我々が普段「背骨」と呼んでいる、あの「自分の背後を支えてくれている、一連の長い骨」と完全に一致する用語は「脊柱」の方であり…

一方、これはどなたも何となく自分の背骨を触って感じ取れることでしょう、脊柱というのはより小さな構成単位、デッパリ部で感じられる一つの骨ブロックが積み木のようにつながってできているものであり、その一つ一つは「椎骨」と呼ばれるものでして、簡単にまとめれば、

  • たくさんの椎骨のつながり=脊柱(一般用語で言われる背骨)

…という関係性があるわけですね。

 

そして、「脊椎」という用語は便利なもので、文脈に応じて脊柱(=背骨全体)という意味にも、構成ブロック1つである椎骨という意味にもなる広い意味を含む用語になっているという形で、「全体か、個別の骨ブロックか」を指定せずに話したい場合は大変用いやすい用語と言え、一般的にも(もちろん日常生活ではなく、学術用語として、ですが)よく使われていると、そういう話なのでした。

(逆に背骨全体の話をしているのか部分的な話をしているのかをハッキリさせる必要がある場合には不適で、その場合は、必要に応じて「脊柱」か「椎骨」という語を使う必要がある、ってことですね。)

 

そして脊柱は4つの部位(種によっては5つ)に分けてまとめられることが多く、より部位が分かりやすいイラストが「椎骨」の方のウィ記事にあったため、まずはそちらをお借りしましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/椎骨より

まさにこの通り、上から順に頚椎、胸椎、腰椎、仙椎の4つと、ヒトでは退化して非常に小さいものになっている尾椎(イラストでは説明文字が書かれないレベル)の5つから成るのが、ズバリ脊柱であると、そういう形になっています。

 

正常な背骨は、正面から見ると完全に真っ直ぐになっているわけですが、横から見たら↑のイラストのように緩やかなS字になっているのも特徴ですね。

 

そして、各部位にいくつの椎骨ブロックがあるかは、「脊椎」記事の方が図とともにまとめてくれていました。無駄にちょっとデカイ図ですが、お借りさせていただきましょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/脊椎より

表にまとめられている通り、ヒトの場合、ケイツイ7、キョウツイ12、ヨウツイ5、センツイ5(ただし、ヒトではここも退化して癒着して1つの「仙骨」となっている)、尾骨1の、約30のブロックから成る形になっています。

 

ただし、これは医学系の講義でも習った話で、ウィ記事にもその旨が描かれていましたけど、上の2つの数は個人差がない絶対のものなんですが(全人類の指が5本であるように)、腰椎に関してはごくまれに4個または6個になっている人もいるとのことで、+/-1個のバリエーションがあるものだったはずですけど、こちらは5個の人が約80%、4個が15%で6個が5%程度の割合になっているそうですね。


ただこれは、恐らくその下の仙椎が癒着する際に1個多くくっつくか少なくくっつくかの違いで、背骨全体の骨の量的なものはその差によって特に違いは出てこない話になっているんだと思われます。

 

そして、「ブロックとして存在している」という各椎骨をつないでいるクッションのような部位が、これまたどなたも生きていく上でどこかで聞いたことがあるものといえましょう、「椎の間の板」ってことで、まさに椎間板(ついかんばん)というのが、椎骨ブロック同士をつないで一本の長い背骨にしてくれている役割をもった部位なんですね!

 

椎間板といえば「ヘルニア」ですが、ヘルニアというのは「ズレ・突出」という意味ですから、この椎骨ブロックをつなげてくれているクッションが飛び出したり押し込まれてしまったりでズレてしまったのが椎間板ヘルニアだということで、重度になると痛みもとんでもなく、日常生活も送れなくなってしまうレベルの困った症状だというのは説明不要のことといえましょう。

 

…と、脊椎に関する基礎知識は大体そんな所でしょうか。

 

ちなみに、ちょうど↑の亀田グループの解説記事のタイトルにもなっていた通り、脊椎と物凄く似た言葉に「脊髄(せきずい)」というのもあり、むしろ子供の頃は「脊髄反射」なんて言葉は耳にしたことがあったので、中学理科で「セキツイ動物」って言葉を習ったときは、「セキズイじゃなくてセキツイなの?変なの~」と思ったものです。

(結構こういう、耳慣れた言葉に凄く似ていて、パチモン感を覚えるものってありますよね。例えば「マッカーサー元帥」なんて子供の頃からよく耳にした気がしますけど、その後歴史の授業とかその他ニュースで「マッカーシー」みたいな苗字を聞くと、マッカーシーさんには申し訳ないですが(笑)物凄い違和感を覚えるというか、「言い間違い?」などとも思えてしまう気がします。

…もちろん、色々と知見を増やしていくと、そちらにもいつしか慣れて違和感は消えていくものの、やっぱり最初に聞いたものの方が「オリジナル感」があってより自然な響きにはどうしても感じてしまうものです。)

 

そして、脊髄とは一体何なのか…?

まぁもったいぶる話でもないものの、またしても時間が切れてしまったので、今回は「名前は似ているけれど、別物です」というサワリに触れただけで、詳しくはまた次回触れさせていただくといたしましょう。

記事水増しも酷いものがありますが(笑)、次回へ続く……。

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