似通った英単語に注意しよう(その21:ラスト・トラック)

マギ単(紛らわしい単語)のシリーズも、いよいよ今回でラストとなりそうです……と思いきや、あっ!

ラストのネタは二項目、既に最初から「これにしよう」と考えているのがあったのですが……

(とはいえ別に最後っぽいネタではないうえ、全然頻用単語・よく使うフレーズでもなんでもないものの、一つは青い花英語版でも出てきた(それも、誤用として)ため触れてみたかったのと、あともう一つは似た単語が存在するわけではなく、「一つの単語で紛らわしい使い分けがある」という形なので若干コンセプトが違う感じであるものの、「紛らわしい単語」で一番に思い出したエピソードがあったため、最後おまけみたいな形で触れておこうと思った感じでした)

…「ラスト」って、そういえばこの言葉自体も結構紛らわしいやつだったじゃあないっすか!と思えたため、上述したその「最後の二項目」は多分それだけで一記事埋まりそうな気がすることから、今回は「ラスト前」ということで、「ラスト」と、他適当にもうちょい後付けで浮かんでいたマギ単に触れる回といたしましょう。

(何だかんだ、紛らわしい単語なんてほぼ無限にありますしね、増やそうと思えばいくらでも増やせる感じですが、まぁ永久にやっててもしょうがないですし、次回で一区切りにしようと思います。)

23. ラスト(Last/Rust)

そんなわけでラストじゃなくなったのに「ラスト」ですが、これまた説明するまでもなく、まさに既に何度も使っている通り、カタカナ語でもめちゃんこ使われている「最後」を意味する単語ですね。


マジで小学生のキッズたちでも何かの終わりに「ラスト~!」と叫んでるのが容易に想像できるように、あまりにも身近な英単語ではありますけど、しかしこの単語は意外と奥が深く、「ある期間の最後」という意味から、「一番最近の・直近の」という、ぶっちゃけ日本語の「最後」といういわば「お尻・終わり・果て」みたいなイメージとはある意味真逆ともいえる、「最も近い」というニュアンスにもなり得ることに要注意かもしれません。

(例えばWham!の有名な『ラストクリスマス』という歴史に残る尋常じゃないレベルの名曲がありますが、これ、一瞬「最後のクリスマス」なのかと思いがちだと思うんですけど、別に歌い手のワムらはその年年内に死ぬ予定でも何でもなく(笑)、クリスマスなんて毎年必ずやって来るわけで、歌詞も「♪Last Christmas I gave you my heart」と、続く文が分かりやすく過去形になってることからも明らかな通り、これは単に「直近(去年)のクリスマス」という意味でしかなかったんですね…!

www.youtube.com

 ぶっちゃけ「最後のクリスマス」の方が詩的な気もしますけど、原文には全く一切そのニュアンスは含意されていない点にご注意といえましょう。)


あぁ、これととても似たパターンで、「latest」という単語も、「late=遅い」からその最上級形で「最も遅い」という語義を持ちながら、(当然その意味もあるもののそこから派生して)正直「遅い」というノロノロした語とは全く逆の印象にも感じる「最新の」という意味もあるので、これも(むしろ、「一応、『最後』ならそりゃ『直近』だろ」とも思える「last=直近」より、こっちの方がより違和感が大きいかもしれないですね。しかし、日常会話でもビジネス会話でも(「the latest version=最新版」とかで)めっちゃんこよく使われます)要注意ワードといえるかもしれませんね。


そんなわけで、若干カタカナの「ラスト」よりは広い意味がある気がする「last」ですが(それから、動詞として「続く・長持ちする」という、これまたちょっとニュアンスがカタカナ語のラストとは違う気もする意味もありますね)、サクッとスペルを書いた通りこれも「ラスト=LAST」は常識レベルで正直迷うこともないと思われるわけですけど、カタカナ表記で同じ「ラスト」になってしまう単語はもう一つあるわけですね。

それがズバリ、「rust」で、L/RどころかA/Uまでセットでチェンジするので、特にネイティブの方には全然間違いようもない単語かとは思うんですけど、日本人的にはとても似ているように思えてしまいます。


この単語、僕は小学校卒業間近ぐらいの、俄然音楽にも興味が湧いてきて色々CDを自分で聴き始めた頃に出会ったのが最初のふれあいで、どんな場面だったかといいますと、ズバリ、ユニコーンのアルバム!

ユニコーンって正式な表記はUNICORNなんですかね?言うまでもなく、奥田民生さんが主にメインボーカルを務められた、レジェンドバンドですね。とはいえ近年再結成されて、また活動中なのも記憶に新しいです。)


ユニコーンは、1993年の解散発表後に「ザ・ベリー・ベスト・オブ・ユニコーン」という、マジで素晴らしい選曲・内容のベストアルバムが出されており、僕が音楽に触れ始めたときには既に解散されていたので僕の初ユニコーンはこれだったわけですけど、さらにもう完全に解散して活動も終了していた翌年、「ザ・ベリー・ラスト・オブ・ユニコーン」という、このタイトルをちょっともじったような裏ベスト的なアルバムも発売されていまして、当然、「これがラストのCDか、寂しくなるね」などとファンの方は思われたのではないかと思いますが、これ、よく見たら「THE VERY RUST OF UNICORN」で、(まぁ小学生の僕にはラストのスペルの違いはあんまりピンと来なかった気がするものの)ご丁寧にCDの帯にはrustを辞書で引っ張った形で、「鉄の錆び・(才能の)錆び付き」みたいな感じの説明書きまで掲載されており、この言葉遊びおよび自虐っぷりに、幼い僕は「いやぁ~、奥田民生さん・ユニコーンは本当に面白くて最高だなぁ」などと感嘆したものです。


せっかくだから画像はないかなぁ、と思って検索したら、何かリンクをクリックしてもアラビア語っぽい謎のサイトに飛ばされるだけのよぉ分からん謎オークションサイトがヒットしてきたんですけど、ここの画像が一番断トツで高画質(しかも初回限定版)だったので、謎すぎるソースですがこちらの画像を拝借させていただきましょう(笑)。

 

https://sanjsamachar.net/news/17/raj?bonneted=1021798&VlhNQ=457305より

そんなわけで、rustの方は「錆び」という意味合いの単語だったということですね。


この二語の区別については、これももう、よく使われる「最後」のラストがlastなのは流石に間違えようがないといえましょう。

「鉄錆び」の方は、紛らわしい部分両方=最初の2文字とも違うやつだった、と覚えておくので十分そうですね。


…一応、あまり使わない「錆び」の方がrustだったっけrastだったっけ?…と迷った場合は、錆びて朽ち果てたようなイメージにピッタリな別の単語「ruin(ルーイン;破滅・廃墟・没落)」がありますから、これを連想すれば「あ、ruinに近いイメージだから、ruinと同じruだったね」みたいな感じで思い出すことが可能でしょうか。

(いやでもやっぱり、「あのlastとは二字とも違う」の方が覚えやすいですし、むしろ逆に、ruinという単語の意味を覚えるのにrustを使った方がいい……まであるかもしれませんね(笑))

 

あぁちなみに、「L/RとA/Uの組み合わせ、この『ラスト』の場合、他にはないのか?」という話ですが、幸いにして他のはない……と思いきや、調べてみたら実は「lust」って単語は存在するんですねぇ…!

意味は、まさかの「愛欲・好色」という、「強い煩悩・性欲」みたいなしょうもない言葉のようで、僕はこんなの見たことも聞いたこともなかったですし、このさき生涯使うことも(多分)ないので、こんなゴミカスは無視しましょう(笑)。

まぁ一応、「ラスト」の中心におわすはやはり「last」サマで、この偉大なるlast様の紛らわしい文字両方を変えたら鉄さびのrustだった、一方、同じL組で、一文字だけ変えたらしょうもねぇ「色欲」みたいな意味のlustってのもあったな…ぐらいに覚えておけばそれで十分ではないでしょうか。

(なお、幸いにして「RAST」は、特殊な頭文字語的な感じや固有名詞以外には存在しないようです。)

 

といった感じで、「ラスト」だけで案外長くなりましたが、せっかくなのでもう一つおまけに小ネタに触れておきましょう。

 

24. トラック(Track/Truck)

これもふと思いついていたマギ単ですが、これこそまさに、三歳児でも「トラックブーブー!」みたいな感じで汎用しているイメージがありますし、下手したら人間が生まれて一番最初に覚える単語といえるかもしれませんね(んなわけないだろ(笑))。


こちらは言うまでもなく荷物を積み込める大きな車であるトラックが一番馴染みがありますけど、これ、そういえば僕が生まれて初めて同音異義語を意識した言葉だったかもしれません。

というのも、僕は小学校低学年で最初の引っ越しをしたのですが、最初の学校では校庭のことを「グラウンド」と呼んでいたんですけど、転入先の学校では「運動場」と呼んでおり、まぁそこは別に違う単語なので問題ないのですが、何か長距離走みたいなのを体育でやる際、「じゃあ今日は頑張って1 kmを走るから、トラック5周だね」と、グラウンドは「運動場」と日本語のくせして、先生も児童もみんな運動場の走るコース的なものを指してトラックどうこう言っており、そんな習慣のなかった僕は「え?トラック??ダンプカーでも来て一緒に走るのか、それともどっか別の場所にでも、その周りをぐるぐる走るでかいトラックが置かれてるとでもいうのか…?!」と、面食らったものです(笑)。

もちろんすぐに「まぁ、この白線の引かれたコースのことを、ここの人たちはトラックって呼んでんだろうな」と気付きましたが、結局何の説明も受けないままだったので、最後まで耳にする度に「トラック?方言か何か?(笑)」と謎を感じ続けたまま、また転校することになりましたけど(笑)、今でこそ「ショートトラック」みたいな競技もありますし(まぁ当時からあったのかもしれませんが、幼い子供には知らない言葉でした)、英語の知識も付いたので何のことだったかは当然理解はできているものの、当時は本当に不思議表現No. 1でしたねぇ~。


もちろん今更説明不要でしょう、これは方言などではなく、「トラック」という単語には例の「トラック」以外に、「通路・軌道・レール」といった意味の別の単語も存在していたということで、単に僕少年が無知だっただけということですね(笑)。

なお、「トラック」には他にも、CDなんかに収録されている各曲の番号を指して「トラック1」とか、他にも「郵送物をトラッキングする」的な形で「追跡する」などといった、意外と様々な使われ方がありますけど(最後のこれは、「通路」からの派生な気もしますし、配送物はトラックで運ばれますから、「トラック」からの派生もワンチャンありそうな気もしますが(笑))、実は、ダンプカーのトラック以外はすべて同じスペルの語なので、「ダンプカーのトラック」と「それ以外で使われる全てのトラック」で分けて覚えればOKでしょう。


肝心の覚え方というか二語の区別ですが、これが案外、トラックなんて滅多に自分で書かないこともあって迷いがちなんですけど、語呂としてはそうですね……あぁ、またまた出てきました「リュックサック」!

リュックはものを詰めるための存在でトラックと似たようなもんといえますが(…ってかなり強引かもですが、まぁこの際似てることにしましょう(笑))、「ラック」のネタで既にスペルはruckだとバッチリだったわけですけど、まさにダンプトラックの方は、これにtがついただけの、いわば「1トン・リュック」だと思えば、truckという正しいスペルが完璧に導けますね!

…あるいは例によって一番最初に見ていたスタッフの覚え方、「Uはものを入れる袋のイメージで…」も通用しますが、こちらはAの方のtrackに「立っている人間」っぽい要素があんまりないので、スタッフほど上手い語呂ではない感じでしょうか。

 

ということで、ブーブーのトラックがt-ruckだったので、その他のトラック……グラウンドのトラック、CDのtrack、それから荷物のトラッキングなどなど、これらは全てtrackというスペルだったということですね。


しかし実はトラックに関しては最後もう一つ思いがけないネタがありまして、これも大したことない豆知識になりますが、トラックに似た単語としてラクターという言葉もよく聞きますけど、これ、僕はトラックの別名というか正式名称か何かなのかな?とか思っていたのですが、トラクターというのはtractorで、トラック=truckの「トラク」とは実は一切関係のない、全く別物なことに要注意かもしれません。

(語源からして完全に違うってことですね。もちろん、より似ているtrackの方とも関係がなく、このトラクターというのは「引く・引っ張る」という意味のラテン語trahereを起源に持つもので、これが転じてtractとなり、ちょうど他にも同根を持つsubtract(引き算する)とか、attract(興味/関心を引きつける・魅了する;ディズニーやUSJの「アトラクション」の元の語ですね)という言葉と兄弟関係にある「牽引車」という意味ですね、トラクターというのは。)

 

ということで、一連のシリーズの「Last track」に当たるわけではない記事でしたが(笑)、次回は本当のラストとしようかと思います。

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