似通った英単語に注意しよう(その1:スタッフ・乳製品・褒め言葉)

そんなわけで今回は(今回も)、前回同様話を広げて、響きの似ている要注意ワードをいくつか挙げてみましょう。

とはいえそんな同音異義語なんてほぼ無限にあるわけですけど、今回は自分の経験から、危うく間違えそうになったり実際間違えたり、ややこしいなぁといつも思うものなんかで個人的にパッと思い浮かんだものを、適当にピックアップしてみようかと思います。

 

1. スタッフ(Staff/Stuff)

こちら、日本語的にはTV局のスタッフみたいな、「職員・従業員」という意味がめちゃくちゃ浮かぶ言葉ですけど、もちろん英語でもその意味のスタッフは大変良く使われるものの、もう一方のスタッフの方が日常会話で遥かにメチャンコよく登場するので、むしろ英語的にはそっちの利用頻度の方が高いといえるかもしれません。

もう一つの方の意味はズバリ、一般的に漠然と「もの」を意味する語で、「thing」に近い言葉であり、そう聞けばどれだけ頻繁に使われるかは想像に難くないかと思われます。


thingとの違いについては、検索したらちょうど2回連続登場、我らがケンブリッジ辞書が解説記事をこさえてくれていましたが……

dictionary.cambridge.org

Stuffの方の説明冒頭、

「Stuff」は会話で最もよく使われる名詞の一つである。

の一文が、やはりこの意味のスタッフのメジャーさを完全に表し尽くしていると言えましょう。


他にも、

『thing』よりもインフォーマル。

文章(書き言葉)では全く一般的ではない。

不可算名詞であり、数えられないものを指す…

…みたいな説明もありますが、まぁ厳密には正しくないのかもしれませんけど、別に数えられる物体でも普通にスタッフって言ってる気がしますし、メールや張り紙でも僕自身使うし実際ネイティブにも使われてるような印象がありますね。

日本人には全く馴染みのない単語に思えますが、こいつぁマジでよく使われるので、覚えておいて損はないように思えます。


さてスタッフの使い分け、つまりどちらがキャストのスタッフでどちらがモノのスタッフかというのは、まぁ↑のケンブリッジ辞書リンクカードに既に答はありましたけど(笑)、ズバリ、キャストがStaff、モノがStuffですね。


これ、ずーっと前にどう覚えればいいかなぁ、と思って検索したページにこんな記述がありまして…

「大文字の『A』は足を開いて立っている人間に見えるし、『U』の方はモノを入れる袋に見えるね?だから、STAFFが人間で、STUFFが物事、これで忘れないね」

…という語呂合わせ的な説明を見たことがあったんですけど、実際マジでこれのおかげで一切忘れなくなりました。

stuffと打つ際、未だに「モノが入ってるのはバッグのuだから…」と毎回思い出しながら入力しているレベルかもしれません(笑)。

 

2. デイリー(Daily/Dairy)

僕は乳製品メイニア (mania) であるため、スーパーへ来たら一目散に乳製品売り場に駆け付けるレベルなわけですけど…

(あぁちなみに、あんまり関係ないですが、「スーパー」は英語だと一切通用せず、「supermarket」ときちんとフルスペルで呼ぶ……のですら実際はほとんど全く使われず(よく「大規模なお店のことだけを『supermarket』と呼ぶ」という説明がありますが、ぶっちゃけコストコ他、どんなに大規模店舗でも「スーパーマーケット」なんて聞いたことがないレベルです。僕が聞いたことないだけかもしれませんが)、英語では、日本語のスーパー(これもどうでもいいですが、スーパーマリオの「スー(→)パー(→)」ではなく、「スー(↑)パー(↓)」っていう発音なの、何か可愛くて面白いですね、改めて考えると(笑)。まぁでも更に冷静に考えると、英語のアクセント的にはそっちが正しいわけですが…)は、「grocery store(グローサリー・ストア)」という全く聞き慣れない言葉で表されることがほとんどに思います。

 というかgrocery自体が食料品一般を表す意味なので、普通にgrocery shoppingとかorder groceries(食料品を注文する)とかそういう風に使われることも多い印象です。)

…話が逸れましたが、こちらのスーパー(グローサリーショップとか書いても意味分かんなさすぎるので、日本語で書く場合はやはり「スーパー」ですね)へ来て一番最初に「おっ?」と思った点として、乳製品売り場が「Milk」とか「Lacto-products」とかそんな類の言葉ではなく、まさかの「Dairy」と表示されていた点が挙げられましょう。


僕なんぞは初めてそれを見たとき、「あぁ、乳製品はやっぱり毎日摂るものだからね、毎日の日用品的扱いなのかな?」とか思ったわけですが、「あるぇー、よく見たらDaily(デイリー)じゃないやんけ!」と気付いたのは、累計何回目のスーパー訪問時だったでしょうか…(多分初回でしたが(笑))。

そう、これはデイリーと見せかけて、実はDairyであり、発音も「デアリィ」で、デイリーとは音からして似ても似つかない輩だったのです。

言うまでもなく、「乳製品」を意味する専用語(元々は「酪農」という意味?)ですが、これは知らないと勘違いしがちな点ではないかと思うので、要注意かもしれませんね。


一方、覚え方としては……これは流石に、「日ごとの」という、dayの形容詞・副詞形であるデイリーが「daily」なのは言うまでもないので区別の必要もないかと思いますが(-lyで形容詞化はあまりにも一般的ですしね)…

…あえて言えばそうですね、そういえばdairyは、「日記」のdiary(ダイアリー)にもそっくりですけど、-ryで終わると「アリー」という発音になりやすいのかな、みたいに覚えておけば、dailyとdairyのどっちがデイリーでどっちが乳製品だったか迷ったときでも……って、やっぱこればっかりは鬼門のLとRといえども、そんなの迷わないですね、流石に(笑)。

 

3. コンプリメント(Complement/Compliment)

こちらは正直そない日常生活に密接したワードでもないのですが、例の、DNA二本鎖のパートナー塩基(A⇔TまたはC⇔Gでした)、つまり一方に着目した際の相手方の鎖のことを「リバース・コンプリメント」(日本語だと、「逆・相補鎖」…DNAはペアの塩基と逆向きにつながるという話でしたね)などと呼びまして、個人的には非常によく触れる単語であるため、紛らわしい例としてパッと浮かんだこともあり挙げてみました。
(例の分子生物学入門記事で何度も触れていたネタですが、この単語自体も、この記事でチラッと出していたようですね、自分の過去記事を検索してみたら。)


まぁ別にDNAの相補鎖専用の単語ってわけでは一切なく、普通に「補い合う・補足・補完」という意味で使われる一般単語ともいえますが(あぁ、例のSVOCの文法用語である「補語」も、まさにこれですね)、まぁあんまりそんな意味の言葉を日常で発することもありませんし、もう一方のコンプリメントである「褒め言葉・称賛」という意味の方が、まだ日常的によりよく使うといえるかもしれません。

(そういえば関係ないですが、日本語の「褒める」「誉める」も、案外使い分けが難しいですね。

 一応区別は明確で、ちょうどこのマイナビ記事(↓)でも解説されている通り…

news.mynavi.jp

 「褒める」はちょうど「褒美」という熟語からも分かる通り、基本的には目上の人が目下の人を称える場合に使う語で、一方「誉める」は「名誉」「栄誉」という熟語もあることから、世間一般的に良い評判や「ほまれ」を称える際に使われて、目下から目上の人を称える際に使っても問題ない…という感じではありますが、ぶっちゃけそんな違いをはっきり意識している人も少ないでしょうし、こういう細かすぎる点は、これまで見てきた中にいくつかあった微妙すぎる英語表現なんかとも、近いものがあるのかもしれませんね。

…あとそれから、まさにちょうどこの記事の最後でも英単語が触れられていましたけど、complimentの他にもpraiseという類語がありますが、今回はもう分量も多いので引用紹介は省略しますけど、こちらのWordreference.comのQ&Aフォーラム記事にもある通り、praiseの方がcomplimentより一段階高い称賛の意識があるというのがネイティブの認識のようですし、complimentは「お世辞・おべっか」の意で使われることもある、という点も注意が必要かもしれません。)


…と、話は本題に戻ってコンプリメントというこの二語の区別についてですが、改めて個人的にはもう慣れくさってるので間違えようがないともいえるものの、あえてド忘れしたときに思い出す方策としては……っていうかそもそもどっちがどっちかまだしっかり触れていなかったものの、これは、相補鎖・補語・補完などの方がcomplementであり、褒め言葉がcomplimentですね。


で、どうしても自信が持てないときの思い出し方としては、complementの方は「相補」や「補語」という(人によっては)よく見る意味から、「補完」という意味にまで頭をもっていって、「完」といえばやはりコンプリートであり、コンプリートのスペルは、これは音の伸ばし方的にも、他に紛らわしいスペルの語が存在しないことからも「complete」であることは間違えようがなく、この語を思い浮かべることで、「あぁ相補とか補う方のコンプリメントは、complete関連語だから、eの方のcomplementだったな」と、自信をもって断言できるレベルで思い出せる…というので行けるんじゃないかな、って気がしますね。

(まぁこれも「コンプリートをcompliteと勘違いしたらどうしてくれる!」という話かもしれないものの、そこはやっぱり、紛らわしいものというかそのスペルは存在しないし、これは流石に大丈夫でしょう、という根性論になってしまうわけではありますが…)。

 

…ってな所で、ネタとしては合計で十数個パッと思い浮かんで、前後編に分けて終わらせればいいかな、と思っていましたが、たった3つで結構いい分量になっちゃいましたね。

まぁ、ネタ切れに苦しむ立場としては、してやったり感もあるかもしれないですけど(笑)、せっかくなので順に、少なくともあと何回かに渡って、思いついた紛らわしいワードを挙げていくシリーズを続けてみようと思います。

 

アイキャッチ画像は、当初乳製品にしようと思ったのですがイマイチいいのがなかったので、ダサいスタッフジャンパーを着た男性にお願いしましょう(笑)。

 普通背中じゃない?って気もしますが(笑)、まぁイラスト的には仕方ないデザインですかね?(ってまぁお腹側に表記があっても別におかしかぁないかもしれませんが…))

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