似通った英単語に注意しよう(その12:アバンダン他)

ここからはもう、本当にネタがほんの少しずつしか広がらなさそうなので、一瞬で終わらせられそうです(でもまだ一回では終わらないと思いますが…)。


ちょうど、研究室でのセミナー(自分のやった研究発表会や、興味深い論文を紹介する集まりみたいなやつ)の話をここ何回かでしていましたが、関連して、特に一般的ではないけれど、自分の研究でよく出てくる紛らわしい単語がふと1つ思いついたため、せっかくなので今回はそちらを追加で触れる所から始めてみようと思います。

 

12. アバンダン(ト)(Abandon/Abundant)

こちらは、珍しくカタカナでは完全に区別可能(最後のtがある/なし)で、その意味ではそこまで紛らわしくはないんですけど、実際の英語の発音だと最後のtはほとんど聞こえないぐらいのこともあるため、英語だとむしろ紛らわしいことがある…って感じかもしれませんね。

(とはいえ意味は大分違うので、文脈的に迷うこともないわけですが。)


まずは一方の意味、上述の、生命科学研究で極めてよく使われる方の意味ですが、「豊富な・大量に・余りある」という「量」を表す感じでして、どんな場面で使うかというと、まぁそういうニュアンスを出したいときに使われるわけですけど(笑)、例えば、

「その遺伝子が作る酵素は、この細胞ではどの程度作られているの?」

…みたいな話は分子生物学で極めてよく問われる命題なわけですが、こういうのは、

「How abundant is this gene expressed?」

みたいな感じで、「遺伝子がどのぐらい発現しているか」みたいなことを記述・質問する文脈で必ず出てくる単語になります。


↑の例文でスペルを書いた通り、こちらが「t」ありのアバンダントの方になるわけですが、これは形容詞であり、名詞だとabundanceで、いずれにせよ「アバンダン」では終わらないので、やはりもう一方のやつとは微妙に違う形ですね。

名詞の「アバンダンス」も生命科学研究では当然めちゃくちゃ頻出単語で(まぁ形容詞か名詞かの違いなので当たり前というか、同じような文脈ですけど)、

「この遺伝子をノックアウトしたらどうなるかな?」

「It depends on its abundance. (その遺伝子がどれだけ豊富に存在するかによるね)」

…みたいに、とにかく遺伝子の量の多寡に言及するときは、お堅い感じで科学研究にピッタリな語ですし、一回のセミナーで必ず一回は出てくるぐらいの(むしろ日本語でも「この遺伝子はアバンダントに発現しているため…」という感じで、普通にカタカナ語として使われるレベルです)、極めて汎用される単語だということですね。


そして一方、もう一つの「アバンダン」ですが、高校英語で先に習うのは多分こっちかな?という気がするものの、大体似たような時期に学ぶ気もするので、やはりその意味でややこしいイメージがあるといえるのかもしれません。

(例の、単語レベルが載っているWeblio辞書をチェックしてみたら、「豊富な」のabundantが「レベル:5、英検:2級以上の単語、学校レベル:大学以上)の水準であり、一方こちらのabandonが「レベル:4、英検:2級以上の単語、学校レベル:高校3年以上の水準」で、やっぱり「こっちの方が先に習った気がするな」という記憶は確かなものだったといえましょう。)


こちらの意味は「見捨てる・放棄する・やめる」という、「いらない何も 捨ててしまおう」なニュアンスのある単語になります。

まぁ、どんなものも無為に捨てたりやめたりしない、思いやりあふれる男として定評のある僕には縁の薄い単語ですけど(笑)、それ以上にやっぱり、とにかく「アバンダントな遺伝子」をめちゃんこ多用するため、個人的には、似ているのに登場頻度に差がありすぎて、すっかり馴染みのない単語となっている感じといえますね。


そんなわけで、あまりにも多用するのでもうド忘れもあり得ない(例によって、「heとshe、似てるけど、どっちが彼でどっちが彼女だったか…」みたいなので迷うことが絶対ないのと同じレベルってことですね)のですが、でもこの分野に携わってるわけでもなかったら同じぐらい馴染みのない単語だと思われますし、迷ったときの区別法をこしらえておくと……

そもそも「アバンダン」で、素直にいくならスペルには「A」を使いたい所ですけど、「それぞれの単語、一方がUかOかだった」ということは漠然としたイメージで覚えておいて損はないというか、覚えておくと良い話ではないかと思います。

なので、「こいつらは何かめちゃくちゃややこしかったぞ。Abondun…だっけ?」みたいな混乱は不要で、「Aじゃないのは一単語一文字のみ」というのは忘れずに抑えておくと良い一つ目のポイントといえましょう。


そうすると、まずUかOかを分ければいいわけですが、「見捨てる・無に帰す」というニュアンスのある方がやっぱり「ゼロ・オー」というイメージがありますから、これを思い出すことで、「『放棄する』方がO」という答に辿り着ける良いきっかけになるのではないかと思います。

ただそこからも、「AbandonかAbondanかどちらが正しい方だったかな?」となるわけですけど、これはズバリ、割と「語源に立ち返る」という正しい姿勢/有機的な知識の広げ方が有効な場面でして、この単語には「禁止する・停止する・終わらせる」という意味の、日本語でも「垢バン(アカウントがバンされる)」などでおなじみ「ban」という語が、似通った意味の仲間的な感じで入っているんですね!

このことを思い出せば、この「捨ててしまおう」的な意味の単語にはbanが入っていたはずだということで、Abandonというスペルを完全再現可能だということですね!


一方残る「豊富な」の方ですが、こちらはAbundantかAbanduntだったかは迷うポイントかもしれませんが……まぁ「両者は確か逆のコンビネーションだった(=「豊富な」の方に、「禁止」のbanが入っているわけない)」というイメージで、正しい方をチョイス可能ですかね…?

あぁ、それよりも、「末尾の『t』がどちらの語につくんだったか」も迷うポイントかもしれませんけれども、まぁ、「『豊富な』の方は、そういえばアイツが『めっちゃよく使う、形容詞形も名詞形もあるよ』とか言ってたし、お尻の『t』は、語尾を変えられるこっちにつくはずか…」とでも思い出していただければと思えますけど、語呂でいえば(これは意味のある語源とかではなく、単なる語呂合わせですけどね)、「うじゃうじゃいる」というイメージから「蟻」の「ant」を思い出せば、「この単語は『ant』が入ってる方だった!」という流れにもっていくことで、「uが前半か後半かどちらか」「tが付くのはどっちの単語だったか」の2つを一遍にクリア可能な、ナイス語呂といえるかもしれません。

(流石に「蟻」が「unt(ウント)」ではないのは問題ないと思います…。)

 

ということで、それなりにややこしい、「アバンダン(ト)」の覚え方でした。

まぁ僕なんかは、前述の通りabundantはあまりにも目にするからもう記憶にこびりついているのと、もう一方のabandonは、そもそも「アバンン」って覚えてたわ(笑)という、正しい発音ガン無視の、英語が伸びない人あるあるパターンのイメージを持っているので、「無に帰すからO」とか「BAN入り」とか考えるまでもなく、即座に思い出せる感じだったんですけどね(笑)。

 

…って、結局話が広がらなさそうなものでも、無理くりそれっぽい長さにまで駄文を連ねるのがお決まりのパターンって感じになっていきそうな気がしてきました(笑)。

やや中途半端な長さな気もしたので、もう一つぐらいマジで全く広がりがなさそうなネタに触れようかと思いましたが、まぁ毎度とにかく記事が長すぎますし、続きはまた次回にさせていただきましょう。


アイキャッチ画像、アバンダンな話題(無の話題)だっただけに特に何もなかったので、こないだ言っていた、「アダプト」でちょうど使おうと思っていたけど「アダプター」とかのせいで機会を逸していた画像を、記事とは全く無関係ですけど今回取り上げさせていただこうと思います。


こちらは「adopt」(そういえばこれも、区別して覚えるために「アドプト」って脳内では読んで覚えてますね(笑))、つまり「養子縁組をする」の方の単語からのイメージで、いらすとやにこんなイラストがありました。


非常に良い絵に思えましたが、「あれ、そういえば昔、『男性のみの世帯(カップルというより、男性独り暮らし)では、絶対に里親になれない(=養子を受けることはできない)』って見た記憶があるけど、時代は変わったのかな?」と思って検索してみたら、2017年のニュース記事で、実際に認定されたというものが目に付きましたね…!

engumi.florence.or.jp

大阪市で認められたケースのようですけど、まぁ僕はこの辺の話題にはとんと疎いし実際自分が養子をもらいたいという希望もないですけど、こういうのは本当に画期的なニュースで素晴らしいですね!

里親・養子の子、どちらにも最高のめぐり逢いになって、本当に幸せな生活を送っていって(送っていて)欲しい限りです。

 

…あぁ、養子とはまた少し違いますが、この素晴らしいニュースを見て、こないだまとめサイトで目にしていた、別の本当に心温まる動画を思い出しました。

赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんが、その後18歳の青年にまで成長しています、という内容の日テレNEWSですが……

www.youtube.com


もう下手な感想は不要ですね。

本物の家族以上の絆が、そこにはあるのだ……としか思えない、心から素晴らしいご両親、そして真っ直ぐ育った幸せそうなご本人に、胸が打たれます。


ちょっとした画像から、この動画を思い出せて何よりでした。

という所で、次回はまた別の単語に触れていきましょう。

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