似通った英単語に注意しよう(その16:ポーズ他)

それでは、前回の記事でふと思いついていたマギ単(紛らわしい単語)に早速触れていきましょう。

16. ポーズ(Pause/Pose)

マリオとかで、STARTボタンとかを押したらゲームの途中でも一時停止できるアレ、前回も「PLAY/PAUSEでおなじみですね」などと書いていた通り、恐らくこの行為を「ポーズをかける」みたいに呼ぶのは小学生でも知っていることだと思うのですが、ふと、そういえばこいつもめっちゃややこしい言葉の一つだね!と思い立ったのでした。


そもそもこの「ポーズ」、僕なんぞは、カタカナ語のポーズといえばまずこの意味だといえる「(写真などで)ポーズ(ある一定の姿勢)を取る」という意味の言葉で、マリオを一時停止させてポーズを取らせることからそう呼んでいるのかな?と思っていたわけですけど、実は、その「ポーズ」とマリオの「ポーズ」は別の単語だったんですね!

既に上でもスペルを表示していましたが、マリオの方はpauseである一方、「ポーズを取る」の方はposeであり、こちらはカタカナ表記だとより正確なのは「ポゥズ」になりますけど、いずれにせよこいつらは異なる単語ってんだから驚きです。

じゃあマリオのPauseはどういう意味なんさ?…と思えるわけですけど、これはそのものズバリ「一時停止・中断」という意味の名詞であり、また「―する」という意味の動詞でもあるという感じですね。


しかし僕なんぞはむしろ今でもPAUSEと見ると「はい、ポーズ(カシャッ)」というイメージが浮かぶぐらいで、実際その意味で考えても意味は通るし、違う単語だなんてその方がおかしくない…?とも思える気がするものの、実は何気にこいつらは語源を同一とする、ほぼ兄弟のような単語であったため、極めて似通ったニュアンスであるのも普通に自然なことなのだ、といえる感じだったみたいです。

こないだ見ていた語源辞典とはまた別のサイトからですが、↓にあるように……

www.etymonline.com

www.etymonline.com

これらはどちらも突き詰めると後期ラテン語Pausare(停止する・休む・止めるといった意)という単語に辿り着くということで、意味が似すぎているのもむべなるかな、って所といえましょう。


なので、この二語を区別して覚えるのは結構至難ともいえるわけですが、とはいえやっぱりマリオ他のゲームで「PAUSE」みたいな表示を見ることは多く、スペルの印象もかなり強いともいえますし(まぁゲームをやらない方にはそんな印象は皆無かもしれませんが、でも、音楽再生とかでもPAUSEは登場しますしね…)、「一時停止の方は、普通によく見るpauseの方だった」という感じで、何とかなりませんかね…?
(いや誰に聞いてるんだ、って話ですけど(笑))

まぁ例によって語呂を作るなら、違いは「au」か「o」かなわけですけど、マリオを一時停止する必要があるのは基本的に突然の来客があったような場合ですから、「一時停止のポーズは、人と『会う (au)』ためのもの」とでも覚えれば、一応ド忘れしても思い出せそうな気もするものの、正直そんなの覚えてる暇あったら、マリオでもやってゲームで覚えようぜ!と思える感じかもしれません(笑)。


あぁちなみに、語源の方を見ていていくつか関連事項に目が行ったのですが、この「pose」という語がスペルの中に登場してくる単語というのは案外多い上に日常生活でもかなり使われている重要語が多いことに気が付きました。

いくつかめぼしいものだけ挙げてみると、よく使う気がする順には、suppose、purpose、propose、expose、compose…なんかがありますね。


簡単に説明が終わりそうなものから順に、ちょうど後ろの方から見ていくと、まず「pose」は「ポーズを取る」という意味から「置く・横たえる」という意味もあるわけですけど、com-という接頭辞が「共に・一緒に」という意味なので、compose(コムポーズ;コンポーズの方が普通の表記かもですが)で、「構成する・組み立てる」という意味になるわけですね。

というかこの語を個人的にこの語を一番見る気がするのはやはり音楽の話で、「作曲する」というのは、ズバリ「composed by 〇〇」で表される言葉といえましょう。


まだ幼かった頃、「『作詞・作曲』って英語だと何ていうんだろう、やっぱり『Word/Music(とかSong?)』でいいのかな?」とか思って歌詞カードとかを見ていたら、まぁたまにそういう表記をしている日本語のジャケットとかもありますけど、どうやら正式にはそうではなく、歌詞はLyricsとかだし、作曲者はComposerなんかのようで、「何でわざわざ意味分かんない難しい言葉を使うんだ、そんなの覚えらんないし、嫌がらせか!僕は分かりやすいWord/Music表記の方が気取ってなくて好きだね、へん!」と憤りを覚えた記憶がありますけど(笑)、まぁ日本語でも「作詞・作曲」を「ことば・うた」とか書かないのと同じで、普通はそう言うんだから、気取ってるとかそういうことじゃなくて、それはそういうものなんだ、しょうがない、って話だったかもですね(笑)。

 

…と、composeや以下の他の単語もそうですが、「英単語は、語源接頭辞・接尾辞から覚えると飛躍的に語彙も広がるし記憶にも定着する」なんてよく言われますけど、これは実際僕もそう思いますね。

まぁあまりにもすべての語源を抑えようとするとそれはそれで逆に大変ですし、しばしばやや強引なご都合展開なこともありますけど(今見ていたcomposeも、「com(一緒に)」+「pose(置く)」で「構成する・作曲する」とか、ちょっと無理ない?…とも思えますしね(笑))、例えば今回のテーマである「pause/poseの区別」なんかでも、「一時停止」より「ポーズを取る・置く・横たえる」という意味の方が広がりがあるし、関連語が多いのは間違いなく「○○pose」の方だったから、「ポーズを取る」の方が「pose」のスペルの方でOKだね…みたいな感じで、スペルチェックにも役に立つ話になってるかな、とはやっぱり思える感じでしょうか。

 

関連語の続きに戻りますと、exposeは、接頭辞「ex-」が「外に」という意味をもたらしますから、「外に・置く」という感じで、これは「晒す/曝す(さらす)・暴露する露光/露出させる」という意味になるわけで、これは大変分かりやすいですね。

(個人的には、実験で顕微鏡やその他蛍光シグナルなどを撮影することがあるんですが、やはりこの語はカメラの話でよく見る(まさに「露光」という意味で)気がします。)


そしてpropose、これはカタカナ語でもおなじみ「プロポーズ」ですが、カタカナ語だと「結婚の申し出をする」という意味限定になる気がするものの、英単語としてはより一般的に「提案する・申し込む」という意味を含む言葉なわけですが、これは接頭辞「pro-」が「前方へ」という意味なので、「前方に・置く」→「考えなどを提起する」という、これもまぁちょっとこじつけが過ぎるキライもあるものの(笑)、まぁプロポーズは語源に立ち返らなくてもイメージは容易ですね。


続いてのpurposeですが、まずこれだけなぜか発音が「ポーズ」ではないのにご注意で、学校英語で必ず学ぶためご存知だとは思いますけど、これは「パーパス」という発音になる罠のような存在であることに要注意といえましょう。

意味としては、接頭辞「pur-」も「pro-」とほぼ同じ「先へ・前へ」という意味ですが、音なんかもちょっと捻ってあることからも分かる通り、意味も少し捻られており、「先の方に位置するもの」ということから、ズバリ「目的」というドンピシャな日本語が存在する形ですね。

これは語源に立ち返って意味を探るというより、意味はかなり特徴的で忘れることはないため、逆に、スペルに迷ったときに、言葉の成り立ちを思い出せばちゃんと「パー・ポーズって書くんだったね」と思い出すのに役立つもの…といえるでしょうか。


そして最後のsupposeですけど、これは語源はややこしいので特に触れる意味もない気がするものの、単語として極めてよく使われる(けど、日本人は知らないとほぼ絶対に使わない・使えない気がする)ものなので、そちらのために触れてみた感じですね。

まずどうでもいいというかややこしい語源の方は、これ、sup-poseなのに、語源的にはこれはsub-poseだそうで(なんでやねん、って話ですが、文字の並び・音的に、subがsupに変わったってことでしょうかね?)、「sub-」という接頭辞は「サブウェイ(地下鉄)」「サブマリン(潜水艦)」などから明らかな通り、「下の」という意味ですから、「下に・置く」という感じで、正直これまた極めて飛躍が過ぎますけど(笑)、「仮定する・推定する」という意味になります。


しかしこちらはそれ単独というより、ある意味イディオム的なもので日常会話でマジで頻出するやつでして、それが、一応学校では習うけれどあんまり意識しない気がする「be supposed to~」の形……

(もちろんsuppose単独でも、「I suppose so.」という形で、やや自信はないけど、「多分そうじゃない?」「かもね?」という感じの、「I think so.」の弱い版としてしばしば使われますけどね!)

…このイディオムが実は英語では鬼使われるやつで、結局これは「~するはず」「~すべき」「~することになってる」「~の予定」的なニュアンスの意味の表現……と書けば、どれだけよく使われそうなのかはご納得いただけるように思えます。

こちらは、義務的な「(ルールとして)~することになっている」も、期待的な「~するはずでしょ?」「~であるらしいよ」も、どちらの意味も持ち得る感じで、過去形での利用や否定形との組み合わせなどで、使われ方は本当に多岐にわたる感じですね。

 

例文は検索すればいくらでも日本語解説記事が見つかりますけど、まぁ代表的なのを挙げてみると、

  • I'm supposed to be at home by 8 pm.(20時には家にいなきゃいけないの)
  • You're not supposed to park here.(ここに駐車してはいけないことになっています)
  • 「ちょっと、お皿洗ってないじゃないの!誰の当番だったの?」→「He was supposed to do it. (あいつの当番だったよ(あいつがやるはずだったよ))」
  • XX is supposed to be very fun and good!(XXは、めっちゃ面白くていいらしいよ!)(※XXには、話題の映画とかが入りますね。)
  • I was supposed to finish it today...(これ、今日中に終わらせておく予定だったのに…(※「実際は終わっていない」ことが自動的に示されている形です。))

 

こちらはshouldに近いし、発音が楽なので僕はむしろbe supposed toを使うべき場面でもshouldを多用しちゃいますが(笑)、shouldがやや主観交じりで「そうすべきだと思うよ」と言ってるのに対し、be supposed toは「規則として、そうすることになってるよ」と言っているニュアンスが強くなる形ですね。


(なお、発音は、正式には「アイム・サポウズド・トゥー」ですけど、実際は「サポウ」と、お尻のsの濁りがなくなるばかりか、そもそもto自体もほぼ消えてしまって次の動詞にそのままつながる感じで発話されることが圧倒的に多いですね。)

 

※追記:その後、このbe supposed toには若干説明不足というか片手落ちな話になっていた部分があったことに気付いたため、新しい記事で補足を加えておきました。そちらもぜひご覧ください。)

 

…とそんなわけで、案外真面目な英語豆知識に話が広がってくれて、またまた一項目だけでいい分量になりました。

続きはまた次回といたしましょう。

アイキャッチ画像、何かいいポーズはないかなぁ~といらすとやを見ていたら、初見の「令和ポーズ」なる謎のいらすとが目に付きました。


…ちょうど顔全体が「令」の字にピッタリならともかく、別に全然上手いこと表せてないですし、しょうもなさ過ぎて、残念ながらこれは流行らないでしょうね(笑)。

とはいえ万一流行った場合に備え、「もうとっくに知ってたぜ!」といい気分に浸るために、今回はこちらを採用させていただこうと思います(笑)。

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