放浪息子・英語版で気になった所を挙げていこう:1巻その1・名前のローマ字表記

補足で話が逸れ続けていましたが、早速本題に参りましょう。

放浪息子の英語版「Wandering Son」(WS) を読んでいて気になった点・面白いと思った点なんかを適当に取り上げていくシリーズですね。

1巻から順に見ていく形ですが、既にこないだ触れていた巻頭のおまけ記事より、さらに前にある部分からのスタートになります。

(※後記:大したことない点なのに、まさかの、今回はこれ一つだけでネタが終わりました(笑)。まぁ、案外触れる英語版ネタもそこまでなさそうので、話が広がってくれるのはネタ切れブログとしては大変ありがたい限りです。)


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(1) p. 4 (登場人物紹介)

英語版WSには、日本語版にあった「敷居の住人販促まんが」がなくなっており、登場人物紹介から始まっていましたが(さらに厳密に言えば、ファッション誌の一部みたいな、女性モデルが色々な服を着て立っているシーン……日本語版なら販促まんが→登場人物紹介→もくじ→1話1ページ目→その絵の、見開き扉絵という流れですが、WSでは、p. 1:その絵の一部(特に何が書かれているわけではない、ページ数調整ページ?)→ p. 2:出版社情報等 → p. 3:その絵の、真ん中の緑服の女性一人だけが描かれた「Volume One」であることを示すページ(毎巻冒頭に存在)→ p. 4-5:登場人物紹介 → p. 6:発音ガイド → p. 7:もくじ → p. 8:1話1ページ目 → p. 9:1話扉絵(その絵の、洋服のシルエットのみが使われた絵;こないだも書きましたが、WSでは全話にサブタイトルが描かれたこの扉絵が挿入されています)→ p. 10-:本編…という流れなので、厳密には人物紹介が本当の一番最初ではないんですけどね。まぁ細かすぎるので、ここまで書いておいて何ですがどうでもいいでしょう(笑))……

長くなりすぎたので仕切り直すと、ほぼ一番最初のページなのに、まさかの、いきなりミスが見つかっちゃいました…!


人物紹介は、主役である二鳥くんと高槻くんの顔アップが見開き両サイドにあり、その他の人物の立ち絵があって、二鳥&高槻ペアは立ち絵にも存在する形なのですが……

(って、さっきから文字だけで分かりにくいにも程がありましたけど、日本語版はAmazonにお試し読みがあるため、改めて、登場人物紹介ページをそちらからお借りいたしましょう。)

放浪息子』1巻登場人物紹介、https://www.amazon.co.jp/dp/B009727O2E/より

このように二鳥くんはこの人物紹介ページで2回描かれているのですが、英語版では当然説明書きが英文に書き換えられているため、絵以外のほとんど全てが編集されているわけですけど、まさかの、みんな大好きCHIBA Saoriさんを指し示す線が、英語版だと横に立ってる二鳥くんの立ち姿を指してしまっており、これじゃあ二鳥くんが千葉さんじゃねぇか!という感じになってしまっていたのです。

まぁ、二鳥くんと千葉さんは髪色から何から完全に違いますし、多分誤解はないと思いますけど、いきなりのミスでこれはちょっと残念ポイントといえちゃいそうですね。


最初WSのこちらを見たとき、「えっ?日本語版もまさかこんなイージーミスがあったのかな?」と思って見直してみたら、上記画像の通り流石にそんなわけはなく、英語版の説明書き編集に伴うアレンジミスという形ですね。

なお、見比べて気付きましたが、英語版の方は人物立ち絵がある部分のバックがなぜか白になっており(ちょうど、日本語版白枠の中が全部白ってことですね)、意味がなさ過ぎる・謎過ぎる変更にちょっと笑えましたけど、まぁ、英文の写植にあたり、白い方が便利とかだったのかもしれません(というか、日本語を塗りつぶす際、ホワイトべた塗りが一番楽だった、って感じでしょうかね)。


それ以外は特に全く問題はありませんでした。


なお、二鳥くんの下の名前、修一ですが、英語版では、ShuichiなのかSyuichiなのかどっちなんだい?…と疑問に思えるわけですけど、まぁ基本的に日本はヘボン式を採用することが多い(パスポートもそうですもんね。大学のクラスメイトに、「~郎」で終わる友人がいましたが(まぁいくらでもいる名前ですけど)、帰国子女であった彼は(漢字三文字の名前だったので、仮に一太郎としましょうか)、「パスポート、『Ichitaro』までで止めて欲しいのに、『Ichitarou』まで書かなきゃいけないのが、余計な表記すぎていらつくぜぇ~」と憤っていたのを今でも覚えています)……

また余談が長くなったので仕切り直すと、ヘボン式がやっぱり一番なじみがある気もしますから、WSでもヘボン式にのっとってなのか、Shuichi表記が採用されていました。

実際、Shuくんは確かに、SyuよりShuの方が合ってる気はしますね。
(感覚的なものなので、なぜかは説明できませんけど…)

KyuやNyuはヘボン式でもyが使われますし(…ってKhuやNhuはおかしすぎるのでまぁ当たり前ですが)、訓令式であれば単純化のために小さい「ゅ」は全てKyu/Syu/Tyuなどyが使われますから、まぁ実際どっち表記もありっちゃありですけど、個人的にはShu-kunの方がしっくり来る気がします。

(ローマ字表記、参考↓)

ja.wikipedia.org
というか日本人視点からの見栄えどうこう以前に、恐らく「アメリカ人にとってどちらが発音しやすいか?」という問題があり、これは圧倒的大差でShuの方が「シュー」って読んでもらいやすいのは間違いないですから、何気にその点がまずありきの話だったのかもしれませんね。

「Y」というのは結構特別…というか面白い文字で、これは何気に「J」に近いイメージが多くのアルファベット圏の人の感覚にはあるようで…

(我々がLとRを似たようなもんだと混同しがちなのと、近いものがある感じでしょうかね…?まぁアメリカ人の話をしてるのにおかしいかもしれませんけど、それは英語圏以外でより顕著な気もしますが)

…例えばイエス・キリストのイエスは、ジーザスともいえるというかむしろ英語表記だとJesusなわけで、逆になぜイエスなのかというとヘブライ語ではこれを「Yēšúa」と書くのだそうで、やはり基本的にYとJは同源の文字ともいえるわけです(まぁ、僕は文学や文字の歴史についてはモグリなので、厳密にはまたちょっと違うかもしれないというか、適当書いてる可能性もありますが…)。

(でも実際、逆に、Janと書いてヤンと読むとかもありますし、サッカーの「ユベントス」が、スペルだと「Juventus」なのも、サッカーファンにはおなじみのお話といえましょう。
 Japanも、国によっては大多数の人が「ヤーパン」と読むこともあるという感じですね(特にドイツ語圏の人は、実際そう読むような印象です。))


実際自分が耳にした中で一つ覚えている話で、同じ研究室に中国人でYiから始まる二音節の名前の人がいたんですけど(仮に、Yi-rongとでもしましょうか。日本人的には、イーロン・マスクさんと同じく、イーロンと呼ぶ形ですね)、もちろん日本人による中国人名呼びも決して正確ではないでしょうが、まぁ流石にイーロンは十分原音に近いと思えるものの、これ、スペイン語圏から来た人が、YをどうしてもJと読んでしまうらしく、ずーっと「ジーロン、ジーロン」言ってたのが、個人的にめっちゃ面白くて好きだった、なんてエピソードもありますねぇ~。


そんなわけで、日本人的にはSyuichiと書いても問答無用で「しゅういち」と読めますけど、何気にchiも結構謎表記であり、欧米圏の人には「Syuichi?何て難しい名前だ、一体何と読めばいいんだ!」と苛立ちを覚え、人によっては「ジュィキ」みたいな感じで読んでしまいかねない可能性も、もしかしたらあるかもしれませんね、なんて思えました。

そもそも修くんに限らず、拗音って何気に欧米圏では極めて難度の高い読みで、例えば男女ともによく使われるRyo-で始まる名前は、ちゃんと「りょ○○」と読んでもらおうとするのは困難を極める…なんてこともよく聞きます。


…って、以前そんな感じで名前似触れたことなかったっけ…?と思ったら、半年ぐらい前に触れてましたね。

con-cats.hatenablog.com
こちらの記事では「難しい」ではなく、「英語だと妙に聞こえてしまう名前」を取り上げていましたけど、まぁ何だかんだ、やはり所変われば言葉も変わる、ってなことで、本当に面白い点ですね。

(結構いい量になっていたので、唐突に適当なまとめでおしまい(笑))


次回はあんまり広がりそうなネタもないので、さくさく進んでいきそうです(そう言ってグダるのが恒例ですが(笑)、しかし、青い花考察本の翻訳の時とは違い、「ひとまず一通り終わらせて完成させたい」という目標もありませんから、むしろ脱線できるなら積極的にしていきたいぐらいですね)。

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