放浪息子・英語版で気になった所を挙げていこう:巻頭付録・日本語発音ガイド

それでは前回触れていた通り、英語版の放浪息子、Wandering Son(以下WS)に収録の付録記事、「日本語の発音ガイド」および「敬称ガイド」の一部を見ていくといたしましょう。

 

全然関係ないですが、ついでの英語ネタとして、今ふと思いついたんですけど、「Wandering Son」って、スペルミスのチャンスがめちゃ高いフレーズですね。

WanderingとWondering、そしてサンの方はSan, Sun, Sonと、極めて紛らわしい組み合わせといえましょう。


WanderとWonderは、Wanderが「さまよう・徘徊する・歩き回る」という意味で、Wonderが「不思議に思う」という意味であり、英語でより良く使うのはまぁwonderの方かな、って気がしますが(「I wonder~」で「~かな」という感じでめちゃくちゃカジュアルに使われます)、ごっちゃになってしまった時はそうですね……

Wanderの方は「歩く」という意味があるから、walkの派生型ともいえるので「さまよう」=waの方

…とでも覚えておけば完璧でしょうか。


まぁ、そんなこといったら「walkのスペルに迷ったら?」ってなりますけど、流石に中1レベルの単語であるウォークのスペルは頭にこびりついているはずなので、いけるでしょう、という感じですかね。

あとは、wonderfulという単語もめちゃくちゃ馴染みがあるわけですけど、これもwonderがful=不思議が一杯で「驚き・凄い」という意味と連想して、「不思議に思う」方が「o」のwonderだな……と、まぁwonderfulのスペルがはっきりしてるならwonderもはっきりしとるだろ、って話かもしれないですけどね(笑)。


いずれにせよ、本作の場合は「放浪」息子なので、Wanderingということになります。


一方サンの方は、これはもう「歩く」walkのスペルが常識レベルで身についているのと同じように、太陽はSUNだし、息子はSonだし、一番ノーマルな「サン」っぽいsanは、日本語の「~さん」でしか使われないエセ英単語だし(あぁでも、サンフランシスコとかのSanには出て来ますが、これは聖なるセイント(Saint)のスペイン語ですね)……という感じで、「犬と猫、どっちがdogでどっちがcatだっけ?」って迷うことなどないのと同様、これも最早そのレベルで、もう語呂とか覚え方とかを超越したベーシックな単語といえそうです。

まぁ、ド忘れしてしまったときのリカバリー手段としては、Son=孫=息子というつながりがあるという語呂合わせを覚えておくとか、「そういえば日曜日を『駿台』って覚えてる人がいたし、Sundayが日曜→太陽のスペルはSunで間違いないな」とか、そんな感じのを頭の片隅に入れておくのもありかもしれませんね。

(流石にこのレベルのスペルのド忘れとか、痴呆の発症を疑った方がいいかもしれないのであり得ない気もしますけど(笑)、まぁこういう保険的な「ごっちゃになってしまった時」対策を幅広く持っておくことが、試験の類には大変有効であったような気もします。
 僕はそういうのをまめに用意するのが得意だったのですが、それこそが試験系に強かった最大の要因かな、などと自認しています。)

 

またまた全く関係ない話で長くなりました。

とはいえ今回はガイドを見ていくだけの短い記事になりそうなので、ちょうどいいといえましょう。


なお、1つ目の発音ガイドは、WSの2巻以降では巻末にあるんですけど、1巻だけは巻頭にある形となっていました。

読み始める前に触れておいた方が良いのではなかろうか、という、編集者の親切な心遣いなのかもしれませんね。

 

それでは、まずは最初に収録されていたその「日本語の発音ガイド」記事の翻訳から見ていきましょう。

冒頭といっても、キャラクター人物紹介の後に入っているので、作品の途中に挿入されている感じなんですけどね。

これに限らず、WSでは各話の頭に毎回タイトルページが挿入されているので、日本語版と英語版はページ番号がどんどんズレていって、同じ巻でも全く対応していないという状態になっていました。

まぁそれは、別に比較して読む人なんて滅多にいませんし、普通はどうでもいいといえる点でしょうか。

(この記事では、基本的にWSのページ数を示していこうと思います。)


なお、前回の記事で、無料お試し読みで掲載されていた5-6巻のガイドを紹介していたんですけど、改めて見てみたら、そちらは1巻冒頭収録のものとは微妙に違っていました。

…といっても、子音の項目で触れられていた一段落が、後の巻だとなくなっているだけなんですけどね。

既に1巻を見ながら訳してしまっていたこともあり、せっかくなのでこちらはそのまま1巻のみに掲載されている段落含め、全部紹介させていただくといたしましょう。

(前回は「全部紹介するのもアレだし、一部にしようと思う…」とかも書いてたのに、言ってることバラバラで恐縮ですが(笑))


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(1) p. 6より

発音ガイド

母音

a  「father」のように

i  「spaghetti」のように

u  「put」のように

e  「them」のように

o  「pole」のように


「長い」母音は通常、マクロン (ō)、サーカムフレックス (ô)、またはダイエリシス (ö) で示されるが、時々、母音が単純に繰り返されることもある。人名では、長い「o」の音を「oh」と表すことがある。ある母音の直後に別の母音が続くが、同じ音節内ではない場合、ある音節の終わりと別の音節の始まりを示すために、ダッシュまたはアポストロフィで区切られることが多い。以下、英語話者の耳には1つの音節のように聞こえる(つまり分離されない)一般的な母音のペアを紹介してみよう:

ai  「my」のように

ei  「ray」のように

oi  「toy」のように

ao  「cow」のように


はっきりさせておく必要のある子音

g  「get」のように (決して「age」のようにはならない)

s  「soft」のように (決して「rise」のようにはならない)

t  「tale」のように (決して「d」のようにはならない)

ch  「church」のように


トリッキーではあるが、特に気にする必要のない子音:

ts  英語話者はこの音を常に「bats」「nuts」のように発話するが、単語の始まりにある場合、困ったことになる。日本語では、常に「u」の音が続く形になる(「tsunami」のように)。

r   これは「r」でも「l」でもなく、まさしくその中間の音となる。


アクセント

多くの英単語には、「アクセントのある音節」と「アクセントのない子音」とがある。日本語では一般的にこのようなことはなく、より「フラット(真っ平)」である。英語話者は、新しい単語に出会ったとき、2音節なら最初の音節に、3音節なら2番目の音節にアクセントをつけ、それ以降は即興で適当に流す傾向がある。日本語の場合、どうしてもアクセントをつけたくなってしまう場合は、1音節目にアクセントをつければ概ね問題ないであろう。


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非常に分かりやすく、また納得のいくガイドですね。

とはいえ、日本人の耳的には「えぇ~そうなん?」と思える点もいくつかありました。

まず、母音の「o」が、「『pole』と同じように」とありましたが、poleはポール(ポゥル)だし、もうちょいいい例ないんけ?…と思えたものの、まぁ恐らく英語話者の耳には、「poleのoに近いよ」とする方が、きっと分かりやすいんでしょうかね…?


しかし、さらに疑問なのが「ao」の発音、これを「『cow』と同じように」って、ウシのカウは流石に「au」とちゃいます?って気もしますけど、やはりこれまたそれは日本人的発想であり、いわば「カォ」という感じで、アメリカ人の耳に届くaoはカウに近いという形なのでしょうか??

面白いですねぇ~。

 

あとはやっぱり、日本人永久の課題「r」の発音も注意書きがされていましたけど、最後のアクセント問題と並んで、ここが完璧にクリアできたらかなり英語の発音っぽい何かを手に入れることが可能となる…と思われるポイントですね。

…もちろん、僕は、未だに全く手に入れることができていませんが(笑)。

 

あぁあと最後、また一つ単なる豆知識ですが、途中にあった「ダッシュ」、まぁダッシュは伸ばし棒みたいな「―」で、アポストロフィはそのまま「’」ですけど、なぜか、特に高校数学で顕著だと思うのですが、ちょうどそのアポストロフィのことを文字として読む際、日本人は「ダッシュ」と読んでしまいがちなんですよね。

例えば「x’」を「エックスダッシュ」みたいな。

これ、英語的にはマジで完全に誤りで、ダッシュという読みの記号はあくまで「―」でしかないので、「エックスダッシュ」というと英語圏の人には「x-」みたいな感じに思われてしまうわけです。

この読み方は「エックスプライム」なので、特に高校数学の微分以降でよく出てくるこの記号、間違い知識を広めないように、「プライム」呼びを徹底して欲しい所といえるかもしれません。

 

…と、もう一つの付録、敬称ガイド(こちらは、1巻でも巻末掲載)も紹介しようと思っていましたが、結構いい分量になったので、また2回に分けて記事水増しとさせていただきましょう(笑)。

 

今回の表紙画像は、1巻読み切りの『わがままちえちゃん』よりですね。

こちら、幽霊好きの志村さんの本領発揮な、少し不思議な物語、かつよく練られたお話で、これまた大変良かったですねぇ~!

もちろん、「よく練られた」というのは、言い換えると理解力の悪い僕なんぞでは一読だと中々内容を掴めなかったともいえるんですけど、やはり、志村ビューティーな女の子達があれこれやってるのは、それだけで何度も読みたくなる中毒性がありますからね、むしろ何度も読み返したくなる複雑なプロットってのは、我々にとってはご褒美でしかないんだよ…!


リアルな人間模様の描写に定評のある志村さんですが、また気ままに、この手のファンタジー要素が上手く混ざった作品を描いて下さることも、ぜひ楽しみにしたい限りです。

(あぁ、まさに『ビューティフル・エブリデイ』はズバリその路線でもあった感じですね…!)

『わがままちえちゃん』https://www.amazon.co.jp/dp/B00UWRCPPYより

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