青い花のエピソードタイトルの由来をまとめてみよう(その2)

青い花の各話サブタイトルの由来を(勝手に)まとめていくシリーズ、早速続きに参りましょう。

第4話からですね。

----------

青い花』エピソードタイトルの由来まとめ(勝手に予想;括弧内は英語版青い花の英訳タイトル)

#4 朝めざめては(Waking Up in the Morning)

こちらは、ほぼ唯一、ドンピシャ同じ名前の、明白な元ネタが見つからないエピソード名かな、と思います。

しかし、基本的に文学を元ネタにしていると思われる青い花のサブタイですから、これはまぁ恐らく、「ある朝目覚めると、巨大な虫になっていた」でおなじみ、カフカの『変身』が元ネタでしょうかね…?

ja.wikipedia.org
なお、僕は「起きたら虫」ぐらいしかこの小説のことは知らないんですけど(笑)、それで知ってる判定していいなら、この小説ほど多くの日本人におなじみの作品も中々ない気がします。

何でこんな有名なんでしょうね…?

もう一つ何故か誰でも知ってる海外小説は、「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな。」であまりにもおなじみの、チョウチョの標本とエーミールのアレ、日本の少年少女に何とな~く嫌な気持ちを残した『少年の日の思い出』がありますけど、こちらは間違いなく国語の教科書に出てきたから極めて多くの人の脳裏に強烈に焼きついたと思われるものの、『変身』の方は、少なくとも僕は国語の教科書で見た記憶はないですねぇ。

変身といえば、むしろ李徴の虎の方を思い浮かべますけど(これは高校現代文マジで頻出のネタですね)、まぁその辺の国語ネタはどうでもいいとして、別に文学作品名縛りを入れられてるわけでもないと思うので、こちらは特に「元ネタなし」という形かもしれないものの、まぁ他にこれといったのがなかった気がするので、これになるのかなぁ、という所でしょうか。


一応、「朝めざめては」と平仮名で書き下されているからこそ何か意味というか由来があるのではと思いましたが、一字一句同じタイトルの文学作品は検索しても出て来ませんでしたし、そもそもアニメ版の青い花は、唯一こちらだけタイトルが原作とは変わっているようで、アニメの第三話(アニメは、枠的にエピソードが再構成されているようで、原作第二話の「スタンド・バイ・ミー」というタイトルは存在しないようです)は、「朝目覚めては」と漢字表記に変わっていたため、やはり別にそこまで特定の何かを指した名前でもなさそうですね。

しかし、面白いことに、改めて第四話の中身を見てみたら、特に朝目覚めるシーンがあるわけでもなく、変身っぽい何かがあるわけでもないように思えたので、やっぱり「朝起きたら虫」のアレは特に関係ないのかな…??


一応、「検索しても出てこなかった」とは書いたものの実はゼロではなく、桐朋学園音楽部門の図書館所蔵のハイネの詩の歌曲の一つに同名の一節があるようですが、流石にそんなちょいネタが由来なわけはないですしねぇ……と思いきや、もうちょいよく見てみたら、どうやらこれは別に単なる曲の一節というわけではなく、ハインリヒ・ハイネの詩に、ちゃんとした和訳タイトルとしてつけられたものが存在する、れっきとした作品名の一つといえるんですね!

改めて検索したら、ハイネ詩集の中にもちゃんと収録されていました(16pが「朝めざめては」↓)。

iss.ndl.go.jp
果たして本当にこの詩が元ネタなのか、そんなに有名作品でもない気がするし、やっぱりアニメ版ではタイトルも変わっちゃってる(あくまでWikipedia情報ですが)みたいだしなぁ…とは思えるものの、まぁ確実に志村さんご自身がつけられたのは原作のタイトルですし、志村さんは恐らく詩にも造詣が深いのではと思われるので、こちらを元ネタ認定してもいいのかもしれませんね。

 

ちなみに、当初「元ネタなし」だと思っていたので、関連ネタとして、このタイトルを見ていたらちょうど志村さんのBL作品『起きて最初にすることは』が頭に浮かんだこともあり、

「志村さんは、こういう『(朝の始まり)は…』という形のタイトルがお好きなのかもしれませんね」

…みたいなこと書こうと思ってたんですけど、そんなの全然薄すぎるつながりですし(笑)、まぁ触れる必要もないかと思ったんですけど、まさにちょうどつい先日、志村さんご本人がツイッターでこの作品と関連同人誌についてつぶやかれていらっしゃったので、せっかくの機会ですし宣伝までにペタリと貼らせていただくとともに、今回はこちらの表紙をアイキャッチ画像に使わせていただきましょう。


僕は同人誌の方も持ってますけど、以前も書きましたがやはり僕はそっちの素質はあまりないようで、あくまで志村さんが描かれた作品以外は、特にあえて手を出す気にまではならないジャンルかなぁ、BLは……という感じですね、今の所は。

『起きて最初にすることは』表紙、https://www.amazon.co.jp/dp/B00YBO1FBYより

 

#5 秘密の花園(Secret Flower Garden)

こちらは、似たようなタイトルの作品は複数ありそうな印象ですけど、最も元ネタとして当てはまりそうな文学作品といえば、20世紀初頭のこちらの作品でしょうか。

ja.wikipedia.org
イギリス生まれアメリカ育ちの、フランシス・ホジソン・バーネット夫人の児童文学のようですね。

なお、こちらの原題はThe Secret Gardenであり…

en.wikipedia.org

SBFのサブタイトルは、冠詞のTheが省かれた代わりにFlowerが足されているので、これも、SBFからは元ネタを追うのが困難なパターンといえそうです。

言うまでもなく、元ネタ小説名ではなく、日本語サブタイトルそのものにより則って翻訳された英訳サブタイトルになっていると言えましょう。

 

#6 青春は美わし(Beautiful Youth)

早速来ました、先ほども触れたエーミールのアレを書かれた文豪、ヘルマン・ヘッセ著のこちらが、確実に元ネタですね。


Wikipediaには単独項目がなかったので、検索トップに来ていたAmazonリンクを貼らせていただきましょう。

www.amazon.co.jp

こちらも先ほど同様、この元ネタの英語タイトルとSBF第六話のエピソードタイトルとの間にはややズレが生じていますが…www.goodreads.com

まぁ小説のタイトルにするとかなり違和感があるでしょうし、これも翻訳上の仕方ない選択といえそうです。

 

#7-9 嵐が丘(Wuthering Heights)

これはもう説明不要ですね。

ja.wikipedia.org
…とはいえ作者とか全然知らなかったんですけど、イギリスの小説家、エミリー・ブロンテの唯一の長編小説ということでしたか、Wikipediaによると。


まぁ僕的には、この記事で触れていた通り、小説や戯曲よりも「恋のから騒ぎのテーマ」として知った方が早かったので、ケイト・ブッシュさんの例の曲のイメージの方が強いんですけどね(笑)。

とはいえ、あの曲も当然この小説を元に作られていますし(♪ヒースクリフ!という高音がとても印象的です)、間違いなく「元ネタは小説」と断言して構わないといえましょう。

 

#10 若葉のころ(Young Leaves)

おぉ~っと、ちょうど上でもリンクを張った同じ京子&康ちゃん回の記事でも書いていましたけど、ここにもビー・ジーズの曲名が使われていたとは、気付きませんでしたね…!

ja.wikipedia.org
小さな恋のメロディ」は邦題の方が印象強いんですが、こちらは、なぜか原題の「FIRST OF MAY」で覚えていたので、「若葉のころ」ではピンと来ませんでした。

www.youtube.com

ビー・ジーズで好きな曲トップ2がまさにこの2曲なので、こちらも使われていたということがとても嬉しいですし、こないだの記事で「エピソード#40-41『小さな恋のメロディ』は、映画というよりビー・ジーズの曲を念頭に置かれていたのでは…?」と書いていた僕の考えがある程度補強されたかに思える感じで、これは大変ナイスな発見でした。


なおビー・ジーズで3番目に好きなのはやっぱりStayin' Aliveかな、って気がしますが、全然曲調も歌い方も違うのに、かなりの名曲で人々の耳に残るメロディになってるのは、やはりいかにビー・ジーズが偉大なグループだったかを物語っているといえましょう。

www.youtube.com
ちなみにこちらは公式動画で、以前貼った「小さな恋のメロディ」と今回の「FIRST OF MAY」(やっぱり僕的にはこの曲はこっちのタイトル)、何で公式がないんだろ?と思ったら、両曲とも公式アップロードはされていないようです。

「小メロ」も「ファスメイ」も、なぜか日本でだけ圧倒的人気(本国イギリスや世界的には、全然マイナーな一曲)という説が図らずも立証されたような形ですね。

僕も、個人的にはバラードよりアップテンポの曲の方が一般的にいって好きなんですけど、ビー・ジーズのこの沁みる二曲は、やはり彼らのベストソングに思えます。

 

そしてもう一点、全然関係ないですが、

「『若葉のころ』といえば、Kinki Kidsのドラマがあったよね?実は自分自身は見てなかったんだけど、覚えてるぜぇ~」

…と思ったんですけど、Wikipediaによると、このドラマはこのビー・ジーズの曲を元ネタにした内容だったようで、しかも主題歌すらこの曲だったとは!

初めて聴いた時に、「あ、このメロディ、何か聴いたことある気がする懐かしさがある!でも『小さな恋のメロディ』もそう感じたし、名曲というのはそう思わせる何かがあるんだろうなぁ」とか思ってたんですが、実際(ドラマは見ていなかったけど)番宣とかで流れていたのを、うっすら覚えていたのかもしれませんね。


なお、なぜ見ていなかったのに覚えているかといいますと(まぁ人気ドラマのタイトルは、見てなくても結構覚えているのがあるとはいえ、それ以外の点として…)、ちょうど祖父母の家に帰省中、特にドラマとか特定の番組を見るわけではないタイプの祖母が、このドラマだけなぜかハマったらしく、時間になると必ずTVの前に来て見ていたというそんな場面が思い出として強く印象に残っているためなのです。

(帰省した時はもう途中でしたし、一緒に見たわけではないんですけどね。でも、祖母が特定の番組を名指しで楽しみにしていたのは、帰省したときしか一緒に過ごしたことがなかったとはいえそれが唯一の記憶で、とても印象的でした。)


なので、このドラマは、確実に夏休みか冬休みかの長期休暇中に放送されていたはずですよ……と思ったら、まさかの、放送日は1996年4月12日から6月28日まで……。

えぇ~、うっそーん、じゃあゴールデンウィーク中に帰省したのか?そんなこたぁない気がするし、その後再放送されていた…としても、記憶にある夜のいい時間ではないだろうし……で、何か若干腑に落ちませんが、まぁそんな思い出もあるドラマなのです。


…と、念のため堂本剛さんのWikipediaをチェックしてみたら、あぁーっと!

  • 青の時代(1998年7月3日 - 9月11日)

こっちや!!

こちらは完全に夏休みに被ってますし、そういえば青い何かをおばあちゃんが楽しみに見ていたのが強く記憶に残ってるんでした、間違いなくこれですね!!


…ってまぁそんなちょっとした個人的思い出なんて大々的に語るもんでもなかったですけど(笑)、志村さんもこのドラマを見られていたにせよいないにせよ、ビー・ジーズのこの素晴らしいバラードがこのタイトルの元ネタなのは間違いない感じってことですね。


そしてこちらも当然、このエピソードのタイトルが「五月一日」なんて意味不明にも程がありますから、元ネタの曲原題をそのまま使うのではなく、「若葉のころ」を英語に直訳したのが、英語版のサブタイトルという形になっていますね(まぁ、「若葉」だけではありますが)。

----------


ではまた続きは次回…。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村