青い花のエピソードタイトルの由来をまとめてみよう(その3)

続いては第11話からですね。

 

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青い花』エピソードタイトルの由来まとめ(勝手に予想;括弧内は英語版青い花の英訳タイトル)

#11 新しき日(A New Day)

こちらもかなり一般的なフレーズであり、自信をもって確定で断言できるかとなると結構悩ましい部分もありますが、まぁより普通な表現である「新しい日」ではなく「新しき日」なので、やはりタイトル完全一致の文学作品を元ネタにしているのではないでしょうか…と思われます。

もちろん、「これですね」と挙げることのできるものはパッと思いつきませんでしたけど、検索したら、20世紀初頭のノーベル文学賞受賞作家、フランスの巨匠ロマン・ロラン著の長編小説『ジャン・クリストフ』の最終章巻題(の和訳)が、まさにこのタイトルになっているようです。

もうかなり前の作品ということで、翻訳版の青空文庫も公開されているようでして、どなたでも全編無料で閲覧可能ですね。

www.aozora.gr.jp
…まぁ僕は読んでませんし、多分よっぽど時間ができてからでないと読めませんが、やはりこちらがこのサブタイトルの原典なのかな、という気がします。


ちなみに、既に全部それと思われるネタはリストアップしており、参考までにFrankさんにも一覧を送ってあげたのですが、Frankさんへのメールでは英語と日本語のWikipediaを主に紹介したんですけど、日本語のWikipediaだと、ページ末尾の青空文庫リンクは「新しき日」なのに、記事本文のあらすじ解説項目では、「第10巻 新しい日」となってますね…。

ja.wikipedia.org
まぁあくまで仏文学の翻訳ですし、訳によっては「新しい日」と書いても間違いではないんでしょうけれども、青空文庫にも採用されている豊島与志雄さんの訳が日本語では正典に等しいと思えますし、ここは「新しき日」が正しいタイトルで、したがって第11話の元ネタもやっぱりこれでいいような気がしちゃいます。


ちなみに、この小説の英訳は、Wikipediaによると…

en.wikipedia.org
"The New Dawn"(新しき夜明け)となっているので、今回もまた、第11話の洋題と原典の洋題が一致しておらず、「原典の邦題をそのまま英語に戻した」という形になっていますね。

まぁあんまり内容に夜明け要素もないですし、そこまで有名な作品でもないでしょうから、そうするのがベストかな、という英訳といえましょう。


実際このジャン・クリストフが本当に元ネタなのかは志村さんのみぞ知るという話ではありますけど、こんな古典的仏文学が引っ張られているのも大変カッコいいといいますか、何か洗練されている気がしてとてもいいので、もし違ってもそう思うことに損はないし、ファンとしては勝手にそう思いたい・そういうことにさせていただきます、という話ですね(笑)。

 

#12 さよならは言わないで(Don't Say Goodbye)

こちらもまた、やや一般的な言い回しのフレーズなので難しい所ですけど、Wikipediaの便利なこちら→曖昧さ回避ページを参考にすると……


文学であれば、1991年発表の、イギリスの推理小説作家ロバート・ゴダード著の和訳タイトルで…(作品個別ページは存在しなかったので、ゴダードさんのWikipediaより↓)

ja.wikipedia.org
やはり青い花は主に文学を元ネタにされている印象だったので、Frankさんには「これだと思うけど、英語原典オリジナルタイトル(Take No Farewell)は、これまたSBF第12話の英訳タイトルとは若干異なっているね」といったメッセージを送っていたのですが、改めて考えてみると、知名度的に、もしかしたらジャクソン5の「Never Can Say Goodbye」の邦題から取られた可能性も十分ありますね…。

www.youtube.com
まぁこの曲単体としてはそこまで知名度があるわけでもないと思いますけど、ジャクソン5自体はやっぱり、マイケル・ジャクソン少年を知らない人はいない(と思ったけど、令和キッズはもしかしたら知らないかもしれませんね…。マイコーの命日は、2009年6月25日で、ちょうど今日だったら驚きだったものの流石に日にちはズレていましたが、もう干支一回り以上もしていたんですか…。時間経つの早すぎぃ!)…と、余談が長くなりましたが、まぁ流石にゴダードさんよりはMJかなぁ、って気も、志村さんは洋楽にも精通されているようなので、そう思えてきたかもしれません(あと、現代推理小説は、あんまり青い花っぽくない、って点もありますしね)。

さらにいえば、1986年のトム・ハンクス主演の映画「Every Time We Say Goodbye」の邦題かもしれないという気も、志村さんは映画にも精通されていそうな印象があるので、可能性はなくはないですね。


もしかしたら、小説・音楽・映画の3ジャンルにわたる名作があるタイトルだ、これはちょうどいいじゃあないの、という形を取られたのかもやしれませんね。


いずれにせよ、杉本やっちゃんの各務先生への気持ちを軸にしたこのエピソード、「さよならは言わないで」というのはまさにピッタリな、とてもいいサブタイに思えてなりません。

 

#13 恋は盲目(Love Is Blindness)

こちらも、めちゃくちゃタイトルとして使われがちなフレーズであるため、特定するのは難航を極めそうかな……と一瞬思ったんですけど、案外これのみズバリというタイトルは少なく、検索でヒットしてきた中では、1925年のこのドイツ映画が一番それっぽいかな、という気はしたものの…

moviewalker.jp
いくらなんでも映画にしては古いですし、今回も一般的なワードなだけで、特に特定の元ネタがあるわけではないのかもしれませんね。

ちなみにこちらの映画の英題は、第13話のSBF英訳タイトルと微妙に違っているので…

en.wikipedia.org
その点からも、やや自信に欠ける対象といえましょう。


なお、Love is blindといえば、個人的にはこちらかもしれません。

www.youtube.com

(※アンさんからコメントとして、また「見れませんでしたよ」というメッセージをいただいたので、別の、日本の方がアップされているのも貼っておくとしましょう。

www.youtube.com
なお、最初に貼ったのは公式動画なので、公式が見れないから非公式を貼るというのも謎ですけど、削除されない限りこちらは見れると思います。)


もちろん僕は原曲も持っていて何度も聴いていますが、いうまでもなく、ジャニス・イアンさんの曲に手を出したのは、椎名林檎さんの影響ですね。

恐らく椎名林檎ファンの九割以上が当初「ジャニ・スイアン」だと思ったのではないかと思われますが(んなこたぁ全くないかもしれませんけど(笑))、僕は当然、この曲を聴いたのも椎名林檎さんバージョンが先だった感じです。


しかし、椎名林檎さんが「自らと思い込んでいた」だけあって、ジャニさんはやはり素晴らしいミュージシャンに思います。

林檎さんのカバーなしで、原曲を聴いて「あ、これ、何か聴いたことある!」と思えたこちらが、個人的には一番オススメかもしれませんが…

www.youtube.com
公式はライブ動画でしたけど、ライブでも素晴らしいクオリティの美しさですね!

こちらも、日本のみでヒットした曲とのことですが、自分含め日本人に響きやすいメロディなのかな、って気はしますし、自分が生まれる前の曲なのに絶対聞いたことあるというのは、やはり名曲というのは語り継がれるものだということですね。

(※見れない報告は「恋は盲目」の方だけでしたが、ちょうどライブ版ではなくスタジオ音源を貼るのも良さそうなので、こちらもファンによるアップ動画を貼らせていただきましょう。)

www.youtube.com


…ということで、個人的には、違うかもしれませんが、ジャニスさんが元ネタでもいいんじゃないかな、という気がします(笑)。

 

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普段よりやや短めですが、ちょうど2巻が13話までとキリが良かったので、続きは次回にするといたしましょう。


記事用アイキャッチ画像は、前回が志村さんのBL作品『起きて最初にすることは』だったので、同じBLから、ついこないだ完結したばかりの割と新しい作品『ブルーム・ブラザーズ』の表紙をお借りしようと思います。

まぁ、志村さんファンでもBLファンでもない人にオススメするのはやっぱりちょっと難しいかな、という気もしますが、どちらかのファンであれば大満足の作品ですね。

2巻完結を悲しむ声も沢山目にしましたが、また次の作品を楽しみに待たせていただきたい限りです。

『ブルーム・ブラザーズ』1巻、https://www.amazon.co.jp/dp/B0891YDRN8より

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