青い花のエピソードタイトルの由来をまとめてみよう(その1)

SBFを読んでいてふと思ったネタがこれでして、巻末の注に各話サブタイトルの由来が一部解説されており、ごく一部は既に一連の「SBFで気になった点」記事でもいくつか触れさせていただいていたんですけど、これについてはFrankさんも網羅的にはまとめられていなかったので(元より英訳されていると、本当の元ネタを探すのが難しいこともある、ってのもあると思いますが)、せっかくなので今回、基本的に文学その他の作品から取られていることが多い印象のある『青い花』各タイトルの元ネタを、この機会にまとめてみようと思った次第です。

 

ただ羅列するだけなので実際大したこたぁない話ではあるんですが、やはり52話(花物語と同じ)もあると結構なボリュームになったので、(最近毎回そればっか言ってますけど(笑))記事の水増しも兼ねて、半分程度に分けて掲載させていただくといたしましょう。

当然、第一話から順番に、ですね。

なお、せっかくなので、英語版・SBFの英訳タイトルも併記しておこうと思います。

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青い花』エピソードタイトルの由来まとめ(勝手に予想;括弧内は英語版青い花の英訳タイトル)

#1 花物語(Flower Story)

こちらは既に何度も考察本でも取り上げられていましたし、最早世界の常識ですね。

吉屋さんの偉大なるエス小説、『花物語』が、偉大なる本作の火蓋を切る元ネタなのは間違いないでしょう。

ja.wikipedia.org
以前の記事で、花物語の各話タイトルになっている52の花を全て見ていましたが、ここで使わせていただいたAmazonのリンクは結構新しい目に見える表紙の小説だったんですけど、なぜかGoogle検索結果では同じAmazonへのリンクが貼られているリンクなのに表示上は全く異なる、やや時代を感じるものの逆にオリジナルっぽい良さのある画像がヒットしてきたので、今回のアイキャッチ画像はズバリこちらを使わせていただくとしましょう。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51lyE51ybpL._SX351_BO1,204,203,200_.jpgより

手書き文字や、若干昭和初期を感じるこの絵など、これは本当のオリジナル小説の表紙なんですかね…?

とても良い表紙だと思います。


何だかんだ、まだ花物語は読んでいないんですけど、上記Amazonのお試し読みにある「はしがき」の文章からしてもう力があって美しい、大変に素晴らしい筆致に思えたので、いつかしっかりと目を通させていただきたい限りです。

 

#2 スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)

これはまぁどう考えても映画『スタンド・バイ・ミー』ですね。

ja.wikipedia.org
ちなみに、Wikipediaには「原作はスティーヴン・キングの同名の小説である。 」とありますけど、いやいやそれは違うでしょ、って思えたものの……あぁ、邦題は同名、ってことですかね。

小説の方の実際の原題は、実は『Stand By Me』ではなく、『The Body』という、直訳するとまさかの『死体』というタイトルで笑えるのです。

en.wikipedia.org
ちなみにまさにちょうどここ最近何度か書いていた出国前の思い出の一例みたいなのがまたしてもちょこっとあるので、少々駄文を重ねさせていただきましょう。

英語には特段全く興味のない人間でしたし、まぁ少しぐらいは現地に行く前に慣れておいた方がいいよな…という意識で色々やってたんですけど、その中の一つ、「英語に慣れるには、とにかく多読をするのが一番である」という情報のもと、オススメされていた児童向けのかなり薄い本(もちろん「薄い本」といってもいわゆる同人誌ではなく、ちゃんとストーリーは網羅されている、意外としっかりしたやつですけどね(笑))を何冊か読んでみる、なんてことも気ままに手を出していまして、実際すぐ飽きてやめちゃいましたけど(笑)、実は何冊か読んだ中で一番最初に選んだものがこの『The Body』だったので、僕にとっては結構思い出深い作品なのです。


映画は全くのモグリな僕は、映画の方は見たことがなかったので初スタンドバイミーは(児童向け簡易改変とはいえ)まさかの洋書という感じだったわけですけど、初めての洋書だけにストーリー追えてるのかどうかすらよぉ分からんちんな、ぶっちゃけ所々分かんないままぼんやり進めてしまったこともあって……

(多読の推奨法として「分からなくても辞書は引かないで読み進めよう!もし辞書がないと全く1ミリも理解できないようならば、それはあなたがそのレベルにはまだ達していないということなので、もっと幼児向けのものから始めるべきです」という絶妙に説得力のあるやり方がオススメされていたので、それに従った感じですね)

……正直いうと何か疲れただけであんまり面白くもなかった……って感じでしたけど、「せっかく一応読破もしたし、答え合わせ的に、映画のDVDも見てみよう」とちゃんと映画の方もその後チェックしたんですが、まぁやっぱり、この作品を好きな方はかなりいらっしゃると思うのであんまり言うのもアレかもしれないんですが、ぶっちゃけて言うと「もうちょっと幼い頃に見たかったかな…」と思える感じだったかもしれません。


「青春映画の最高傑作!!」みたいな評判で、ちょっと期待感を上げすぎていたというのもあったかもしれないんですが(マジで、勝手に自分の中でハードルを上げすぎたせいで、「あれ、思ったよりは…」となることが映画に限らず何にでも案外多いので、あんまり事前情報とかは入れない方がいいですね)、もちろん決してつまらないわけではなく、ちゃんと最後まで楽しんで観れはしましたけど、目の肥えた大人には、やっぱりちょっとだけ、やや物足りなかったかなと思える作品だった、というのが正直な感想でしょうか。


…おっと、せっかくサブタイトルに採用されているぐらいのネタなのに、何かめっちゃネガティブなことをいうだけになってしまった…!

映画はやはりどうしてもそこまでではなかったものの(原作小説もですが、それはまともに読めなかった自分が悪いですね(笑))、Ben E. Kingさんの主題歌、こちらは歴史に残る名曲といえますね。

www.youtube.com
この曲、微妙に違うバージョンもあったような気がするんですけど(というか手持ちのCDに実際違うバージョンがあるので間違いないんですが)、Youtubeを探してもこのバージョンしか見当たりませんね…。

もちろん、John Lennonさん他数多あるカバーバージョンと混同しているわけではなく、確実にBen E. Kingとクレジットされている別バージョン曲なんですが、もうちょっとギターがなんというか優しい感じの音(声も優しいというか、↑のより、ややお年を召されている感じ?)のイントロで始まる別バージョン、もしかしたら個人的にはそっちの方がむしろ好きぐらいまであるかもしれませんけど、まぁYoutubeにないからあえて通ぶって言ってるだけで、実際オリジナルと思われる↑の方がやっぱいいかもですね(笑)。


いずれにせよ「Stand by me」というフレーズは、直訳で「私のそばに立ちなさい」ということから「私のそばにいて」と解釈されることも多く、もちろんそれも間違ってはいないと思うんですが、stand byは「stand=立つ・by=そばに」というよりむしろもっとイディオム的な意味を持った語であって、「守る・支える」という意を包含して、「私を支えてほしい」「守ってね、頼りにしているよ」みたいな、単に「側に立つ」というよりもうちょっと深い意味のある語であるように思います。

(そもそもこれは待機する意味の「スタンバイ」と同じ語ですし(とはいっても、こちらは一語につながった名詞形のstandbyなのでちょっと違うかもしれませんが)、必ずしも「側に立つ」というニュアンスだけに囚われない方がいい印象ですね。)


側に立つだけではなく、第二話からもう泣いているふみちゃんを支えるあーちゃんが描かれていますからね、まさに熟語通りの、しっかりした意味のスタンド・バイ・ミーとなっており、これは二話目を飾るに相応しい、素晴らしいサブタイトルといえましょう!

 

#3 春の嵐(Spring Breeze)

こちらはズバリ、ヘルマン・ヘッセの同名小説がその元ネタで間違いないと思われますが……

ja.wikipedia.org

…しかし、この小説の原題は『Gertrud』であり(原典はドイツ語ですが、英語でもこのタイトル)…

en.wikipedia.org

流石に「第三話『ゲルトルート』」とか意味不明にも程がありますから、英語版のサブタイトルは、日本語タイトルの直訳になってしまっている感じですね。


そのゲルトルートですが、これは何かと尋ねたら、まさかのピクシブ百科事典に項目がありました。

dic.pixiv.net

これはゲルマン系の女性名ということで、あぁ、ピクシブに項目があるのは、案外色んなアニメの(ドイツ系女性の)キャラ名として登場してくるから、ってことだったんですね。


こちらは、欧米圏の読者の方が元ネタを探るのは極めて厳しかったというか、英訳に当たって本来の元ネタが消失してしまった例といえそうです。

他にもこのパターンはいくつかあったので、また順番に見ていくとしましょう。

 

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…と、まだまだ続きますが、まさかの、たった三話分のタイトルだけで結構いい分量になってしまいました!

当初は一回で終わらせるつもりで、書き始めた時はまぁちょっと多そうだから前後半ぐらいかな…とか思ってましたが、思いのほか水増しできそうで何よりです(笑)。


まぁ特にこれといって大した発見的な項目はほぼ皆無なんですが、順番にまとめていこうと思います。

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