青い花で学ぶ英語

これまでの記事でもずっと触れていたコーナーですが、内容に関わる英訳で気になった部分を見る本編は全8巻分見終えたため、残っていた項目を使ってまた一記事こしらえさせていただくといたしましょう。

 

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青い花で学ぶ英語】

(6) p. 176:"I'M INTO ONE-SIDED CRUSHES"(「片思いに夢中です」)

これは別にここで初出なわけではなく、作中至る所で出て来ますが、このコーナー用に何かあえて取り上げようと思いながら読んでいて、ちょうど番外編「若草物語」~可南子先生~で目についたポイントですね。

本題は「片思い」の言い方なんですが、前半部も役に立つ表現になっているので、ちょうど良いでしょう。


まず片思い……ここの台詞にある通り、one-sided crushで表現される英語ですけど、実は、one-sidedがなく、単にcrushだけでも「片思い」になる感じですね。

まぁあえて取り上げたのは他でもない、「クラッシュ」なんて、どう考えても「つぶれる・砕く・壊す」という意味に思えるわけで、むしろ「失恋では?」とめちゃんこ思えてしまうものの、全くそうではないという意外性がポイントでして、crushにはスラングで「気持ちが押しつぶされる」ということが転じて、「恋する・大好き」という意味があるんですねぇ~。

My first crushで「初恋」という意味にもなるようですし、「have a crush on 人」で「(過去形のhadだったら)○○に夢中だった、片思いをしていた」という意味でとてもよく使われるわけですけど、知らなかったら、それぞれ絶対「初めての失恋」「○○との関係が壊れた」って思えちゃう気がする、要注意イディオムといえましょう。


そして前半の「I'm into~」ですが、これもめちゃんこよく聞く表現で、ちょうどcrushと似たような感じの「~に夢中・~にはまっている」という意味のイディオムです。

知らないと絶っ対に出てこない(かつ、意味も取れない)表現ですが、「大好き」というとlikeやloveぐらいしか浮かばないものの(あるいは、これまた(僕の頃は)中1の最初期に習ったfavoriteという言葉とか。しかしこれは形容詞なので、習い立ての頃はついつい「I favorite music.」とか間違った使い方をしてしまいがちかもしれません)、まさに「はまってるぐらいに大好き」と言いたい時に完全どんぴしゃピッタリな、ナイスな表現ですね。

I'm into you.で「君に夢中」……とても覚えやすい言い回しといえましょう。

(そういえば「crushが恋?違和感~」と思いましたけど、冷静に考えたら、日本語学習者にとってはもしかしたら同じように、「『はまってる』って、『穴にはまる』と同じ言葉なのかい?とてもネガティブな印象のフレーズなのに、be intoと同じ『夢中』という意味だなんて、違和感~」と思われるかもしれないので、やはりイディオムなんてのは考えたら負けで、そういうもんだとみなすしかないのかもしれませんね。)

 

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(7) p. 127:"AHH... ...MY DEAR KYOKO!"(原文:「はぁ~~ オレの京子……」)

以前見ていた「京子様!」は"LADY KYOKO!"でしたが、もう一つ僕の大好きな、何度もネタとして使わせてもらっていたこの、いかにも志村さん節ともいえるナイスな言い回しですけど、英語版ではどうなってるのか楽しみだったわけですが、こちらは"My dear Kyoko!"なんですねぇ~。

京子に憧れる後輩ちゃん三人組が、クソみたいに不自然な作戦(笑)で何とか憧れの京子先輩と一緒に写真を撮って、写ったデジカメを見ながらその内の一人の黒髪ちゃんがうっとりと言ってた台詞ですけど、まぁやっぱり日本語表現特有の面白さは失われてしまってる気は若干しますねぇ。


英語でも、「オレの嫁」みたいなオタク特有の言い回しはあった気がしますが……あぁ、それはwaifuであり、「オレの○○」的な意味を出すのは、やっぱり難しいのかもしれませんね。

Urban DictionaryにもWaifuの項目は当然ありましたが…

www.urbandictionary.com
ちょうど↑のリンクカードにも表示されている通り、『日本語ではこの言葉は使わず、実際の言葉は「妻」である』とありますけど、いやいや、オタク用語としてのwaifuなら、妻じゃなくて「嫁」だろうが!…と思えましたけど、まぁそんな細かいこたぁどうでもいいですね(笑)。
(そもそも嫁は本来、息子の妻のことですし(笑))


なお、その直後別の友人から入る合いの手である、手書き文字の「おまえのじゃねー」含めて、くどいですがまさに志村さんの描かれるキャイキャイした女の子たちで僕はめっちゃ好きなやつなんですけれど、こちらもちゃんと英訳版では"She's not yours!"となっていたので、英語の"My dear Kyoko"にも、一応しっかり「オレの可愛い京子…」というニュアンスは残されていたという感じですかね。

まあまあ、「オレの京子…」ほどのインパクトはないですけど、割と悪くない翻訳で何よりでした。

 

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(7) p. 163:"ARGH! DARN THAT FOUR-EYES!"(原文:「も~~ あのメガネはホント…」)

こちらも、各務先生を「あのメガネ」呼びする、志村さんお得意のめっちゃリアルな女子高校生(ミーティングに全く来ないクソメガネに呆れる演劇部員(笑))の台詞ですが、Four-eyesで、目が四つ=メガネをした人を指すスラング・俗称とのことで、これは僕は全く知りませんでしたが、おちゃらけた感じの表現がまさにピタリで、良い英訳ですね。

しかし、メガネのレンズを目に見立てて「四つ目」なんでしょうけど、ぶっちゃけ「そうかぁ?」と思えるかもしれません(笑)(四つ目なんて怪物みたいだけど、そういう変てこなイメージ込みでのスラングということですかね)。


ちなみに、ARGH!もよく見る、苛立ちをもった「あ~っ、もう!」に近い呻き声ですね(発音は、「ア~グ」)。


そしてその次のDarnは、これは、やや汚い言葉とされているDamnの言い換えでしょう(ちょうど、fuckをheckに置き換えるように)。

"Damn it!"で、まさに「クソッ!」「畜生!」という意味で汎用されるダーティーワードですけど、これは僕にとっては結構印象的なフレーズなのです。

こちらに来て最初に入った研究室で、最初期に一番仲良くしていた学生(かつ、研究室スタッフでもあったという面白い感じで、アメリカのラボではよくあるパターンなんですが、まぁ今はどうでもいいでしょう)が、割と何でもできる有能・博識マンでしたけど、実験ベンチの隣同士で実験をしていて、何の道具か忘れましたが、使い方が分からないというか上手くいかない感じで困っていたので(特殊な形状のフタを開けられないとか、その程度)、僕はそれを使ったことがあったため「何苦労してんの?貸してみ」と手を出して、「ここをこう押すのがコツなんだよ、ほれポチッとな」という感じで上手く使い方を示してやったら、ニコニコ笑いながら、仰々しく大げさな感じで、"Damn it!"といいながら手足をドンと振り下ろした感じ(「そんな簡単なことだったのかよ!」と言わんばかりの感じ)が非っ常~に印象的で、今でもよく覚えている場面ですねぇ~。

まさに「ダメッ!」という感じの言い方で面白かったですけど、まぁ僕は今でも完全に物事を日本語で考えているので、とっさの一言で自分の口からDamn it!とかShit!とかは一切出て来ませんけど、この出来事のおかげで、Damn itは全然ネガティブな響きじゃない、むしろめっちゃナイスガイが楽しそうに言ってくれた愉快な言葉という印象が強いかもしれません(笑)。


…って長々と書くほどでもなかったですけど、あとせっかくなのでついでにちなみに、その彼は黒髪で、まあまあアジア人っぽい風貌もあったけど、まぁアメリカには大量の中国人もいるしそれは珍しくもないですし、そもそも名前は完全に欧米のものだったのでルーツについては気にもしていなかったんですが、卒業式の日に両親が研究室にやって来て、話をしてビックリ、なんと、母親が完全に日本語を母語とする日本人で驚いた、というエピソードもありました(父親は、アメリカでもない別の国ハーフという感じでしたが。いずれにせよそんな感じで、仲良くしていたのに結構すぐ卒業していなくなってしまったのは残念でした)。

そんなこと一言もいっていなかったので本当に意外でしたが(なので、なぜか僕も一瞬、彼のお母さんと、片言の日本語であいさつしちゃった気がします(笑))、本人は「まぁオハヨォ・コニチワァぐらいしか日本語は分からないしね」ということであえて触れなかったみたいですけど、研究室に入った初日から家探しを手伝ってくれたり(あぁ、第一声・初めての会話で「いつ来たの?」といわれて、ほぼ初めてのアメリカ人ネイティブとの英会話だったこともあり緊張して、改めて何をトチ狂ったのか「昨日」のつもりで「tomorrow(明日)」と答えてしまって(笑)、「いきなりふざけたこと抜かしよる」という感じで苦笑交じりでニコニコ「なーんそれ、そんなわけないでしょ(笑)」みたいに言ってくれたのをめっちゃ覚えてますけど(当然即「あぁソーリーソーリー、yesterdayね」と言い直しましたが)、逆に掴みはOKだったのかもしれません)、とにかく他にも色々なことを教えてくれて良くしてくれた素晴らしい友人でしたが、色々気遣ってくれたのは、同じ日本の血を引くからってのもあったのかもしれませんね(いやまぁ、別にそんなのなくても、我々は気の合う素晴らしい友人だったと思いますが)。

 

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…と、今回で終わる予定、かつ「大した話もないので短すぎるかな…」と思って、むしろもう一つか二つ別のネタも考えていたのですが、無駄話をした結果、たった三項目でかなりの長さになってしまいました。


残りは最終巻8巻の、めっちゃ些細な二点のみなんですけど、例によって、記事の水増しで、残り&他のネタは、また次回とさせていただきましょう。

 

表紙カバー画像を使わせていただいていた放浪息子も、こちらで最終巻の表紙ですね。

この表紙は最初に志村さんに触れた記事で使った記憶もあったのですが、これ単独ではなく、小さく貼っただけだったので、記事アイキャッチ画像に再度使わせていただこうと思います。

放浪息子にも無料お試し読みの範囲にカラーページはいくつかありましたが、まぁ青い花とは違って作品の中身には触れていませんし、素晴らしき志村作品の宣伝も兼ねて、次回は別の作品の画像を拝借しようかと思います。

あと何回かは、青い花ネタが続きそうです。

放浪息子』15巻表紙、https://www.amazon.co.jp/dp/B00972863Kより

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