改めて日本人の食事摂取基準(2020年版)で取り上げられているミネラルについて、前回は微量(マイナー)ミネラルの亜鉛と銅まで見ていました。
いよいよマイナー感も拍車をかけ、最早語ることも残っていないことでしょう、最後5種類を一気に片付けちゃいたいですね。
9. マンガン(Mn)
マンガンといえば、日常生活ですとやはり乾電池でしかないわけですが、マンガン乾電池もアルカリ乾電池も、何気にどちらも正極にはマンガン(二酸化マンガンの形で)が用いられています(負極は、どちらも前回登場の亜鉛)。
マンガン電池はアルカリ電池より何かショボい印象があるかと思うんですけど、使われている物質自体は大差なく、そいつらの量&構造がちょっと違うだけなんですね(実際、アルカリ電池の正式名称は、「アルカリマンガン乾電池」)。
電池工業会の解説サイトに、完璧な説明があったのでサクッとパクリ引用させていただくとしましょう。
両者の実用的な違いについても、バシッと伝えてくれています。この使い分けを意識すると賢く使えるかもしれませんね(↓)。
- アルカリ乾電池は
パワーがあり、長持ちです。大きな電流を必要とする機器に向いています。
例)CDプレーヤー、MDプレーヤー、強力ライト、ミニ四駆 など- マンガン乾電池は
休み休み使うと、電圧が回復 するという特徴 があります。小さな電流で休み休み使う機器に向いています。
例)時計、懐中電灯 、リモコン、携帯 ラジオなど
(まぁ、例が何か古い気もするのと、時計は休み休み使うといえるのだろうか…?という気もするものの、原則として基本はアルカリ電池が万能だけど、リモコンみたいに本当にごく微量の電流をごくたまにしか使わない機器には、マンガン電池の方がよい、なんて話を聞く気もします。)
物質的には最初のWikipedia画像の通り、普通の金属色をした何の変哲もない金属ですが、個人的には、生命科学研究の現場において一番がっつり使う実験の例として、大腸菌のコンピテントセル作りの、井上法で使う試薬であるためその印象が強く(コンピについては、この記事でちらっと触れていました)、割と珍しいうっすらピンク色に色づいた水溶液になるので、印象的ですね。
ちなみにマンガンはドイツ語由来の語であり、英語ではmanganese(マンガネース)と呼ばれる感じになっており、文字列&音的に微妙にマグネシウムと近付くこともあり、英字ラベルのボトルを使うときは間違えないように注意が必要かもしれません。
(いやそんなん間違えるわけないやん、と思うものの、意外と、特に不慣れな学生とかですと、普通に間違えてしまうことも稀によくあります。
…実際、Manganese chlorideとMagnesium chlorideとか、油断すると空目するのも仕方ないぐらい、似てるっちゃ似てる気もしますしね。
幸いマンガン化合物の水溶液はピンクに色づいているので、作った後のものを見ても色で「おかしい」と気付けるのがありがたい点といえましょう。)
あとついでに、名前に関しては、Wikipediaを見てて驚きましたが、 まさかの、マンガンには漢字がある!
絶対に読めないし、書けないですね。
もちろんマージャンの満貫ではなく、まさかの、漢字表記だと、満俺!
いやそんなバカな(笑)こんなもんマンオレやん!何かの作品の略称か何かかよ(笑)って笑えましたが、広辞苑にも載ってる由緒正しい漢字表記のようです。
マンガンといえば、物質として触れるのは、なぜか中学理科で100%必ず触れることになる(実際の実験も理科室でやる?)、二酸化マンガンとオキシドール(約3%の過酸化水素水)で酸素を発生させるなんてやつが、やっぱりなじみがあるかもしれませんね。
まぁ、これは触媒というものを習う授業なわけですけど、こんなの見てもまるで面白くもなんともない気もするものの、一応、液体に金属を入れるだけで気体が発生する&別に金属が溶けているわけではなく、触媒として反応の場を与えているだけなので、どれだけ酸素がブクブク発生しても金属は一切減らない!…というのをこの目で確かめるのは興味深いかもしれませんし(っても、減ってないことまでちゃんと検証している人もいない気もしますが)、何より安全だから中学生向けの実験としてやられる感じですかね…?
ただ正直退屈すぎるっちゃあ退屈な実験ですし、もっと、せっかく実験するなら、何つーかこう見ててインパクトのあるものを取り入れてもえぇんちゃうかな、なんて気もしますね。
個人的に面白かった実験は、炎色反応でしょうか。
ちょうどこのミネラルの話で出すには打ってつけの話ですね。
これは高校のとき、例の怖い兄貴分的な化学の先生が実演してくれた実験なんですけど、「本当は教科書に載ってるような、金具に溶液を付けてガスバーナーにかざすみたいな安全なやつじゃないとダメなんだけどな」みたいな前置きのもと、理科室を暗くして、結構勢いよく火が出る火炎放射器みたいなやつ(そんな大層なものじゃないですけど)に、スプレーに各種金属を溶かした容器を入れて、火炎に向けてシュッシュッシュとぶっかけて鮮やかな色のファイヤーが見られるという、まるで小規模な花火のような、おぉ~スゲェ~という実験が、とても印象に残っています。
高校化学でマンガンの炎色反応は覚えませんが、確かあのときは様々な金属イオンを実演してくれて、実際にマンガンも見た記憶がありますね。
マンガンは、炎にかざすと、黄色がかった緑の発色になります。
「小規模な花火みたいだった」と書いた通り、みんな大好き花火も実際炎色反応を大いに利用している技術ですし、上記サイトには色んな色の炎色反応の例が掲載されていますから(日本語サイトには、マンガンのいい写真がありませんでしたが、まぁ他の例なら日本語サイトにもいっぱいありますね。高校化学で覚えさせられるのは、今でも以下の7つでしょうか↓)、気になる方はこれに限らず動画とかもご覧になってみると面白いかもしれませんね。
(やっぱり、炎っぽい赤や黄色、および、元々のガスバーナーの青は正直あまり驚きもないので、それ以外の、緑や、「K村」の語呂で覚えさせられる紫とかが、実際に生で見たときのインパクトレベルが高いといえましょう(笑))
(動画の例:
www.youtube.com
…まぁ、こんなん見るなら花火動画見るわ、って感じかもしれませんが(笑))
あと、どうせネタがなさすぎるから水増しでこれでも触れておこうかなと、マンガンという名を見た時点で思いついていたネタとして、「♪二酸化マンガン」でおなじみ、CMとかでも使われていた、「♪チェッチェッコリ」の曲がありますね。
しかし、まさか驚き、これ、実はなんと「二酸化マンガン」ではなかった!?
www.worldfolksong.com
そもそも上記「世界の民謡・童謡」サイトにある通り、これが童謡だったということ自体も意外ですが、正しい歌詞はリサンサマンガン・サンサマンガンとのことで、驚きですねぇ~。
(…といいつつ、このCMは2003年のお茶のCMで一気に広がったみたいですが、正直その頃にはもうほとんどTVを見てなかったので、ネットで話題になってたぐらいしか知らず、個人的には別に何の印象も思い入れもないんですけどね。
でもまぁ勘違いされてる方の多い歌詞筆頭ではないかと思います。)
せっかくなら「二酸化マンガン」っていう単語を子供たちに覚えてもらうべくニサンカマンガンって歌詞でもよかったじゃん、って思えますけど、まぁそれこそ童謡に何を求めとんねん、って話かもですね。
…さらに関係ないですが、幼少の頃、「酸素」という言葉だけは知っていたので、たまの名曲「さよなら人類」の始まりの部分、「♪二酸化炭素をはきだして~」の所、「ニサンカタンソ?空気は『酸素』なんだから、ニタンカサンソの間違いじゃないのコレ?」って未就学児ながら(と思ったら1990年の曲なので、もう入学はしてましたか)ずっとモヤモヤしてたことを思い出しますねぇ~。
…って、結局またどうでもいいネタが続いてしまいました。
最後本題の生体内のミネラルとしてのMnですが、生体内に含まれているのはわずか10ミリグラム程度ということで、いよいよドマイナーな、いる意味あんの?レベルになってまいりました。
こちら医薬基盤・健康・栄養研究所の解説記事によると、マンガンが最も含まれているのは玉露とのことで、1食あたり(お茶の1食って何?って気もしますが、150グラムの茶葉抽出とのことですけど、大体湯呑み1杯とかそのぐらい?お茶っ葉ってそんな使うんですかね?お茶なんて淹れたことないので分かりません)でまさかの体内に存在する全量と近い量、6.9ミリグラムも摂れてしまうということで、むしろ2杯飲んだら1日の上限量である11ミリグラムを軽く超えるということになりますね。
そもそも玉露はカフェインもヤベェ量含んでいることで有名ですし、あんまりゴクゴク飲むのは全体的に良くない高級茶なのかもしれません。
いずれにせよ、日本人のマンガン摂取量は多く、改めてこちらも不足の心配はまず必要ない成分とのことで(なら何で取り上げられてるんだ…??)、一応目安量1日3.5 or 4ミリグラム(女性・男性)という数値目標は掲げられているものの、特に気にしなくてもよいミネラルといえましょう。
…おっとぉ~?マンガンだけで、意外と長くなってしまった!
明らかに水増し感もあるしょうもない内容でしたが(…って、しばしばいちいちそういうようなこと書いてますけど、そもそものDNAネタとかが、婚活と一切関係ない、元々水増し記事以外の何物でもない話なんですけどね(笑))、しかし、この先のミネラルはマジでネタがほぼありません、次回、確実に一瞬で終わることでしょう。
ド・ドマイナーミネラルを終わらせ、順に保留中となっていたネタに戻っていくとしたい限りです。