結局圧力とは何なのか

前回は水圧の話に触れ、圧力の話は一通り終えた感じかな…などと思っていたのですが、特に前回は説明を完全に外部サイトに丸投げでしたし(とはいえ「わかりやすい高校物理の部屋」は本当に素晴らしい解説サイトで、それ以上の説明は不可能レベルですけどね)、そもそも「圧力とは?」って形で脱線し始めていたネタの割に結局その辺に触れないままだったので、最後、微妙に触れておこうかどうしようかと迷って大したことなさすぎるんで保留していた小ネタとかにも触れていく形で、一連の圧力ネタの「まとめ」としようかと思います。

 

まぁその「結局圧力とは?」については、もちろん手で壁を押す際に発生する圧力とかは言うまでもなく物理的な接触が産み出す力なわけですけど、やはり分かりにくいのは「目に見えないもの」ということで、つまるところ、「気圧」ってのが何なのか、って話に尽きると思います。


で、これはもう何度も書いている通り、これも結局は「気体分子」がアタックしてくる力なので…

(ちなみに「水圧」の方は、前回見ていた「深さのみに依存して、水の容量は関係ない」という仕組みは不思議に思える点といえど、一応水は目に見えるしこちらは分かりやすいと思うのですが、液体の水分子がのしかかってくることで発生する圧力ですね)

…究極的には、気体分子は目に見えないのでイメージし辛いものの、手で壁を押すのと同じで、これまた物理的な分子同士の接触によって発生する力でしかないんですね。


そして、(密閉空間における「気圧」を考える場合はまたちょっと別のファクターが大きくなってくるとはいえるものの)「大気圧」も「水圧」も、どちらもそれが生まれる仕組みは、実は重力によるもので、自分より上にある分子の重みがのしかかってくることで発生する力ともいえる感じになります。

 

ちょうど、「わかりやすい高校物理の部屋」の最初の記事「力」の項目(↓)の冒頭にも、全く同じような記述がありました。

 

wakariyasui.sakura.ne.jp

力の種類には、重力、人間の筋肉による力、…(中略)…などがあります。

このように力にはいろいろな名前が付いていますが、そのどれもが元を辿ると重力か電磁気力の2種類の力に行き着きます。

 

こういう考え方、僕が中高生の頃物理を学んでいたときはできていなかったですが、まさにこういう本質を捉えた、何というか「大元の仕組み」にまで視点を向けた考え方をしていくのが、物理を学んで理解していくコツかと思います。

(まぁ、物理が非専門どころか物理苦手民の意見なので、どんだけ信用できるのかは分かりかねますが(笑))

 

したがって、大気圧も水圧も、例えば月面で測ったら(月の重力は地球の約1/6なので)1/6程度になるということで、「月面はフワフワしている」というのはどなたも印象あると思いますけど、さらに、「自分の体にかかってくる圧力も、地球上より圧倒的に弱くなる」といえるわけですね。

(もっとも、水圧は同じ水深で地球の1/6になりますが、「水入りのプールみたいなのを月面に持ち込む」ことそれ自体が困難を極めるといえますし、「月面大気圧」は、これは月面に存在する空気の量に依存するものなので、1/6どころではなく、もっと極めて小さくなります。

(あくまでも、「仮に地球と同じ量の空気が存在したら、大気圧は約1/6=160 hPaぐらいになる」って感じですね。実際は、月面の空気は地球上よりもめちゃくちゃ少ないです。)

 具体的には、↓のウィ記事によると、「おおよそ3 × 10⁻¹⁵気圧」程度だそうですね…

ja.wikipedia.org

…真空ではないものの、ほぼゼロに近い気圧なので、生身で降り立つことは不可能な感じだといえましょう。)

 

その辺の「別の惑星系での気圧水圧」の話もしようと思っていたのですが、まぁ身近なネタでもないし、実際水圧を感じられるほどの水を持ち込むことが困難でしたから、特に広がる話でもなかったですね(笑)。

 

改めて地球上の圧力の話に戻ると、「大気圧は重力が生み出すもの」とはいえ、重力は地球上ならどこでも同じですから、「部屋の中の圧力」を変えたい場合、何を調節することで変動させているかというと、これは単純に、「空気分子の量」になります。

(もちろん、ドラゴンボールみたいな「重力部屋」を作ればその部屋の気圧もそれに応じて高くなるとは思いますが、重力をいじるのは空気の量をいじるのより圧倒的に困難ですし、そもそも小さな部屋だと含まれる空気の量も大したことないので、圧力アップにはあまりつながらなさそうにも思えます。)

 

改めて、「圧力」というのは物理的な分子のアタックにより生まれるものすから、例えばある密閉された部屋に2倍の空気を入れてやれば、その部屋の中は部屋の外の2倍の圧力になるわけです。

逆に空気が半分になるまで吸ってやれば、その部屋の圧力は外部の半分になり、これはちゃんと体を慣らさないと高山病になってしまうレベルかもしれませんね。


「空気の出し入れとか、そんなの可能なの?」と思われるかもしれませんがこれは普通に余裕で可能で、例えば掃除機みたいに、部屋の外部に低圧の空間を作れば空気はそちらに移動するので減らすことができますし、逆に「空気を足す」のは、それこそエアスプレーとか使えば余裕でしょう。

 

「え?じゃあ、エアコンで風を送り込むと、部屋の中は高圧になるの?」

「掃除機を使うと、部屋の中は低気圧に…?」

…などと思われるかもしれないものの、これはそうはならず、普通に空気というのはどんな小さな隙間でもすり抜けられますから、よっぽど完全気密の特別設計された部屋でもない限り、ちょっとぐらい空気を足したり、引いたりしても、部屋の内圧は全く変わらないわけですね。


(まぁ部屋の中で掃除機を使う場合、吸った空気はそのまま掃除機の排気口から出てきますから、そもそも差し引きゼロですけどね(笑)。

 一応、掃除機の吸い込み口を部屋の中に、排気口を部屋の外に置いてやれば空気を追い出せますが、改めて、排気口側のみを完全に隙間のない形で部屋の外に出すのは、素人には不可能でしょう)

 

実際、専門の施設ではその辺の空気の出し入れをちゃんと管理しており、例えば工場の無菌室なんかは、部屋の内部を高圧にすることで、ホコリなどが無菌室に入って来ないように設計されているものですし(=空気は圧力の低い方へ流れますから、常時部屋の中から外に流れる形になっている)、逆に、放射性物質を使う「放射線物質使用棟」なんかですと、これは逆に部屋の中を陰圧にして、部屋の中の放射性物質が外部に漏れないように設計されています。


こちらの大学では専用の部屋がなく普通の部屋で放射性物質を使うというのは以前どっかの記事で書いていた通りですが、日本では専用の部屋があり、僕も学生時代使っていたので印象に残ってますけど、入口の扉を閉める際、確か内開きの扉でしたが、本当に部屋の中の気圧は結構低く作られているため、扉を閉める際はかなりの力が必要だったことを覚えています。

(部屋の外から中へという空気の流れが存在しているため、内開きのドアを閉じる際は、かなりの抵抗を感じるわけです。)

 

もちろんそんな体調を崩すとか、「外に出るのも逆風で大変だ」ってレベルの低気圧ではなく、あくまで「空気の流れが生まれる」程度の微々たる気圧差だとは思いますが、空気の量を変えることで、圧力を変えることは容易なんですね。

 

ちなみに、空気の量以外にも、温度と体積も圧力に大きな影響を与える因子ですが、まぁ体積については、部屋全体の大きさは変わるものでもないですし、温度はもちろん空調で調整しやすいものですけど、夏は外より涼しく、冬は外より温かいですから、「温度で気圧を調整する」のはなかなか思うようにはいかないでしょうから、やはり「空気の量」で管理しているのではないかな、と思います。

 

その辺の、「温度」と「体積」と「空気の分子数」と「圧力」の関係なんかからもまたちょっと話を広げようかと思いましたが、今回ちょっと過去一レベルで時間がなかったので、正直何も目新しい話に入らぬままこの辺りで終わってしまう感じになってしまいました。


まぁ一応、「圧力ってのは、気圧だろうと水圧だろうと、ミクロの視点まで落としてやれば、やっぱりつまるところ分子が物理的に我々を押してくる力にすぎないのです」ってのが、この辺の話に不慣れな方が意外と見落としがちなポイントですね。


とはいえめちゃくちゃに大したことない中途半端な話で終わってしまっているため、やっぱり次回もう少し圧力について仕切り直して語ってみようかと思います…。

 

アイキャッチ画像は……陰圧の部屋に関する情報はないかな、と検索したら出てきた、「陰圧ブース」のページから、こういうものもあるようです、ってことでブースの画像をお借りさせていただきました。

陰圧ブース|新型コロナウイルスの5類引き下げ対策|病院・クリニックの感染対策設備 医師と患者の隔離より

あぁ、コロナの検査ルームとか、ウイルスを外に出さないために陰圧にする、ってのもよくある用途といえますね!

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