水圧の不思議

ここ何度か触れていた湿度の話も、一通り触れようと思った脱線ネタには触れ終えたので、また少し話を戻していこうと思います。


そもそも湿度に逸れたのは、気圧の話を見ていて、参照した気象庁の過去データに湿度が掲載されていたから…って流れでしたが、気圧ネタも一応一通り脱線し終えたところだったので、次は水圧の話を見ていこう、って形ですね。


ちなみに放置状態のままの「サイフォンの原理」に関するあらきけいすけさんのブログ記事による素晴らしすぎる解説記事の解説(というか、自分なりの解釈の紹介、って方が正確ですね(笑))は、時間不足につき全く滞っている状態になってしまっております(笑)。


また時間が出来たら改めてじっくり読ませていただき、自分なりの解釈をまとめてみようと思いますが、今回はとりあえずもっとめちゃくちゃ基本的な水圧について、これも地味に気圧以上に直感に反する面白いネタの宝庫なので、ギリ僕でもなんとか戦えるその辺の初等物理の話を見て参りましょう。

 

まず気圧というのは、「上空にある空気中の分子の重さが全てのしかかってくることで生じる圧力だ」みたいなことを以前書いていましたが、これは水圧も当然同じで、水圧というのはその地点より上にある水の重さがのしかかってくることで発生する圧力であり、これはどなたも聞いたことがある話だといえましょう。


つまり、水圧の大きさというのは「その地点の水深」に依存するということですね。


水深10メートルの海底であれば10メートル分の水圧がかかってくるし、水深1.5メートルのお風呂の底には、1.5メートル分の水圧がかかってくる、ということになります。

 

…と、これは当たり前に思えますが、しかし、何気によく考えたら不思議な水圧の謎…というか面白さが詰まっているのです。

 

ズバリ、先ほども書いた通り、水圧というのは水深のみに依存する力であり、「どれだけの量の水がその上に存在するか?」ってのは、一切関係がないんですね…!

 

…と、そう書いても何のこっちゃと思えるわけですが、つまり、風呂の底と、莫大な水の存在する太平洋の水深1.5メートル地点の水圧は完全に同じであり、さらにいえばストローみたいなクッソ細い筒に1.5メートル分だけ水を満たした状態でも、ストローの底にかかる水圧は前二者と完全に同じとなるわけです。

 

(もちろん、厳密に言えば海水は真水よりも密度が高いので、真水を使う風呂の方が少し水圧も小さくなりますけど、「同じ海水を使ったら、全く完全に同じになる」ってことですね。)

 

まぁ正直、浅い(小さい)状況を考えてもあんまり違いも分からないかもしれませんが、例えば人が一人入れるだけの小型の箱(丈夫な強化プラスチックとかガラス製)から、壁が高く伸びている小規模な箱というか筒みたいなものがあったとして、高さ10メートルまで壁があり、海水を10メートル分満たしたこの小箱(って言ってもそこまで高さがあるともうちょっとした「ビル」みたいな感じで結構大きいですが)の底と…

太平洋のど真ん中、半径数百キロは周りに全く陸地がないような、上のほう全てが水に満たされた海の底10メートル地点とを比較した場合……

後者の方が上に存在する水は圧倒的に多いので直感的にはこっちの方が「のしかかってくる水の力」は大きそうに思えるのではないかと思うのですが、これが面白いことに、小箱だろうと、だだっ広い海のど真ん中の底だろうと、水深が同じなら水圧は完全に同じとなるのです。

(ちなみに、水深10メートルの水圧は、ちょうど1気圧=約1000 hPaと同じぐらいでした。

 なので、どちらの条件でも、そこにいる人にかかる力は、大気圧の1気圧と水圧の1気圧が足された、2気圧=約2000 hPaとなります。

 「水深10メートル=ちょうど1気圧」ってのも分かりやすい数字で、何とも偶然の面白さに思えますね)

 

こう聞いても、まだイマイチそこまで不思議に思えないかもしれませんが、「水圧は水深にのみ依存する。容器の形状は一切問わない」というのは本当に直感に反する面白いポイントなので、他のもっと極端な例を考えてみるならそうですね……

例えばその小箱の壁の全体が伸びているのではなく、人がすっぽりはまれる、しっかりした材質でできた箱の天板の一点に穴を開け、そこからストローみたいな細い筒だけを、ちょうど煙突のように10メートル伸ばしたと考えましょう。

(もちろんストロー接続部の水漏れなどはなく、ひとつながりの容器ですね。)


このとき、そのほっそい煙突の上から水をゆっくりスルスルと入れていき、底の箱からストロー煙突の先っぽまで完全に水を満たした場合を考えても、なんと、底にいる人にかかる水圧は、太平洋の海底10メートルとまっったく同じになる……ってんだから、これは流石に結構不思議に思えるのではないでしょうか。

 

自分より上に圧倒的大量の水がある海と、ストローの穴程度に満たされた分しか存在しない煙突小箱とで、全く同じ水圧がかかるんですね!

 

(まぁ、構造的に人がそんな狭い密閉箱の中に閉じ込められているのは危険すぎますし、そもそも「10メートルの水圧」って言われてもよぉ分からんのであんまり人がいる例を考える意味もなかったかもしれませんが、底に圧力計を入れて測定すれば、同じ合計2000 hPaの力がかかる、ってことですね。)


どんなに細いストローでも、水が最上部まで満たされてさえいれば、必ず同じ水深の海の底と水圧になるってんですから、これは本当に不思議です。


つまり、(表面張力などによって、あまりにも細い管だと水を満たすのが難しいですが、まぁ上手く満たせたとして)糸のような細さの、触ったら折れるような煙突しか伸びていない小箱でも、例えば800メートルぐらいの長さにしてトップまで水を満たせば(現実的にはそんなの不可能ですけど(笑))、その箱の底には80気圧もの力が働くことになるので、例えばポテチの袋みたいなものを底に置いておけば、山に持っていったときの逆で、ポテチの袋は完全に押しつぶされて、中のチップスは粉々に…っていうか、普通に袋が破裂して終わりですが、破裂した後も袋はメチャクチャな力でへしゃげる感じですね。

(なお、この場合、こないだ見ていた人間が潜った記録701メートルを超えてますから、底に人を閉じ込めて水を満たしていったら、人間が耐えられない水圧がかかることになって生きては帰れないでしょう…

 まぁ、そもそもそんな密閉容器に水没された時点で、息が続かなくて生きられませんが(笑)……あぁでも、十分な酸素ボンベを用意すれば呼吸問題は解決するものの、めちゃくちゃ細い管でも水を満たし上げていくだけで圧死する、ってのがポイントですかね)

 

…って、こう聞くと、「おい、水の柱の高さは、約10メートルが限界じゃなかったのか!」って疑問を思い浮かべる方がいらっしゃるかもしれませんが…


(まさに、この記事(↓)で見ていた話ですね)

con-cats.hatenablog.com

…これは全然違う話でして、「水柱が伸びる限界は10メートル」ってのは、あくまで「ストローで吸い上げた場合」であり、いわば、「底のコップなりバケツなりプールなりといった、水面上部にフタがない状況で、ストローに水を満たすことの出来る限界が10メートル」であり、今考えているのは、「底の箱は完全密閉状態で、唯一ストローみたいな煙突だけが上部に伸びている」という形の容器ですから、上から水をそろりそろりと(容器内に空気が残らないように)注いでいけば、どこまででも水の柱を高く伸ばすことは可能なんですね。

 

…いうまでもなく、先ほどから書いている通り、水圧というのは水の量に関わらず「高さ」のみで発生するものなので、水柱を伸ばせば伸ばすほど、底の方の容器(容器の天板)には物凄く、とんでもなく大きな水圧がかかっていくことになりますが。

 

その、「どんなに細い柱でも、内部に水が満たされていれば大海と同じ水圧を生み出せる」という理由というか仕組みについては、ズバリ、「パスカルの原理」からいえる話でして、そのパスカルの原理と水圧について、上手く説明できるかなぁ……と思って参考サイトを検索してみたところ、検索トップに出てきた「わかりやすい高校物理の部屋」の解説が、その名を冠するに恥じないぐらい、マッッジで死ぬほど分かりやすい…!!

 

このサイトの管理人はろっとんさんという方(↓)のようですが…

twitter.com

まさに、今書いていた「煙突の伸びた容器」と完全に同じ例が、「水圧」の記事で、死ぬほど分かりやすい図と解説とで説明されており…

 

wakariyasui.sakura.ne.jp

…説明というか、現象の記述部分だけ抜粋させていただくと、上で僕が文字だけでごちゃごちゃ書いてた話は、結局こういうことだったのでした(↓)。

 

https://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/mech/pas/suiatu.htmlより

 

さらに、それを理解するためのパスカルの原理についても(リンク:↓)、バリクソ分かりやすい説明&陥りがちな疑問点に逐一ちゃんと補足説明がついているという親切すぎ設計でワロタ、って感じでしたねぇ~。

 

wakariyasui.sakura.ne.jp

 

「なぜ水圧は高さのみに依存するのか?」というのは、まさに上記記事でも記述されていた通り、「重力による作用反作用とパスカルの原理」からいえることで、僕がここでごちゃごちゃ説明する意味が一切ない、素晴らしすぎる解説がなされているため、今回はもう「上記記事をご覧ください」で丸投げさせていただこうと思います(笑)。

(絵一枚で済む話をごちゃごちゃ記述したせいか、実際またちょっと完全に時間がなくなってしまいました(笑))

 

ちょうど先月「素粒子」の記事をアップされていたということで、現在進行形でたまに更新されているアクティブサイトのようですが、こ~れは高校物理を学習し直したい方に、どんな参考書よりも役に立つのではないかと思える、素晴らしすぎるサイトだと思います(多分、Twitter(そういや「X」に名称変更になりましたが(笑))で物理の質問をしたら、丁寧に答えてくれそうな管理人さんですね)。

 

という所で、「水圧の不思議」といいつつ、仕組みの説明などは一切せず丸投げの形となってしまいましたが、ろっとんさんによる説明記事を紹介したことそれだけで十分な役目は果たせたといえますから(笑)、水圧についてはこれで解決とさせていただきましょう。

他にも中学生の頃は結局あんまり納得いかなかった気もする浮力の話なんかも、水圧の次の記事でめちゃんこ分かりやすい解説がされていました。


そんなわけで、引っ張った割に素晴らしい解説記事があったのであっさり水圧については一区切りついた感じで、次回はまた溜まっていたご質問(もうずっと前ですが、完全途中状態だった所から「圧力」に話が逸れていた形でした)に戻っていこうかな、と思います。

(サイフォンについては、最初に書いた通りまた時間が出来たら…という形にさせていただく感じですね。)

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