引き続き「2023オススメイマドキ英略語集」を進めて、途中状態だった「意見・反応を示す表現」のセクションを終わらせてしまいましょう。
段々と小物といいますか、「本当にそんなの使うのぉ?」と思えるやつらが増えてくるような気もしますが、Preply先生が「今、最もよく使われてます!」と言ってる以上、きっと実際最もよく使われているやつらなのであろうと思われるので、せっかくだしここからはなるべく飛ばさず各語を見ていこうと思います。
preply.com
特に似たような意味合いのグループでもないですが、このセクションの残りを一気に貼っておきましょう。
NTH – Nice to have. what does nth mean in texting messaging(持ってて良かった。チャット系メッセージでは、これがnthの意味)
POV – Point of View((一人称)視点)
YNK – You never know(分っかんないよ~?)
SMH – Shaking my head(首を横に振る→あきれてものが言えない・ドン引き・やれやれ系の意味)
まず最初のNTHですが、パッと見NTRと空目するかもしれませんけど(しないかもしれませんが……っていうか僕はしないし、単に中身水増しのための「あえてネタ」でしかありませんが(笑))、当然流行りのNTRではなく(…って、振り返って見てみたら、NTRは既に以前の記事で話に出したことがありましたね→不倫について、どう思う?されたら許せる?自分自身は…?)、最後はHなわけですけど、こちら、あえて「チャットアプリ系のメッセージでは、こういう意味」という但し書きが付いていたことからも明らかな通り、正直この3文字は必ずしもそういう意味とも限らない気がしちゃいますね。
というか、むしろいきなりこの略語だけ送られてきたら、普通に「nth……Nothingのことかな?」と、「持ってて良かったこのアイテム」とは全く逆の、「何物でもない、ただのゴミ」という意味にもなり得てしまうので、これはうーん……そもそも「Nice to have.」なんて言いたいことそんなあるかな?って気もしますし(まぁこれは特に若い友達同士ならあるっちゃあるかもしれませんけどね)、いまいちパッとしない略語に思えるかもしれません。
(実際、「nth meaning」や「nth abbreviation」で検索しても、「Nothingのこと」とする記事が多かったですし、信頼と伝統の我らがMerriam-Webster辞書では「Nthとは、特定しない番号のことを意味する(=「N番目」ってことですね)」とされていたなど(とはいえこれは、全部大文字の「NTH」とは普通しないので、全大文字で使われていたら容易に区別が付くとはいえるものの)、「Nice to haveのこと」なんて紹介しているものはほとんど見当たらなかったので(スラングに強いUrban Dictionaryでは、一番最初は当然のごとく「nothingの短縮形」に始まり、そこから何個も別の意味が挙げられ、最終3ページ目の一番最後に辛うじて「Nice to have」と挙げられてはいましたが…)、やはりそんなにメジャーではない気がしますね。
…でもまぁ、日本語でも若者だけで使われてる言葉とかは調べても意味がパッと出てこないこともありますし、アメリカの若い子たちの場合だと、「ウチらの間では、『NTH』は、持ってて良かった物を友達に紹介する時なんかに使うよ」という感じなのかもしれませんね。
……と、そうはいってもやはり、良い略語というのは一目で何を意味しているのかがハッキリ分かる、あるいは最低限推測が付くものであるのが理想的ではないか…とも思えるので、まぁ流行の仕掛け役とか言語学者とかでもないのに偉そうに物申すのもアレかもですが、やっぱりこいつはもう一歩使い勝手・使いやすさに欠ける言葉にも思えてしまうかもしれません。)
続いてのPOVは、これも、パッと見ではトランプの大富豪を英語だとこう呼んでいるのを見たことがある「poverty」(これ自体は「貧困」という意味の単語なので、英語だとあのトランプゲームは「大貧民」って名前な感じですね)が浮かびますけど、もちろん全くそうではなく、こちらはPoint of view、つまり直訳では「視点」ですけど、これまたSNS動画系で多用されるタグのようで、このタグが付いたものは視点が普通とは違う、つまり、動画の出演者を映す一般的なスタイルではなく、例えば商品紹介とか何かの体験レポートの際、出演者本人目線の、要は頭にカメラを付けるなどして、まさにプレゼンをするYoutuberやTikToker自身の目線で物事を見ることができる形の動画になっているもののようですね。
これは分かりやすい意味ですし、商品紹介系の場合は、「お前はどうでもいいから、商品をもっと映してくれよ」と思えることもままあるでしょうし、まさにそのプレゼンター目線でじっくり対象のブツを見せてくれる#pov動画は人気そうなのも頷ける気がします。
そして3つ目はYNK……ネタがなさすぎて「パッと見こうも読めちゃいますね」系の話しかないですが(笑)、まぁ日本語的にはヤンキーって気もしますし、日本の誇る世界最大のファスナーメーカー・YKKにも一瞬思えてしまうものの、もちろん全くそういう訳ではなく、これはYou never knowのことで、例えば誰かが断言系のことを語ったとして、「うーん、でもどうなるかは分からないよ…!」と、基本的には恐らくネガティブな思い込みをしている友達とかに「やってみなきゃ分かんないって!」と励ます感じで使われるであろう、ナイスな表現ですね。
僕はパッと見、「You never knew:(画像を貼る)」で「君は決して知らなかったであろう、○○の事実」みたいな意味の、SNSでありがちな「意外な真実」系の画像・動画ネタのタグ的に使われるものなのかな、と一瞬思えたのですが、knewではなくknowのようなので、そういう意味ではなかったようです。
もちろん上述の励ます意味に限らず、皮肉・無関心なニュアンスで「さぁどうだかね」とか「予測不可能、自分にも分からない」という純粋に「分からん」という意味でも用いられる形ですが、実際この世界の未来は誰にも確定的なことがいえないのはその通りなわけで、それなりに普段の会話でも使われることがありそうなフレーズだといえましょう。
最後はSMH…これはパッと見……別に何も浮かばなかったので無理くり捻り出すと(笑)、まぁあえて言えば字面的に、下ネタないわゆるSMが浮かぶっちゃ浮かびますけど、当然それは一切関係なく…(ちなみにSMは、サド・マゾヒズムの略……と思わせて、実は語源的にはMaster(ご主人様)・Slave(奴隷)またはServant(召使い)のことで、本当はいわゆるSとMは逆の意味なんだよ、って話も聞いたことがありますが……
en.wikipedia.org
…英語版のWikipedia(↑)を見ても特にそんなことは書いていませんでしたけれども、正直1ミリも気にならないどうでも良すぎる話題なので、気にせずにいきましょう(笑))
(一応、参考リンクとしてMaster/Slave (BDSM)なんてのは挙げられていましたが、本文中で触れられてはいませんでした……なお、そのBDSMの「B」と「D」というのはボンデージとディシプリン(規律・調教)という意味だそうで…(参考↓)
ja.wikipedia.org
…また一つ、余計な知識で賢くなってしまいました(笑))
…っていきなりSM話に逸れましたが話を戻すと、SMは微塵も関係なく、これはshaking my headで、溜め息をつきながら「はぁ~ヤレヤレ」感を出す表現とのことですね。
正直、「首を振る」って、縦に振ってうなづく=同意を示すって意味にはならんの?とも一瞬思えたんですけど、そちらはnodという専用の単語がありますから(日本語でも「頷く」ですし、基本的に「首を振る」というのは横に振る感じですね)、この表現は横に振る意味に限定されるわけですけど、横に振る場合も「否定」「拒否」「辺りを見回す」など様々な意味合いがある気もするものの、少なくともSMHで表されるものは「信じられない・ダメだこりゃ」というニュアンスでガックリしながら首を横に振る感じだという形のようです。
これはネガティブな意味合いしかない感じですし、SMHを食らったら相手に呆れられているということに他なりませんから、こいつぁ受け取りたくない略語筆頭かもしれませんね(笑)。
といった所で、またちょっと時間がなく、次のセクションに行こうとも思っていたのですがキリもいいので今回はここまでとさせていただきましょう。
続きはまた次回ですが、次のセクションは「バカなこと、攻撃的なこと、敵対的なこと、不公平なことなどなどに対する反応」を示すための略語とのことで、「いや最後のSMHもまさにそれじゃん(笑)」と思えたものの、例によってカテゴリーなど大した問題でもありませんし、似たようなややネガティブめな略語を見ていこうと思います。
アイキャッチ画像は、SM女王様みたいなのがあったらこの際インパクトでそれを使おうかと思いましたが流石に健全安全ないらすとやには存在しなかったので(笑)、SMHにピッタリのいらすとをお借りしました。