略語を文の途中に差し込んで使うこともあるの?

早速いただいていたご質問コメントの続きに参りましょう。

 

例えば、BRBはBe right backで、そのままBRBだけで使う感じなんですか?

それとも、I'll BRB.っていう風になる?

相手に聞く場合とかにも使うんですかね?

Will you BRB?

みたいに、略語が文中に差し込まれる場合もあるんですか?

と思ったら、「I'm GTR.〜」と出てきていますねぇ。ということは、やっぱり「Are you GTR?」もアリっていうことですね。

名称なんかの略語でアルファベットが文中にあってもなんとなくわかる気がしますが、そのアルファベットが文中で「getting ready」っていう意味で使われているというのは、わかりにくいというか、めっちゃ違和感がありますね。(日本語にはない感覚だからでしょうか。いや、思い浮かばないだけかも?)

 

⇒う~ん、これ、このご質問(=略語は文中でも使われる?)を振り返って読んでみてまず思ったこととしては、まぁなくはないかもしれないけど、略語なんだし、普通は文中に差し込まれる(=わざわざ文を書く)なんてことはなく、単独で使われることの方が圧倒的に多いんじゃないかな…?というのがパッと頭に浮かんだ印象だったんですけれども、しかしどうやら「I'm GTR.」って利用例があった感じでしたか。


…まぁ、なくはないかもしれませんけど……と思って元記事を振り返ってみたら、何気にこれ、僕が勝手に作った、あくまで「例えばこういう『I'm GTR.』なんて文を見ても、日産GTRを思い浮かべないようにしましょう」ということを述べたかっただけの「例文のための例文」とでもいいますか、ぶっちゃけ自然さの欠片もない、不自然な例文になってしまっていた形ですね(笑)。


非常に紛らわしすぎた感じで恐縮ですが、これは適当にでっち上げたウソ英文だったので、真に受けないでいただけると助かります……というか、やっぱり先ほども書きましたが、何のために略語を使うかっていうと当然入力の簡略化・文を短く即座に送信できるためといえるわけで、改めて、絶対ないとは言い切れないまでも、「GTR(準備中・もうすぐ準備完了)」なんて「私が」に決まっているわけで、実際のチャットで「I'm GTR」と入力する人はまずもって存在しないのではないかと思われます。


一方質問文についても、これも「GTR?」のように、ただ「?」をつけるだけで「あなたは」と質問してるのに決まってますから、わざわざ「Are you」を頭に付ける人は皆無と思われる……以上に、そもそも「もうすぐ準備完了?」という質問文自体が論理的にやや破綻しているともいえるので(=「もうすぐ準備終わる?」ってどういう聞き方だよ、聞くなら「準備できた?」でしょ(笑)……といえる形になっている感じですね)、相手に「GTR?」って聞くこと自体がまずないのではないか、って気はするものの、まぁもし意味が通るフレーズであれば、略語を使って相手に質問するのも問題ない感じといえましょう。

(この文脈の場合、まさに「準備できてる?」で「Are you ready?」が普通なわけですけど、こちらもメジャーフレーズだけあって当然「AYR?」と略される……わけですがこれまた、当然言うまでもなく疑問文に決まっているので、実際は「?」なしの「AYR」だけで使われているようですね。)


…ただ、冷静に考えたら、意外と「自分からの宣言」でも「相手への質問」でもどちらでも通じる略語って、案外ない気もします(AYRはもう疑問文に決まっている・GTRは自分からの宣言に決まっている、みたいなのが多い感じですね)。


例えばコメント最初に挙げられていた「BRB」も、これは「Be right back」で「すぐ戻る」の略でしたけど、これまた基本的に自分から言う話であって、相手に使うのってちょっと……何ていうんでしょうね、まぁ日本語なら「すぐ戻ってくる?」って質問も別にありっちゃありですが、この英語フレーズ「Be right back」の場合、こいつは何というか「直ちに戻りますよ」という「ごく一瞬・一時的な離席です」宣言であって、自分が相手に聞くのはちょっと違和感があるといいますか、「ごく一瞬ですぐ戻るよな?」とまるで脅迫しているみたいな、「何でお前にright backすることを指図されなあかんねん」というニュアンスを与えかねないようにも思える気もするかもしれません(まぁそこまでのものでもないかもですけど(笑)、普通は使わないと思うから何となくおかしい気がする、って感じですね)。

「変さ」でいうと、例えばちょうど、日本語の「すぐ戻りますね」というフレーズはごく自然な宣言ですけど、これにそのまま「?」をつけて「すぐ戻りますね?」と質問されたとしたら、「いや何その質問(笑)。まぁ戻るつもりだったけどさ、何でそんな押し付けがましいのさ(笑)。何だか戻ってくる気なくすぜぇ~(笑)」とちょっと思えるのではないかという気もするんですけど、あくまでネイティブではない僕の勝手な感覚かもしれないものの、何とな~くそんな雰囲気になってるように感じるぐらい、普通は相手に質問するフレーズではないと思う……って所でしょうか。


質問するなら、まぁ「When will you be back?(いつ戻る?)」とか、すぐ戻るか確かめたい場合でも、「Be back soon?(すぐ戻る?)」のように、「right」という「即座に・直ちに」的な意味合いのものよりもうちょい緩いレベルの「もうすぐ・遠からず」的な感じのsoonとかの方が、この場合は断然よく使われる(し、質問としても適切である)ような気がします。


BBS=掲示板という印象が強いので、これを「BBS」と略しても通じないのではないか…と一瞬思ったのですが、どうやらこれも普通に使われている略語のようで、もう掲示板文化も廃れてしまった昨今、BBSといえば「be back soon」になってるのかもしれませんね。


これなら一応、「BBS」という自分からの宣言のみならず、「BBS?」という質問でも……まぁ使える気はするものの、でもやっぱりこれも、聞く立場がそんな紛らわしい略語を使って、立ち去ろうとしてる人に質問するかなぁ?とも思えますし、尋ねる側は横着せず、せめて「b bck soon?」ぐらいには分かるように記述した方が適切といえるかもですね(まぁ、これだと、「打ち間違いしたのかな?」と勘違いされるだけかもしれませんが(笑)、通じることは通じると思います)。

 

(というか余談ですがこの「BRB」、シリーズ最後・100語超のラストセクションにも登場していましたけど、全く覚えていませんでしたが最初の20選にも出てきていたんですね!

 両方のオススメ略語記事で出てきている以上、これはやはりめちゃくちゃ使われる重要略語だといえましょう。)

 

一方GTRについて、改めて見ていたら別の疑問点が浮かんだんですけど、例の20選記事では「Getting readyの略」となっていたものの、「GetTing Ready」ってぶっちゃけちょっと無理がある気もするし、正直、ご質問を読んでいて「GTRって何だっけ、『Got to run』とかかな?」と思ったのですが、念のため調べてみたらやっぱり、こないだも参照させてもらったチャット例文も示してくれるSlang.netの方では、普通にGot to runのみが挙げられていましたね(↓)!

 

https://slang.net/meaning/gtrより

 
この「Got to run」は、フランクな会話だと更に簡略化して「Gotta run」といわれるわけですけど、これ自体もある種の省略フレーズで、きちんと書くと「have got to run」、言い換えると「have to run」で、「走らなくてはいけない」から、転じて「急がなきゃ」という意味のフレーズになりますが、このフレーズ自体どう考えても利用頻度がめっちゃ高そうであるとともに、そもそもの「gotta」が、下手したらアメリカ人が一日で最も頻繁に口にするといっても過言ではない超メジャーフレーズだといえそうです。


「have to」は中学で習う誰でも知ってるフレーズですけど、「ハフトゥ」は若干言いにくいため、あえて「got」を足す→言いにくい「have」が省かれてgotだけが残る…という謎の変形を経て生まれたフレーズといえるものの、意味的にはhave to=have got to=got to (gotta)という感じで、完全にイコールで結べる形になります。

(もちろん、「got to」は普通に「get to」の過去形の場合もありますが…。

 いずれにせよ「ガッタ」は確かに英語話者がめっちゃ言ってそうなフレーズ筆頭だというのはどなたも納得いただける感じではないでしょうか)


GTRの略語に戻ると、Getting readyもそれなりに日常会話で登場しますし、当然GTRでGetting readyになることもあるかとは思いますが、どちらかといえばGotta runの方がより使われるんじゃないかな、って気はやっぱりするかもしれませんね。


こいつらは同じ略語のくせして「準備中=もうすぐ行くね」と「急がなきゃ=ごめんもう行かなきゃ」という、完全に真逆の意味になるので、利用の際は結構気をつけるべきフレーズといえるかもしれません。

(…って、シチュエーション的に、「今から会う人」と「もう用事がほぼ終わった人」で、言う場面自体が絶対真逆といえるので、そんなに注意を要することもないかもしれないものの。)

一方、先ほど貼ったSlang.netのスクショ画像にあった利用例をおさらいしておくと…

Well, GTR ... hopefully I'll TTYS!
(あっと、もう行かなきゃ…またすぐに話せること期待してるよ!)

Yeah, it was great T2U!
(うん、話せてめっちゃ良かった!)

 

…と、先ほど「略語は略すためのものだから、普通は文中で使うことはない気がするなぁ…」とかほざいていたのに、(ここではTTYSとT2Uですが)いきなり普通に文中で略語を使用してますやん、って感じになってましたね(笑)。

 まぁ言い訳すると、やっぱり、「GTR」(「準備中」でも「急がなきゃ」でも)も「BRB」(すぐ戻るね)も、かなり急を要する略語なのに、こいつらをわざわざフルセンテンスで用いることはないんじゃないかと思う……ってのは実際そうだと思うので、「略語によっては、主語動詞をつけるのはおかしい気がするものもある」という方が正確だったかもしれません。

とはいえ途中に登場するものも、ネイティブの作った会話例で普通にあっさり見つかったわけですし、後で気が付いて訂正を出す羽目にならず、即座に「使われることもある」と気付けて何よりでした(笑)。



なお、せっかくなので久々に登場のコーパス・COCAで念のためBRBを調べてみた所……

COCAでの「BRB」検索結果より

そもそもたった42件と、やはりこの手の略語は個人チャットとかで一番使われるものなので、そこが一切収録されていないコーパスではややデータとして弱い部分ではあるものの、ハイライトした14番目の例文、『The Bronze』という映画の台詞に、「I'll BRB.」という使われ方もちゃんとありましたね!

やはり、文の途中で、しかも映画みたいな確実に口頭の台詞と思われる場面でさえ、略語が出てくることはあるっちゃあるようだといえそうです。

(とはいえパッと見た限り、たったの1件のみで、他は全部単独利用のみでしたが。)


最後ちなみにSlang.netのスクショで使われていたTTYSにも触れておくと、こないだ出てきたメジャー略語・TTYL「talk to you later」(あとで話そね)の亜種みたいなもので、これは「talk to you soon」(またすぐに話そう)の略語ですね。

そしてT2Uの方は「talk to you」(あなたと話す)で、かなりオシャレな略し方であることからいきなり来たら何のこっちゃと思えるものの、文脈的にはそれしかないから明らかといえる感じでしょうか。

しかし実際の所、「It was great talk to you.」は文法的に若干おかしいものの(「Nice to meet you」然り、この文においては動詞の前にtoを入れるか「~ing」にして動名詞にしなくてはいけないので。「It was great to talk to you.」か「It was great talking to you.」が、文法的には正しい文ですね)、略語を使ってる時点でそんな文法的な話に突っかかるヤツは無粋というか、その方が間違っているとさえいえましょう。


…と、今回も、当初3行ぐらいで終わると思っていたら案外いい分量になっていたので、続きはまた次回にまわさせていただこうと思います。

続きの記事もBBSですね。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村