続きの略語へ行く前に、前回時間切れで間に合わなかった「IDM」からの派生ネタに脱線するところから始めさせていただきましょう。
記事で紹介されていた略語は「IDC(I don't care)」で、これは基本的に「どうでもいい」というニュアンスの強い語、一方もう少し「どっちでも気にしないよ、構わないよ」というマイルドな表現として「IDM(I don't mind)」という略語としてはあまり使われないものも紹介していたわけですが、このフレーズからは、やはり例の表現が思い浮かべられるように思います。
それが、そう、「ドンマイ」!
これは当然、誰しもがご存知の、特にスポーツなどでミスをしてしまった味方に向けて「気にすんな、次、次!」という意味でよく使われる掛け声なわけですけど、個人的には正直これ、小学生の頃、ある日突然友だち連中が使い始めた謎の言葉という印象がありまして(休み時間のドッジボールやキックベースで、ミスった仲間を励ますような場面でですね)、マジでそんな言葉聞いたことも習ったこともなかったため、僕なんぞはこの突然の「どんまい」なる文字列に、
「え、何て?『うどん・うまい』?ドッジボールの当たりすぎで、とうとう頭がおかしくなったかコイツら?」
…とはまぁ流石に思わず(笑)、しかし実際意味は分からなかったので、
「丼・舞い?何かそういう避け技みたいなのが漫画なんかであるのかな?でも球を避けるドッジに限らず、ハンドベースとかでも聞くからな…」
と、そんな疑問をずっと胸にモヤモヤ抱えながら生きていたことが思い出されます。
(ということで、前回終わりのNext Consuke's HINTは、うどんの丼のいらすとを載せていた感じでした。本家のヒントに匹敵するぐらい、しょうもねぇ~(笑))
あぁ、全く関係ないですが、あと似たような突然周りの友達が使い出した意味不明フレーズでめっちゃ覚えてるのは、「テンション」!
これは、引っ越した先の小学校の、キノコ頭の深津くんが言ってきたのを強く覚えているので小学6年生のときの出来事だと断言できるのですが、ある日、新しい言葉を知って自慢したくなるキッズのよくあるノリで、その深津くんと彼の親友が「おい紺助紺助、お前って今日テンション高い?」と聞いてきまして、当時は僕も知らないことを「知らない」と素直に言えない敏感なお年頃でしたから「え?どういう意味?」と尋ねることはできず、「(やっべ、意味分からんし、何か下ネタくせぇけど、普通って言っときゃどうとでもごまかせるだろ)」と思い「うーん…。ま、『普通』かな?」と返したところ、「けへへぇ~、紺助のテンションは普通だぁー!!」と、今思うと「どういうやり取りだよ(笑)」と思える謎すぎる感じで去っていきましたけど、結局その場でも「…結局テンションって何だったんだ…?」と謎のままモヤモヤが残ったものの、子供達の言葉なんて(意味のないナンセンスギャグ含め)自然と使いこなされていくものですから、気付いたら僕も「ドンマイ」も「テンション」も、いつの間にか自分でも自然に使いこなせてるぐらいのボキャブラリーに定着していたのでした。
もっとも、どちらも元ネタの英語を知るのはもっとずっと先で、かつ、この手のカタカナ語のご多分に漏れず、これらはまさにどちらも実は和製英語なんですね!
僕の小学校時代のクッソしょうもない思い出はともかく、補足ネタとして「ドンマイ」は英語だとその意味では通じませんよ、ということに触れておきたかった次第でした。
そう、英語で「Don't mind.」は、そもそも一言だけでのそういう言い方はしないわけですけど、あえて意味を解釈すると「I」を省略した「I don't mind.」って言ってるのかな?と思われるだけで、前回見ていた通りの「私はどっちでも気にしない、何でも構わないよ」という意味になってしまうように思われるため、決して「ドンマイ」的シチュエーションでは使えないフレーズだ、って形なんですね。
では、日本語でいうところの「ドンマイ」つまり「気にすんな、大丈夫だよ」はどう言えばいいかというと、これはまぁ、一番パッと浮かんだのは「No worry. / No worries.」で、まさにそのまんま「心配ない」って意味ですけど、カジュアルさ含め、これが日本語のドンマイにピタリな感じだと思います。
(なぜ日本では微妙に意味の違う「Don't mind」が定着したか不明ですね。)
ちなみに、「Don't mind.」はこれだけの単独では使わないものの…
(使うとしたら、もっとフルセンテンスで、一番あると思えるのは「Do you mind if~?(~しても構いませんか?)」という丁寧な許諾を尋ねる文への返答で、「No, I don't mind it.」と言うようなパターンが一番多いですかね。
ちなみにめちゃくちゃ間違えやすい注意点として、「No」というと拒否しているような気がするのに、この疑問文は直訳的には「~するとしたら、あなたは気にしますか?」という意味であるため、「No」であれば「いいえ、気にしません」すなわち「どうぞ」になり、「Yes」で答えてしまうと「はい、気になります」となり「許可しません。やめてね」という意味になってしまうのも、英会話スクールの最初期に必ず触れるテーマな気がします。
…もっとも、多くの人は、許可する場合でももっと分かりやすく、以前見ていた「Go ahead(どうぞ)」とかを使う方がよりありそうではないかな、って気もしますし、断る際も、「Sorry, ...」と、まず「すみません」と詫びを入れて拒否の意向を示し、続けてちょっと許可したくない理由なんかを簡単に述べるとかが一般的そうに思えますね。)
…と補足が長くなりましたが、「Don't mind.」のみの言い切り文はまず使われないものの、それと似た「Never mind.」というのは、こいつはめっちゃんこよく使われます。
といってもこれも「ドンマイ」の意味ではなく、典型的な使い方としては、何か大したことない話をして、相手がちょっと聞きそびれていたりで「え、ごめん聞いてなかった、何て?」と問い返してきたような際に、繰り返すほどのネタでもないので「あ、聞こえなかったんならまぁいいや。何でもないから、別に気にせんといて」という意味で「ネバマイン!」と返す、って形ですね。
同じ「気にするな」でも、日本語のドンマイとはかなりの違いがある表現かと思います。
…ちなみに、個人的にはこの表現、「いや『気にすんな』って言われても、こっちは気になって聞き返してんだから、『Never mind.』でなかったことにするんじゃなく、ちゃんと説明しちくりぃ~」と思える、やめてほしいフレーズ筆頭かもしれません(笑)。
もちろん「Wait, I do mind!! Tell me what you said again.(待てや、俺が気になるんだよ!もっかい言ってくれや)」みたいに食って掛かるようなことは決してしませんけれど(笑)、個人的には、相手に「いや気になるやんけ」と思わせても申し訳ないですし、自分はこれまで一度も使ったことがない表現な気もします。
ひとまずマインドの補足としてはそんな所ですが、せっかくなので脱線ネタで出していた「テンション」、こちらも、英語だと「テンションあげあげ~↑↑」の意味で使われることは決してない感じですね。
そもそものこの「tension」という単語は、日本語では「緊張」としばしば訳される感じですけど、これも、例えば大事な本番前とかで「うっわ、緊張してきた!」という意味で「I'm high tension!!」みたいにいうのも(一応、辛うじて日本語の「ハイテンション=気分がハイ」のつもりで誤用してしまうよりはまだ多少通じる可能性はあるものの)あまり自然ではなく、それより「張力」という訳語で捉えるのが一番いいのではないかな、と思います。
例えばゴムヒモを全力で引っ張ったとき、ヒモはパツンパツンに張ってるわけですが、こういう状態のことをズバリ「high tension」といい(This string is now at an extremely high tension and is pretty dangerous, so please be very careful.(このヒモは現在極めて高いテンション(張力)となっており、かなり危険ですので十分お気を付けください)みたいな感じですね)、まさしくそういった「どのぐらい張り詰めた状態か」を指すのがtensionという単語の持つニュアンスなわけですね。
もっとも、2つ上の段落の括弧内で補足していたとおり、一応「精神の緊張状態」を指す単語でもあるわけですけど、「はぁ~緊張してきた」と言いたい場合は普通はこの語は使わず、ネイティブならほぼ100%、間違いなく「nervous」という語が使われるように思います。
これは日本語でもたまに聞くので親しみやすいですが、ズバリ「ナーバス」ですね。
「I'm nervous...」や「I'm getting nervous!!」なんかが、緊張している人が言う台詞No. 1だといえましょう。
一方逆に、日本語の「ハイテンション」を英語で言いたい場合はどうすればいいのか、ですが、これはまぁ、やや平凡な表現になりますけど、普通に「excited(興奮している、盛り上がっている)」って単語が一番スッと出てきて使いやすい表現ですかね。
以前触れていた通り、自分のことを表すなら「I'm excited!」であり、日本語的により耳馴染みのある「エキサイティング」の方は、「主語の方が興奮させてくれる物事になる」ことには注意といえましょう(=This game is so exciting!!(この試合、めっちゃ盛り上がってるね!))。
逆に「ローテンション」なら……こちらはパッとドンピシャのそれっぽい表現が浮かばなかったので、こういう時はまぁ、「I don't feel well...」とかそういう一般表現に(少なくとも自分なら)逃げるしかないかなぁ、と思いますが、しかしこれは、僕は基本的にローテンションにならない安定メンタルマンなので、自分がその手の表現を使ったことがないからパッと浮かばないのかもしれない……と謎の自慢を挟みつつ、せっかくなのでどんな表現があるのか調べてみました所、こちらDMM先生(↓)によると…
なるほど、「low key」や、「laid back」なんて表現が、「テンションの低いタイプ」って言うのにピタリといえそうですね!
いやぁ~、僕には無縁の単語なので、全然浮かびませんでしたよハハハ!
…と、しょうもないハイテンションアピールをした所で、割といい分量になったこともあり、今回はこの補足ネタだけで一区切りとし、続きの略語はまた次回にまわさせていただこうと思います。
アイキャッチ画像は、「『ハイテンション』というのは、発射準備完了したこういうおもちゃ(↓)なんかに対してピタリ使えるものです」という説明用とするべく、パチンコ(スリングショット)のいらすとをお借りさせていただきました。
ドンマイの方はもうネタ切れですね(笑)(ネバマイでネバネバした何かの画像にしようとも思いましたが、それも微妙すぎました(笑))。