コメ返信や補足その1-6:「ちょっとだけね!」「どうぞ」

それでは、「マギ単(紛らわしい英単語)」シリーズの記事でいただいていた次のコメントに行く前に、ここ最近の一連のコメ返信シリーズの記事に対して改めていただいていたコメントの方から順に触れさせていただこうと思います。

記事タイトルの番号付けも適当ですが、まだ「その1」の補足が続いている、って形ですね。


今回はまず、こないだエスプレッソ・イングリッシュの読み物を紹介していた、「BADって言わないで」という記事へのコメントから行きましょう。

例によってコメントはおなじみ、アンさんからいただいたものになります。

毎度本当に大変ご丁寧なメッセージ、感謝のしきりにございます。

 

“英語学習において危険”なんて書いてあるので、なにか実害があるっていうか、こんな風な意味にとられてしまうとかそういう感じかと思ったら、要するに気持ちの問題みたいなことですかね?笑


一語一句違わず「I can't speak English very well」が、しかも超ネガティブな方で書かれていたのはちょっと笑えましたが笑、まぁでも、実際「Do you speak English?」と聞かれることがよくあって、その時に「No, I'm sorry」と言ってしまえば簡単なんですが、それをするとそこで終わってしまうので、「just a little bit」と親指と人差し指でほんの少しっていうジェスチャーをしながら、ほんとにちょっとだけね!っていうアピールをしっかりして笑、答えるようにしています。

そうすると、だいたいの人はゆっくり話してくれたり、わかりやすいように簡単な単語を使ってくれたりするし、こちらが話す時も温かい目で見守ってくれてます笑

そこで、ちょっとわかった風に知ってる英語の文章とかでサラッと話してみたりすると、容赦ないネイティブの洗礼を受けることになりますね笑


でもまぁ、これは日本での話であって、海外でとなると、なんなら生死に関わってきますから…!笑


⇒最初の部分、そう、「BADって言わないで!」という話、結局あれは単なる根性論に過ぎなかったんですけど、一応あの記事は投稿後、サイト側に「翻訳させてもろてます、こちらが実際の記事です」とURLも含めて送る予定だったので(実際送りましたが)、念のため、機械翻訳でチェックされるかもしれませんし、あんまり「単なる気分の問題やんけ!単純なアメリカ人と違って、そんなただの自分が発した言葉に影響されるほど、我々日本人は単細胞ではないのだ、無視してよかろう」みたいにバカにするような話は書きづらかった感じですね(笑)。

(って、何気に、若干似たような話は書いていたような気もしますし、結局今書いちゃっていますが(笑)。

…といってもやはり、それはやや冗談っぽく言っているだけで、実際に、確かあの記事でも似たようなことを書いていた通り、言霊の威力というのは案外バカにできないものかもしれない&言語と国民性との間には意外に大きな関係があるものですから、「出来る限りポジティブな発言をする」というのは、何気にアメリカ人っぽい思考に近づいて英語に慣れ親しむためにも、案外重要な点ともいえるのではないか……というのは、まぁそれはそうかもしれないな、とも思えますけどね…!)

 

続いての「just a little bit」、これも、非っ常~に素晴らしい返事に思えます。


関連してこれまた一つ、日本を離れる準備をしていた際に読み漁った中の名著を思い出しました。

英文法・語法系の解説本は、やはりマーク・ピーターセンさんとT.D. ミントンさんによる書籍がツートップで、あとはこないだ紹介していた『英語らしさに迫る』や、他にもまだ触れていない、「これはマジで目から鱗ばかりであった、タメになりすぎた!」と思える著作がいくつかありますけど(またいつか機会があれば触れたいですね。…あぁ、ずっと前に見ていた(この記事→ここが変だよ日本人→それは偏見だよアメリカ人…?)、「アメリカ人から見た日本人の変な所」が巻末にまとめられていた『英会話どうする』なんかも、その一部ですね)……一方、実践的な英会話・用例系がまとめられている本では、圧倒的断トツで、スティーブ・ソレイシィさんの『英会話なるほどフレーズ100』という著作がマジで尋常じゃないほど役に立ったと思える、素晴らしすぎるお役立ち本なんですが……

https://www.amazon.co.jp/dp/4757402430より

Amazonの無料お試し読みの範囲からはちょうど外れているものの)、これの8番で、まさに「ちょっとだけね」という項目で「Just a little.」が紹介されており、これを思い出した感じですねぇ~。

(この本はCD付きで、

「♪テロレロレン Number 8(イケボ)『ちょっとだけね! Just a little. Just a little. (繰り返し)』(めちゃくちゃ聴き取りやすく発音も上手な、日本人お姉さんの声)…」

…という流れで、対話例の前にあるフレーズの簡易説明もそのお姉さんがしてくれますし、他にもスティーブさん自身による、とても上手ではあるけれどやはりネイティブ日本人ではない、いわゆる外国人的な日本語での可愛らしい補足(まぁそんな表現は失礼かもしれませんが)とかが入るなど、何周しても飽きずに聴ける素晴らしい構成の音声で、これまた何百回と聴きまくった感じでもうほとんどの台詞を覚えちゃってるレベルです。)


…と、ちょうど非常に重要なことも書かれていたので、今回もまた、本の方から1ページだけ引用させていただきましょう(『英会話なるほどフレーズ100』p. 32より)。

 

8. Just a little. (ちょっとだけね)

―POINT―

Can / Do you speak English?と聞かれ、「ほんの少しだけですが……」といいたいとき、No. だけでは失礼だ。No. といえるくらいなら、 Just a little.(少しだけ)といおう。それで相手からダァーッとしゃべられる危険性は少ない。Just a little. といっておけば相手はいつもよりゆっくりしゃべってくれるはずだ。そもそも、ネイティブスピーカーだと思っているならば Do you speak English? とは聞かないはずだから、Just a little. は Yes. と答えるだけでは危険かもしれない相手に、歩み寄ってもらう便利な表現だ。


🤚 BE CAREFUL

英会話では学校のように、フルセンテンスで答える必要はない。Do you like movies?と聞かれ、Yes, I do. なんておかしい。Yes. だけでも Sometimes. だけでも自然だ。これがCan you speak English? となると、Yes. でも No. でもよくない。「英語できる?」と聞かれて、No, I can't. は一番失礼な答え。No, I can't. といえるくらいなら、No. ではない。したがって、No, I can't speak English. はどんなに文法上正しくても、潜在的な意味は「あなたとなんか話したくない」になってしまう。

 

特に、【BE CAREFUL】のコーナーの最後、「No, I can't. と英語で言える時点で、No, I can't. ではないでしょ」という点から、その返答はまさしく「『そんなもん話せねぇから、話しかけてくんな』という意味合いになってしまっている」というのは、本当に要注意のポイントといえそうですね。


そんなわけで、「英語話せますか?」的な質問を受けた際の完璧な回答の一つが、この「Just a little.」だといえましょう。

(「little」も発音が無駄に難しい単語になるわけですが、まぁこれも、日本人的にはやや抵抗がありますけど、もう完全に「リル」って言っちゃってOKな感じに思えますね。
 もちろん、カタカナの「リトル」に近づけば近づくほど、図らずも「あぁ、本当にlittleなんだな」ということは汲み取ってもらえるでしょうし、自分の言いやすい感じで言うのが一番かもしれませんけどね…!)

(結局日本語は母音が基本であり、英単語を発音する際も、音節が多くなりすぎてしまうのが最大の問題であるわけですね。

 ちょうど、マーク・ピーターセンさんもCD付きの本を出されていたので当然それも聴かせてもらいましたが、その冒頭で、「私の苗字はPetersen(ネイティブ発音)であり、これは英語だと、『ピー・ラー・スン』のわずか3音節に過ぎませんが、日本語だと『ぴいたあせん』と、6音節もの長さになってしまってるわけですね」というようなことをおっしゃっていました。

 もちろん、僕はそういう知識はあっても、結局今でも英単語は余計な母音が足された発音になってしまいがちなんですけどね(笑))


ちなみに(またコメントに戻ると)、この「Just a little.」は、コメントで書かれていた「Just a little bit.」でも全く同じで、bitはあってもなくてもどちらでもいい感じですね(ちょうど日本語でいえば(意味が対応するわけではないですが)、「ほんのちょっと」と「ほんの少し」との違いと同じようなもんで、全くどちらでも構わないといえる感じだといえましょう。)

 

あとこの話とは直接関係ありませんが、せっかくなのでまた脱線してみますと、この『なるほど100』という百項目から成る名著は「どうぞ」二連発から始まるんですけど(「1. 『やっていいよ・お先にどうぞ』のどうぞ」と「2. 『はい、これをどうぞ』のどうぞ」)、マジで掴みとして完璧といえるぐらいに、日本人が勘違いしがちなフレーズからのスタートで、初読時初見の印象もバッチリでした。

ズバリ、学校で英語を学んだだけでは、「どうぞ」といえば確実に「please」という単語が思い浮かぶわけですけど、ちょうど本でも似たようなことが書かれている通り、この単語は「お願い」と考えるのが一番ピタリで(文脈的に「どうぞ」にもなり得ますが、誤解を生みかねないので、「please=お願い」と考えるのがベストでしょう)、例えば列に並んでいる時なんかに「お先にどうぞ」と言いたい場面で「Please.」とか言おうものなら、譲ってるつもりが逆に「お願い/ください」と言ってる形になり、相手に「は?何を?」と思われてしまうだけになっているんですね。

同じように、「はいどうぞ」と何かを渡す際に「Please.」と言ってしまっても、「ちょうだい」という感じのほぼ真逆の意味になってしまい、あまりにも意味不明すぎる感じになる、という形なわけです。


これらはそれぞれどうすればいいかというと、ぜひ本を手に取ってご覧ください……と思いましたが、お試し読みにも含まれている点ですし、まぁせっかくなので触れさせていただくと、「お先にどうぞ」は「Go ahead.(ゴー・アヘッド)」で、「はいどうぞ」は「Here.」になるんですね。


「Here.」(および、それと同じ「Here you are.」や「Here it is.」など)は実際中学英語でも習うわけですけど、案外パッとは出てこないフレーズに感じるわけですが、この場面では絶対にPleaseではなくこちらを使うべきといえる、超重要フレーズになります。


一方の「Go ahead.」、これももちろん学校英語のいつかどこかで習ってるわけですが、大して印象にも残らない表現である気がするわけですけど、「なるほど100」の栄えある#1で登場するフレーズだけあって、こちらも超絶重要・実際に死ぬほどクッソよく聞く、マジであまりにも絶対知っておくべき便利フレーズ筆頭といえる感じですね。


例えば会話をしていて、相手と同じタイミングで話をし始めてしまった場合、そこで使われるのが確実に「Go ahead.」(基本的に会話力の高い相手が譲ることが多いので、僕は自分で使うことはあまりなく、聞くことが多いですが(笑))、つまり、「あ、被っちゃったけど、どうぞそちらから話して」という意味もある……といった具合ですね。

他にも、実際このフレーズを耳にする場面は枚挙に暇がなく、例えば教授の部屋のドアをノックした際、「入っていいよ」と言われる場合なんかも「Go ahead.」という形が多いですし、あとは「これこれこういう実験で、〇〇という試薬が必要なんだけど、注文していっすか?」と尋ねた際に、責任者から「Go ahead.」という了承の言葉が出てくる(あぁ、これはまさしく、和製英語の「ゴーサイン」そのもので、「ゴーサイン」はこの「ゴー・アヘッド」から来ているのかもしれませんね)場面など、文字通り直訳的な「お先にどうぞ」に限らず、本当に日常会話でこのフレーズが登場するシーンは大変多いのです。

(他にも、応用として、「Go ahead and...」で、「どうぞ…してください」という非常に丁寧な表現(命令形ですが、意味・意図は大変丁寧です)になるというのも、まさしく本で記述されている通りなので、詳しくは本をご参照いただければと思います。)

 

…という所で、あと最後、ご質問ではないものの、面白エピソードがあったのでそちらもご紹介させてもらおうかと思っていたんですけど、割とここまででも既に結構いい分量になったので(例によって、ほとんど名著の引用のおかげですけどね(笑))、そちらはまた次回以降、記事ボリュームが微妙に短かった時の水増し用に取っておかせてもらおうかと思います(笑)。


そんな感じで、次回もまたコメントの続きに触れさせていただきましょう。

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