それでは今回もイマドキの若者略語をチェックして、一言二言物申す…という若くなさすぎるネタを洒落込んでみるといたしやしょう。
毎度貼っていますけれど、全文ではないもののガッツリ引用させていただいているため、宣伝を兼ねて改めてリンクカードを掲載しておこうと思いますが、こちらPreplyの記事からですね(↓)。
今回も、引き続き「感情や気持ちを表す略語」の一覧からになります。
前回は「○○の時」という形で、画像と一緒に使われることの多いSNS時代ならではのHIFWなどを見ていましたが、次に挙げられていたのは「IDC – I don’t care(気にしないよ、何でもいいよ、どうでもいいよ)」という、案外普通の表現でした。
しかしこのIDC、4つ下に全く同じ形でまた挙げられていて、「大事なものだから2回言ったのかな?」という古臭いネタが浮かびましたけど(笑)、どちらかは、こないだも出ていたIDKにするつもりだったんだろうか…?とも思えたものの、IDK(知らない)は感情表現じゃないし、何気にもっと下の方でそのIDKもちゃんと挙げられていたので、単なるミスかもしれませんね。
まぁこれだけ面白い記事の揚げ足取りはともかく、「IDx」と来たら、基本的に「I don't xx」という略語かなというのは察しがつきますし、これもカジュアルに使われまくってそうな略語といえましょう。
ただ、日本語直訳の「私は気にしない」だと、「何でも構わんよ」みたいな大らかなニュアンスが感じられるかもしれないんですけれども、(上で併記した日本語訳にもそのニュアンスを出しておきましたが)基本的にこのフレーズは「興味なし・どーでもえぇわい・知らんがな」という無関心・投げやりなニュアンスを強く示す際によく使われがちだといえるので注意が必要かもしれませんね。
(もちろん言い方や文脈ではそういうネガティブな形になるとは限らず、例えば「あなたの行動は立派だと思うけど、それを良く思わない人たちが、陰で悪口を言っていたよ」「I don't care. I'm just going my own way.(気にしないさ。我が道を行くだけだよ)」みたいな対話中での台詞ならこれは中々カッコいい使い方にも思えますけど、まぁこれも含めて、基本的に「我関せず」って雰囲気が強い表現といえそうですね。
そう書けば、何かを尋ねられた際、例えば「ランチはどこにしようか?」という質問に対して「I don't care.」とだけ答えてしまうと、「知らね。どうでもいい。勝手にして」という非常にぶっきらぼうな態度でとても冷たい感じに取られてしまうという危険性がある…ということはご理解いただけるように思います。)
ちなみに、これに似たフレーズとしては、まさに「IDx」シリーズとして「I don't mind.」が挙げられますが、参考記事の100語超リストの中には、「IDM」は存在しませんでしたね。
一応検索してみたらかろうじて、スラングに強いUrban Dictionaryにて、「idmはI don't mindの略」という説明がみつかりました(↓)。
しかし、検索結果を色々見て総合してみる限り、これはIDCに比べてあんまり使われてる気配のない略語な気がしちゃいますね。
そもそもこいつの意味としては……IDCとは若干の違いがある気はするものの、僕の力ではハッキリと説明するには至らなかったので、久しぶりに集合知の力をお借りしましょう。
検索したらトップ付近にヒットしてきた、おなじみStack Exchangeの記事から、(今回もちょっと時間がなかったので)質問者の選んだベストアンサーと、回答スコアがそれより上だった閲覧者の選んだトップアンサーの2点だけ引用させてもらおうかと思います。
Philipp M(質問者):「don't care」と「don't mind」の違いは何?(質問スコア9点)
「don't mind」はとても丁寧で優しい響きがあります。「It's ok with me.(私にとってはOKです)」と言っているような感じですね;しかし、「don't care」はより強い響きがあって、「It doesn’t matter to me(私には関係ない)」と言っているようなものになります。
気になった点:本当に単により強い響きのものなのか、それとももっと違う何かがあるのかな?
Matthaeus(上位26%に位置する優良回答者):回答スコア8点【回答者の選んだベストアンサー】
私がこれまで聞いたことのあるイギリス人の言い方から判断すると、「I don't mind」は、この表現を使う人が、ある状況の結果をいい感じで受け入れることを表現したいときにだけ使われるものだといえるね。しかし、「I don't care」は無関心を表し、ある状況の結果が自分にとって全く重要でないことを示すために使われることもある感じだよ。
そのため、この表現を使ったメッセージにはネガティブなニュアンスが含まれることがあるわけだけど―私の知る限り―「I don't mind」にはネガティブなニュアンスは含まれないように思うな。つまり、「I don't mind」は「I don't care」を置き換えて使うことができるけれど、その逆はあり得ないということだね。
子供:「Mum, can I go out and play potentially dangerous ball games like football or soccer with my friends?」
(お母さん、フットボールとかサッカーみたいな危ないかもしれない球技を友達とやってもいい?)母: 「I don't mind—the risk is worth the healthy consequences of sport, therefore I take notice and don't object」
(いいわよ―その危険性よりスポーツで健康になることの方が価値があるから、気をつけるようにして、反対はしないよ」。または
母:「I don't care—do what you will, your activities do not concern me, I lack authority to form an opinion or I refuse to do so.」
(ご勝手に―好きなようになさいな、あなたの行動は私の関与する所じゃないし、そもそも私に意見を述べる権利なんてないというか、あっても拒否するわよ」。
Colin Fine(上位0.10%に位置する超優良回答者):回答スコア14点
don't mindには、don't object(反対しない)のような別の意味もあるね。
しかし、君のおっしゃる使い方に関しては、その違いはおっしゃられた通りのものだね。仄めかされているニュアンスとしては、こんな感じだと思う:
I don't mind
これは、「thank you for asking, as I might have had a preference, but actually I don't care to express one. (尋ねてくれてありがとう。ひょっとしたら個人的な好みはあったかもしれないけど、実際言うほどには気にしてないものだから)」みたいな意味だね。
I don't care
こちらは、「I haven't a preference, and there was no reason why you should think I might have.(私には好みがないし、君がそんな風に思う理由も特にないよね)」というような意味になり得るよ。
結局の所、投げやりなニュアンスの強い「IDC」よりも、「IDM」はより中立的でマイルドな「気にしないよ」という意味が強いということで、個人的にはそっちが沢山使われる世の中であってくれた方が嬉しいなぁと思えるものの、まぁ実際キッズ達は「いや知らんし(笑)」「関係ねー、どーでもいー!(笑)」というニュアンスのやり取りの方がメインといえるのかもしれませんね。
なお、「don't mind」といえば……と、「このネタになったら当然、必ず語られるべき話」が控えているわけですけど、例によってまたしてもちょっと時間が足りなかったので、そちらの補足はまた次回にまわさせていただこうと思います。
もったいぶる話でも全くないですが、アイキャッチ画像ネタが皆無だったので、その補足ネタのヒントとしてはこんな感じですね(↓)。
NCH(ネクスト・コナンズ・ヒント)ばりに何の意味もないヒントで恐縮ですが(笑)。