続×5・ナウいスラングを知っておこう:ナメんなよ!他

第7回目となりますイマドキ英語スラングシリーズ(前回、「『続4』だけど第5回目ですね」とかしたり顔で書いていたのに、どうやら「続」というのをつける前に2回ほど記事をまとめていたという事実に気付きまして、数字に+2する必要があった形でした。あまりにもどうでもいいにも程がある話で恐縮です(笑))、今回も↓の55語紹介記事を参考にする形で、早速続きを見ていこうと思います。

 

www.verywellfamily.com

 …とその前に、毎度大変ご丁寧なコメントを送ってくださるアンさんから、こないだの記事に関するご質問を含むコメを頂戴していました。

それ以前の記事のご質問も大量に保留状態なのにこれだけピックアップするのも少し中途半端な気がしたのですが、ちょっと軽く今後のシリーズ続きに対して補足的に触れておこうかな、と思えた部分があったため、これだけ軽く触れさせてもらう所から始めさせていただく形です。


大変ありがたいご質問、毎度本当に感謝感激の極みにございます!

 

「IKR?」は、「I know」はそうかなって思ってましたが、最後の「R」はrightなんですね。例のスティーブも言ってたやつですね笑

あ、でも主語が自分だからrightで簡単に疑問文とはちょっと違うのか…。

意味がってことではなく、この使われ方自体が若者スラングっていうことになるんですかね?


最後のmoodは、「Mood: Dead(気分:死亡)」と使われるのはなんとなくわかりますが、合意の意味でっていうのは、何がどうなってそうなるんでしょう?

と思って軽く調べてみたら、moodには意向っていう意味があるみたいなので、そこからですかね?

知らないとわからないですね、やっぱり。

これもある意味「知ってる人なら当然知ってるよね」っていうことかも?笑


⇒まず前半の「IKR」に関しては、僕は正直見たこともなかったため、「イケアか何かかな?」とか思いましたけど(って流石にそれはウソですが(笑))、「..., right?」に関しては、以前この記事(↓)で触れたことがありましたけれども……

con-cats.hatenablog.com

…何度かオススメして、アンさんも実際にお手に取っていただいたという名著『なるほど100』のスティーブさんも、そういえばしっかり説明してくれていたフレーズでしたね。

僕がこの語を自然に馴染み深く使えているのも、スティーブさんの説明あってのものだったように思えます。


その、末尾につける「..., right?」について改めて触れておくと、こいつはアンさんの書かれている通り「簡単に疑問文を作る」という便利なヤツですが、まぁそれだと「I know, right?」が何のこっちゃよぉ分かりませんし、そこから少し発展させて捉えてみると、ちょうど付加疑問文同様、「~でしょ?」「~だよね」と、むしろ同意を得るような表現(…というのもちょっと違うかもしれませんが、純粋な疑問文よりもっとこう何といいますか、「自己完結している感じ」ですかね)と考えるのがいいかもしれません。

そんな雰囲気で読み取ってみれば、「IKR」というのは「私は知っている、のかな?」という自問自答ニュアンスというより、「私も知ってるんだよねぇ~、君もそう思うでしょでしょ?」という、心からの同意を込めた意思表示みたいな、改めて考えてみると、より良いというかドンピシャな表現としては、日本語の若者言葉の一種「それな」にめっちゃそっくりといえそうですね。


「それな」も、別に表現自体は別に新しく創造されたものというわけではなく、昔からあるれっきとしたカジュアルな日本語ですけど、最近の若い子らが「同意」を意味する上でめっちゃ使うという点も込みで、「IKR」とほぼ完全一致な表現に思えます。


(ちょうど後半でいただいていたご質問にもつながる点になりますが、)「それな」や「マジそれ!」という表現・意味のみが若者的なのか、それとも(表現が「それですよね」とかに変わったとしても)「同意を示す」的なその使われ方こそが若者的なのかを考える意味はあまりないのと同様、お尋ねになられていた「IKR」という表現・意味がスラングなのか、それとも「I know, right?」という使われ方自体がスラングなのか?…という疑問点は、まぁ人によって考えは変わりそうですし、あえてその辺区別して考える意味もないのかな、という気がします。


(とはいえただし、「IKR」も「I know, right」もフォーマルな表現ではないので、「考える意味がない」というより、「まぁスラング的な場面でしか見ない気がするし、フォーマルな場で使うのは控えた方がいいでしょうね」とはいえると思いますが……。

 日本語でも、ビジネスシーンで同意する際、「それな」は論外として、「それですよねぇ~」ではなく「私もそう思います」「同意いたします」のように答える方が適切なのに近いといえましょう。英語なら、フォーマルな返しは「I thoroughly agree with you.」とかですね)

 

続いてのmoodについてのご質問、「何がどうなって、『ムード』が『同意』に?」という点ですが、これもまさに今しがた見ていたお話同様、「考える意味があまりない」…というのはちょっと語弊がありますけど、「考えてもハッキリしない気がする」みたいな、言語ネタあるあるの「考えるな、感じろ」の一種な気もしちゃいますね(笑)。


例えば日本語で考えてみても、パッと思いついた若者言葉(死語)で「マブい」とかありますけど、まぁこれは「眩しい」から転じて「美しい・可愛い(主に女性)」という意味合いになる古い言葉ですが、外国人日本語学習者に「なぜ『眩しい』という語が『美しい』という意味になるのですか?しかも『し』が省略されるというのは、なぜなのでしょう?」とか聞かれても、「いやごめん、多分そんなこと誰も知らねぇと思うわ。流行語なんてそんなもんちゃう?」としか答えられないのに近い気がしますね。


(まぁこの例なら正直、「美しすぎて輝いて見えるから、転じて『神々しくて眩しく感じる』みたいな例え話的に使われるようになったんでしょ、そりゃ」とある程度推測は立つのであんまり適切じゃなかったかもしれませんけど、あくまでこれは思い付きの例で、もっと「何でよ」と思える語はありますしね。

…とか言いつつパッとは思いつきませんが……って、ちょうど関連して浮かんだ『マブダチ』という言葉、これ、「美しい友達」って意味でもあるまいし、何でだ?と思ったら……

www.weblio.jp

…我らがWeblio辞書によると、↑のリンクカードに表示されている説明文のすぐ次にあるように『「マブ」は「真実・本物・本当のこと」を意味する俗語』だそうで、さらに念のため「マブ」も見てみたら、この「マブ」という単語自体に「美しい」という意味が掲載されていました(むしろ、「3. 真実・本物」という説明よりも上の、2番目に)。)


ということで「マブい」は全然いい例ではなかったというか、実際「美しい」という意味が元々ある独立した語だったということで、先ほどの「知らねぇよ、シッシッ!」と門前払いした日本語学習者がもし熱心に調べる人だったとしたら、後で陰ながらバカにされてしまいそうな感じであることが判明しちゃいました(笑)。


…がしかし、逆にいえば日本語ネイティブでもそんなことを知ってる人の方が少ないのはほぼ間違いないわけで、「マブ」という単語をたまたま習って知ってる日本語学習者より、それを知らない日本語ネイティブの方が確実に日本語力が上といえますから、もちろん「気にしたら負け」とまでは絶対にいかないし、何なら僕自身が「由来・語源」を気にするタイプですけど、とりあえず「考えるな、感じろ」の精神でいる方が語学を習得する上ではいい場面も多い気がする…ってお話ですね。

(僕が経験年数の割に英語力が低いのも、それが原因な点もありそうなので、自らを反省してかく語りき……という、自戒の言ともいえそうです。

 ちなみに「考える意味がない例」として思いついたのでは、例えば「OK牧場」の「牧場」って何だよ、とかそういうのがありますかね(笑))

 

とはいえしかし、moodが「合意」を意味するのは、まさに「意向」的な意味から派生して生まれたんだろうなというのはなるほどと思えますし、これは大変納得できる、考える意味のあったパターンに思えます。

こういうのは分かりやすいですし、知っておくと記憶に定着しやすい&ど忘れしてもすぐに思い出せることにつながる、物事を覚える上手いやり方だといえましょう。

(…って、「考えるな、感じろ」と言ったり、「きちんと由来まで考えると覚えやすいですね」と言ったり、主張がグチャグチャにも程がありますが(笑)、何事も一方向で決め付けず、臨機応変に柔軟に行きましょう…ってのが個人的には一番大切に思える点かもしれません……と、それっぽく上手い感じでまとめておきたい所です(笑)。)

 

実際、この「なぜそういう意味に?」というのは僕自身とても気になるポイントですし、分かる範囲で推測してみるとともに、Slang.netやUrban Dictionaryなんかで由来が触れられている際は、省略せずに触れていこうと思います……というのがご質問をいただいて思った点なので、「以後は、分かる範囲で由来も考えてみます」と宣言すべく、今回ご質問に触れさせていただいた形でした。


(ちなみに前回のsaltyについて書いていたのはこのご質問コメントをいただく前でしたが、ちょうど参照記事にその旨が記されていたこともあり、saltyの由来については軽く触れていた感じでしたね。

 そんな感じで、特にSlang.netには「これこれこういう意味から派生して…」という説明が結構なされているので、見かけたら省略せずぜひ参考に引用させていただこうと思います。)

 

前置き補足・ご質問ネタで案外長くなりましたが。せめて1語ぐらいは続きを見ていくといたしましょう。

  • Sleep On - 何か、または誰かの価値について無知であること(つまり、「Don't sleep on the new Ariana single(アリアナのニューシングルの良さに気付かないようではいけない→アリアナのニューシングルを見くびるな!)」のように)


こちらSleep onは、言われてみれば理解できる気もするけど、パッと見では意味が掴みかねる表現といえそうです。

このフレーズに限らず、スラングというのは(特に一般語を使うものであれば)それ以外に本来の意味もあって、この場合は「sleep on~」で「~を一晩寝ながら考える・十分時間を置いて考える」みたいなほぼそのままの意味(とはいえこれもイディオム的な意味合いがあるとはいえますが)もあるわけですが、ここではもっとスラング的な使い方が紹介されている形ですね。


元記事で示されている説明は何かお堅い言い回しでちょっと意味が判然としない気もしちゃうものの、これは結局、「~の価値に気付かない・見落としてしまう」=「ウトウトしてたら 見逃しちゃうぞ~!」という意味で、そう考えたらsleepという語が使われているのも納得といえましょう。


例文も分かりやすく、「Don't sleep on the new Ariana single(アリアナのニューシングルの良さに気付かないようではいけない→アリアナのニューシングルはめっさイイよ、見逃すな!)」という意味合いになる感じ……と思って前回のスラングリストの訳ではそう書いていたのですが、Slang.netの方もチェックしてみたら、若干意訳がズレていた気もしてきました。


まずは例によってSlang.netの説明文&例文をスクショ引用させていただきましょう。

 

https://slang.net/meaning/sleep_onより


 デカデカと定義が書かれている通り、こちらは「Underestimate(過小評価する)」という意味で、ツラツラ書かれている説明文も読んでみる限り、「見逃す」というよりむしろ、「見くびる・ナメる」というニュアンスの方がより近いのかな、と思えてきた感じです。


つまり、アリアナの新曲の例でいえば、恐らく周りのアリアナアンチの子らに向かって、「アリアナの新曲をバカにするな!」ということを叫んでいる例文だと考えた方がより適切だった…といえそうです。

「お見逃しなく」であれば、それより遥かに普通な表現である「Don't miss~!」とするのが普通ですし、間違いなく「バカにすんじゃねぇ」の方がより適切な解釈ですね。


一方、説明文に「The phrase comes from the idea that ...」という「どんな考えから生まれたスラングか」というそのものズバリの文があったので、宣言通り由来の方も見てみますと、まぁこれは何の捻りもなく『人が何かに退屈したり圧倒されたりして、眠ってしまうような状態になってしまう』という考えから転じて出てきたフレーズということのようです。


先ほどは「ウトウトしてたら見逃しちゃうぞ」という名曲の歌詞をお借りしましたが、それを踏まえ、勘違いしていた部分を考慮して訂正すると、「(これの良さに気付かないほど)ボヤボヤしてんじゃねーぞ!」という感じで、まぁ「sleep」という語から一応連想はできる形になっているとはいえるでしょうか。

(というかこれも、日本語の「ナメる」が、冷静に考えたらなぜ「見下す」という意味になるのか、マジでよぉ考えたら「ペロペロする」と「バカにする」は全然関係ありませんし(=バカにしてる相手をペロリンチョするヤツはいない)、「厳密な関係を求めたら負け、そう言うからそう言うんだ」…と納得する他ないものといえるかもしれませんね。)


他にSlang.netに書いてあったこととしては、スポーツで弱小チーム・選手が強豪を打ち負かしたときに、ファンや本人が「俺をナメんなよ!」という場面で「Don't sleep on me!!」と叫ぶのが典型的な使われ方です…なんてのもありましたが、これは大変分かりやすいですね。


(説明文では『ダビデゴリアテ』が例に挙げられていましたが、無教養な僕は名前を何となく聞いたことがあるぐらいで詳細を知らなかったんですけど、これは少年ダビデが巨人ゴリアテを打ち負かす、聖書の物語だったんですね(参考↓))

www.churchofjesuschrist.org


チャット型例文も、そんな雰囲気の文になっています。

Don't sleep on me, man. I'll take you down!

(てめぇ、俺をナメるんじゃねぇぞ。ブッ倒してやる!)

 

まぁ、あんまり「ナメんじゃねぇぞ!」なんて言う場面にそもそも出くわしたくないのが本音ですけど(笑)、もうちょい穏やかに「バカにしないでよ!」と言いたい場面がもしあったとしたら、この「Don't sleep on me」なんかが咄嗟に出てくれば、「あなたはボンヤリ寝ているも同然よ」と痛烈な皮肉も込めたメッセージになっていますし、見下してくるような相手にはちょうどいい言い返しかもしれませんね。


「sleep」なんて穏やかな表現に思えるのに、意外と強烈な煽り文句になっているのも意外でしたが、それでこそ人気スラングといえる感じでしょうか。

 

…といった所で、既に結構な分量になっているため、続きのスラングはまた次回順番に見ていこうと思います。

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