ラスト・青い花で学ぶ英語

ついに、結構長きに渡った、SBFをお借りしての「楽しく学ぶ英語シリーズ」もこれにて完結ですね。

早速、前回の続きから、『青い花』第一話で使われていた、残る面白い英語表現(擬音語擬態語中心に)を見ていくといたしましょう。

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青い花で学ぶ英語】

(1) p. 14:"WHSH"(ダッ:走り去る音)

前回最後に見ていた、あーちゃんが「オエー」と言いながら、列から走り去る音ですね。

ぶっちゃけ何と読めばいいのかすら分かりませんが(笑)(「ウィッシュ」と「ワッシュ」と「フゥシュ」を足して4で割ったぐらい?(笑))、これはまぁ、SHシュの部分がダッシュしている感じもあって、まあまあ、言いたい感じは分かんなくもない言葉な気もします。


基本的にこの手の英語の擬態語って母音がないことが多い印象ですけど(だからこそ、「何て読むんだよ!」とイラつきを覚えるわけですが(笑))、むしろそれだからこそ「実際は存在しない音」「人間から発せられたわけではない音」であることを示している、といえるのかもしれませんね。

 

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(1) p. 14:"BUMP"(ドンッ)

そしてふみちゃんにぶつかったあーちゃんですが、ぶつかったときの音・BUMPは、これはありがちでよく見聞きする気がする、分かりやすい表現といえましょう。

こないだのコーナーでもGoose bumps(鳥肌)として出て来ましたが、「突起」とか「でっぱり」とか(そういうでっぱりに)「ぶつかる」とかそんなようなものは全部バンプに帰着するわけですね。

ぶつかったとき、衝撃を和らげるためにある車の緩衝部位・バンパーもまさにbumpから派生して出来た語といえましょう。

「ドンッ!」より「バンプッ!」の方が何となく音として柔らかいので、ぶつかった痛みが小さそうなのはBUMPの方かもしれませんね(そうかぁ?)。

 

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(1) p. 14:"PSHHT"(プシュー:電車の扉が開く音)

そしてその後電車の扉が開きますが、これはまさに完全に日英同一の表現かと思われますけど、例によってここではやはり母音がない形で書かれていますね。

また、英語だと「プシューート」という感じになりそうですけど、何となく動きのあるシュート感がより良く出せている気もするので、これも悪くない表現といえましょう。

擬態語擬音語のプロ・日本人の目からも、これは合格ですね(謎の上から目線)。

 

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(1) p. 15:"KLIK KLAK"(タタン タタン:電車の揺れる音)

日本語でも電車の音は、まさにここで使われているタタンタタンの他にもガタンゴトンとか色々書けますが、英語版の「クリック・クラック」は、「まこれちょっと電車にしては物足りないんとちゃいます?」って気もしちゃいましたし、「電車が走る重厚な音なんだから、やっぱり濁音がなくっちゃあさぁ!」…と書こうと思ったら、志村さんの描かれたタタンタタンも濁音のない軽い音でしたね(笑)。

しかし、p. 184にも電車のシーンがありましたが、日本語版オリジナルだとそちらは「ガタタン」となっているのに対し英語版はバカの一つ覚えみたいにそこでもKLIK KLAKになっていましたから、やはり我々日本語の音表現の方が一枚上手ということでファイナルアンサーでしょう(笑)。

 

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(1) p. 17:"WHOMP"(ゴソゴソ)

これ、実は正直あーちゃんが一体何してるのか一瞬若干不明だったんですけど、まぁ、痴漢を撃退するために鞄から何か探して取り出している所かと思いますが、それにしては目線は痴漢を探す方を向いてるしな…とも思えてしまったわけですけれども、それもあってか、英語版では、前回の"THOK" "WHOK"の親戚での"WHOMP"という、これまた「ドカッ」と何かをヒットさせる音に変わっている感じですね。

まぁ、日本語版ではゴソゴソ何かを探して、次のコマで痴漢の「痛っ」なため、あーちゃんが実際に暴力を振るったシーンが直接的に描写されているわけではないといえる一方、英語版では音的に確実に殴っちゃってますから、善良なあーちゃんであって欲しい派としては、日本語版の方が好きといえるかもしれませんね(笑)。

 

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(1) p. 21:"CLAP CLAP"(パチパチパチ)

来ましたね、拍手の表現を、ただ「拍手」を意味する単語を並べるだけという、英語特有のゴミ表現法が!

日本語で考えると、「パチパチパチ」が「拍手拍手拍手拍手」と書かれてる感じなのでシュールにも程がありますけど(笑)、まぁ一応、CLAPは発音的にかろうじて手を叩いている音に、十歩譲ってやれば聞こえ(見え)なくもないので、まぁ許容範囲でしょうか。


…と偉そうにいいつつ、冷静に考えたら「パチパチ」も、「拍手の音、パチパチかぁ?(笑)」と思えてくるというか、「もしもし」同様、「改めて落ち着いて考えてみると、何だか無駄に可愛い単語だなおい…」と笑えてきましたね。

かといってじゃあどう表現すればいいのさ?といわれたら、本来なら手が触れる瞬間は一度であり、「チ」が入る要素がないので「パパパパ…」とか、あるいはせめて一音節扱いの「パンパンパン…」な気もしますけど、それだと何か違う表現にも思えますし(笑)、まぁ一目で拍手だと確実に分かる「パチパチ」の完成度が意外に高いことを再認識できたという感じかもしれませんね。

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(1) p. 23:"S I I I GH"(はーー…)

こちら、溜め息を「sigh...」で表すのも極めて有名でおなじみなやつかと思いますけど、まぁ「サーイ…」と元気なく言う感じは溜め息っぽくはあるものの、やっぱり日本人的には「はぁ~っ…」ですね。

伸ばす表現が、語末ではなく途中の「I」が連なることで表現されるのもやっぱり「はぁーーー…」という形に慣れた民族としてはやや違和感ですけど、一応、「英語でも長く溜め息をつく表現が可能であってよかったね」ということにしといてあげましょう(笑)。

 

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(1) p. 25:"GR I I I I I N"(にかーーっ)

同じくかしまし三人娘の、ふみちゃんから目線をもらっての屈託ない笑い顔「にか~っ!」ですが、何となくややGReeeeNを彷彿とさせますけど、grinが「(歯を見せて)ニッコリと笑う」という意味の単語なので、これも結局その意味の単語を載せてるだけという擬態語の風上にも置けないやつなわけですが、とはいえ実際「グリィィィン」と言ってみると確かに笑顔になるっちゃなるともいえるので、これまた案外悪くない表現ですね。

こちらも「I」を並べて、より長く笑ってることを表せるのもグッドといえましょう。

 

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(1) p. 27:"SWIK"(チャッ:電話を取る音)

こちらは大分日本語と違うパターンですが、SWIKというのはShooting with Intent to Killの頭文字を取った略語(「殺意を持って撃ち殺すこと」)という物騒な意味もあるようですけど、確かに、銃を構えるのと、電話をカチャッと取るのは、少なくとも音だけなら近しいものがあるともいえるかもしれませんね。

日本語的には「スウィック」が電話をガチャリと取る音とは到底思えませんけど、まぁこれこそまさに文化の差という所でしょうか。

 

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(1) p. 34:"DING DONG"(キンコーン:玄関のチャイム)

そして最後は、これまためちゃくちゃ有名なやつ、この場面のあーちゃん家はキンコーンでしたが、ピンポーンだろうと何だろうと、英語のドアベルは一律「ディンドン」で表されるってやつですね。

King kongだとまさにキングコングになってしまうし、Ping pongだと英語では卓球になってしまうので、まぁディンドンしかないのか、って話なのかもしれません。


ちなみに、クイズに正解した時に言いたくなるピンポーンも当然英語だとPinPonとかではなく、これはまぁBINGO!でしょうね。

 

あと全く関係ないですが、似たような「日英で微妙に違う」やつ、パッと思いついたのだと、登場シーンとかプレゼントお披露目シーンとかで言いたくなる「ジャジャーン!」は、英語だと確実に「ta-dah!(タダー!)」になります。

「『タダー』ってお前(笑)、何が無料なんだよ、そこは『ジャジャーン』だろうがよ」と大和魂あふれる僕なんぞは思ってしまうわけですけど、こればっかりは、恐らく向こうもジャジャーンに同じ違和感を覚えるでしょうから、お互い様ってやつかもしれませんね(笑)。

 

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というわけで、SBFを使って楽しく学ぶ英語のコーナー、これにて完了とさせていただきましょう。

まぁあんまりそんな言うほどのネタでもなかったですけど、いずれにせよ、色々な表現の違いが見れて、大変面白かったです。


流石に書くことがなさすぎて一瞬で終わると思っていたら、一言二言ずつ積み重なって結構いい量になりましたし、「補足」と言いつつ、全然関係ない豆知識を披露するだけなので、もうなくてもいいかと思いましたけど、最後、前回からの続きで、前々回に触れていたネタの補足余談ネタに、まぁせっかくなので触れておきましょう。

全く青い花ともSBFとも関係ない、単なるちょっとした英語ネタですね。


今回は、「Incidentally」の項目で思いついていたこと2点です。

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前々回の補足】

「『アクシデント』と『インシデント』という単語が、日本語でも『事故』と『事件』という極めてピタリと対応する語があって、とても分かりやすい」ということを書いていたんですけど、これに関して僕が必ず思い浮かぶものとして、byuntilなんかもありますね。

この似たような意味の2語、何気に日本語でも「までに」と「まで」という、似ているけれど完全に使い分けが可能な表現にマジで完全一致しているのが、とても印象的です。


説明するまでもないですが、例えばby 6 pmとuntil 6 pm、例文を書くと、

・We have to finish it by 6 pm.(「18時までに終わらせなければいけない」)

・We will be here until 6 pm.(「18時までここにいるよ」)

(一つ目は分かりやすいように違う文にしましたが、二つ目のやつなら、全く同じ文でいけましたね。
・We will be here by 6 pm.で、例えば地図を指して「18時までにはここにいるよ」と言っているような感じの意味ですね。)

…という感じで、説明するまでもなくbyとuntilの使い分けはめちゃくちゃ明快に思うんですけど、何か受験生の中には「期限を表す」「継続を表す」とかよぉ分からん説明をされたせいでごっちゃになっちゃって、整理できないままになってしまっている人が、色々見ていたら案外少なくなかった印象がありますね。

byが「までに」で、untilが「まで」、幸い我々日本人はその使い分けが完璧に出来るので、それ以上一言の説明も必要ない話に思います。

 

もう1つincidentallyネタから、incident(事件)とincidentally(ちなみに)で、意味が結構違うなぁ、と感じていたんですけど(もちろん語源とかを考えればそこまで大きく違わないとはいえ)、全く同じパターンでよりよく目にする語に、最後オマケで触れておきましょう。

それが、「apparently」ですね。


apparent
apparently、何となくapparentという単語からは「明らかな」という意味が感じられるので、apparentlyも「明らかに、…」という意味の語なのかな、とか思いがちなんですけど、これが実は罠で、apparentlyという語は全然全く違って、「どうやら…のようだ」という意味で使われる言葉なんですよね(「明らかに」どころか、正反対の「多分ね」の意味合い)。


これ、特別このネタに取り立てて触れたことのない人だと、それなりに英語を勉強した人でもなぜか知らないことも多いと思うんですけど(というか、僕自身、出国前に英語ネタに積極的に触れてこの話にたまたま触れるまで、受験を終えたりその後大学院時代を経たりしてもなお、ずーっと知りませんでした)、マジでapparentlyが使われる文脈が「明らか」ではないのは明らかなので、むしろ形容詞のapparent(これは「明らかな」という意味)よりも、副詞のapparently(なぜか「一見するとどうやら~のようだ」という意味になる)の方がめっちゃ目にする気もしますから、出会ったときに迷わないようにご注意を、というネタでした。

(なお、「じゃあ『明らかに、○○である』と言いたい場合はどうすりゃいいのさ?」となりますが、それは、「Clearly, ...」とか、何か小難しい単語な気がするけどめっちゃよく使われる「Obviously, ...」とかになる感じですね(ちなみにこいつらは形容詞も副詞も同じ「明らか」系の意味になります。「明らかじゃん」って言いたいとき、「オブビァス」というこの言葉、実際普段から頻繁に使いまくってます)。
 「明らかに、○○である」と言いたい時に、apparentという形容詞につられて「Apparently, ...」と言ってしまうと「どうやら○○のようだ」と言ってることになってしまうのでご注意を、ってことですね。)


大した話でもありませんでした。

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次回は、青い花に関して、また一つ「せっかくならまとめておこうかな」と思った点があったので、そちらに触れてみようと思います。

無理くり作ったようなネタで恐縮かもしれませんが(笑)。

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