続・つなぎ言葉の前後にコンマは必要?(however, so編)

途中状態だったコメントの続きに早速……行く前に、ここ最近の記事でちょっと気になった点(言葉足らずだった点)の補足から参りましょう。


こないだ、「細かすぎる点をつっつきすぎるのもキモいだけだしぃ…」とか書いていたわけですが、これに関して、毎度大変丁寧なコメントをいただけるアンさんから、その後の記事で「1つ今回の英語で気になった点があったっちゃあったんだけど……細かすぎてキモいかもしれないので、今回はやめておきます(笑)」と、もちろん冗談交じりのメッセージなのは明らかなのですがそんな感じのコメントをいただいていまして、これ正直、よく考えたら、アンさんから毎度いただくご質問も若干否定してしまっている感じにもなってしまっていましたね。


一応補足しておきますと、例のキモいうんぬんはあくまで自虐的なジョークの一種であり、「こういう細かすぎる話が好きじゃない人のことも理解している所を示して、ポイント稼いだろ」というだけの、まぁはっきり言って実際はさして思ってないけど何となく「細かいことグチグチ語ってしまってるのは分かってますよ」的なことをアピールするための、いわば自己弁護的なアレだった感じです。

ということで、実は口からでまかせ…というとそれもそれで酷い気がしますが(笑)、実際は全くキモいとは思っていないどころかむしろ本当はもっと細かく掘り下げたいぐらいに思っているため、あれはなかったことにしてください……というのも調子が良すぎるものの、本当に他意はないというか実際はキモいと思ってすらいないため(笑)、まぁ下手な自虐ジョークの一環だった…としてスルーしていただければ幸いに存じます。


…なお、前回の内容も、見方によっては毎度ご質問いただけるアンさんを否定する形になっていた可能性もあるものの(「細かい点は気にせず、とにかく英語に触れる方が吉」的な)、これまた自分が勝手に掲げただけの「ぼくのかんがえるさいきょうの英語がくしゅうほう」的な話に過ぎず、あまりに理想論過ぎて実際現実を反映していませんので、現実的には細かい各論から少しずつ知識を増やしていくのも、間違ってるどころかむしろそれが最善の道とすら言える気もします。

(ただ、五文型とか、あまりにも英文解釈理論みたいな文法知識のための文法みたいなのは、やっぱり最初は絶対不要だと思うんですけどね。そういうのはめちゃくちゃ慣れた後に振り返って、「自分の理解の仕方は正しいのか?」といったことを整理するためのものにすぎないと思います。

 一方、まさに自分に都合が良すぎますが、これまでブログ記事で見てきたような話は、知ってて間違いなくお得だし役に立つものになっているのではないか、と思える感じですね(笑))


…ということで、ここ最近見ている文法ネタは、やや細かいとはいえるものの、気になる点はしっかりしらみつぶしに抑えておくようにしても間違いない部分でしょう……と、前回の話は何だったんだと思える手の平返しをして(笑)、また途中状態だった話に戻っていこうと思います。

 

途中になっていたコメネタは、つなぎ言葉の前後のコンマについてでした。

こないだはbecauseやandという、従属&等位接続詞を見ていたので、早速続きに参りましょう。

 

(上のリンク記事で見ていたコメントの再掲は省略しますが)続きはまず、howeverについてお尋ねになられていた所からですかね。

こちらは、そういえば文頭でも文中でも、基本的に必ず後ろにコンマをつけて区切る気がします。

Thereforeなんかは、マークさんによるとコンマのあるなしで「大げささ」が変わってくるということでしたけど、howeverをコンマなしで使うのは滅多に見ない気がしますねぇ。


一応ライフサイエンス辞書コーパスで改めて調べてみたら…
 

LSDコーパスでの「however」検索結果(1000件表示・末尾を表示)

まぁこないだも同じ検索をしていましたが今回はhoweverのすぐ後ろのコンマを見てみる形ですけれども、「however 」(=直後にスペース込み)でページ内検索した結果が上のスクショで、1000件中、一応(最下部に表示されている通り)23件ほど、後ろのコンマなしでスペースが入ってくる文もあった形ですか(ハイライトされている、998番目の例文が一例ですね)。


一応「なくはない」といえるものの、実際に例文が使われている論文を確認してみたら、ほとんどがヨーロッパや南米といった非英語圏の研究室の方が書かれたもので(一応イギリスの研究室のものもあったので、絶対ではないものの……でもイギリスの研究室でも、非ネイティブの方が書かれた可能性もありますしね)、やっぱり基本的にはhoweverは文頭だろうと文中だろうと、必ずコンマで区切るのが通常ではないかと思います。


これは、恐らくhoweverという単語にはこの接続副詞=「しかしながら」という用法の他に、「どんなに○○でも」という普通の副詞の用法もあり(どっちもインパクトがあって、ついつい覚えてしまうというか覚えやすい意味ですね(笑))、コンマなしだとその用法との違いが分かりにくくなるから、「しかしながら」で使う場合は必ずコンマで区切ることが推奨されてるのかもしれませんね。


(とはいえ、文の構造的に、別にコンマがなくても「どんなに○○でも」との区別は付くんですけどね。信頼と伝統の我らがケンブリッジ辞書にあった↓のような例文が、典型的な使い方といえましょう。

However hungry I am, I never seem to be able to finish off a whole pizza.

(どんなにお腹が空いていても、ピザ1枚全部を食べ切ることは決してできないと思う。)

…このように、基本的にhoweverの直後に「どんなに○○でも」の○○に対応する形容詞なりが来る形です。)

 

ちなみに、文中に置く場合は、howeverの後ろのみならず、前にも必ずコンマを置いて区切る必要がありますから、結論としては、つなぎ言葉のhoweverはコンマとの結びつきの強い単語といえそうですね。

 

一方、コメントでは続いて「so」についてもお尋ねいただいていましたが、こちらは基本的に「and」や「but」と同じ組になります。

要は、文法的にも同じカテゴリーに入れられている……すなわち前回見ていた等位接続詞なわけですけど、しかし、andのように単純に「名詞 and 名詞」のような使い方はできませんから、その意味で完全に同じとはいえず、ちょっと話も違ってくるといえる感じでしょうか。


ちょうど、こないだのand記事で見ていたGrammarlyの文法解説記事がまたとてもよくまとまっていたので、こちらをもとに(全文翻訳引用はしないものの)エッセンスを紹介させていただきましょう(↓)。

www.grammarly.com

まず、「soというのは等位接続詞グループだ」という説明が、よく聞く覚え方とともに紹介されていました。

So は、FANBOYSという語呂合わせ暗記法で表される、7つの等位接続詞のうちの1つです:for, and, nor, but, or, yet、それからsoですね。これらの等位接続詞が2つの独立した節をつなぐとき、接続詞の前には常にコンマが置かれます。

例 The grocery store was out of tomatoes, so I borrowed some from my neighbor.

 (スーパーがトマトを切らしていたので、ご近所さんから借りた。)


もう一つ例文が紹介された後に「シンプルでしょ?」という文が続いていますが、しかし、このFANBOYSの中で、soは違う顔も持つやつなので注意が必要だ、ということが説明されている感じですね。


そう、soは実は従属接続詞的な用途としても使えるものであり、その意味で使われた場合、soの前にコンマは置かない、という説明がされていた形です(まぁこれはこないだから見ていた従属接続詞のルールではありますね)。

(また、この意味でのsoは、従属接続詞的な用法ではありますが、こちらは(前回見ていたbecauseやalthoughと違い)so節の前置きができない形ですね。

 等位的にも従属的にも使えるけど、どちらも純粋なものとはちょっと違うこともある辺り、soは結構特別な単語と言える気がします。)

コンマ不要=「従属接続詞的な使い方のso」で紹介されていた2つの例文を引用させていただきましょう。

例 I went to the store so I could buy tomatoes.

(トマトを買うために例の店に行った。)

例 Carl studied hard so he could pass the test.

(カールは、試験に合格できるよう、一生懸命勉強した。)


結局、意味を考えてコンマのあるなしが分かれるといえるので、これはちょっと厄介なパターンですね。

とはいえ、記事の続きの説明にあるように、soを「therefore」で置き換えられるならこれは等位接続詞パターンなのでコンマが必要、一方「so that」で置き換えられるなら(まぁ日本人的にはこの置き換えはちょっと分かりにくいですけど、要は「○○(=soが従えている部分の話)ができるように」って意味ですね)、その場合は従属接続詞パターンなのでコンマはつけない…という、「Aだ、したがって、Bだ」か「Bできるように、Aだ」なのかを判別すればいい形で、まぁそこまで複雑ではないのが幸いでしょうか。


ちなみにこの記事はこの説明で終わっていましたが、soの後にコンマをつけるかどうかも案外ややこしくて、正直僕自身ハッキリしたルールは分からないものの(調べても、↑の記事のようにコンマの前に付いては雄弁に語られている一方、後ろについては体系的にまとめてくれた記事がイマイチ見つかりませんでした)、基本的にsoの後にコンマが必須なことはほぼないと思います。


とはいえ、特に会話的な表現でよく使われる「文頭のSo」なんか だと、これはリズムとしてコンマが置かれることが多いとは思います。

リズム的には置く方が読みやすいのは間違いないとは思えるものの、これも一応必須ではないように思うんですけれども、(口語的ではあるけれど)実際僕自身メールの文章なんかでもこいつはよく使ってるんですが(「だから、…」という感じで「So, …」ですね)、少なくとも、僕も最近使うようになったMicrosoft365のクラウド上のスペルチェッカー・文法アドバイスAIは、この形式でコンマを抜くと、二重線で「コンマあった方がいいよ~」って警告が出てくる感じですね。


せっかくなのでコンマなしの文頭So文を入力して、警告が出てくる様子のスクショも撮っておきましょう(↓)。

Microsoft先生による警告

ただ調べたら、「文頭のSoの後には伝統的にコンマは置かないのが正式であったが、最近は置くようになっている」という説明も見た気がしますし(色々見ていたので、どこで見たか出典が不明になってしまいましたが…)、これはまぁ本当にややこしい所ですね。

やはり、文頭の「そうだから、…」という意味での「So」は本当に口語的ですし、基本的に正式なお堅い文で書くことはまずないので、まぁ厳密なルールはどうでもいいとはいえるポイントかもしれませんね。


他にも、マーク本で触れられていた、「soをveryの意味で気軽に使うのはやめて!」という内容も興味深い所で取り上げてみようかと思ったのですが、これまた正直僕自身割と適当にveryの置き換えでsoを使うこともありますし、あんま意識しないでいいんじゃないかな、って気がしますね(笑)。

(改めて、正式な文でsoを使うことはまずないですし、使う場合は基本的にカジュアルな場面に限られるため、堅いことは言いっこなしよ、って感じですね。

 厳密な使い分けの気になる方は、ぜひマーク本をお手に取っていただければと思います。)

 

それではまた次回、いただいていた別のコメントの続きを見ていく予定です。

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