英語のつなぎ言葉、いわゆる接続副詞のリスト

早速、一連の「英語のつなぎ言葉」シリーズでいただいていたコメントに触れて参りましょう。

例のごとく毎度大変丁寧で面白いコメントをお送りいただけるアンさんより拝受したもので、(特にどの記事宛かはあまり関係ないものの)今回最初に触れるのは、こちらの記事(→続々・英作文で使える便利なつなぎ言葉のまとめ・注意点:accordingly, consequently編)に対してのものでした。

順番に引用し、ご質問・ポイントごとに振り返らせていただこうと思います。

 

accordinglyもconsequentlyも知らなかったので、イメージとしてあまりピンとこない感じではありますが、使い分けの解説はとてもわかりやすかったですね。

(もちろん、使えるという意味ではありません笑)


この2つの単語は、品詞の異なる別の単語もあるということでしたが、

例えば、「accordingly,〜」とあれば、接続詞で「したがって」っていう意味になるとして、文の中に入っている例も書かれていましたよね?その場合も、意味は変わらず「したがって」ということなんですかね?


文の中に入ると、なんとなく副詞みたいなイメージがあるので(suddenlyとか、 incidentallyもそうでしょうか…)接続してるような感覚にならないっていうか、、やっぱりコンマが大きな役割を果たしているとか、そんな感じですか?


⇒実はこの辺、僕もかなり適当に使い分けていたというか、正直文法用語や定義なんてマジでどうでもいいと思う派なんですけど、一応、「accordingly」や「consequently」は接続詞ではなく、分類上は副詞になる感じですね。

とはいえ、意味的には接続詞に近いので、しばしば「接続副詞」とか言われたりしますし、僕はその辺がややこしいので漠然と「つなぎ言葉」なんて書いていたわけですけど、まぁぶっちゃけ意味と使い方さえきちんと抑えられれば、品詞名なんて本気でどうでもいいと思います。


そんなわけで接続詞とか副詞とかいう用語の利用はなるべく避けていこうと思いますが、その辺の用語抜きでも、言わんとされていること・お尋ねになられていることは一応明確な感じといえましょう。

「accordinglyが文の頭にあるときと途中に登場するときとで意味が変わるか?」というのが最初のポイントと思われますが、これはズバリ、何も変わらないというのが回答ですね。


(以下は、accordinglyを用いるべき例文という訳ではなく、単に分かりやすく日本語で書いてみるだけですが…)

「朝ごはんを食べそびれた。したがって、昼ごはんは豪勢に食べ放題へ行こう」

というのと、

「朝ごはんを食べそびれた。昼ごはんは、したがって、豪勢に食べ放題へ行こう」

というので、全く意味もニュアンスも変わらない(ちょっと文体が違うだけ。日本語の場合、単に後者はちょっと不自然……とまではいかず、まぁ別にそういう言い方もあるかな、と思えますが(これ以上「したがって」が後ろに行くと、確実に不自然になるものの)、より普通っぽいのはやっぱり前者に思えますね)わけですけど、まぁそれと同じといえましょう。


ちょっと文体というか言い回しが変わるだけで、意味は全く変わりません。

なので、こいつらが仮に途中に出てきても、日本語にする場合は文頭と同じ扱いで訳しても全く問題ないように思います。


一方、最後の『文の中に入ると、なんとなく副詞みたいなイメージがあるので(suddenlyとか、 incidentallyもそうでしょうか…)接続してるような感覚にならない』に関しては、改めて結局どの語も副詞なので同じっちゃ同じなんですけど品詞名はともかく、結局違いは「文の頭・中」というより、その単語の持つ意味合いにあるのかな、って気がします。

つなぎ言葉的に用いられる副詞、いわゆる接続副詞は、基本的にどこにあろうと、前の文や節と、それにつながる後ろの部分とを接続しているような感じで使われるわけですが(「○○であった。しかしながら、××であった」(もちろん太字部分はしたがってとか要するにとか、色々な単語があります)という感じで)、逆にそういうニュアンスのないその他の副詞は、文頭にあろうと、途中にあろうと、接続してるような感覚にはならないのは当然といえるわけですね(単にそういうニュアンスがその語に存在しないので)。

 

接続副詞にはどういうものがあるのか、せっかくなので今回はそちらをまとめておくといたしましょう。

接続副詞は英語だとそのまんま「conjunctive(接続) adverb(副詞)」なので、「conjunctive adverb list」で検索したらトップで出てきた、割とマイナー目なのも網羅的に挙げてくれていたこちらyourdictionary.comの文法解説記事(↓)でまとめられていた表をお借りさせていただこうと思います。

grammar.yourdictionary.com

「一般的な (Common) 接続副詞」と「洗練された (Sophisticated) 接続副詞」の二種類をまとめてくれていました。

日本語訳を添えて、引用させていただきましょう。

どれも、文頭に来て、接続するニュアンスで使われた際の意味合いの表記ですね。

一般的な接続副詞リスト

again

(改めて、)

all in all

(総じて、)

also

(また、)

anyway

(いずれにせよ、)

besides

(その上、)

certainly

(確かに間違いなく、)

finally

(最後に、)

for example

(例えば、)

for instance

(例えば、)

however

(しかしながら、)

in addition

(更に加えて、)

in conclusion

(要するに、)

lately

(最近、)

meanwhile

(一方で、)

next

(次に、)

otherwise

(さもないと、)

so

(だから、)

still

(それでもなお、)

that is

(つまり、)

then

(それなら、じゃあ、)

yet

(けれども、)

こちらは口語的な響きのものが多い印象ですね。


一方、次の「洗練」組の方は、やはり書き言葉で使われやすいものが多い感じでしょうか(もちろん会話で使われることも普通に多い気もしますが)。

洗練された接続副詞リスト

accordingly

(それに応じて、)

additionally

(それに加えて、)

comparatively

(比較すると、)

consequently

(結果として、)

conversely

(逆に、)

equally

(同じように、)

elsewhere

(他の場所では、)

further

(さらに、)

furthermore

(さらにその上、)

incidentally

(ちなみに、)

indeed

(なるほど確かに、)

likewise

(同様に、)

moreover

(さらに加えて、)

namely

(すなわち、)

nevertheless

(にもかかわらず、)

nonetheless

(にもかかわらず、)

rather

(むしろ、)

regardless

(そうであろうがなかろうが、)

therefore

(したがって当然、)

thus

(このように、)

undoubtedly

(疑いようもなく、)


やはり、ここ最近のシリーズで触れていたのは論文なんかで使うものがメインでしたし、どれもこちらのリスト入りしていた感じですね。


正直、日本語はつなぎ言葉を英語よりユルユルで使いまくれることもあって、どう考えても、読んでいるだけで、こいつらはどれもついつい話の取っ掛かりに使いたくなってしまうと思えてやまない、便利なやつらだといえる気しかしませんね(笑)。

まぁ、正直「elsewhere」だけは、「接続的なニュアンスあるん?」と思えて、僕は一度も使ったことがないし見聞きした記憶もなかったですけど、それ以外は本当に、しばしば使うorよく目にする表現の宝庫だといえましょう。

 

とはいえ改めて、毎回文頭にコンマ区切りで使いすぎるとそれはそれで幼稚な印象になってしまいがちなのですが、話のつながりの分かりやすさは増すといえますから、こういうつなぎ言葉を上手に活用するとより良いコミュニケーションが可能となるといえそうです。

(毎回文頭も工夫がないですし、例によってちょっと文の中に捻じ込む感じで使うと小慣れた印象を与えられるわけですが、まぁ発音や全体の文構成が下手なのに、そこだけいきなり凝っても、ちょっとちぐはぐな印象を抱かれるだけかもしれない…という両刃の剣といえるかもしれませんが(笑)。)

 

コメントに戻ると、suddenlyはもちろん接続的なニュアンスはないのですが、incidentallyの方は、「ちなみに、…」でまさにつなぎ言葉の代表格といえるようなものなので、これはむしろ接続副詞組の単語だということですね(洗練組にちゃんと挙げられていました)。

 

ちょうど、コメントの終わりにもうちょい触れられていたので、最後にこちらも改めて見ておきましょう。

 

ちなみに、incidentallyなんて使ったこともないわけですが、先日のcoincidenceからの incidentで、なんとなく目にしていたという感じで、副詞かなと思っていましたけど…文頭に「incidentally,〜」で、「ついでに、ところで、ちなみに」といった接続詞みたいな意味になるんですよね?(ちょっと調べてみたけど、かなり曖昧)

でも、これはやっぱり副詞??

(文中に前後コンマで使うようなことはない?という意味で)


余談ですが、日本語で言うと、「ところで」と「ついでに」と「ちなみに」は、全くニュアンスが違うように思うので、その辺ひとまとめなのも難儀に思えます。


accordinglyもconsequentlyも知らなかったので(2回目)、英語で論文を書く時の堅い(硬い?)お話からはだいぶ遠くなってしまい、それで何を聞きたいのか?っていう感じだと思いますが、思いついたことを、そもそもわかっていないのでやっぱり上手くまとめられず、結果丸投げっていう…

まぁ、よくあるパターンですね笑

 

⇒そんなわけで、incidentallyは、実際副詞なんですがアンさんのおっしゃる所の接続詞的な副詞ということで、文中に前後コンマで使うことも……あれ、でもこの単語は、「ちなみに」ってまず言った方が丁寧だからか、なんとな~くですけど、文頭で使われることの方が多いような気がするかもしれません。

とはいえしかし、実はずっと前の記事でも触れていた通り、僕自身、この単語はそもそもフランクさんとのメールのやり取りで初めて意識したような言い回しだったので、単に自分が知らないだけな可能性も十分高いですね。


そんなときはこれ!…ってわけで、久々にコーパスの力を借りてみましょう。

「ちなみに」という単語が生命科学論文の要約でそうそう出てくるとも思えなかったので、今回は一般コーパスであるCOCA様の力をお借りすることにしました。

(COCAは、少なくとも無料ユーザーは例文のソート(=「一語前を基準に並び替え」とか)ができないので、その点ではLSDコーパスの方が上かな、って思えるポイントかもですね。)

 

さぁ、「incidentally」で検索してみた結果やいかに…?

 

「incidentally」でのCOCA検索結果・例文1000件表示より

件数としては4421件ヒットしてきて、まぁ言うまでもなくかなり使われている英語ではあるんですけど、今回件数はどうでもいいので、例文を1000件表示して一番下までスクロールしたのが上記スクショですが(=何ページあるかを示すため。4400件台なので、全45ページですね)、「, incidentally,」でページ内検索をしている状態なので、incidentallyが途中に挟まっている文はピンクでハイライトされている感じですね。

特に、996番目の例文が分かりやすいですが、「Her system worked...」という文(主語+動詞)の途中に強引に「, incidentally,」が挟まって、「Her system, incidentally, worked...」という形で使われているのもちゃんと存在している形のようですね!


とはいえやはり文頭で使われる例が目立つものの、他にも上の方では普通に文中のものもちらほら目につきました。

(さらにいえば、984番の例文(コンマで挟まれていないので、ハイライトはされていませんでしたが)「" Ateji ", it's called; Touhou uses a lot of these, incidentally).」は、どうやら「当て字」の説明をしている、東方に関する日本作品ネタのようですけど、この場合は文末に置かれているように、普通に文の最後に置いて「東方ではいっぱい使われているんだ、ちなみにだけどね。」みたいな使われ方もあるってことですね。

 結局、副詞というのは、英語にしては珍しく本当に自由に使えるのが売りといえる感じでしょうか。)

 

一方コメントの最後、「ところで」と「ついでに」と「ちなみに」については、まぁ実際結構違うっちゃ違うわけですが、一応「話は変わるんだけどさ、せっかくだから言っておくと…」というニュアンスは共通しているといえるので、場合によっては「ところで」でも使えるし、場合によっては「ちなみに」が一番相応しくなる、って感じで、まぁ近いっちゃ近いとも言えるんじゃないかな、って点かもしれませんね。

この辺は、まさしく言語の難しさといえましょう。

個人的にはやっぱり、「雰囲気よ雰囲気、仮にちょっと違ったとしても、英語ネイティブの相手は一番しっくり来る意味で取ってくれるから、そない気にする必要はあんめぇ」と思える点かもですね…!

 

…といった所で、ちょうどこのコンマの話に関して、これより少し前の記事にいただいていたコメントでもいくつかご質問を受けていました。

関連ネタということで、次回はそちらに遡り、「つなぎ言葉とコンマの付け方」について少し見ていこうかと思います。

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