対等か、依存か……つなぎ方もそれぞれ

それでは前回途中状態で終わっていたコメントの続き……の前に、せっかくなので前回話の中で脱線しようと思ってしそびれていた補足ネタから触れていくといたしましょう。


…といっても、あまりに基本的過ぎて「何を今さら」な話ではあるんですが、僕自身、ちゃんと体系的に英作文を習うまでその辺がうやむやだった気がするので、念のためまとめておく感じですね。

前回becauseの使い方をおさらいしていたわけですが、まず何はなくとも、becauseは単独では使えず、文と文をつなぐ形でなくては使えないという話でした。


ちょうど、こないだから何度も参照させていただいているマーク・ピーターセンさんの書籍に、『学生の書く英語の中には、本人は頭が良いのに、極めて「子供っぽい」文が出てくるというミスマッチにビックリすることが多い。例えば以下のような文が挙げられる。文のつながりを意識して、より正しい、「大人の英語」を目指そう』的な話とともに、いくつか例文が紹介されていました。

「まさにそうだね!」と納得の感じだったので、章の最初に挙げられていた例文だけまた引用させていただきましょう。

I live in Nishitokyo City. I like this place. Because there are many different shops. And it is a very convenient place.


訳の例も紹介されていましたがあえて自分なりに書いてみると、これは「私は西東京市に住んでます。私はこの場所が好きです。多くの異なるお店があるもん。で、とても便利な場所だよ。」みたいな感じでしょうか。


まぁ、あえて崩して訳しているわけですけど、この英文は日本語でいうとちょうどこのぐらいに、つながりから書き方から色々チグハグで、おかしい(子供っぽい)文になっている、といえてしまうわけですね。

もちろん、正直内容もお粗末なんですが、最大の稚拙さはやはり、because節を単独の文として用いていることだといえましょう。

以前、最初にこのネタに触れたときも書いていましたが、まさに中学生が英作文したらこうなるでしょうね、という典型的な形で、実際自分のことを思い出してみても、「うん、いきなり英語を書かされたとしたら、間違いなくこう書いてたと思う」としかいえない部分なわけですけれども、これは文法的に誤りで、英語に慣れている人の目からしたら何となく、文章を構成する知識のない幼児が書いたような印象になってしまうわけです。

上述の通り論理的なつながりもしょぼすぎるので文法以前の問題があるわけですがそれはともかく、少なくとも文法的に正しい文にするには、because節を、その理由からいえる結論=主節とつないで、一文にしないといけないわけですね。

  • I like this place because there are many different shops.
    (多くの異なるお店があるので、この場所が好きだ。)

これなら少なくとも、文法的な誤りは消えた形です。


…って、もうこの辺の話は数記事にわたって同じことを書いていていささかクドいわけですが、前回のおさらいも兼ねて改めて触れておくと、この理由を述べるbecause節は、順番を入れ替えて、主節の前に持ってきてもOKなのでした。

かつ、その場合、because節の終わりにはコンマを挟むルールですね。

  • Because there are many different shops, I like this place.


まぁ非常に基本的な話でしかないんですけど、ここで昔の僕が気になっていた点として、「そういえばandとかbutは、この『節の場所の移動』ができなくない?」というものがあったのでした。


そう、同じ「接続詞」なのに、そういえばbutでつなぐ文って前置きができなくないか?…と、まぁbecauseを単独で使っても気にならないぐらいの頃にそう思っていたかは定かではないものの、ふと不思議に思えたことがあったのです。


つまり、先ほどの例文と似たようなニュアンスの話をお借りすると、例えば「この街は好きだけど、この店は嫌いだ」ということを書きたい場合(これまたよぉ分からん文ですが(笑))、

  • I like this city, but I hate this shop.

(これまた前回のおさらいで、文と文を「and」や「but」でつなぐ際は原則としてコンマが必要ですが、このぐらい短い文同士だと、コンマなしでも全然いけそうではありますね。今回は区切りが分かりやすいように、あえてコンマを入れましたが。)

…と書けるわけですけど、これは、面白いことに、

  • (×)But I hate this shop, I like this city.

とは絶対に書けないんですね。


後者の文は、まぁ文法的におかしいのでめちゃくちゃな文なんですけど、あえて書けば、「でも私はこの店が嫌い、私はこの街が好き。」と、あぁまぁ一応通じるっちゃ通じる感じもしちゃいますが、決して「この街は好きだけど…」ではなく、一つ前の文を受けて「だけど、…」から始まる文になってしまっているわけです。

 

果たしてこれはどういう違いがあるのかというと、何てこたぁない、これは同じ接続詞でもちょっと分類の違うものだったということで、becauseのように意味的に主節を補助するような形で使われる従属接続詞と、andやbutのように意味的に等価なものを単純につなぐ役割をもつ等位接続詞という、まぁ文法の授業で一応聞いたことがあるようなそんな違いがあったわけでした。


従属接続詞は、自分の従える節があくまで主節をサポートするような、補助に徹する役割をもつものなので、これはどこにあろうと依存先は主節であることが確定しているといえるからか、置く場所は前後どちらでも自由だってことなんですね。

一方等位接続詞は、単純に前と後ろをつなぐだけの役割しかないですから、あえて言えば自由度に欠けるワガママなやつという感じで、「対等と依存」といえば対等の方が何となく大人っぽいのに、使われ方としては、依存先のある従属接続詞の方が、より自由度が高く大人っぽい雰囲気を出せる……といえる感じでしょうか。

(まぁ何のこっちゃ自分で書いててよぉ分からん例えですが(笑))


そして、従属接続詞を使って従属節がつなげられた形の文(=「Because A is B, C is D.」や「C is D because A is B.」など)を、文法用語で複文、一方等位接続詞で単純につなげられた形の文(「A is B, but C is D」など)を重文と、英文法界隈では呼んでいるのでした。


前回その話がチラッと出てきたので、この「場所を変えられない」という基本的な話に触れておこうと思い立ってこんな無駄に長々と脱線してしまったわけですけど、個人的には正直、「重文とか複文とか、それが見分けられて何か嬉しいことがあるのか?何の役に立つんだ…!?」と、初めて習ったときも思いましたし、正直今でもそう思います(笑)。

これ以外にも五文型のSVOCとかでも思いましたけど、この辺の話はなぜか英文法のかなり最初の方で習うわけですけど、正直、「これ、マジで区別付く意味あるんけ?よぉ分からんものを無理やり覚えさせられる、ただの嫌がらせとしか思えん!」と思えて僕はこの辺の話はなあなあにして英語の勉強を進めていきましたけど、まぁ実際、そう思いたいだけかもしれませんけど(笑)、こればっかりは自分の考えは正しかった気がしますね。


もちろん最終的にはその辺の話も抑えた方が複雑な英文を読むときに助かるというか役に立つこともあるわけですけど、順番が違うように思えるのです。

何といいますか、そういうルールをまず覚えて当てはめていくのではなく、とにかく色々な文を多少決まりや詳細は分かんなくてもいいから沢山読みまくって、そうすると間違いなく、何となくの枠組みというか英語のリズムみたいなものが掴めていくと思う…って感じですかね。

そうして自分なりに英語の仕組みに慣れてきたら、その後で気まぐれに、補助的にそういう話も意識してみるようにする……こうすると、「あぁ何となくそう思ってたこの辺の話には、そういう決まりがあったのか!」と、しっかりと身に付く形で知識を吸収できるように思えるのです。

…というか、そういう形というか順番にしないと、重文とか複文とか、SVOOだとか、あまりにも無味乾燥すぎて面白くなさすぎ(かつ難しすぎ)ますから、まずそっから始めてしまうと、間違いなく英語嫌いの人を量産しているだけなのではなかろうか……などと思えてしまうわけです。


まぁいきなり英語教育に物申した所で、僕は文科相の人間でもないし何の意味もないわけですけど、英文法の授業でいきなりSVOだの「これは重文であり、これは重複文である」だのをやるのは、正直悪手ではないだろうか……と、色々学んだ後どころか、自分が習ってたときですら思ってましたからね、まぁそれは最初イマイチ理解できなかった負け惜しみもあるかもしれませんが(笑)。


ちなみにこれは英文解釈系の無味乾燥な英文法に限らず、実際前回の「コンマの使い分け」とかそういう実践的な英文法もそうだし、さらにいえばこないだの「便利な接続副詞一覧」みたいなものもそうで、まぁ自分でまとめておいて何やねん、って話ではあるんですけど(笑)、多分こういう細かい話って「覚えよう」として覚えるのではなく、色んな英語を使っていく内に何となくしっくり来る形が分かってくる部分とでもいいますか、「使い分けを覚えよう!」と積極的にいわば暗記していくみたいなのは間違ったやり方で(まぁ「間違い」は言い過ぎなものの)、そうではなく、いっぱい英語に触れていく中で、気付いたら何か知らんけど身についていた……んで、改めてそういうリストやまとめを見ると「うん、確かにそうだね、分かる分かる」と思える……という順番の方が、まぁこれも「良い」とは言い切れないものの、より理想的ではないかな、って気がします。

 

とはいえ「じゃあどうやって英語に慣れるのさ?『とにかく英語に触れよう』って言っても、何の手がかりもなかったら慣れようもなくない?」というのもそうなんですけど、実際そういうやり方に時間と根気が必要なのは間違いなく、その意味で学校教育に向いているやり方ではない、というのもそれは確実にいえてしまう気もするんですけどね。

偉そうに先ほど英語教育に物申したものの、「じゃあ君がカリキュラム組んでよ。絶対落ちこぼれを出さず、全員英語力が飛躍的にアップするやり方で頼むぜ」といわれても、多分そんなの出来っこないですし、結局自分に合ってるやり方でしかない気もするものの、まぁ一応学校の勉強系に鬼のように強かった&少なくともアメリカで働いてるぐらいの英語解釈力のある立場からの意見を書いてみると(まさに上から目線というか偉そうな物言いで恐縮ですが)、やっぱり、英語に限らず何事も、学習の方向・順番を間違えている人が結構多い気はしちゃうかな……ってのが本音かもしれません。


基本的にどんなものでも、まずはルールや決まりなどのあまりに細かすぎることは無視して、大量のトライ&エラーを含めてひたすら実践を積むこと、そしてそこで見えてくる自分に不足しているものを適宜ルールとかに立ち返って補っていく……そういう流れで物事に当たるのが、効率も経験値アップもあらゆる面で最良ではないかと思える次第です。


…まぁ、この話のオチは、とか偉そうなことをほざいている僕自身が全くのカタカナ英語で、さほど英語力が高いわけではない、ってことにありそうですね(笑)。

今回は、実は絶望的に時間がなく、結局いつもより1時間遅れのアップになってしまいましたが、時間がなかった結果、こんな浅い話でお茶を濁すしかなかった感じでした(笑)(浅い話ならギリ間に合うかと思ったけど、間に合わなかった感じですね)。

 

唐突に「各論を学んでもダメだ、英語を学びたければ、とにかく英語に触れよう!」などと、各論っぽい豆知識をひたすら書き続けているやつが言うことかよ(笑)、って話でもありますし、実際この先も各論っぽい豆知識を垂れ流していくだけになるわけですが(結局、英語に大量に触れるのは各人しかできないことなので、こういう形でまとめるのは細かいネタしか無理ともいえるため、ダメ出ししていた方法に近いことをやらざるを得ないという、まさにブーメランかもしれませんが(笑))、まぁ、こういう細かい文法ネタや豆知識も、「覚えよう」と躍起にならず流し見するだけでも経験の一端になりますし(自分に都合よすぎる話な気もしますが(笑))、適当にふむふむと楽しんで読んでいただければ幸いに存じます。

まさに何を言いたいのか主張がグチャグチャの、あからさまに時間の足りなかった記事で恐縮でした。

 

一つ英語の方に戻ると、そんなわけで、「but」は、頭に置いて「But A, B」という形を作ることはできないわけですけど、作文では「Aではあるが、B」と、まず「○○ではあるが…」という点を明記することから始めたい場合もあるわけですね。

この場合は、「しかし○○ではあるが」の意味の従属接続詞である、「although」や「though」の出番なわけですね!


こいつらは例によって設置場所自由な従属接続詞ですから、

  • Although I like this city, I hate this shop.

でも、

  • I hate this shop although I like this city.

でも、どちらでもOKなんですね。


「but」とは微妙に違って、自分の従えている文を指して「○○だけど」となるという形だ、ってことも注意点の1つでしょうか。

(「A, but B」と「Although A, B」「B although A」が同じ意味で、「Aだけど、B」。AlthoughはA側に付くわけですね。)

 

…という所で、1時間延長した結果結局無駄に長くなりましたが、次回はまた途中状態だったコメントの続きに戻ろうと思います。

アイキャッチ画像は、例によってネタが絶無だったので、マーク本の学生の作文(なお、マークさんは大学で教鞭を執られているので、あの例は中学生ではなく大学生のものと明記されていたわけですけど、正直大学生でもほとんどはそのぐらいのメチャクチャ英文を書いてしまうというのは、自分も含めまさにそうだと思います。)にあった、「多くのお店」から商店街のいらすとをお借りしました。

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