補足ネタ:明らかな怒り・本当にBなのは…?

考察本新章翻訳の途中ですが、ちょうど補足として触れようかなと思ったネタが結構一気に集まっていた感じだったので、翻訳ネタは一回お休みとして、今回はその関連補足ネタに触れていこうと思います。

 

まず1つ目は、前回の記事で補足的に触れていた部長さんの話……


こちら、改訂版の英文に「apparent anger」とあり、当初、

「日向子の助力により、新聞部部長は、明白な怒りを克服した」

…的な感じで翻訳していたのですが、書いていてどうも引っかかっていたのです。


というのも、まさに「青い花で学ぶ英語」の最後の回で触れていた通り、僕は「apprent=明白な、apprently=どうやら~らしい」と覚えていたんですけど、それを踏まえて「明白な怒り」と訳してみたものの、何だかしっくり来ない……

作中でもハッキリとした怒りは見せていなかったように思えるし、そもそもFrankさんは当初日向子に対する怒りとは思っていなかった形だったわけだけど、もしかしたら考えが変わったのかな?…と思い、初稿では「明白な怒り」としていました。


その後、他にも返事する内容があったため、ついでにその点を含めてまたFrankさんにメールを送ったのですが(例の、「apparentという英単語はclear/obviousという意味だけど、apparentlyだといきなりseemingly的な意味に変わる」という点とともに、ここでもそれで合ってる?という確認)、いただいた返信は……

 

-----Frankさんからのその点に関する返信-----

この特定のケースでは、私は"apparent"を"seeming"と同じ意味で用いた:"it appears that the editor-in-chief is angry at Hinako, but I am not certain of this."(部長が日向子に怒っているように見えるが、これは確信をもっていえるものではない)

つまり、この場合の"apparent"は、"clear"や"obvious"とは、まさに正反対だということになるね。

なぜ"apparent"と加えたのかというと、作中には、部長が日向子に対して怒っているとはっきりと言及したことはないからである。しかし、作中では、日向子に告白してフラれた部長が、日向子について悪意のあるゴシップを広めている様子が描かれている。

つまり、部長が日向子に対して怒っているという直接的な証拠はなくとも、その行動から怒っていると推測できるわけだね。


ちなみに(※注:当然、"Incidentally,"でした(笑))、この考察本でも"apparent"または"apparentlyを多用しているが、それはこれと同じ理由である。

作中では、ある人物があることを感じているという直接的な証拠はないけれど、間接的・状況的な証拠がある場合が多いんだね。

だから、"apparently" / "apparent"を使うのは、自分の結論に間違いがある可能性を許容するためのものだということなのである。

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…ということで、おぉ~、やっぱり、ここでのapparentは、「明らかに」ではなく「多分こう」という意味で使われていたんですね!

前回の記事の該当の日本語訳は既にしれっと直しておきましたし、Frankさんにも、

「なるほど。じゃあ、初稿では「明白な怒り」と訳しちゃったけど、『怒りのようなもの』に変更しておくんで、そちらを採用してちょんまげ」

というメッセージを送っておきました。


しかし、僕はapparent=clear/obvious(明らか)だと思ってたんですが、改めて調べてみたら、apparentにも「どうやら」の意味は存在するんですね!

Google検索トップで出てくる言葉定義の説明文をコピペさせていただきましょう。

ap·par·ent
/əˈperənt/

clearly visible or understood; obvious.(明白にはっきりしているまたは理解できる;明らかに)

"it became apparent that he was talented"(彼に才能があることが明白となった)

  • seeming real or true, but not necessarily so.(どうやら本当・真実であるが、必ずしもそうではないかもしれない)
    "his apparent lack of concern"(彼の無頓着に見える様子)

もちろん主に使われるのはやはり「明らか」の方で、「どうやらそう見える」はこの単語の場合は副義的な意味だと思われますが、そう使われることもあるってことなんですね!

(ネイティブのFrankさんがそう使ってるんだから当たり前の話ではありますが。)

脳死で、何も考えず「apparent=明らかな」と自動的に訳すのも良くないんだなぁという気付きでした。

 

ちなみに、「考察本の中でも多用していたが…」と書かれていましたけど、もちろんapparentlyは沢山使われていて、全て「どうやら」の意味で全く違和感はなかったんですけど、apparentの方は、「もしかして間違えて訳しちゃってた部分もあるのか?!」…と思って見直してみたら、幸いapparentは、どれも明白に「明白な」という文章のみで使われていたので、幸いにして誤訳はありませんでした。

(今回の、「apparent anger」が、「怒りのようなもの」で使われているのが唯一だと思います。)

 

…おっと、実はもう2, 3点、触れようと思っていたネタがあったんですけど、意外と「明らかな怒り」だけでいい分量になっていたので、そちらの方残り半分は次回にまわすとしまして、今回は、その中から短くまとまりそうなやつをもう1点だけ補足ネタに触れておこうと思います(結局結構長くなりましたが(笑))。


まぁ補足ネタというか、前回書こうかなと思っていたのに触れないまま書き忘れてしまっていた脱線ネタなんですけど、ズバリ、「杉本やっちゃんはバイセクシャルなのか?」というポイントについて……


この点に関して、改めて色々と考えていたときに、僕はふと気付いてしまったのです。

…あれ、この作品で一番「バイセクシャル?っていうか冷静に考えたら、コイツ何なんだ?」と思えるのって、もしかしたらオレらの麗しき妖艶なお姫様・京子なのでは?と…。

作品内外を問わず誰からも突っ込まれていないし、僕自身全く気付いていませんでしたが、我らが京子様って、完全に杉本先輩しか見えてない超絶ぞっこん猪突猛進先輩大好きガールだったのに、よぉ考えたら幼い頃からずっと康ちゃんの許嫁として、途中ぞんざいな扱いはあったものの、割と最初っから最後まで彼のこと好きだったし、最後は結婚までしたじゃんね?


これ、何なん?バイセクシャルっちゅうか節操ないっちゅうか、ぶっちゃけおめぇ一途なフリして誰でもえぇのんか?!

……とは僕は全く思いませんけどね(笑)。


僕は京子のことが好きだし、京子の味方でありたいという、下心的な意味でかばっている側面もあるっちゃありますけど、それ以上に多分京子は、それこそ男とか女とかそんな些細な枠組みなんぞ関係ない、好きな人を一人の人間として好きになる、心の広いというか何というか、本質を捉えている人だと思うわけですよ。

なので、定義としてはまぁやはり女性のことを本気で好きになって愛をぶつけていた&最終的には許嫁の康を愛して結婚したということから、作中最も強烈な形のバイセクシャルは京子である、というのは間違いないと思いますけど、これは別に節操ないとか誰でもいいとかそういうことじゃあなくって、やっぱり僕の視点からは、京子ほど一途な人は作中でも他にいないぐらいに、とても一途であったように思えます。


正直、杉本先輩が受け入れてくれたらそのままそっちの道へ進んだのも間違いないといえるぐらい、本当に心から杉本先輩のことが大好きなだけであり、個人的には改めてやはり、バイセクシャルとかそういう括りじゃなくて、好きな人をとことん愛すのが京子なんだと思うなぁ…という気がするといいますか、まぁ自分からネタ振っといて・節操ないとか貶しといてなんですけど、京子のことをそういう風には読み取ってほしくないな、と思えちゃうのです。

京子はいつだって真剣でしたよ。

作中唯一の浮気性・父秋彦の血は、我らが京子様には全然流れていないように思えてなりません(母加代子の血の方が明白に流れている気がします。…少し「病んでる」と捉えられがちな点も含め)。


まぁ杉本先輩が京子を受け入れることは天地がひっくり返っても絶対にあり得ないということを本人も理解したので、元通りの「康ちゃんとの結婚」という道に落ち着いたわけですけど、まぁ順位を付けるとしたら、京子の中では今でも「先輩>康ちゃん」でしょうね(笑)。

そればっかりはしょうがない、でも康ちゃんよ、男の中での一番は君なわけだし、正夫として、しっかり京子と一緒に幸せな家庭を作ってちょうだいな……と励ましこそすれ、康ちゃんのことも普通に好きな僕は、「哀れ康、お前は京子にとって世界中で一番の存在ではないのだ(笑)」みたいなことは絶対に言いたくないわけです。

(本当にネタとしてあえて書いただけで、心の底から一切そんなことは思っていません(笑)。康ちゃんと京子は、作中ベスト異性カップルです…!)


…と、最後関連してといいますか、これはあくまで想像なのでネタバレというわけではないと思いたいんですけど、淡島百景の最近の公開エピソード、僕は以前書いた通り単行本派なので(というより正確には、ネットでエピソードが公開されているのを最近まで知らなかったので、今さら中途半端に途中から見れないから、単行本を待つ…という形です)、実際にアクセスしてチェックしたわけではないためあくまで勝手な妄想と思ってもらいたいんですが、志村さんのツイッターの、該当の話の宣伝ツイについていたリプから察するに、どうやら淡島百景で、結婚後の京子が見られるかもしれない…?!

どひゃあ~、これは楽しみだ!

そして何と、まさにちょうどこないだ情報が流れていましたが、恐らくその話も収録されている淡島百景4巻が、来月23日に発売!!

太田出版・書籍情報詳細、https://www.ohtabooks.com/publish/2022/08/23000000.htmlより

くぅ~、こりゃあ楽しみでなりませんね!!

まだ装丁・表紙画像は公開されていないので、こんな画像をアイキャッチ画像にするのもどうなんだ(笑)と思いましたが、問題ありません、ぜひ多くの方に手に取っていただきたい素晴らしい作品なので、宣伝のために、現時点のこの状態でも使わせていただきたい限りです。


では、次回も補足ネタの続きとなります。

新記事翻訳はその次からといたしましょう。

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