その場その場で気になったネタを見ていくシリーズが続いていますが、前回の手洗い記事でもまた、一点聞いたことのなかった用語が出てきたため、全然大した話ではなさそうではありますけど、今回はそちらを参考にさせていただくといたしやしょう。
記事タイトルにもしました通り、Emollient、日本語でもそのまんま「エモリエント」と表記されることが多いようですけど、あえて日本語にすれば「皮膚軟化剤・皮膚柔軟剤」とされるもので、まぁ硬くなったりひび割れた皮膚に潤いを与えて柔らかくしてくれる薬・成分……という、まぁそれ以上でもそれ以下でもなさすぎるわけですが(笑)、せっかくなのでどんなものなのか、今回もHEALTH LIBRARY記事の方を引っ張らせていただこうと思います。
エモリエント剤(Emollients)
エモリエントとは、肌に膜を形成する作用を持つ、クリーム、ローション、モイスチャライザー(保湿剤)、軟膏などに含まれる成分です。こういった成分は、乾燥、痒み、角質堆積を和らげます。湿疹、乾癬、乾燥肌または敏感肌の方は、エモリエント剤を使用することで、肌がより快適になり得ます。
概要
エモリエントとは何?
エモリエントとは、スキンケア製品に含まれる、乾燥や肌荒れを和らげる成分のことです。エモリエント剤はまた、皮膚の外側に膜を形成することから、バリアクリームとも呼ばれています。医療従事者は、湿疹や乾癬といった硬質化や乾燥を引き起こす皮膚疾患に対し、しばしばエモリエント剤を推奨します。
エモリエント剤は何をするの?
エモリエント成分を含むスキンケアクリーム、ローション、軟膏には以下のような働きがあります:
- 肌に潤い(水)を引き寄せる
- 肌の水分が失われるのを防ぐ
- 角質や剥けつつある皮膚を柔らかくする
- 肌荒れや乾燥を和らげる
エモリエント剤とモイスチャライザー(保湿剤)の違いは何?
エモリエント剤は保湿剤の一成分です。エモリエント剤の役割は、皮膚を柔らかくすることです。保湿剤全般には、肌に水分を取り込む役目をもつ、他の成分も含まれています。
エモリエント成分にはどんな種類があるの?
エモリエント成分には大きく分けて2種類あり、多くの保湿スキンケア製品にはその両方が配合されています:
- オクルーシブ(閉塞剤)は、肌に厚く脂っぽい皮膜を形成するもので、水には溶けません。オクルーシブの例としては、ワセリン、ミネラルオイル、ラノリン(※羊毛由来の脂)、流動パラフィンなどがあります。オクルーシブは、肌に水分を加えるのではなく、既にある水分の保持を助けるものです。
- ヒューメクタント(湿潤剤)は水分を引き寄せて肌に結合させ、潤いを高めるものです。この成分は、オクルーシブと比べて濃厚さも油っぽさも小さいですが、水で簡単に洗い流せます。ヒューメクタントの例としては、グリセリン、ヒアルロン酸、プロピレングリコール、尿素などがあります。
エモリエント剤はどんな症状に効果があるの?
エモリエント剤は、以下を含む乾燥、ひび割れ、または角質堆積を引き起こす皮膚症状の緩和を助け得るものです:
- 皮膚炎
- 湿疹
- 乾癬
エモリエント剤はまた、以下のような原因による皮膚の乾燥にも効果があります:
- ガン治療
- 冷たくて乾燥した空気
- 糖尿病
- 頻繁な手洗い
- 化学物質を扱う作業
手順の詳細
処方薬のクリームを使用している場合でも、エモリエントは使用できる?
処方クリームや、ステロイドクリームのような有効成分を含む製品を使用している場合は、担当医の指示に従ってください。エモリエント剤を塗布する前に、処方薬や有効成分を塗布する必要がある場合もあり得ます。
エモリエントはどう使うのがベスト?
エモリエント剤は、肌が湿っている方がよく吸収されます。エモリエントの効果を最大限に引き出すには、以下をお試しください:
- ぬるめの(熱くない)お風呂に入るかシャワーを浴び、肌に優しい洗顔料を使う
- 肌をよくすすぎ、優しく水気を拭き取る
- エモリエント剤を手に取り、両手の間で温める
- そのエモリエント剤を、乾燥、硬質化、または荒れた肌の部分に塗る。シャワーやお風呂から上がって3分以内が理想的です
- 下向きに円を描くように、エモリエント剤を優しく肌に擦り込む
石鹸の代わりにエモリエントを使える?
石鹸や洗顔料には、湿疹や乾燥肌を悪化させる成分が含まれていることがあります。これに対処するためには、石鹸で洗った後にエモリエント剤で手を洗うようにすると良いでしょう:
- 石鹸とぬるま湯で30秒間手を洗う
- 手がまだ湿っている内に、スプーン1杯分のエモリエント剤を手に取り、石鹸のように手全体に擦りつける
- 手をすすぐ
- 優しく手の水分を拭き取る(擦ってはいけません)
- 必要であれば、さらにエモリエントを塗る
この方法は、皮膚から雑菌を取り除きながら、石鹸の乾燥作用を最小限に抑えるのに役立ちます。可能な限り、無香料で低刺激性の石鹸で手を洗い、保湿剤を含むハンド・サニタイザー(手指消毒剤)を使用するようにしましょう。
エモリエントは1日に複数回使ってもいいの?
一日中、肌が乾燥していると感じた際はいつでもエモリエント剤を使用することもまた問題ありません。有効成分を含まないエモリエント剤は通常、必要に応じて都度使用しても安全です。ヒドロコルチゾンのような有効成分が含まれているかどうかは、製品のラベルを確認してください。
新しいエモリエント剤を試す場合は、担当医が推奨しない限り、一度に複数の新しい製品を使い始めることはおやめください。複数の製品を使用して皮膚反応が出た場合、どの製品が原因であったかを特定することが難しくなってしまいます。
リスク/メリット
エモリエント製品を使用するメリットは何?
エモリエント剤を定期的に使用することは、乾燥肌や痒みを改善する役に立ち得、また、処方薬の皮膚用クリーム使用時の効果的な追加剤にもなり得ます。エモリエント剤は肌をより快適にし、乾燥や刺激による痒みや痛みを和らげてくれるものです。毎日使用することで、皮膚のひび割れを防ぎ、これは感染症予防に役に立ちます。
エモリエント剤を使用するリスクは何?
エモリエント剤は一般的に安全です。しかし、新しい製品を試す前に、以下のリスクを考慮してください:
- アレルギー反応: 皮膚用製品の中には、アレルギー反応や炎症を引き起こすものもあります。敏感肌やアレルギーをお持ちの方は、低刺激性または少数の成分しか含まない敏感肌用のものを選びましょう。
- ニキビ: ニキビができやすい方は、オイルやワセリンのような閉塞性のある製品を使うと、ニキビを悪化させたり引き起こしたりする可能性があります。noncomedogenic(非コメド(出来始めのニキビ)原性)またはnonacnegenic(非ニキビ原性)と表示された製品を探してみてください。
以下のような一般的な刺激物やアレルギー性物質を含まない製品を選びましょう:
- アルコール
- 染料や着色料
- エッセンシャルオイル(精油)
- 香料
- ラテックス
- パラベンやメチルイソチアゾリノンなどの防腐剤
こういったものによるリスクを最小限に抑えるため、ご自身の肌タイプに合った製品について、かかりつけの医療従事者にお尋ねください。
回復と展望
エモリエント剤の長期使用にリスクはある?
エモリエント剤は一般的に長期間使用しても安全です。慢性的な皮膚症状が改善しない場合は、他の治療法についてかかりつけの医療従事者にご相談ください。
医師に連絡する時
いつ医療機関を受診すべき?
皮膚に以下のような変化が見られたら、かかりつけの医療機関にご連絡ください:
- 治らない切り口や傷
- 炎症
- 痒み
- 発疹
- 発赤
皮膚に疾患や慢性的な症状をお抱えの場合は、定期的に医療機関で検査を受けるようにしましょう。
救急外来に行く必要があるのはどんな時?
以下のような発疹が出た場合は、救急医療機関を受診してください:
- 発熱を伴う
- 全身に発症
- 水膨れ
- 発疹の周囲の皮膚に赤い筋が形成される
- 黄色または緑色の液体が滲み出ている
- 突然、急速に広がる
- 痛みを伴う
- 触ると温かい
クリーブランド・クリニックからのメモ
エモリエント剤は、乾燥肌、炎症、または痒みを伴う肌をお持ちの方のスキンケア・ルーティンに役立つツールです。処方された肌クリームを使用している場合でさえも、エモリエント剤は治療を補完し、肌の見た目や感触をより良くすることが可能です。エモリエント剤は、乾燥、炎症、角質堆積を治すのに役立ち得ます。様々な肌タイプに対応したクリームや軟膏が非常に沢山存在しているため、ほとんどの方が自分に合うものを見つけることができましょう。何らかの皮膚疾患をお持ちの方は、どの製品がご自身にとってベストな効果がありそうか、かかりつけの医療従事者に尋ねてみてください。
結局、肌を柔らかくして保湿にも機能するものがエモリエントと呼ばれるようですけど、逆に、「肌を硬くしたり、保湿しないクリームなんてあるか…?」とも思えますし、別にそんな大層な名前をつけなくても、「塗り薬」とほぼ同義であるような気もしちゃいますけどね(笑)。
一応、エモと言えば今時は「emotional」由来の、「感情を揺れ動かされる」という意味の「エモい」が浮かびますけど、語源を紐解いたらそれとは一切関係なく、「e-」が「out(外)」、「mollis」が「soft」を意味するラテン語ということで、「外側を柔らかくする」というそのまんまの意味の言葉のようで、まぁ英語圏の方には「保湿クリーム」って聞くのと同じぐらい分かりやすい名前なのかもしれません。
記事には画像がなかったので、申し訳程度のアイキャッチ画像として、例によって実際にどんな製品があるのか、検索してチェックしておこうと思います。
「Emollient Creams」で検索したらいっぱい出てきましたね、まぁやっぱり普通の肌クリームにしか思えませんけど(笑)、一応、商品名に「Emollience」と表記されてるものもある感じでしょうか。
最初に出ている「CeraVe(セラヴィ)」は、アメリカで爆発的に人気の洗顔料やクリームを売ってるブランドですけど、僕もファンケル製品から切り替えた後、こちらの洗顔料を試したことがありますが、まぁ別に特に何てこともない普通の洗顔料に思えました(笑)。
…と言っても、もちろん僕はメイクもしないですし、そもそもファンケルのとかも含め、洗顔料って使ってて何がどういいのか1ミリも分からないんですけど(意識できる違いが全くない)、まぁ意識できないレベルでちゃんと綺麗にしてくれてるのかもしれませんね。
洗顔はともかく、特に冬は肌が乾燥しがちですし、ひび割れとか硬質化してしまいがちな方は、日本語でも「エモリエント成分配合」と表記されているものもあるっぽいですし(まぁほぼないとは思いますが(笑))、↑で紹介されていた成分を意識して選んでみるのもオススメと言えそうです(改めて、入ってないクリームを探す方が難しい気もしますけどね(笑))。