睡眠衛生記事で取り上げられていた睡眠ネタを色々見ている最近のシリーズですが、前回の睡眠に最適な室温記事の中でリンクが張られていたものに、またひとつ興味深いものが目に付きました。
こちら、「人はなぜ夢を見るのか?」という、何とも哲学的な記事ですけど(↓)…
…もちろんまだまだ完全解明には程遠いのではないかと思えるものの、世界最先端の医療機関のひとつ、クリーブランド・クリニックのまとめ記事で、今現在どんなことまで分かっているのか、非常に短そうな記事でしたが垣間見させていただこうと思います。
ちなみに「夢」といえば、今回のテーマである「夜寝ている時に見るもの」と、「将来こうなりたいと思い描く理想」という、大きく異なる2つの事象が、日本語でも英語でも全く同じ「夢・dream」という単語が使われているというのは奇妙というか面白い現象だと昔思ったことがある……というか誰かがそう言ってるのを見たことがあっただけな気もしますけど(笑)、実際不思議ですよね。
しかし、調べてみたらどうも、少なくとも日本語と英語が同じである理由は、単純に明治期に英語から色々な概念を取り入れて訳語を作ったことの名残であり、元々英語がそういう意味を持っていただけの、「奇妙な一致」というより「英語をもとに作られた概念だったから、半ば当然」という話だったようで…
…以下の、出典などもしっかり明記されている匿名質問・識者回答でおなじみQuoraの記事(↓)や…
…ためになる回答も多くて意外とバカにできないYahoo知恵袋の↓の回答なんかによると…
…日本語でも英語でも、「夢・dream」という語の元々の意味は「夜寝ている時にみるアレ」だそうで、それが派生して、「将来の理想」という意味が生まれたものであるようで、実際ベストアンサー以外の方の回答にもあった通り、「どちらも非現実的な想像の産物」であると考えればそこまで異なる概念でもないっちゃないので、関連がないと思っていたこの2つの意味があるのも意外とおかしすぎるものではないのかな、なんて気もしてきました。
まぁ語義・語源はともかく、夢を見る理由についてのhealth essentials記事の方を、今回も丸っと翻訳引用させていただこうかなと思います。
人はなぜ夢を見るのか?(Why Do We Dream?)
専門家たちが、今なおこの謎を解き明かそうとしています
ハリウッドの最新映画をストリーミングで見る必要などあるのでしょうか?夜眠るとき、脳が奇妙なシナリオと見慣れたシナリオの両方をつなぎ合わせて、これまでで最も奇妙な真夜中の映画を作り出してくれるではありませんか。言い換えると、夢ですね。
しかし、なぜ人間は夢を見るのでしょうか―そして、夢が持つ意味とは一体?専門家でもあまり具体的な答えを持ち合わせていませんが、行動睡眠医学の専門家であるミシェル・ドレラップPsyD/DBSM(心理学博士/行動睡眠医学専門家)が、夢を見るときに何が起こっているのかについて実際に分かっていることを説明してくださいます。
何が夢を産み出すの?
人はなぜ夢を見るのでしょうか?それは長年にわたる疑問です。
なぜ人は夢を見るのか、そして夢はどこから来るのか、専門家でも全く分からないことが多いのです。
しかし、有力な説としては、夢を見ることで記憶(スキルや習慣など)を統合および分析する助けとなり、日中に直面する様々な状況や課題に対する「リハーサル」の役割を果たしている可能性が高いというものが挙げられます。
また、夢を見ている間、生理的に何が起こっているのかも―全てではありませんが―かなりのことが分かっています。ほとんどの夢は、夜の間周期的に繰り返されるレム(急速眼球運動)睡眠中に見られます。複数の睡眠研究によると、レム睡眠中の脳波は、起きているときとほとんど変わらないほど活発だということです。
専門家は、脳幹がレム睡眠を生み出し、前脳が夢を産み出すと考えています。実際、脳幹が損傷した場合、患者さんは夢を見ますがレム睡眠には入りません。また、前脳が損傷した場合、患者さんはレム睡眠に入りますが夢を見ないのです。
同時に、夢を見るときに心理的に何が起こっているのかについては、まだまだ解明がされていません。例えば、ある研究では、夢は知覚(前脳に蓄積された鮮明な感覚体験)よりも、想像(脳の深部から汲み上げられる記憶、抽象的な思考や願望)により強く由来していることが示唆されています。
そして専門家は、夢を見ることが精神疾患に伴うこともあり得ることを見出しました。心的外傷後ストレス症候群(PTSD)の方は悪夢を見やすいことが実際に分かっています。悪夢はトラウマ体験と近い所で繰り返されますから、PTSDを抱えながら生きている方にとって、悪夢というのは緊張が症状となって現れてきたものなのです。
もちろん、PTSDを持たない方も悪夢を見るので、こういったしばしば動揺を引き起こす夢の原因については、さらなる研究が必要なのは言うまでもありません。
なぜ夢はこんなにも奇妙なのか?
これは神経伝達物質、つまり脳内化学物質と関係があるかもしれません。レム睡眠中、より顕著になる物質もあれば、抑制される物質もあるのです。
アセチルコリン(脳の活性化を維持する物質)はより顕著になり、ドーパミン(幻覚と関連付ける研究者もいます)も同様です。ドーパミンは夢に、超現実的な性質を与えるのに役立っているのかもしれません。
一方、レム睡眠により、通常、覚醒を維持する役割をもった神経伝達物質が抑制されます: ヒスタミン、セロトニン、ノルエピネフリンがそれにあたります。そのため、周囲の環境にあまり意識が向かなくなるわけですね。
研究者の中には、夢を見るときは視床(感覚入力の入り口)が閉じるのではないかと考えている方もいらっしゃいます。
夢はどのくらい続くの?
人の夢を研究する良い方法が見つかっていないため、これには簡単に答えられません。夢の記憶は目覚めた後すぐに薄れてしまいますし、脳スキャンと夢の報告を関連付けるのは難しいものです。
夢を見ると、空間と時間の関係も変化します。時間が永遠に続くように思えることもあれば―あっという間に過ぎ去ってしまうこともあるかもしれませんね。
夢は毎晩見るものなの?
ほとんどの人は、実際に毎晩夢を見ています。しかし、夢を見ている最中や直後に目が覚めた場合でない限り、単に夢を覚えていないだけなのです。
これはもどかしいと感じられるものかもしれませんが、ドレラップ博士によれば、目が覚めたらすぐに夢の内容を書き留めるのが効果的だということです。
しかし、夢が何を意味するのかを解明することは、また別の謎となっています。1950年代にジークムント・フロイト医学博士が夢判断を紹介しましたが、フロイト博士の主張を実証することは未だにできていません。実際、ドレラップ博士は、夢判断は完全に主観的なものだと指摘しています。
ですから、居眠りをしているときに見た夢の意味を教えてくれるという本は投げ捨てて、代わりに起きているときの生活に目を向けるようにしましょう。
うーん、「具体的には何も分かっていないことが分かった」とすら思える大変あっさりした記事ではありましたが、しかし、「前脳が損傷したら夢を全く見なくなる」というのは面白いですね。
昔、「二度寝したらめっちゃ夢が見れるからお得だよなぁ~」と言ってる友人がいましたが、これはレム睡眠に入ることと関係があるんだと思いますけど、実際二度寝してる時は本当に夢をよく見ますし、起きても覚えていることが多い気がします。
僕は、ずっと前にも書いたことがあった気がしますが(まぁブログで書いたことはなかったかもしれませんが)、脳内お花畑が極まっているのか基本的には楽しい夢を見ることが多いんですけど(笑)、もちろん嫌な夢もしばしば見て、色々ある「悪夢」の中で僕が一番よくみるのは、「車のブレーキが利かない」ですかねぇ~。
免許取得後、ペーパードライバーでなかった期間が一度もないほど車とは縁遠いのに不思議ですが(まぁ、たまにしか乗らないからこそなのかもしれませんが)、本当に全力でブレーキを踏んでもトロトロと進み続けるクソカーであることが多く、信号待ちの場面では、
「うおぉ~、もうぶつかる、どんだけ本気で踏めばいいんだぁぁ!」
と、夢のクセして本当に全体重をかけてブレーキを踏み続けて何だか疲労困憊になるのが本当にやめちくりぃ~案件なんですけど(笑)、最終的に、
「自分は全力を尽くした、悪いのは完全に静止しない車だ…」
と思い始めるも、なぜか都合よくぶつかる直前で青になって「ふぃ~何とか無傷で済んだぜ」と思うことが多く、しかしその後調子に乗ってアクセルを踏み、次の交差点に差し掛かる際は、この場合はなぜか都合よくしばしば前方に車がいないことが多いものの、通過する直前に信号が赤に変わってしまい、
「あ、ブレーキ利かないんだった…もう突っ切るしかない、頼む、横から車来ないでくれぇっ~っ!」
と、「ナムサーン」と祈りながら交差点に突入するも、これまた運よく青信号車線を走る車の途切れた隙間を縫うように潜り抜けることに無事成功し、
「あラッキー、実は自分、運転上手いんか…??でもこんな幸運が続くわけない、一体どうすりゃいいんだ…」
と精神的な疲労は積もり続け、大抵の場合、その後「全力で踏んでも止まらない」から徐々に「全く利かない」にシフトしていき、何か高速道路みたいな場面で、ガンガン加速し続けた結果(何でアクセル踏んでるんだよ(笑))、あえなくカーブを曲がり切れず転落…
「やはり無理だった、でも信号も乗り越えたし、交差点もラッキーで突き抜けられたし、俺は頑張ったよ……」
と、なぜか常に海岸沿いの崖の上にある高速道路なんですがそこから転落して、海に突っ込んでいくしかなくなる場面で、夢の記憶が途切れている……
…ってのがこの夢の王道コースなんですが、「人の夢の話」とか世界一つまらない、絶対にしてはいけない方の鉄板ネタなのに、こんな長々と語ってしまってどうもすみませんでした(笑)。
まぁ「夢判断は無意味」ということで、世の中の多くの人が見るこの「ブレーキ利かない」も、特に意味があるわけではないんでしょうけど、やはりせっかくならいい夢を見たいものですね。
その方法はまだ開発されていないようですけど、恐らくいい睡眠環境で質のいい眠りならいい夢の確率は上がる気がしますし、良い睡眠を取るのを心がけたい限りです。